JP2988865B2 - 医療用吸引装置 - Google Patents

医療用吸引装置

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JP2988865B2
JP2988865B2 JP8010328A JP1032896A JP2988865B2 JP 2988865 B2 JP2988865 B2 JP 2988865B2 JP 8010328 A JP8010328 A JP 8010328A JP 1032896 A JP1032896 A JP 1032896A JP 2988865 B2 JP2988865 B2 JP 2988865B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療器具、特に、
臓器の嚢腫内の容液を吸引するための医療用吸引装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】卵巣、胆嚢等の各種臓器の内視鏡下外科
手術においては、従来より穿刺針が用いられ、この穿刺
針を臓器に穿刺し、穿刺針を通して嚢腫内容液の吸引を
行っている。しかし、この穿刺針は穿刺が行い難い。ま
た、通常、鉗子類で嚢腫を把持しながら穿刺を行ってい
るが、肥大した嚢腫の場合には嚢腫が破裂し、内容液が
漏れる可能性がある。
【0003】そこで、穿刺が行い易く、内容液が漏れる
のを防止した構成として、外筒を構成する吸引管と、こ
の吸引管の内部に挿入された吸引針とから2重構造の金
属製の吸引装置が市販されている。図10は2重構造に
よる従来の医療用吸引装置の構成を示す正面図である。
医療用吸引装置200は、図11に示す構成の外筒20
1(吸引管)及び該外筒201に挿入される図12に示
す構成の内針202から構成されている。外筒201は
金属製で、図11に示すようにパイプ状を成し、その両
端は開口している。この外筒201の一端には円筒状の
短い吸引アダプタ203が外嵌されている。この吸引ア
ダプタ203には、外筒201内に連通する円筒状で小
径の接続口204が取り付けられている。
【0004】図12に示すように、内針202は細長
く、内部が中空のパイプ205(吸引針)を主体に構成
されている。パイプ205の先端に形成される刃先20
6は、臓器に穿刺し易いように斜めに切断されている。
パイプ205の後端には内針基207が取り付けられて
いる。この内針基207は後端に向かって内径が大きく
なるように緩やかなテーパを有している。内針基207
には、途中にコック208の設けられた接続口209が
接続されている。コック208は、90度の範囲で回動
(手動で行う)することができ、一方に回した時にパイ
プ205内と接続口209が連通し、他方に回した時に
パイプ205内と接続口209の連通が断たれる。
【0005】外筒201に内針202を挿入した時、外
筒201と内針202の間に隙間が生じ、吸引した嚢腫
の内容液が漏れ出ることになる。そこで、図10及び図
11に示すように、外筒201と内針基207との接続
部にパッキン210が設けられている。外筒201に内
針202を挿入し、内針基207がパッキン210を押
圧するように位置決めして固定すれば、外筒201の先
端部201aから刃先206が露出する。そして、この
状態では、外筒201と内針202の間に円筒状の空隙
が形成される。この空隙の後端は、パッキン210で封
止されるが、接続口204に連通している。
【0006】以上の様な構成の吸引装置を用いるに際し
ては、接続口204に手術用のドレーンチューブを接続
し、接続口209には洗浄/吸引用のチューブを接続す
る。外筒201を手に持って刃先206を患部(嚢腫
部)に挿入し、先端部201aを臓器等の外壁面に密着
させる。この状態でコック208を開け、吸引手段(不
図示)を稼働させ、内針202を通して嚢腫の内容液を
吸引し、接続口209から嚢腫内容液を排出する。同時
に、穿刺孔から漏れ出た嚢腫内容液は先端部201aか
ら外筒201内の筒状空間に吸引され、接続口204を
通して嚢腫内容液が排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の医療用
