JP2995250B2 - 酸化チタン粉末の基材へのプラズマ溶射方法及びプラズマ溶射皮膜を有する製品。 - Google Patents

酸化チタン粉末の基材へのプラズマ溶射方法及びプラズマ溶射皮膜を有する製品。

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属箔、ガラス、
布、紙、プラスチックフィルム、或いはれんがやコンク
リート等の基材にアナターゼ型酸化チタン皮膜をプラズ
マ溶射によって形成する酸化チタン粉末の基材へのプラ
ズマ溶射方法及び光触媒機能を有するアナターゼ型酸化
チタンの溶射皮膜が表面に形成されているプラズマ溶射
皮膜を有する製品の技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】微生物の殺菌または抑制方法に関して
は、加熱・凍結殺菌・紫外線・放射線・遠赤外線による
殺菌・超音波細胞破壊・電気殺菌・高磁場殺菌・抗生物
質を含めた薬物・毒物・ハロゲン系界面活性剤等による
薬剤投与殺菌などがあり、広範囲な分野でさまざまな形
態を取りながら利用されている。しかし、これら何れの
方法においても、比較的大がかりな装置を必要とし、ま
た、即効性を重視するため殺菌と同時に製品をも損傷さ
せる場合が多い。さらに薬剤使用の場合は残留性、安全
性が常に考慮されるべきであることなどが指摘されてい
る。
【0003】酸化チタン(TiO2)の光触媒反応は、
酸化還元、異性化、置換、縮合、重合などの広範囲の反
応を導くことが知られている。特に、この反応系を利用
した環境汚染物質の分解や飲料水の浄化、殺菌などは活
性酸素生成に基づくものと考えられている。そして、T
iO2 には結晶構造の違いから、ルチル型とアナターゼ
型があるが、本発明者は、ルチル型は活性酸素発生収率
がアナターゼ型の約1/15から約1/200と極めて
効率の悪いことを発見した。
【0004】また、本発明者は、アナターゼ含有量が高
い材料表面を作成する方法に基づいて開発された表面は
ルチル含有量の高い材料表面より、活性酸素生成量が約
15倍から約200倍高く、殺菌効率や汚染物質(タバ
コのヤニ成分)の分解能力も高いことを確認した。
【0005】また、本発明者は、TiO2を溶射した材
料に長波長紫外線を照射することで活性酸素のスーパー
オキシドラジカル(O2 -)及びヒドロキシルラジカル
(・OH)が生成することを予備実験的に確認した。
【0006】ところで、活性酸素の強い生体損傷作用に
基づく殺菌作用については既に知られており、機能性複
合材料開発の過程でアナターゼ型のTiO2を溶射した
光半導体による殺菌作用が活性酸素によることも知られ
ている。また、室内に設置した水槽にTiO2溶射した
材料を共存させると緑藻繁茂抑制効果が発揮されること
はすでに公知である。
【0007】そして、特公平2ー46664号公報に
は、金属、セラミック焼結体又はガラスからなる基材の
表面に、シーライト又はワラストナイトの粉末から成る
粉末蛍光材をプラズマ溶射し、上記基材の表面に蛍光発
光機能を有する皮膜を形成する蛍光発光皮膜の形成方法
が記載されている。また、この公報には、プラズマ溶射
用ノズル(米国・ベースデート社製、プラズマ出力17
〜26KW)の構造の例を示し、電極となる中空のノズ
ル本体1内には他方の電極2が固設され、両電極には電
源3が接続され、電極2の先端ノズル本体1にはプラズ
マ炎4の小孔からなる噴出孔5が穿設され、ノズル本体
1内の底部後方にはアルゴン等の不活性ガスを噴入する
(35l/min)ガス導入孔6が形成されている。そ
して、上記各ノズルプラズマ溶射位置には噴出孔5に対
向せしめて基材(軟鋼)8が対向して位置せしめられ、
(溶射距離100mm)、粉末蛍光材は供給口7よりプ
ラズマ炎4内に噴出溶解し、上記基材Sの表面に溶射さ
れ、膜厚150〜200μmの蛍光皮膜9として付着す
