JP2937794B2 - 極低温容器 - Google Patents
極低温容器Info
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- JP2937794B2 JP2937794B2 JP6117995A JP6117995A JP2937794B2 JP 2937794 B2 JP2937794 B2 JP 2937794B2 JP 6117995 A JP6117995 A JP 6117995A JP 6117995 A JP6117995 A JP 6117995A JP 2937794 B2 JP2937794 B2 JP 2937794B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極低温容器に関し、特
に、液体ヘリウムと共に超電導コイルを収納して好適な
極低温容器に関する。
に、液体ヘリウムと共に超電導コイルを収納して好適な
極低温容器に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の極低温容器を示す。図4か
らわかるように、極低温容器は、最も内側の槽としての
内槽1を有する。この内槽1内には液体ヘリウム2が収
納される。この液体ヘリウム2内に超電導コイル3が、
蓋体4から図示せぬ吊下杆(図3の3A,3B参照)に
よって吊下げられた状態に浸漬されている。この内槽1
の外側には真空空間5を介して外槽6が設けられてい
る。上記内槽1と外槽6とにより真空槽7が形成され
る。この真空空間5内には外部からの入熱を防止するた
めの熱(ふく射)シールド板8が配設されている。この
熱シールド板8の上縁部分には、冷却用の液体窒素9を
収納する液体窒素溜10が形成されている。熱シールド
板の冷却用として小型冷凍機が設置される場合もある。
らわかるように、極低温容器は、最も内側の槽としての
内槽1を有する。この内槽1内には液体ヘリウム2が収
納される。この液体ヘリウム2内に超電導コイル3が、
蓋体4から図示せぬ吊下杆(図3の3A,3B参照)に
よって吊下げられた状態に浸漬されている。この内槽1
の外側には真空空間5を介して外槽6が設けられてい
る。上記内槽1と外槽6とにより真空槽7が形成され
る。この真空空間5内には外部からの入熱を防止するた
めの熱(ふく射)シールド板8が配設されている。この
熱シールド板8の上縁部分には、冷却用の液体窒素9を
収納する液体窒素溜10が形成されている。熱シールド
板の冷却用として小型冷凍機が設置される場合もある。
【0003】上記の極低温容器をより効率のよいものと
するため、例えば熱シールド板に種々の改良が施されて
いる。即ち、 (1) 熱シールド板の材質として冷却しやすいように
高熱伝導性のもの、例えば、銅材を使用する。 (2) 超電導コイルに急速に通電すると、磁場が変動
し、熱シールド板に渦電流が発生する。この渦電流を防
止するため、(i) 熱シールド板を渦電流が流れる平面に
おいて分割して構成する、(ii)熱シールド板の材質を、
銅材から、高電気抵抗のステンレス材に変更する、(ii
i) 熱シールド板を薄いものとする。 (3) 高電気抵抗のステンレス材は、熱伝導率が低
く、冷却性能が悪い。これに着目し、ステンレス材製の
熱シールド板に、高熱伝導率で低輻射率の薄膜、例えば
アルミニウムの薄膜を接着する。 (4) 熱シールド板を、所定間隔をおいて熱的に離し
て形成した、ステンレス材による多重構造のものとして
構成する。
するため、例えば熱シールド板に種々の改良が施されて
いる。即ち、 (1) 熱シールド板の材質として冷却しやすいように
高熱伝導性のもの、例えば、銅材を使用する。 (2) 超電導コイルに急速に通電すると、磁場が変動
し、熱シールド板に渦電流が発生する。この渦電流を防
止するため、(i) 熱シールド板を渦電流が流れる平面に
おいて分割して構成する、(ii)熱シールド板の材質を、
銅材から、高電気抵抗のステンレス材に変更する、(ii
i) 熱シールド板を薄いものとする。 (3) 高電気抵抗のステンレス材は、熱伝導率が低
く、冷却性能が悪い。これに着目し、ステンレス材製の
熱シールド板に、高熱伝導率で低輻射率の薄膜、例えば