吸引装置によると、外筒が金属製であるため、その先端
部の全周を臓器に密着させるのが難しく、嚢腫の内容液
の吸引に伴う臓器の収縮に密着状態が追従できず、吸引
中に臓器との接触不良を起こし、内容液の散乱を生じ易
い。特に、吸引対象の嚢腫が悪性の恐れがある場合、内
容液の散乱を招く危険性が高いため、使用することがで
きなかった。
【0008】また、嚢腫内の洗浄や吸引・洗浄の繰り返
し、及びアルコール固定ができない不便さもあった。更
に、チョコレート嚢胞の場合、粘性が高いために内針を
太くすることが望まれるが、内針を太くすると穿刺抵抗
が大きなり、穿刺がし難くなる。このため、内針を太く
することができず、細い内針を用い、長い時間をかけて
吸引せざるを得なかった。
【0009】また、内針(吸引針)で嚢腫の内容液の吸
引を行うため、吸引時に内針の刃先で臓器内部を傷付け
る可能性がある。このため、内容液の完全な吸引はでき
なかった。そこで本発明は、臓器との密着性が高めら
れ、臓器内を傷付けることなく、嚢腫の内容液を効率的
にの吸引することのできる医療用吸引装置を提供するこ
とを目的としている。
【0010】また、本発明の他の目的は、吸引と洗浄を
交互に繰り返す使用が可能な医療用吸引装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、円筒状の外筒体と、この外筒体の側
壁に設けられる吸引専用の接続口と、柔軟性を有する材
料を用いて円筒状に作られ、前記外筒の吸引側の先端に
装着される吸着部材と、径方向に所定の隙間が生じるよ
うにして前記外筒に遊嵌されて臓器の内容液の吸引を行
うカテーテルと、前記カテーテルに着脱自在に挿入さ
れ、鋭利に加工された先端部で前記臓器の穿刺を行う針
管と、前記カテーテルの後端を支持する基体と、前記カ
テーテルの後端部を任意の位置で前記外筒体に移動及び
着脱自在に保持する固定手段と、前記基体の後端部に設
けられる少なくとも1つの洗浄または吸引用の接続口と
を備えた構成にしている。
【0012】この構成によれば、外筒体の先端に装着し
た吸着部材が柔軟性を持つために臓器の嚢腫壁に容易か
つ確実に密着する。また、吸引装置の吸入部が外筒体と
カテーテルの二重構造になり、これによって両者の間に
形成される隙間は吸着部材を嚢腫壁に吸着させた際の初
期の吸引用通路を形成する。そして、穿刺孔を形成した
後の針管はカテーテルから抜き取ることができ、これに
よりカテーテルのみにより吸引管が形成され、かつ、洗
浄等のための接続口がカテーテルに残されるので、嚢腫
壁の内壁を傷付けることなく嚢腫内容液の吸引を行い、
或いは洗浄を行うことができる。
【0013】この結果、上記構成の吸引装置によれば、
嚢腫内容液を吸引する際、吸着部材を嚢腫壁に確実に密
着できるため、吸着部材分からの嚢腫内容液の漏れを確
実に防止できる。また、洗浄と吸引の繰り返し操作及び
アルコール固定も可能になる。更に、針管を用いずに嚢
腫内容液を吸引(或いは洗浄)を及び行うため、粘性の
高いチョコレート嚢胞等の内容液であっても、効率良く
吸引することが可能になった。
【0014】上記構成の固定手段は、封止部材を内蔵し
たネジ結合の締め付けアダプタにすることができる。こ
の構成によれば、外筒体を含む外筒ユニットとカテーテ
ルを含む内筒ユニットとの相対位置を任意に設定できる
ほか、確実な固定及び短時間での分離操作が可能にな
る。
【0015】上記の目的は、円筒状の外筒体と、この外
筒体の側壁に設けられる吸引専用の接続口と、柔軟性を
有する材料を用いて円筒状に作られ、前記外筒の吸引側
の先端に装着される吸着部材と、径方向に所定の隙間が
生じるようにして前記外筒に遊嵌される中空のカテーテ
ルと、このカテーテルに着脱自在に挿入され、鋭利に加
工された先端部で前記臓器の穿刺を行う針管と、前記カ
テーテルの先端部に形成又は設けられ、前記カテーテル
の先端が前記臓器内へ進入後に前記壁体を内側から前記
吸着部材へ押圧する密着補助部材と、前記カテーテルの
中空部に連通する中空部を有し、前記カテーテルの後端
を支持する基体と、前記カテーテルの後端部を任意の位
置で前記外筒体に移動及び着脱自在に保持する固定手段
と、前記基体の後端部に設けられ、前記基体内の中空部