るものが記載されている。
【0008】酸化チタンの光触媒は、400nm以下の
光照射を受けると電荷分離を起こし、電子と酸化力の強
い正孔を生成する。さらにこの正孔は、空気中の水蒸気
や酸素と反応して、スーパーオキシドラジカル(O2 -
やヒドロキシルラジカル(・OH)等の活性酸素種を発
生し、表面に吸着した有機物を分解する特徴を持ってお
り、その強い酸化力を利用した脱臭、防汚、殺菌などの
環境浄化用として期待されている。
【0009】ところで、酸素還元は以下の化学式(1)
で示すことができる。 O2 (溶存酸素) + e- → O2 -(スーパーオキシドラジカル) (1) また、スーパーオキシドラジカルの不均化はつぎの化学
式(2)で示すことができる。 2O2 - + 2H+ →H22(過酸化水素) (2) そして、ヒドロキシルラジカルの生成はつぎの化学式
(3)で示すことができる。 H22 + e- →・OH(ヒドロキシルラジカル)+OH- (3) そしてまた、ヒドロキシルラジカルの生成はつぎの化学
式(4)で示すことができる。 h+(TiO2) + OH- →・OH + TiO2 (4)
【0010】酸化チタン(TiO2)は白色顔料や紫外
線吸収材料としてペンキ、化粧品などの原料に広く使わ
れ、食品添加物としても認められている安全な材料であ
ること、酸化チタン薄膜をコーティングした材料が、特
別な光源を用意しなくても防汚効果を示すこと、これが
日陰程度の太陽光や、通常の室内での照明光を利用した
光化学反応(光触媒反応)によるものであることも知ら
れている。
【0011】光活性の高い酸化チタンを表面に付与した
材料は、非常に顕著な防汚効果(セルフクリーニング効
果)を示し、紫外部にしか吸収がないということは無色
であるということであり、種々の材料に付与するにはか
えって好都合である。
【0012】殺菌、微生物や藻類の増殖抑制、小動物の
忌避作用に活性酸素の発生系を利用でき、活性酸素は短
寿命ゆえに表面のみでの効果であり、残留性がなく環境
汚染もない。
【0013】また、プラズマ溶射法は、金属箔、ガラ
ス、布、紙、プラスチックフィルム、れんが、コンクリ
ートなどの材質からなる基材にTiO2を薄膜として付
着させることが可能であるとともに、TiO2を溶着し
た後の溶出もないことから、その効果は半永続的である
といえる。
【0014】活性酸素種は、溶存酸素が関与する反応で
あり、嫌気条件下では以下の反応で活性酸素が生成され
る。光触媒反応は、 TiO2 + hν(近紫外線) → h+TiO2 + e- ヒドロキシルラジカルの生成は h+(TiO2) + OH- →・OH + TiO2 (4) そして、光触媒の逆反応は、 h+(TiO2) + e- → TiO2 (5) そして、好気条件下で生成される最も酸化力の高い活性
酸素種、ヒロドキシルラジカルは、(3)による生成収
率が90%であり、(4)による生成収率が10%であ
る。以上のことから、TiO 2光触媒による酸化反応
には、スーパーオキシドラジカル、ヒドロキシルラジカ
ル、さらには、h+(TiO2)が関与し、還元にはスー
パーオキシドララジカルとe- が関与すると考えられ
る。
【0015】本発明は、アナターゼ型酸化チタンがルチ
ル型酸化チタンに比べて、単位面積当たりの光触媒活性
が高く、活性酸素の殺菌能力が大きいという知見に基づ
くものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属箔やプ
ラスチックフィルムのような高温弱体のものを含む基材
の表面にアナターゼ型酸化チタン粉末をバインダーを介
在させることなく直接プラズマ溶射し、活性酸素の殺菌
能力を有するアナターゼ型酸化チタンの溶射皮膜を基材
に形成する酸化チタン粉末の基材へのプラズマ溶射方法
の提供を目的とするものである。
【0017】また、本発明は、殺菌を目的とした医療、
