JP2995693B2 - 加圧流動層ボイラの安全装置 - Google Patents

加圧流動層ボイラの安全装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流動層燃焼装置に係り、
特に加圧流動層ボイラの緊急停止時に流動層ボイラの保
護を行なうのに好適な加圧流動層ボイラの安全装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭火力発電の高効率化の要求から従来
のスチームタービンによる発電だけでなく、このスチー
ムタービンに加えてガスタービンによる発電も可能な加
圧流動層ボイラ複合サイクル発電プラントの開発が進め
られている。
【0003】図6に従来技術の加圧流動層ボイラ複合サ
イクル発電プラントの概略系統図を示す。
【0004】10ないし15kg/cm2g 程度までの
所定の圧力に加圧された加圧容器1の中に流動層ボイラ
2が収納され、流動層ボイラ2内には脱硫剤である石炭
石粒子を主体とする流動媒体が充填されている。この流
動媒体は炉底に設けられた空気分散板3から供給される
燃焼用空気Aによって流動化されて、流動層4を形成す
る。
【0005】燃料Fの石炭粒子は燃料供給ノズル5から
流動層4内に吹き込まれて流動層4内で前述の燃焼用空
気Aによって燃焼する。流動層4内にはほぼ全領域に亘
って伝熱管6が配置され、石炭燃料Fの燃焼熱は伝熱管
6を通してボイラ給水Wの加熱、スチームSの発生によ
って除去される。これによって流動層4は所定の温度、
典型的には860℃に保持される。流動層ボイラ2で発
生したスチームSは蒸気管7、蒸気タービン入口止弁8
を経て蒸気タービン9に供給され、蒸気タービン発電機
10による発電を行なう。
【0006】蒸気タービン9からのスチームSは復水器
11で冷却され、給水ポンプ12を経て給水管13から
ボイラ給水Wとして再供給される。
【0007】一方、流動層ボイラ2からの燃焼ガスGは
流動層4の上部の空間、いわゆるフリーボード14を通
って流動層ボイラ2の出口から排ガス煙道15へ排出さ
れサイクロン16で燃焼ガスG中のダストを除去し、排
ガス煙道15、ガスタービン入口止弁17を経てガスタ
ービン18に供給されガスタービン発電機19による発
電を行なう。
【0008】ガスタービン18からの燃焼ガスGは排ガ
ス管20、排熱回収装置21、集塵器22、煙突23へ
排気される。
【0009】他方、燃焼用空気Aはガスタービン18に
直結されたコンプレッサ24により圧縮され、コンプレ
ッサ出口弁25、空気管26、加圧容器1を経て空気分
散板3へ供給され、空気分散板3から流動層ボイラ2へ
供給される。
【0010】27は排ガス煙道15のガス圧力逃し弁、
28は蒸気管7の蒸気安全弁、29は補給水タンク、3
0は非常用補給水ポンプ、31は補給水管で、加圧流動
層ボイラ複合サイクル発電プラントの緊急停止時には流
動層ボイラ2へ補給水タンク29から冷却水を供給する
ものである。
【0011】32は流動媒体タンク、33は流動媒体タ
ンク32内のガス抜き弁、34はガス抜き出し管、35
は送電系統である。
【0012】この様な構造において、送電系統35に事
故等が発生した場合は、送電する事ができないため、ガ
スタービン18、蒸気タービン9共に運転を停止しなけ
ればならないのでガスタービン18のガスタービン入口
止弁17、蒸気タービン9の蒸気タービン入口止弁8を
瞬時に閉じる。流動層ボイラ2内の残熱で伝熱管6内の
ボイラ給水Wの蒸発がこの後も進むため蒸気管7内の蒸
気圧力が上昇した場合には蒸気管7の蒸気安全弁28を
開く。
【0013】一方、ガスタービン18の停止と共にコン
プレッサ24も停止し、コンプレッサ出口弁25も閉じ
られるためにガス側の圧力が上昇することはないが、復
旧操作に入るためには系内のガス圧力を逃さなければな
らない。
【0014】ところが、図6に示す様に、排ガス煙道1
5に圧力放出用のガス圧力逃し弁27が設けられている
が、このガス圧力逃し弁27は従来の蒸気安全弁28と
同じ様にガス圧力が上昇し上限設定値を超えると開き、
系内のガス圧力が下がって下限設定値以下になると自動
的に閉るON−OFF弁であった。
【0015】この間伝熱管6は850℃前後の高温下に
さらされているため、伝熱管6のメタル保護のために非
常用補給水ポンプ30を起動し、メタル温度が設計温度
を越えないよう補給水タンク29から補給水管31を経
て補給水による冷却操作を行なうと同時に、流動層4内
の高温の流動媒体をガス抜き出し弁33を開いて流動媒
体タンク32への緊急抜き出し操作に入る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の安全装置で