に連通する少なくとも1つの洗浄又は吸引用の接続口と
を備えた構成によっても達成される。
【0016】この構成によれば、外筒体の先端に装着し
た吸着部材が柔軟性を持つために臓器の嚢腫壁に容易か
つ確実に密着する。また、吸引装置の吸入部が外筒体と
カテーテルの二重構造になり、これによって両者の間に
形成される隙間は吸引用通路を形成し、吸着部材を嚢腫
壁に吸着させた際に穿刺孔から漏れ出た嚢腫内容液の吸
引が可能になる。更に、カテーテルの先端部に設けた密
着補助部材は、嚢腫壁を内側から吸着部材へ押圧するよ
うに作用する。この結果、上記構成の吸引装置によれ
ば、嚢腫内容液を吸引する際、吸着部材を嚢腫壁に確実
に密着できるため、吸着部材周辺からの嚢腫内容液の漏
れを確実に防止でき、また、洗浄と吸引の繰り返し操作
及びアルコール固定も可能になる。
【0017】上記の構成においては、前記密着補助部材
は、穿刺前はしぼみ状態で、穿刺後に膨出可能な風船状
又は中空のドーナツ状の膨出部材にすることができる。
この構成によれば、穿刺前は針管の刃先が嚢腫壁に挿入
するのを妨げないようにしぼみ、穿刺後に膨出させるこ
とができるため、嚢腫壁を確実に吸着部材に押圧でき、
しかも臓器を傷付けることがない。したがって、嚢腫壁
と吸着部材の密着性を大幅に高めることができる。
【0018】或いは、前記密着補助部材は、形状記憶性
の素材を用いて作られ、非拘束時にはピッグテール状に
なり、拘束時には直線状に変形する拡縮部材にすること
ができる。この構成によれば、針管の刃先が嚢腫壁を突
き抜けた後、針管と共に臓器内に進入した密着補助部材
は、挿入していた針管を抜くのに伴って徐々に密着補助
部材はカールしはじめ、最終的にはピッグテール状にな
る。この円弧部分は弾性を有していることから一種のコ
イルバネとなり、その上端部は嚢腫壁の内面を押し上
げ、嚢腫壁を吸着部材に密着させる。したがって、嚢腫
壁と吸着部材の密着性を大幅に高めることができる。
【0019】また、前記密着補助部材は、形状記憶性の
素材を用いて作られ、非拘束時には径方向に膨出し、拘
束時には前記針管に密着状態に変形する構造体にするこ
ともできる。この構成によれば、針管の刃先が嚢腫壁を
突き抜けた後、針管と共に臓器内に進入した密着補助部
材は、挿入していた針管を抜くのに伴って先端部が縮退
し、針管に密着状態になっていた構造体が針管の直径方
向へ徐々に膨出しはじめ、最終的には針管に立体物を装
着した状態になる。この立体物は適度の弾性を有してい
ることから一種の空気バネ或いはリンク結合体となり、
その上端部は嚢腫壁の内面を押し上げ、嚢腫壁を吸着部
材に密着させる。したがって、嚢腫壁と吸着部材の密着
性を大幅に高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を基に説明する。図1は本発明による医療用吸引
装置を示す正面図である。本発明による医療用吸引装置
100は、図2に示す構成の外筒ユニット101、及び
該外筒ユニット101に挿入される図3に示す構成の内
筒ユニット102から構成されている。図2に示すよう
に、外筒ユニット101は円筒形の外筒101aを主体
に構成されている。この外筒101aはステンレス等を
用いてパイプ状に加工され、その両端は開口している。
この外筒101aの先端には外筒101aと略同一外径
のコネクタ103が装着されている。
【0021】更に、コネクタ103の先端には、柔軟性
及び臓器に対して密着性の良い特性を有する材料を用い
て作られた吸着部材104の一部が外嵌され、約半分の
長さの先端部は接触圧に応じて自由に撓むように、非拘
束にしている。吸着部材104をコネクタ103を介し
て装着することにより、他の部品に比べて交換の早い吸
着部材104も簡単に取り替えることができる。
【0022】吸着部材104は、例えば、シリコン樹
脂、フッ素樹脂、各種のエラストマ等を用いて成形加工
により作られる。この吸着部材104は、その径と形状
及び先端部分の肉厚を変えることにより、より柔軟で強
力な吸着性能を得ることができる。なお、吸着部材10
4は、固定部に対して先端部がやや膨出する構成を有
し、嚢腫壁に接触した際に撓み易くなるようにし、密着
性の向上を図っている。
【0023】また、外筒101aの他端には、外筒10