食品分野にとどまらず、活性酸素の殺菌能力に応じた利
用分野である衣料、漁業、工業などきわめて広い分野で
利用することができる酸化チタンの溶射皮膜を有する製
品の提供を目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る酸化チタン
粉末の基材へのプラズマ溶射方法は、プラズマノズル本
体のプラズマ炎噴出孔から少なくともアルゴンガスと窒
素ガスからなる混合ガスのプラズマ炎を高速で噴出さ
せ、前記プラズマ炎噴出孔の出口に近接して設けられた
アナターゼ型酸化チタン粉末の吹き出し口からアナター
ゼ型酸化チタニア粉末を前記混合ガスのプラズマ炎中に
噴出させ、基材表面に光触媒機能を有するアナターゼ型
酸化チタンの皮膜を溶射形成するものである。
【0019】本発明に係る酸化チタン粉末の基材へのプ
ラズマ溶射方法は、プラズマノズル本体のプラズマ炎噴
出孔からアルゴンガスまたは水素ガスと窒素ガスからな
る混合ガスのプラズマ炎で高速で噴出させ、前記プラズ
マ炎噴出孔の出口に近接して設けられたアナターゼ型酸
化チタン粉末の吹き出し口からアナターゼ型酸化チタニ
ア粉末を前記混合ガスのプラズマ炎中に噴出させ、基材
表面に光触媒機能を有するアナターゼ型酸化チタンの皮
膜を溶射形成するものである。
【0020】本発明に係る酸化チタン粉末の基材へのプ
ラズマ溶射方法は、プラズマノズル本体のプラズマ炎噴
出孔からアルゴンガスとヘリウムガスまたは水素ガスか
らなる混合ガスのプラズマ炎を高速で噴出させ、前記プ
ラズマ炎噴出孔の出口に近接して設けられたアナターゼ
型酸化チタン粉末の吹き出し口からアナターゼ型酸化チ
タニア粉末を前記混合ガスのプラズマ炎中に噴出させ、
基材表面に光触媒機能を有するアナターゼ型酸化チタン
の皮膜を溶射形成するものである。
【0021】本発明に係るプラズマ溶射皮膜を有する製
品は、製品を構成する基材の表面にプラズマノズル本体
によりアナターゼ型酸化チタニア粉末を加熱された少な
くともアルゴンガスまたはヘリウムガスと窒素ガスの混
合ガスのプラズマ炎とともに高速噴射して光触媒機能を
有するアナターゼ型酸化チタンの溶射皮膜が形成されて
いるものである。
【発明の実施の形態】
【0022】本発明に係る酸化チタン粉末の基材へのプ
ラズマ溶射方法及びプラズマ溶射皮膜を有する製品の実
施の形態を図面、表を参照して、説明する。プラズマ溶
射に使用する酸化チタン粉末Pを基材8にプラズ溶射す
る装置は、直流電源3の陽極側がプラズマノズル本体1
のCu陽電極12に接続されており、電源3の陰極側は
陰電極2に接続されている。
【0023】プラズマノズル本体1にはプラズマ炎4の
通過する小孔からなるプラズマ炎噴出孔5が穿設されて
おり、ノズル本体1内の底部後方には、アルゴンガスと
窒素ガス等からなる混合ガスGを噴入する混合ガス導入
口6が形成されている。
【0024】酸化チタン粉末Pは、プラズマノズル本体
1のプラズマ炎噴出孔5の出口付近に設けられた酸化チ
タン粉末吹き出し部材10の吹き出し口7からプラズマ
炎4中に吹き出され、溶融状態で基材8の表面に、溶射
され、基材(金属箔、プラスチックフィルム等)8の表
面に酸化チタン皮膜9が形成される。
【0025】本発明に係るプラズマ溶射方法に使用する
プラズマノズル本体1のノズルの大きさとプラズマ炎噴
出孔5における混合ガスGの流速及び混合ガスGとの関
係について以下に述べる。ノズル本体1の陰電極2の先
端部11からプラズマ炎4の噴出孔5の端部までの距離
すなわち陰電極2とCu陽電極12の外端との距離をL
とし、プラズマ炎噴出孔5の断面積をSとしたときのS
/Lを例えばS/L=9mm2/12mm=0.75m
mの大きさのときのアルゴンガスと窒素ガスの混合ガス
Gのプラズマ炎噴出孔5における流速は550m/se
cという高速流となっている(以下「高速」とい
う。)。また、上記S/L=9mm2/12mm=0.