アルミニウムの薄膜を接着する。 (4) 熱シールド板を、所定間隔をおいて熱的に離し
て形成した、ステンレス材による多重構造のものとして
構成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した(1)〜
(4)の従来のものにはそれぞれ次のような難点があ
る。上記(1)の場合には、(2)の一部にも記載した
ように、材質の電気抵抗が低いので渦電流が発生してし
まう。(2)の場合には、製作費のアップ、熱シールド
板の冷却特性の劣化、電磁力による熱シールド板の変形
という難点が発生する。(3),(4)の場合には、熱
シールド板の製作費がアップする。
(4)の従来のものにはそれぞれ次のような難点があ
る。上記(1)の場合には、(2)の一部にも記載した
ように、材質の電気抵抗が低いので渦電流が発生してし
まう。(2)の場合には、製作費のアップ、熱シールド
板の冷却特性の劣化、電磁力による熱シールド板の変形
という難点が発生する。(3),(4)の場合には、熱
シールド板の製作費がアップする。
【0005】それにもまして、従来の(1)〜(4)の
対策は、比較的小型な超電導コイル、例えば磁場強度
1.5Tを発生させるコイルの通常状態における急速通
電又は急速通電遮断に着目してなされたものである。大
型で高磁場を発生させる超電導コイル、例えば磁場強度
10Tを発生させるコイルが外乱によりクエンチして、
極めて大幅な磁場変動が生じ、それに伴って極めて大き
な渦電流が生じる場合については考慮したものではな
い。
対策は、比較的小型な超電導コイル、例えば磁場強度
1.5Tを発生させるコイルの通常状態における急速通
電又は急速通電遮断に着目してなされたものである。大
型で高磁場を発生させる超電導コイル、例えば磁場強度
10Tを発生させるコイルが外乱によりクエンチして、
極めて大幅な磁場変動が生じ、それに伴って極めて大き
な渦電流が生じる場合については考慮したものではな
い。
【0006】ちなみに、図5を参照して、どの程度の渦
電流が流れるかについて、大型の超電導コイルの例に基
づいて、定量的に説明する。
電流が流れるかについて、大型の超電導コイルの例に基
づいて、定量的に説明する。
【0007】渦電流は、変動磁場の変動速度(周波数)
及び熱シールド板の電気抵抗形状に依存する。 l=V/R, V=dφ/dt, R=ρl/A となる。ここで、 l:渦電流、V:発生電圧、R:シールド板の電気抵
抗、ρ:電気抵抗率、l:渦電流パス、A:シールド板
厚さをそれぞれ表わす。
及び熱シールド板の電気抵抗形状に依存する。 l=V/R, V=dφ/dt, R=ρl/A となる。ここで、 l:渦電流、V:発生電圧、R:シールド板の電気抵
抗、ρ:電気抵抗率、l:渦電流パス、A:シールド板
厚さをそれぞれ表わす。
【0008】今、シールド板近くの磁束3Tが5秒で0
Tに減衰するとする。このときには、 φ=(π/4)〔(0.4)2 ×3T〕=0.3768
Wb、 t=5sec、l=約1m であることから、 V=dφ/dt=0.3768/5=0.0754 V となる。ここで、S(渦電流ループの断面積)=0.0
01m×1/2×(0.4−0.2)=1×10-4m2
=1cm2 銅の電気抵抗率 0.017 μΩcm(20°K
時) 〔なお、参考的にいえば、1.6μΩcm(300°K
時)、0.2μΩcm(77°K時)である。〕 これにより、 R=(l/s)ρ=(100/1×0.017)=1.
7μΩ となる。よって、 l=V/R=0.0754/1.7×10-6=4.44
×104 A となる。
Tに減衰するとする。このときには、 φ=(π/4)〔(0.4)2 ×3T〕=0.3768
Wb、 t=5sec、l=約1m であることから、 V=dφ/dt=0.3768/5=0.0754 V となる。ここで、S(渦電流ループの断面積)=0.0
01m×1/2×(0.4−0.2)=1×10-4m2
=1cm2 銅の電気抵抗率 0.017 μΩcm(20°K
時) 〔なお、参考的にいえば、1.6μΩcm(300°K
時)、0.2μΩcm(77°K時)である。〕 これにより、 R=(l/s)ρ=(100/1×0.017)=1.