1aよりやや短い寸法の外筒支持部105(例えば、真
鍮製で表面にニッケルメッキが施されている)の先端部
が連結されている(外筒支持部105は外筒101aと
の組み合わせで外筒体を形成)。この外筒支持部105
は、腹腔外から刃先の先端位置を制御する機能を持って
いる。更に、外筒支持部105の先端寄りの側壁面に
は、吸引用接続口106(吸引専用接続口)が立設さ
れ、後端部には挿入されたカテーテル102aを任意の
位置で支持できるように締め付けアダプタ107(内蔵
の封止部材と共に固定手段を形成)が装着されている。
【0024】図3に示すように、内筒ユニット102
は、ステンレス等の金属を細管に加工した針管108、
この針管108に外嵌されるカテーテル102a、テー
パ構造を有してカテーテル102aの後端に装着される
基体としてのカテーテル基109、このカテーテル基1
09の後端に装着される接続口110、この接続口11
0の途中に設けられる三方活栓111、この三方活栓1
11に連通する各接続口を選択するためのハンドル11
2、接続口110の三方活栓111が設けられている部
位に直角に設けられる接続口113、接続口110の後
端に装着されると共に針管108の後端を支持する針基
114の各々を備えて構成されている。ここで、カテー
テル102aはポリエチレン等を用いて作られ、カテー
テル基109は樹脂を用いて作られる。なお、針管10
8は、穿刺孔を形成するためにのみ用い、吸引は行わな
いので、例えば、ステンレス材による無垢棒を用いて製
作することもできる。
【0025】更に、針管108の先端は臓器に穿刺し易
いように鋭角に加工され、これによって刃先115が形
成されている。このカテーテル102aの先端には、先
端に向かって外径が徐々に細くなるテーパ部116が形
成され、穿刺抵抗が少なくなるようにしている。また、
カテーテル基109の根元部分には、外筒101a及び
外筒支持部105に内筒ユニット102を挿入した際、
その挿入量を把握するために目盛り125が設けられて
いる。
【0026】三方活栓111のハンドル112は、3つ
の位置にセットすることができ、嚢腫内容液の吸引と洗
浄に応じて切替操作される。第1は接続口113に連通
する位置(ハンドル112が接続口110に向いた位
置)であり、第2は接続口110に連通する位置(ハン
ドル112が接続口113に向いた位置)であり、第3
は接続口113及び接続口110のいずれにも連通しな
いオフ位置(ハンドル112がカテーテル基109に向
いた位置)である。これらの位置は、ハンドル112を
90度毎に回転させることで選択することができる。
【0027】図4は外筒支持部105と締め付けアダプ
タ107の結合部の詳細を示す断面図である。外筒支持
部105と締め付けアダプタ107は着脱自在にするた
め、ねじ結合にしている。このため、噛合部には、ねじ
加工124が施されている。締め付けアダプタ107が
或る幅をもって装着できるように、締め付けアダプタ1
07の内部には凹部溝107aが設けられ、外筒支持部
105の後端部105aが嵌入する構成にしている。そ
して、結合部から嚢腫内容液が漏れるのを防止するた
め、後端部105aの内側には円筒状のパッキン107
bが内嵌されており、このパッキン107bの後端に凹
部溝107aの内側の先端部が圧接できるように構成さ
れている。
【0028】以上の様な構成の吸引装置100を使用す
るに際しては、カテーテル102a、カテーテル基10
9、及び三方活栓111を含む第1のユニットに対し、
針基114に針管108を取り付けた第2のユニットを
組み立て、内筒ユニット102を完成させる。ついで、
外筒101a、外筒支持部105及び締め付けアダプタ
107から成る外筒ユニット101に内筒ユニット10
2を挿入する。
【0029】この時、吸着部材104から刃先115が
突出しない状態に内筒ユニット102を位置決めした
後、締め付けアダプタ107で固定する。この状態で外
筒101aと内筒ユニット102の間には一端が外部
(刃先115の近傍)に連通する空間が形成される。な
お、この空間の他端は、締め付けアダプタ107によっ
て封止されるが、吸引用接続口106には連通してい
る。この状態で吸引用接続口106に不図示の手術用ド