75mmの大きさのときのアルゴンガスとヘリウムガス
との混合ガスGのプラズマ炎噴出孔5における流速は4
50m/secである(以下「準高速」という。)。本
発明に係るプラズマ溶射方法においては、S/L=28
mm2/16mm=1.75mmの大きさのときの混合
ガスGのプラズマ炎噴出孔5の流速がすくなくとも35
0m/sec以上の流速であることが望ましい。プラズ
マ炎噴出孔5の流速が350m/secの流速を以下
「通常速」という。
【0026】溶射される酸化粉末を加熱溶融する混合ガ
スGの加熱効率は、高温で熱伝達率(エンタルビー)の
大きい H2>He>N2>Arが望ましく、溶射される
酸化粉末の加速性は、混合ガスGを構成する物質の密度
に左右されることから、密度の大きさから Ar>N2
>He>H2 の順の物質からなるガスの混合ガスGであ
ることが望ましい。アナターゼ型酸化チタンを多く残留
させるためには、高速で、しかも粒子が過熱しない条件
を選定する必要がある。このためにはArとHeの混合
ガスよりも、ArとN2の混合ガスGが有利である。
【0027】表1は、溶射速度、酸化チタン皮膜又は酸
化チタンの練込み不織布がアナターゼ型かルチル型か、
酸化チタン皮膜がないものかによって、マロンジアルデ
ヒド(MDA)の生成比率を示している。試料ごとの活
性酸素であるヒドロキシルラジカル(・OH)の生成量
を公知のマロンジアルデヒド(MDA)定量法によって
計測した結果をMDAの生成比率として示したものが表
1である。これによると、高速溶射されたアナターゼ型
酸化チタン皮膜9を有するものが格別の数値を示してい
ることがわかる。
【表1】
【0028】
【表2】 表2は、溶射条件、混合ガスの組成、プラズマ出力によ
って酸化チタン溶射皮膜9の中のアナターゼ型の含有量
(wt%)の違いを示すもので、試料No1の高速溶射
型のアルゴン(Ar)と窒素(N2)の混合ガスでプラ
ズマ出力が20KW(500A)のものが、アナターゼ
型の含有量が28.9wt%と最も大きく、次いで試料
No2の準高速溶射型のアルゴン(Ar)とヘリウム
(He)の混合ガスで、プラズマ出力が22KW(70
0A)のものでアナターゼ型の含有量が16.6wt%
のものである。試料No3の通常速溶射型と対比する
と、溶射速度が大きく、混合ガスの組成がアルゴン(A
r)と窒素(N2)、アルゴン(Ar)とヘリウム(H
e)のものが酸化チタン溶射皮膜9中のアナターゼ型の
含有量が著しく多いことがわかる。
【0029】
【表3】 表3は、前記3つの各試料に市販の抗菌タイル、陶製タ
イル基材そのものを加えた各試料のMDA生成量(単位
はnM)と大腸菌の30分間の生存率(%)の経時変化
を示したものである。この表3によると、本発明に係る
酸化チタン粉末pの基材8へのプラズマ溶射方法によっ
て得られた基材8へ施されたプラズマ溶射皮膜9である
前記3つの試料と、市販の抗菌タイル、陶製タイル基材
とでは、MDA生成量(nM)も大腸菌の生存率(%)
も、格段の差異があることがわかる。すなわち、試料N
o1のものがMDA生成量も大腸菌への滅菌作用も格段
に顕著であり、次いで試料No2のものが上記の面の効
果が大きいことがわかる。
【0030】本発明に係る酸化チタン粉末の基材へのプ
ラズマ溶射方法に使用する酸化チタン粉末が含有するア
ナターゼの含有量とMDA生成量との関係を示す図3に
よると、試料No1、試料No2そして試料No3の順
でアナターゼ含有量が多く、アナターゼ含有量が多いも
の程MDA生成量が多いことがわかる。
【0031】本発明に係るプラズマ溶射皮膜9が大腸菌
に対して有する殺菌効果を光照射時間と大腸菌の生存率