7μΩ となる。よって、 l=V/R=0.0754/1.7×10-6=4.44
×104 A となる。
【0009】このように大型のものには大きな渦電流が
流れるが、従来のものは大電流の渦電流に着目したもの
ではない。このため、従来の上記(1)〜(4)のもの
によっては、上記大容量形のものについて外乱により超
電導コイルがクエンチしたときに極めて大きな渦電流が
発生するのを防止したり、且つそれに伴う電磁力による
熱シールド板の座屈等の機械的変形を防ぐことはできな
い。つまり、従来の上記(1)〜(4)のものによって
は、大型の超電導コイルについてのクエンチ等について
対応するのはもともと不可能といわざるを得ない。これ
は、従来は、上記のような大きな磁場強度を発生させる
超電導コイルのクエンチ等に起因する熱シールド板の変
形等についての問題意識がなく、課題として挙げられて
おらず、それについて対策されたものでないことにも原
因がある。
流れるが、従来のものは大電流の渦電流に着目したもの
ではない。このため、従来の上記(1)〜(4)のもの
によっては、上記大容量形のものについて外乱により超
電導コイルがクエンチしたときに極めて大きな渦電流が
発生するのを防止したり、且つそれに伴う電磁力による
熱シールド板の座屈等の機械的変形を防ぐことはできな
い。つまり、従来の上記(1)〜(4)のものによって
は、大型の超電導コイルについてのクエンチ等について
対応するのはもともと不可能といわざるを得ない。これ
は、従来は、上記のような大きな磁場強度を発生させる
超電導コイルのクエンチ等に起因する熱シールド板の変
形等についての問題意識がなく、課題として挙げられて
おらず、それについて対策されたものでないことにも原
因がある。
【0010】本発明は、上記に鑑みて大電流の渦電流を
発生させる大型の超電導コイルについての上記難点を課
題として認識してなされたもので、その目的は、極めて
強力な磁場を発生させている大型の超電導コイルがたと
えクエンチした場合においても、熱シールド板に超電導
コイルの変動磁場が加わらないようにすると共に、それ
によりその熱シールド板に渦電流が発生するのを防止
し、これにより熱シールド板が機械的に変形するのを防
止できるようにした極低温容器を提供することにある。
発生させる大型の超電導コイルについての上記難点を課
題として認識してなされたもので、その目的は、極めて
強力な磁場を発生させている大型の超電導コイルがたと
えクエンチした場合においても、熱シールド板に超電導
コイルの変動磁場が加わらないようにすると共に、それ
によりその熱シールド板に渦電流が発生するのを防止
し、これにより熱シールド板が機械的に変形するのを防
止できるようにした極低温容器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の極低温容
器は、超電導コイルを液体ヘリウムと共に収納する内槽
と、この内槽の外側を被うと共に、この内槽と真空空間
を介して設けられた外槽と、この真空空間内に設けら
れ、前記内槽と前記外槽との間を熱的に遮断する熱シー
ルド板と、前記熱シールド板における、前記超電導コイ
ルからの磁束を受ける部分に、一体的に密着され、前記
磁束の変動時には渦電流を発生させ、前記磁束を打ち消
すように働く磁束を生じさせる金属板と、を備えるもの
として構成される。
器は、超電導コイルを液体ヘリウムと共に収納する内槽
と、この内槽の外側を被うと共に、この内槽と真空空間
を介して設けられた外槽と、この真空空間内に設けら
れ、前記内槽と前記外槽との間を熱的に遮断する熱シー
ルド板と、前記熱シールド板における、前記超電導コイ
ルからの磁束を受ける部分に、一体的に密着され、前記
磁束の変動時には渦電流を発生させ、前記磁束を打ち消
すように働く磁束を生じさせる金属板と、を備えるもの
として構成される。
【0012】本発明の第2の極低温容器は、前記第1の
極低温容器において、前記金属板は前記熱シールド板よ
りも電気抵抗の低い材質のものとして構成される。
極低温容器において、前記金属板は前記熱シールド板よ
りも電気抵抗の低い材質のものとして構成される。
【0013】本発明の第3の極低温容器は、前記第1又
は第2の極低温容器において、前記金属板は前記熱シー
ルド板の外側面に取り付けられているものとして構成さ
れる。
は第2の極低温容器において、前記金属板は前記熱シー
ルド板の外側面に取り付けられているものとして構成さ
れる。
【0014】本発明の第4の極低温容器は、前記第1〜
3の1つの極低温容器において、前記金属板は前記熱シ
ールド板の内側面に取り付けられているものとして構成
される。
3の1つの極低温容器において、前記金属板は前記熱シ
ールド板の内側面に取り付けられているものとして構成
される。
【0015】
【作用】超電導コイルが例えばクエンチ等によって発生
させる磁場の強度が変わると、それは変動磁場として金
属板に作用する。これにより、金属板にはその磁場の変