レインチューブ(端部には吸引ポンプ等の吸引手段が接
続されている)を接続する。この状態で臓器の嚢腫壁に
穿刺して嚢腫内容液の吸引、洗浄を行うが、その手順に
ついて以下に説明する。
【0030】(i)まず、組み立ての完了した医療用吸
引装置100をトロッカーから腹腔内に挿入し、臓器の
嚢腫壁表面に密着させる。この状態を示したのが図5で
ある。医療用吸引装置100を嚢腫壁117(内部に
は、嚢腫内容液118が存在する)の表面に押圧するこ
とにより、柔軟性を有する吸着部材104の先端面は嚢
腫壁117に密着する。仮に、嚢腫壁117が凹凸を有
していたとしても、この凹凸形状に沿って吸着部材10
4の先端面が自在に変形するため、吸着部材104を確
実に密着させることができる。なお、吸着部材104内
に形成された空間119は、外筒ユニット101と内筒
ユニット102の間に形成されている隙間120に連通
している。
【0031】(ii) ついで、穿刺位置を決め、ハンドル
112をオフ位置に設定した後、吸引用接続口106を
通して、吸着部材104の内側から吸引を開始する。こ
の吸引により、空間119及び隙間120内に負圧が形
成され、吸着部材104の先端面(円周面)と嚢腫壁1
17は更に密着した状態になる。 (iii)この吸引を行いながら、締め付けアダプタ107
を緩めて内筒ユニット102を外筒ユニット101から
前進(吸着部材104の先端面から刃先115を10〜
100mmの範囲で突出)させて嚢腫壁に挿入し、穿刺
孔を形成する。この状態を示したのが図6である。
【0032】(iv)この穿刺後、以後の作業中に臓器の
内壁を傷つけることがないように、針管108を内筒ユ
ニット102から引き抜き(針基114を持って引き抜
く)、嚢腫壁内にカテーテル102aのみが残るように
する。この状態では、カテーテル102aと接続口11
0が連通可能な状態になる。 (v)次に、接続口110(メスルアーテーパ部)にシ
リンジ又はドレーンチューブ(いずれも不図示)を接続
し、ハンドル112を接続口113方向に回転する。そ
して、カテーテル102aを通して嚢腫内容液の吸引を
開始する。このとき、テーパ部116又はカテーテル1
02aの周り(つまり、穿刺孔の内周面)から嚢腫内容
液118が漏れ出たとしても、空間119及び隙間12
0の負圧によって吸引され、隙間120を通して吸引用
接続口106より吸引される。
【0033】このように、本発明の吸引装置100で
は、嚢腫壁117の表面との密着が吸着部材104を介
して行われるため、嚢腫壁117の外に出た嚢腫内容液
118は確実に隙間120内に吸引され、吸着部から漏
れ出ることはない。 (vi)なお、洗浄を行うには、吸引用接続口110から
の吸引を止め、ハンドル112を回転して接続口110
の方向に合わせ、接続口113とカテーテル基109を
連通させる。そして、接続口113から洗浄液(生理食
塩水、アルコール等)を医療用吸引装置100に送り込
み、ついで、ハンドル112を切り換えて吸引を行う操
作、或いはハンドル112を切り換えて洗浄と吸引を交
互に行う操作を繰り返し実行する。
【0034】図7の(a)は本発明による医療用吸引装
置の第2の実施の形態の構成(主要部)を示す断面図で
ある。なお、図7の(a)においては、図6と同一であ
るものには同一引用数字を用いたので、以下においては
重複する説明を省略する。図6の構成においては、吸着
部材104の押圧状態と吸引時の負圧を用いて密着性を
確保しているが、医療用吸引装置100が大きく傾くな
どすれば、吸着部材104と嚢腫壁117の間に隙間が
生じ、嚢腫内容液118が漏れ出てしまう恐れがある。
そこで、密着性が更に高められるように、カテーテル1
02aの先端部に密着補助部材を設けている。この密着
補助部材は、図7の(a)の場合、嚢腫壁117の内側
に袋状の膨出部材121を設けた構成にしている。
【0035】膨出部材121は、最初から膨出している
と穿刺の邪魔になるので、穿刺前はしぼんでおり、穿刺
後には膨出する構造にしている。例えば、薄手のシリコ
ン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエチレン樹脂、各種のエラストマ、各種ブレン
