JP2968010B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高解像度で高精細な記録画像を与えるインク
ジェット記録方法に関する。
〔従来の技術〕
インクジェット記録方法は従来より高速で静粛な記録
方法として知られているが、近年では写真に近い高解像
度・高精細な記録画像を得ることが要求されるようにな
ってきた。
このような要求を満たすためには、記録密度を高め、
かつインク滴が被記録材に着弾する際の位置精度を高
め、さらにドットの形状が真円に近く、かつエッジがシ
ャープであることが必要不可欠である。高記録密度でイ
ンク滴の着弾位置精度が良いプリンターとしては、例え
ば荷電制御等の方法を用いるコンティニュアス型のイン
クジェットプリンターが開発・市販されている。しか
し、これらのプリンターは装置が大型となり高価である
という欠点を持っている。また、ドット形状を真円に近
くするには、平滑度の高い被記録材(いわゆるコート
紙)を用いたり、さらに特開昭61−290085号公報に記載
されているように、平滑度の高い被記録材を用いるとと
もに、インク物性をも制御して記録する等の方法があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これらの方法だけではドットのエッジ部分を
シャープにしたり、インク滴の着弾点位置精度を上げる
ことはできず、充分な高精細画像を得ることは困難であ
った。
そこで本発明の目的は、比較的安価で小型であるマル
チノズルを有するオンデマンド型のインクジェットプリ
ンターにおいて、高密度、高着弾点位置精度で、かつド
ット形状が真円に近く、エッジのシャープな記録を行う
方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この目的は以下の本発明によって達成される。すなわ
ち本発明によるインクジェット記録方法は、マルチノズ
ルを有するオンデマンド型のインクジェットプリンター
を用いて行う記録方法において、前記インクジェットプ
リンターが10ドット/mm以上の記録密度であり、下記式
で示される吐出インク滴のウェーバー数(We)とレイノ
ルズ数(Re)の積が500以上25,000以下であり、インク
滴の真球換算径(d)が20μm未満であることを特徴と
する。
ρ:インクの密度(g/cm3) d:インク滴の真球換算径(μm) ν:インク滴の飛翔速度(m/sec) γ:インクの表面張力(gyne/cm) η:インクの粘度(cp)。
〔作 用〕
本発明をさらに詳細に説明すると、本発明はインクの
物性値(密度・表面張力・粘度)と吐出条件(インク滴
径・吐出速度)の両者を精密に制御することによってウ
ェーバー数とレイノズル数の積(以下We*Reと記載す
る)を500以上25000以下で、記録密度が10ドット/mm以
上であることに特徴がある。
本発明者の検討によれば、We*Reが30,000を越える
と、インク滴が被記録材の表面に着弾する際の衝撃が大
きいために、インクが飛び散ったり、ドット形状がゆが
んだり、またインク滴が拡がりすぎるために、ドットの
エッジ含分の濃度が薄くなり、エッジがぼやけてしまっ
たりするのが見られた。このようなことが起きると画像
として見た時、下地が汚れてコントラストが悪く見えた
り、「キレ」が悪く、ぼやけたような印象となってしま
う。特に高密度(例えば10ドット/mm以上)のマルチノ
ズルのインクジェットヘッドを用いて印字を行った場
合、We*Reが30,000を越えると隣り同士のドットの重な
りが大きくなりすぎ、ドット形状が悪くなったり、カラ
ー印字の場合異る色同士が混りあって濁色し、画像が不
鮮明になる。
一方、We*Reが100未満となると、インク滴の被記録
材表面へ着弾する際の衝撃が小さすぎるため、ドットが
充分拡がらず、その結果ドット径が小さくなり、画像濃
度が低いという欠点が見られた。また、特にバブルジェ
ットで印字する時にWe*Reが100未満であると、吐出が
不安定になりインク滴の着弾位置精度が悪くなることが
見られた。
これに対してWe*Reが500以上かつ25000以下であれば
ドット形状が真円に近く、エッジ部がシャープで、かつ
充分なドット径を持ち、着弾位置精度の良い印字が行え
る。またインク滴の大きさとしては20μm未満である
と、ドットの真円度と着弾位置精度が多少悪くてもこれ
らが目立ちにくくなるため、鮮明な画像が得られる。
本発明に使用するインクについて述べると、まず溶媒
として、水とグリコール類、グリコールエーテル類等の
水溶性有機溶剤を使用した水性インクでも、芳香族系,
アルコール系,脂肪族系,エステル系,エーテル系等の
非水溶性有機溶剤を使用した非水性インクのどちらでも
よいが、安全性,臭気,裏抜け等を考慮すると、水性イ
ンクの方が好ましい。
また色素については、染料,顔料のいずれでも使用可
能であり、使用目的に応じて、種類および量を適切に決
定すればよい。
色素濃度については、目詰り性、記録画像の光学的濃
度(OD)等を考慮すると、インク全体に対して0.5〜10.