動を打ち消そうとする渦電流が流れる。変動磁場と変動
打消し磁場とが互いに打ち消し合って、熱シールド板に
は変動磁場は伝わらない。よって、熱シールド板には渦
電流は流れず、電磁力が作用することはない。而して、
前記金属板は、熱シールド板よりも、超電導コイルに近
いため強い変動磁場を受け、且つ液体ヘリウムにより近
く低温状態にあるためより電気的抵抗の低い状態とな
る。よって、その金属板にのみ渦電流が流れ、熱シール
ド板には電流の流れない。さらに、熱シールド板として
電気抵抗の低いものを用いたので、上記渦電流として大
きな電流が流れる。さらに、渦電流に起因して、金属板
には電磁力が作用するが、その力は内槽によって直接的
に受け止められるため、金属板自体の機械的強度に直接
的に注意を払う必要はない。また、熱シールド板には渦
電流が流れず、電磁力が作用しないため、熱シールド板
として熱容量の小さな機械的強度の低い薄い板のものを
用いることもできる。
させる磁場の強度が変わると、それは変動磁場として金
属板に作用する。これにより、金属板にはその磁場の変
動を打ち消そうとする渦電流が流れる。変動磁場と変動
打消し磁場とが互いに打ち消し合って、熱シールド板に
は変動磁場は伝わらない。よって、熱シールド板には渦
電流は流れず、電磁力が作用することはない。而して、
前記金属板は、熱シールド板よりも、超電導コイルに近
いため強い変動磁場を受け、且つ液体ヘリウムにより近
く低温状態にあるためより電気的抵抗の低い状態とな
る。よって、その金属板にのみ渦電流が流れ、熱シール
ド板には電流の流れない。さらに、熱シールド板として
電気抵抗の低いものを用いたので、上記渦電流として大
きな電流が流れる。さらに、渦電流に起因して、金属板
には電磁力が作用するが、その力は内槽によって直接的
に受け止められるため、金属板自体の機械的強度に直接
的に注意を払う必要はない。また、熱シールド板には渦
電流が流れず、電磁力が作用しないため、熱シールド板
として熱容量の小さな機械的強度の低い薄い板のものを
用いることもできる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照しつつ説明す
る。
る。
【0017】図1は、本発明の一実施例を示す。図1の
構成が図4のものと異なる点は、内槽1の外周のうち、
超電導コイル3からの磁束が通過する部分としての側面
及び底面に、それを外側から密着状態で囲繞するように
低電気抵抗の金属板20を各種の方法で配設したことに
ある。この金属板20は、変動磁場源としての超電導コ
イル3からの変動磁場に近い位置にあって、熱シールド
板8よりも低温である、という条件を満すことにある。
これにより、後述するように、クエンチ時にあっても変
動磁場は熱シールド板8には加わらず、渦電流は、熱シ
ールド板8には流れず、金属板20のみに流れることに
なる。この金属板20としては、低電気抵抗の金属であ
ればいずれでもよく、例えば銅や銅合金、アルミ、アル
ミ合金等によって構成できる。この金属板20は内槽1
の内側に設けることもできる。金属板20を内槽1の内
側、外側のいずれに設ける場合であっても、内槽1を金
属板20で被うに当っては、内槽1に金属板20を貼り
付けたり、CVDのようにデポジットしたり、あるいは
メッキ技術を用いたり、ろう付けしたり、ビス止めした
り、その他の各種の方法を採用することができる。ま
た、この金属板20は、先にも少し述べたように、少な
くとも、超電導コイル3からの磁束が内槽1を通って熱
シールド板8に達する際における、その内槽1の磁束通
過部分を、被うように配設されている必要がある。
構成が図4のものと異なる点は、内槽1の外周のうち、
超電導コイル3からの磁束が通過する部分としての側面
及び底面に、それを外側から密着状態で囲繞するように
低電気抵抗の金属板20を各種の方法で配設したことに
ある。この金属板20は、変動磁場源としての超電導コ
イル3からの変動磁場に近い位置にあって、熱シールド
板8よりも低温である、という条件を満すことにある。
これにより、後述するように、クエンチ時にあっても変
動磁場は熱シールド板8には加わらず、渦電流は、熱シ
ールド板8には流れず、金属板20のみに流れることに
なる。この金属板20としては、低電気抵抗の金属であ
ればいずれでもよく、例えば銅や銅合金、アルミ、アル
ミ合金等によって構成できる。この金属板20は内槽1
の内側に設けることもできる。金属板20を内槽1の内
側、外側のいずれに設ける場合であっても、内槽1を金
属板20で被うに当っては、内槽1に金属板20を貼り
付けたり、CVDのようにデポジットしたり、あるいは
メッキ技術を用いたり、ろう付けしたり、ビス止めした
り、その他の各種の方法を採用することができる。ま
た、この金属板20は、先にも少し述べたように、少な
くとも、超電導コイル3からの磁束が内槽1を通って熱
シールド板8に達する際における、その内槽1の磁束通
過部分を、被うように配設されている必要がある。