ド材等を用いて複数の袋状又は1つのドーナツ状に加工
するが、中には気体や液体は封入しない状態でテーパ部
116に取り付けておく。装着方法は、テーパ部116
に張り付くようにしておいても良いし、テーパ部116
の一部に凹部又は切欠部を設けて格納しておいても良
い。なお、テーパ部116の先端面は、臓器内壁等を傷
付けることが無いよう、端面形状はフラットにしてい
る。
【0036】この場合の前記した操作手順の(iv)、
(v)及び(vi)は、図6の構成と同じであるので、説
明は省略する。図7のような膨出部材121を膨らませ
るには、穿刺後に別途用意したシリンジを用いて気体或
いは液体(体内の接触部に悪影響を及ぼさないもの)を
外部から図7の(b)に示すようにルーメン126(針
管108が通る孔102bを有するカテーテル102a
の管壁に設けられた流路)を通して膨出部材121内に
注入すればよい。膨出部材121を膨出させる。この状
態を示したのが図7であり、膨出部材121が嚢腫壁1
17を内側から押し上げ、嚢腫壁117を吸着部材10
4の端縁に圧接させる。これにより、吸着部材104と
嚢腫壁117の表面は強力に密着し、容易には離れな
い。
【0037】図8は本発明による医療用吸引装置の第3
の実施の形態の構成(主要部)を示す断面図である。な
お、図8においても、図6と同一であるものには同一引
用数字を用いている。したがって、以下においては重複
する説明を省略する。図8も密着性を高めるための構成
例を示している。この構成は、図6におけるカテーテル
102aの先端部に設けたテーパ部116の後部をピッ
グテールのように1巻きさせてピッグテール部122を
設けて密着補助部材を形成したところに特徴がある。ピ
ッグテール部122は内筒ユニット102から針管10
8を引き抜いた時に図8の形状になり、ピッグテール部
122内に針管108が挿入されているときには直線状
に変形している。したがって、内筒ユニット102から
針管108が完全に引き抜かれた時に図8の形状にな
る。
【0038】このような形状変化に耐えられるように、
カテーテル102aは形状記憶性を備えた材料、例え
ば、人の体温及び滅菌温度において初期に記憶された形
状に劣化又は変形が生じないか又は生じ難い材料、具体
的には、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、各種のエラスト
マ、各種ブレンド材等を用いて加工される。カテーテル
102aは、ピッグテール部122は円形、他の部分は
直管に加工される。
【0039】この場合の前記した操作手順の(iv)、
(v)及び(vi)は、図6の構成と同じであるので、説
明は省略する。全ての操作が終了した後、ピッグテール
部122を有したカテーテル102aを抜くに際して
は、先端面をフラットに加工した針管108をカテーテ
ル102aに挿入し、ピッグテール部122を直線状に
変形させた後で抜き取る。
【0040】針管108の先端部にピッグテール部12
2が設けられたことにより、ピッグテール部122が展
開しようとする弾性力によって嚢腫壁117の内側をピ
ッグテール部122の最上面が押し上げ、嚢腫壁117
を吸着部材104の端縁に圧接させる。吸着部材104
と嚢腫壁117の表面は強力に密着し、高い密着性を得
ることができる。
【0041】図9は本発明による医療用吸引装置の第4
の実施の形態の構成(主要部)を示す断面図である。な
お、図9においても、図6と同一であるものには同一引
用数字を用いたので、以下においては重複する説明を省
略する。図9も密着性を高めるための構成例を示しお
り、嚢腫壁117を内側から押し上げる手段として、折
りたたみ式の提灯の様に拡縮する構造の拡縮部材123
を用いている。この拡縮部材123は、カテーテル10
2a内に針管108が挿入され、カテーテル102aに
引力がかかった状態になると直線状に変形する。
【0042】この場合も前記した操作手順の(iv)、
(v)及び(vi )は、図6の構成と同じであるので、
説明は省略する。拡縮部材123は嚢腫壁117を通過
する前は、その表面が針管108に近接しており、針管
108を引き抜いた時点で図9の状態に開くように変化
する。このため、拡縮部材123には、人の体温及び滅