0重量%の範囲が適しており、更に好ましい範囲は1.0〜
5.0重量%、より好適には1.0〜3.0重量%の範囲であ
る。
被記録材については表面にインク受容層を設けたいわ
ゆるコート紙、上質紙・レター用紙・コピー用紙等いわ
ゆる普通紙、トランスペアレンシーフィルム等、一般に
インクジェット記録に用いられるものならいかなるもの
でも良いが、好ましくはベック平滑度(JIS P8119)500
秒以上の被記録材を用いればより高精細な画像を得るこ
とができる。
〔実施例〕
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。なお、インクの組成は全て重量%で示し
てある。
実施例1. プリンター 密度15.7ドット/mm,64ノズルのバブルジェット駆動電
圧24.0V インク 下記組成物を混合溶解後フィルタでろ過してインク1
とした。
プロピレンオキサイド付加グリセリン 5% グリセリン 15% エチルアルコール 5% 水 73% C.I.ダイレクトブラック154 2% 被記録材1 基材としてアート紙〔OKアートポスト(商標名)、王
子製紙製〕を用い、その上に下記組成物を乾燥膜厚が3
μmとなるようにバーコーター法により塗布し、80℃10
分の条件で乾燥して被記録材1とした。
ポリビニルアルコール(PVA−S33、クラレ製) 5部 ポリビニルピロリドン(PVP K−90、クラレ製) 5部 水 90部 被記録材2,3,4 以下の市販の紙を被記録材2〜4として用いた。
2.キャノンペーパーNP−DRY(キャノン(株),PPC用
紙) 3.ゼロックス4024(ゼロックス社,PPC用紙) 4.ハンマーミルボンド(ハンマーミル社,ボンド紙) 上記のプリンター,インクおよび被記録材を用い印字
を行った。この時の諸物性は、液滴径(d)18.6μm,液
滴飛翔速度(ν)10.6m/s,インク密度(ρ)1.021g/c
m3,インク粘度(η)2.0cp,インク表面張力(γ)51.3d
yne/cmであり、ウェーバー数・レイノルズ数はそれぞれ であり、両者の積(We*Re)は4186.であった。
このようにして得られた記録画像の見ばえの評価を、
光学濃度、品位、フェザリングの有無、斜線部曲線部の
再現性等について総合的に5段階評価を行った。第1表
にその結果を示す。いずれも良好な画像であった。
実施例2 溶剤組成は実施例1のインク1と同様で、染料として
下記に示す染料を含有する4種の水性インクを、実施例
1と同一のヘッド(4ヘッド)に充填し、被記録材を用
いてフルカラー印字を行った。
この時の諸物性値を第2表に示す。
実施例2の画像評価結果を第3表に示す。結果はいず
れも良好であった。
実施例3、比較例1、2、3 下表のインク5〜8と14.2ドット/mm48ノズルのバブ
ルジェットプリンター(駆動電圧24.2V)を使用し、実
施例1と同様の被記録材を用いて印字を行った。
インク5 ジエチレングリコール 15.0% ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
共重合体(平均分子量1000) 5.0% エチレングリコール 3.0% C.I.ダイレクトブラック62 3.0% 水 74.0% インク6 ジエチレングリコール 18.0% ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
共重合体(平均分子量1000) 5.0% エチレングリコール 3.0% C.I.ダイレクトブラック9 2.5% 水 71.5% インク7 エチレングリコール 12.0% ジエチレングリコール 33.0% フェノールのエチレンオキサイド付加物(エ
チレンオキサイドは平均3モル付加) 1.5% ポリエチレングリコール400 8.5% C.I.ダイレクトブラック154 2.0% 水 43.0% インク8 トリエチレングリコール 25.0% エチレングリコールのプロピレンオキサイド
付加物(プロピレンオキサイドは平均1.3モル付加) 5.0% グリセリン 5.0% C.I.ダイレクトブラック32 2.0% 水 63.0% インク5〜8の物性値を第4表に示す。
画像評価の結果を第5表に示す。この表に見られるよ
うに、実施例3では良好、比較例1,2,3では実施例3よ
りはやや劣るものの比較的満足できる画像が得られた。
比較例4. 実施例3においてプリンターの駆動電圧を27.2Vとし
印字を行った。
比較例5. 実施例2においてプリンターの駆動電圧を22.0Vとし
印字を行った。
比較例6. 下記インク9と7.1ドット/mm24ノズルのバブルジェッ
トプリンターを使用し、実施例1と同様の被記録材に印
字を行った。
インク9 ジエチレングリコール 15.0% エチレンアルコール 5.0% C.I.フードブラック2 2.0% 水 78.0% 比較例4,5,6におけるインクの物性値を第6表に示
す。
画像評価結果は第7表に示すとおりであり、いずれも
鮮明性に欠けるものであった。
上述の実施例および比較例から明らかなように、20μ
m未満という小さいインク滴径で、10ドット/mm以上の
高密度で記録を行っても、We*Reが500以上25000以下で
あれば鮮明で解像度の高い画像が得られる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、マルチノズル
を有するオンデマンドのインクジェットプリンタを用い
て、鮮明で解像度の高い良好な画像を得ることができ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マルチノズルを有するオンデマンド型のイ
    ンクジェットプリンターを用いて行う記録方法におい
    て、前記インクジェットプリンターが10ドット/mm以上
    の記録密度であり、下記式で示される吐出インク滴のウ
    ェーバー数(We)とレイノルズ数(Re)の積が500以上2
    5,000以下であり、インク滴の真球換算径(d)が20μ
    m未満であることを特徴とするインクジェット記録方
    法、 ρ:インクの密度(g/cm3) d:インク滴の真球換算径(μm) ν:インク滴の飛翔速度(m/sec) γ:インクの表面張力(gyne/cm) η:インクの粘度(cp)。
  2. 【請求項2】前記インクジェットプリンターがバブルジ
    ェット方式であることを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェット記録方法。
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