【0018】図1に示した極低温容器における各構成部
材の主なものにおける材質及び寸法並びに使用時におけ
る温度等は例えば次の通りである。内槽1は剛性を高め
るためステンレスで作られており、約4〜5mmの厚さ
である。金属板20は約1mmの厚さで、使用時には約
4.2°Kとなる。熱シールド板8は厚さが約2mm
で、20°Kになるものと、80°Kになるものの2種
類がある。20°Kシールド板、80°Kシールド板を
併用する場合もある。外槽6の厚さは約4〜5mmで、
約300°Kになる。
材の主なものにおける材質及び寸法並びに使用時におけ
る温度等は例えば次の通りである。内槽1は剛性を高め
るためステンレスで作られており、約4〜5mmの厚さ
である。金属板20は約1mmの厚さで、使用時には約
4.2°Kとなる。熱シールド板8は厚さが約2mm
で、20°Kになるものと、80°Kになるものの2種
類がある。20°Kシールド板、80°Kシールド板を
併用する場合もある。外槽6の厚さは約4〜5mmで、
約300°Kになる。
【0019】このように構成された極低温容器におい
て、例えば超電導コイル3がクエンチすると、模式図で
ある図2からわかるように、変動磁場MF1が金属板2
0に加わる。これに伴って、金属板20には渦電流EC
が流れ、変動打消し磁場MF2が発生する。変動磁場M
F1と変動打消し磁場MF2とが相殺し合って、変動磁
場MF1は熱シールド板8に加わることはなく、熱シー
ルド板8に渦電流は生じない。つまり、前にも述べたよ
うに、金属板20は、熱シールド板8よりも超電導コイ
ル3に近く且つ温度も低く、これにより渦電流は熱シー
ルド板8には流れることなく、金属板20にのみ流れ
る。
て、例えば超電導コイル3がクエンチすると、模式図で
ある図2からわかるように、変動磁場MF1が金属板2
0に加わる。これに伴って、金属板20には渦電流EC
が流れ、変動打消し磁場MF2が発生する。変動磁場M
F1と変動打消し磁場MF2とが相殺し合って、変動磁
場MF1は熱シールド板8に加わることはなく、熱シー
ルド板8に渦電流は生じない。つまり、前にも述べたよ
うに、金属板20は、熱シールド板8よりも超電導コイ
ル3に近く且つ温度も低く、これにより渦電流は熱シー
ルド板8には流れることなく、金属板20にのみ流れ
る。
【0020】このように、本発明の実施例によれば、超
電導コイル3がたとえクエンチしても熱シールド板8に
は渦電流は流れない。このため、熱シールド板8自体に
対して、渦電流が流れないようにしたり、渦電流を少な
くするといった対策は不要となる。また、金属板20に
は渦電流が流れて、これに電磁力が働く。しかしなが
ら、金属板20を、内槽1に密着させていることから、
金属板20に上記電磁力が作用しても、その力は内槽1
によって受け止められることになり、金属板20自体の
剛性について考慮する必要はない。また、熱シールド板
8には渦電流が流れないため、熱シールド板8として薄
板タイプの熱シールド板を採用できる。これにより、熱
シールド板を、熱容量が少なく、冷却特性に優れたもの
とすることができる。
電導コイル3がたとえクエンチしても熱シールド板8に
は渦電流は流れない。このため、熱シールド板8自体に
対して、渦電流が流れないようにしたり、渦電流を少な
くするといった対策は不要となる。また、金属板20に
は渦電流が流れて、これに電磁力が働く。しかしなが
ら、金属板20を、内槽1に密着させていることから、
金属板20に上記電磁力が作用しても、その力は内槽1
によって受け止められることになり、金属板20自体の
剛性について考慮する必要はない。また、熱シールド板
8には渦電流が流れないため、熱シールド板8として薄
板タイプの熱シールド板を採用できる。これにより、熱
シールド板を、熱容量が少なく、冷却特性に優れたもの
とすることができる。
【0021】図3は、本発明を適用したクライオスタッ
トの一例における一部を破断した斜視図を示す。図3に
おいて、図1と同一の符号を付した部材は、図1のそれ
と同一のものを示す。ただし、図3においては、図1の
熱シールド板8は、内側の20°Kシールド板8Aと外
側の80°Kシールド板8Bの2重構造とした例を示し
ている。また、図中3A,3Bは、超電導コイル3を吊
り下げる吊下杆を示す。このクライオスタットにおいて
は、外槽6に対して図中斜め左右方向に貫通孔30が穿
けられた形になっており、この貫通孔30によって囲ま
れた試験用の空間31に強磁場が得られるようになって
いる。
トの一例における一部を破断した斜視図を示す。図3に
おいて、図1と同一の符号を付した部材は、図1のそれ
と同一のものを示す。ただし、図3においては、図1の
熱シールド板8は、内側の20°Kシールド板8Aと外
側の80°Kシールド板8Bの2重構造とした例を示し
ている。また、図中3A,3Bは、超電導コイル3を吊
り下げる吊下杆を示す。このクライオスタットにおいて
は、外槽6に対して図中斜め左右方向に貫通孔30が穿