菌温度において初期に記憶された形状に劣化又は変形を
生じない材料(又は生じ難い材料)、例えば、シリコン
樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリエチレン樹脂、各種のエラストマ、各種ブレンド材
等が用いられる。このような材料を用い、成形加工によ
り拡縮部材123を製作する。
【0043】全ての操作が終了した後、拡縮部材123
を有したカテーテル102aを抜く際には、先端面をフ
ラット加工した針管108をカテーテル102a内に挿
入し、直線状に変形させて抜き取る。図9の構成によれ
ば、拡縮部材123の上面は嚢腫壁117の内面を自身
の弾性力により押し上げ、吸着部材104と嚢腫壁11
7の表面は強力に密着するので、高い密着性が得られる
ようになる。
【0044】なお、上記の各構成においては、テーパ部
116を含むカテーテル102aの先端部分にサイドホ
ールを設けることもできる。この構成により、低粘度の
嚢腫内容液、或いは高粘度のチョコレート嚢胞等の内容
液の吸引も可能になる。また、図1、図3においては、
三方活栓を設ける構成にしたが、これに代えて二方活栓
を用いてもよい。
【0045】更に、内視鏡の光源の反射光による映像の
悪化を防止するため、外筒101aに反射防止加工を設
けることもできる。また、上記の各構成においては、刃
先部を斜めにカットし、或いは絞り加工構造にする例を
示したが、これに代え、段差形状を持たせた構成にして
もよい。或いは、三角錐形、円錐形、ドリル形等にする
ことも可能である。
【0046】
【実施例】次に、上記の構成に基づく実施例について説
明する。吸着部材104は内視鏡下外科手術に用いる場
合、使用するトロッカーの内径によって決まるので、3
〜30mmφが適当であるが、好ましくは10〜20m
mφの値である。また、外筒101aの外径は3〜30
mmφが適当であるが、好ましくは10〜20mmφで
ある。この外筒101aの長さは、対象とする嚢腫によ
って決まるが、通常は100〜400mmである。
【0047】更に、針管108はSUS304、SUS
316を用いて作ることができ、その外径を0.5〜5
mmφが適当である。一例を挙げれば、SUS304に
よる18G(外径1.26mm)のパイプ形状である。
このように細径であっても、穿刺孔の形成に用いるのみ
で、従来のように吸引には用いないので、何ら問題はな
い。
【0048】因みに吸引を行う従来の内針202は、1
4G(外径2.11mm)又は17G(外径1.48m
m)の細さのため、粘度の高いチョコレート嚢胞等の内
容液の吸引は行いにくかった。
【0049】
【発明の効果】以上より明らかな如く、本発明によれ
ば、所定の隙間が生じるようにしてカテーテルが遊嵌さ
れた外筒体の吸引側の先端に吸着部材が装着されている
ため、嚢腫内容液を吸引する際、吸着部材を嚢腫壁に確
実に密着できるため、吸着部材分からの嚢腫内容液の漏
れを確実に防止することができる。また、洗浄と吸引の
繰り返し操作及びアルコール固定も可能になる。更に、
針管を用いずに嚢腫内容液を吸引(或いは洗浄)を行う
ため、臓器内部を傷つけることなく、粘性の高いチョコ
レート嚢胞等の内容液であっても、効率良く吸引するこ
とが可能になる。
【0050】また、カテーテルの先端部に密着補助部材
を形成又は設けたことにより、嚢腫内容液を吸引する
際、吸着部材を嚢腫壁に確実に密着できるようになり、
吸着部材周辺からの嚢腫内容液の漏れを確実に防止する
ことができる。また、洗浄と吸引の繰り返し操作及びア
ルコール固定も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による医療用吸引装置を示す正面図であ
る。
【図2】本発明にかかる外筒ユニットの詳細を示す正面
断面図である。
【図3】本発明にかかる内筒ユニットの詳細を示す正面
断面図である。
【図4】本発明における外筒支持部と締め付けアダプタ
の結合部の詳細を示す断面図である。
【図5】本発明による医療用吸引装置をトロッカーから
腹腔内に挿入し、臓器の嚢腫壁表面に密着させた状態を
示す正面断面図である。
【図6】本発明による医療用吸引装置の刃先を嚢腫壁に