との関係で示したグラフ図である図4によると、試料N
o1、試料No2のものが大腸菌に対する光照射時間3
0分間における大腸菌の滅菌効果が著しく大きいことが
わかる。
【0032】本発明に係るプラズマ溶射皮膜9が腸炎菌
に対して有する殺菌効果を光照射時間と腸炎菌の生存率
との関係で示したグラフ図である図5によると、試料N
o1、試料No2のものが腸炎菌に対する光照射時間3
0分間における腸炎菌の滅菌効果が著しく大きいことが
わかる。
【0033】本発明に係るプラズマ溶射皮膜9が黄色ブ
ドウ球菌に対して有する殺菌効果を光照射時間と黄色ブ
ドウ球菌の生存率との関係で示したグラフ図である図6
によると、試料No1、試料No2のものが黄色ブドウ
球菌に対する光照射時間30分間における黄色ブドウ球
菌の滅菌効果が著しく大きいことがわかる。
【0034】図7によると、ルチル酸系の酸化チタンを
溶射した市販の抗菌タイルはブドウ球菌、大腸菌及び腸
炎菌に対する30分間の光照射では黄色ブドウ球菌で約
60数パーセント、大腸菌で50数パーセント、腸炎菌
では約30パーセントもの生存率を示しており、各菌に
対する滅菌効果がアナターゼ型酸化チタンを溶射したも
のと比較して格段に低いことがわかる。
【0035】本発明の実施の形態に示す実施例のもの
は、プラズマノズル本体1の陰電極2の先端部11から
プラズマ炎噴出孔5までの距離Lと、噴出孔5の断面積
Sとの比つまりL/Sが0.75mmの大きさのときの
アルゴンガスと窒素ガスとの混合ガスGの噴出孔5にお
ける流速が高速流となり、溶射される酸化チタン粉末P
を加熱溶融する混合ガスGの加熱効率は、高温で熱伝達
率(エンタルビー)の大きい H2>He>N2>Arの
順となる。溶射される酸化チタン粉末Pの加速性は、混
合ガスGを構成する物質の密度に左右されることから、
密度の大きさからAr>N2>He>H2 の順の物質か
らなるガスの混合ガスであることが望ましく、アナター
ゼ型酸化チタン皮膜9を多く残留させるためには、高速
溶射型で、しかも粒子が過熱しない条件を選定する必要
がある。このためにはアルゴン(Ar)ガスとヘリウム
(He)ガスの混合ガスよりも、アルゴン(Ar)ガス
と窒素(N2)ガスの混合ガスGが有利であることを示
している。また、アナターゼ型の酸化チタン粉末Pをプ
ラズマノズル本体1に対向した金属等の基材8の表面に
酸化チタン皮膜9を形成したものは、抗菌試験おいて大
腸菌、腸炎菌、黄色ブドウ球菌の滅菌、減少に多大なる
効果を有している。
【0036】
【発明の効果】本発明に係る酸化チタン粉末の基材への
プラズマ溶射方法は、いわゆる低温プラズマ溶射法によ
り金属箔やプラスチックフィルムのような高温弱体のも
のを含む基材の表面に、アナターゼ型酸化チタン粉末を
バインダーを介在させることなく直接溶射することがで
き、活性酸素の殺菌能力を有するアナターゼ型酸化チタ
ンの溶射皮膜を基材表面に確実且つ容易に形成すること
ができるという効果を有する。
【0037】本発明に係る酸化チタンの溶射皮膜を有す
る製品は、殺菌を目的とした医療、食品分野にとどまら
ず、活性酸素の殺菌能力に応じた利用分野である衣料、
漁業、工業などきわめて広い分野で利用することができ
るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る酸化チタン粉末の基材へのプラズ
マ溶射方法に使用するプラズマノズル本体の断面図であ
る。
【図2】本発明に係る酸化チタン粉末の基材へのプラズ
マ溶射方法を示す断面図である。
【図3】本発明に係る酸化チタン粉末の基材へのプラズ
マ溶射方法に使用する酸化チタン粉末が含有するアナタ
ーゼの含有量とMDA生成量との関係を示すグラフ図で