けられた形になっており、この貫通孔30によって囲ま
れた試験用の空間31に強磁場が得られるようになって
いる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、内槽に金属板を貼り付
けるようにしたので、超電導コイルによる磁場の変動が
熱シールド板に伝わらないようにでき、熱シールド板に
電磁力が作用するのを防止でき、熱シールド板として強
度的に弱い、熱容量の小さな、薄板タイプのものを用い
ることができ、さらに金属板を内槽に密着させるように
したので、金属板に作用するそこに流れる渦電流に起因
する電磁力を内槽との協働により有効的に受け止めるこ
とができ、金属板自体を強度の高い、熱容量の大きなも
のとする必要もない。
けるようにしたので、超電導コイルによる磁場の変動が
熱シールド板に伝わらないようにでき、熱シールド板に
電磁力が作用するのを防止でき、熱シールド板として強
度的に弱い、熱容量の小さな、薄板タイプのものを用い
ることができ、さらに金属板を内槽に密着させるように
したので、金属板に作用するそこに流れる渦電流に起因
する電磁力を内槽との協働により有効的に受け止めるこ
とができ、金属板自体を強度の高い、熱容量の大きなも
のとする必要もない。
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】その動作を示す斜視説明図。
【図3】本発明を適用したクライオスタットの部分破断
斜視図。
斜視図。
【図4】従来例の断面図。
【図5】渦電流を説明する断面図及びその平面図。
1 内槽 2 液体ヘリウム 3 超電導コイル 4 蓋体 5 真空空間 6 外槽 7 真空槽 8 熱シールド板 9 液体窒素
Claims (3)
- 【請求項1】超電導コイルを液体ヘリウムと共に収納す
る内槽と、 この内槽の外側を被うと共に、この内槽と真空空間を介
して設けられた外槽と、 この真空空間内に設けられ、前記内槽と前記外槽との間
を熱的に遮断する熱シールド板と、 前記熱シールド板における、前記超電導コイルからの磁
束を受ける部分に、一体的に密着され、前記磁束の変動
時には渦電流を発生させ、前記磁束を打ち消すように働
く磁束を生じさせる金属板と、を備えることを特徴とす
る極低温容器。 - 【請求項2】前記金属板は前記熱シールド板よりも電気
抵抗の低い材質のもので構成されている、請求項1の極
低温容器。 - 【請求項3】前記金属板は前記熱シールド板の内側面に
取り付けられている、請求項1又は2の極低温容器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6117995A JP2937794B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 極低温容器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6117995A JP2937794B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 極低温容器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08264313A JPH08264313A (ja) | 1996-10-11 |
| JP2937794B2 true JP2937794B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=13163684
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6117995A Expired - Fee Related JP2937794B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 極低温容器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2937794B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010097207A (ko) * | 2000-04-20 | 2001-11-08 | 권영한 | 고온 초전도 마그네트 시스템 |
| JP6262417B2 (ja) * | 2012-07-31 | 2018-01-17 | 川崎重工業株式会社 | 磁場発生装置及びこれを備える超電導回転機 |
-
1995
- 1995-03-20 JP JP6117995A patent/JP2937794B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08264313A (ja) | 1996-10-11 |
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