挿入し、穿刺孔を形成した状態を示す部分断面図であ
る。
【図7】本発明の医療用吸引装置の第2の実施の形態を
示し、(a)は主要部の構成を示す断面図、(b)はカ
テーテル部分の断面図である。
【図8】本発明の医療用吸引装置の第3の実施の形態の
構成を示す断面図である。
【図9】本発明の医療用吸引装置の第4の実施の形態の
構成を示す断面図である。
【図10】2重構造による従来の医療用吸引装置の構成
を示す正面図である。
【図11】従来の吸引装置の外筒の構成を示す正面図で
ある。
【図12】従来の吸引装置のカテーテルの構成を示す正
面図である。
【符号の説明】
100 医療用吸引装置 101 外筒ユニット 101a 外筒 102 内筒ユニット 102a カテーテル 104 吸着部材 105 外筒支持部 106 吸引用接続口 107 締め付けアダプタ 108 針管 109 カテーテル基 110,113 接続口 111 三方活栓 114 針基 115 刃先 116 テーパ部 117 嚢腫壁 118 嚢腫内容液 120 隙間 121 膨出部材 122 ピッグテール部 123 拡縮部材 124 ルーメン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 1/00 A61B 17/34 A61M 27/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の外筒体と、 前記外筒体の側壁に設けられる吸引専用の接続口と、 柔軟性を有する材料を用いて円筒状に作られ、前記外筒
    の吸引側の先端に装着される吸着部材と、 径方向に所定の隙間が生じるようにして前記外筒に遊嵌
    されて臓器の内容液の吸引を行うカテーテルと、 前記カテーテルに着脱自在に挿入され、鋭利に加工され
    た先端部で前記臓器の穿刺を行う針管と、 前記カテーテルの後端を支持する基体と、 前記カテーテルの後端部を任意の位置で前記外筒体に移
    動及び着脱自在に保持する固定手段と、 前記基体の後端部に設けられる少なくとも1つの洗浄ま
    たは吸引用の接続口とを具備することを特徴とする医療
    用吸引装置。
  2. 【請求項2】 前記固定手段は、封止部材を内蔵したネ
    ジ結合の締め付けアダプタであることを特徴とする請求
    項1記載の医療用吸引装置。
  3. 【請求項3】 円筒状の外筒体と、 前記外筒体の側壁に設けられる吸引専用の接続口と、 柔軟性を有する材料を用いて円筒状に作られ、前記外筒
    の吸引側の先端に装着される吸着部材と、 径方向に所定の隙間が生じるようにして前記外筒に遊嵌
    される中空のカテーテルと、 前記カテーテルに着脱自在に挿入され、鋭利に加工され
    た先端部で前記臓器の穿刺を行う針管と、 前記カテーテルの先端部に形成又は設けられ、前記カテ
    ーテルの先端が前記臓器内へ進入後に前記壁体を内側か
    ら前記吸着部材へ押圧する密着補助部材と、 前記カテーテルの中空部に連通する中空部を有し、前記
    カテーテルの後端を支持する基体と、 前記カテーテルの後端部を任意の位置で前記外筒体に移
    動及び着脱自在に保持する固定手段と、 前記基体の後端部に設けられ、前記基体内の中空部に連
    通する少なくとも1つの洗浄又は吸引用の接続口とを具
    備することを特徴とする医療用吸引装置。
  4. 【請求項4】 前記密着補助部材は、穿刺前はしぼみ状
    態で、穿刺後に膨出可能な風船状又は中空のドーナツ状
    の膨出部材であることを特徴とする請求項3記載の医療
    用吸引装置。
  5. 【請求項5】 前記密着補助部材は、形状記憶性の素材
    を用いて作られ、非拘束時にはピッグテール状になり、
    拘束時には直線状に変形する構造体であることを特徴と
    する請求項3記載の医療用吸引装置。
  6. 【請求項6】 前記密着補助部材は、形状記憶性の素材
    を用いて作られ、非拘束時には径方向に膨出し、拘束時
    には前記針管に密着状態に変形する拡縮部材であること
    を特徴とする請求項3記載の医療用吸引装置。
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