ある。
【図4】本発明に係るプラズマ溶射皮膜が大腸菌に対し
て有する殺菌効果を光照射時間と大腸菌の生存率との関
係で示したグラフ図である。
【図5】本発明に係るプラズマ溶射皮膜が腸炎菌に対し
て有する殺菌効果を光照射時間と大腸菌の生存率との関
係で示したグラフ図である。
【図6】本発明に係るプラズマ溶射皮膜が黄色ブドウ球
菌に対して有する殺菌効果を光照射時間と大腸菌の生存
率との関係で示したグラフ図である。
【図7】従来公知のルチル型酸化チタン皮膜を有する市
販抗菌タイルが黄色ブドウ球菌、大腸菌、腸炎菌に対し
て有する殺菌効果を光照射時間と各菌の生存率との関係
で示したグラフ図である。
【符号の説明】
1 プラズマノズル本体 2 陰電極 3 電源 4 プラズマ炎 5 プラズマ炎噴出孔 6 混合ガス導入口 7 酸化チタン粉末の吹き出し口 8 基材 9 酸化チタン皮膜 10 酸化チタン粉末吹き出し部材 11 陰電極の先端部 12 Cu陽電極 P 酸化チタン粉末 G 混合ガス

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマノズル本体のプラズマ炎噴出孔
    から少なくともアルゴンガスと窒素ガスからなる混合ガ
    スのプラズマ炎を高速で噴出させ、前記プラズマ炎噴出
    孔の出口に近接して設けられたアナターゼ型酸化チタン
    粉末の吹き出し口からアナターゼ型酸化チタニア粉末を
    前記混合ガスのプラズマ炎中に噴出させ、基材表面に光
    触媒機能を有するアナターゼ型酸化チタンの皮膜を溶射
    形成することを特徴とする酸化チタン粉末の基材へのプ
    ラズマ溶射方法。
  2. 【請求項2】 プラズマノズル本体のプラズマ炎噴出孔
    からアルゴンガスまたは水素ガスと窒素ガスからなる混
    合ガスのプラズマ炎で高速で噴出させ、前記プラズマ炎
    噴出孔の出口に近接して設けられたアナターゼ型酸化チ
    タン粉末の吹き出し口からアナターゼ型酸化チタニア粉
    末を前記混合ガスのプラズマ炎中に噴出させ、基材表面
    に光触媒機能を有するアナターゼ型酸化チタンの皮膜を
    溶射形成することを特徴とする酸化チタン粉末の基材へ
    のプラズマ溶射方法。
  3. 【請求項3】 プラズマノズル本体のプラズマ炎噴出孔
    からアルゴンガスとヘリウムガスまたは水素ガスからな
    る混合ガスのプラズマ炎を高速で噴出させ、前記プラズ
    マ炎噴出孔の出口に近接して設けられたアナターゼ型酸
    化チタン粉末の吹き出し口からアナターゼ型酸化チタニ
    ア粉末を前記混合ガスのプラズマ炎中に噴出させ、基材
    表面に光触媒機能を有するアナターゼ型酸化チタンの皮
    膜を溶射形成することを特徴とする酸化チタン粉末の基
    材へのプラズマ溶射方法。
  4. 【請求項4】 製品を構成する基材の表面にプラズマノ
    ズル本体によりアナターゼ型酸化チタニア粉末を少なく
    ともアルゴンガスと窒素ガスまたはヘリウムガスからな
    る混合ガスのプラズマ炎とともに高速噴射して光触媒機
    能を有するアナターゼ型酸化チタンの溶射皮膜が形成さ
    れていることを特徴とするプラズマ溶射皮膜を有する製
    品。
JP9196118A 1997-07-22 1997-07-22 酸化チタン粉末の基材へのプラズマ溶射方法及びプラズマ溶射皮膜を有する製品。 Expired - Lifetime JP2995250B2 (ja)

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