あるガス圧力逃し弁27がON−OFF弁であるため
に、流動層内のガス流速を適正な範囲に制御できない欠
点があった。
【0017】つまり、ガス流速が過大になると流動層内
の流動媒体が飛散、消失して迅速な再起動ができない。
【0018】また、伝熱管6の伝熱系数が増加するため
伝熱管6を冷却するための補給水設備が膨大な容量とな
る。
【0019】逆にガス流速が流動化開始速度以下になる
と、流動媒体の流動化が停止し、流動層4の残炭がおき
燃焼することによって層内温度が上昇して灰が溶融す
る。
【0020】また、流動媒体が安息角のために円滑に抜
き出せない。
【0021】本発明はかかる従来技術の欠点を解消しよ
うとするもので、その目的とするところは、プラント全
停電、ガスタービンのトリップ等の緊急停止時であって
も流動層内のガス流速を適正に制御することができ、し
かも、流動媒体を抜き出すことができる加圧流動層ボイ
ラの安全装置を提供するにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の目的を達
成するために、流動層ボイラに流動層内温度を検出する
流動層内温度検出器、炉内圧力を検出する炉内圧力検出
器と、排ガス煙道に排ガス流量を検出する排ガス温度検
出器と、これらの検出信号からガス圧力逃し弁の開、閉
信号を演算する演算器を設け、緊急停止時には流動層内
のガス流速を流動化開始速度の1〜3倍の範囲で運転さ
れるようにガス圧力逃し弁を開、閉するように制御する
ものである。
【0023】
【作用】緊急停止時であっても流動層内のガス流速が流
動化開始速度の1〜3倍の範囲になるようにガス圧力逃
し弁によって制御されるので、流動媒体の飛散、消失を
させることがなくなり、流動媒体を円滑に抜き出すこと
ができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0025】図1は本発明の実施例に係る加圧流動層ボ
イラの概略構成図、図2は図1の他の実施例を示す加圧
流動層ボイラの概略構成図、図3は縦軸に重量割合、横
軸に流動媒体の粒径を示した特性曲線図、図4は縦軸に
流動化開始速度比、横軸に流動媒体の粒径を示した特性
曲線図、図5は縦軸に弁開度、火炉圧力、空塔速度を示
し、横軸に時間を示した本発明の実施例に係る特性曲線
図、図7は縦軸に弁開度、火炉圧力、空塔速度を示し、
横軸に時間を示した従来技術の特性曲線図である。
【0026】図1から図2において、符号1から符号3
5までは従来のものと同一のものを示す。
【0027】36は流動層4の温度を検出する流動層内
温度検出器、37は流動層内温度検出器36で検出され
た流動層内温度検出信号、38は流動層4の圧力を検出
する炉内圧力検出器、39は炉内圧力検出器38によっ
て検出された炉内圧力検出信号、40は排ガス煙道15
に設けた排ガス流量を検出する排ガス流量検出器、41
は排ガス流量検出器40によって検出される排ガス流量
検出信号、42は流動層内温度検出信号37、炉内圧力
検出信号39および排ガス流量検出信号41からガス圧
力逃し弁27の開、閉信号43を演算する演算器であ
る。
【0028】この様な構造において、緊急停止時には流
動層内温度検出器36、炉内圧力検出器38、排ガス流
量検出器40からの各信号37,39,41は演算器4
2へ送られる。そしてこれらの各信号37,39,41
は演算器42で層内ガス流速が演算され流動層4内のガ
ス流速を流動化開始速度の1〜3倍の範囲でガス圧力逃
しが行なわれるようガス圧力逃し弁27の開度が演算器
42からの開、閉信号43で制御される。
【0029】以下、図3および図4を用いて流動化開始
速度の1〜3倍の範囲について説明する。
【0030】図3は、流動層内媒体粒子の粒径と重量割
合及び図4は粒径と流動化開始速度比の関係を示したも
のである。尚、ここで流動化開始速度比とは、粒径によ
って流動化開始速度が異なるので、各粒径の流動化開始
速度(Umf)を平均粒径に対する流動化開始速度に対す
る比率で表したものである。
【0031】流動層内の流動媒体の粒径分布特性は供給
する石炭灰及び石炭石の硬さによって異なり、石炭灰、
石灰石の比較的硬いものほど、勾配の立った粒径分布特
性を示す。石炭灰、石灰石の硬さによる粒径分布特性の
バラ付きは、図3のハッチングで示す範囲になることが
これまでの経験から分かっている。
【0032】この粒径分布の違いを考慮すると、Umf
当の流速で運転することにより、平均粒径以下の流動媒
体粒子は流動化できる(系外へ媒体粒子の抜き出しが可
能)が、全体を流動化し抜き出しを行なおうとした場合
には、図4に示すように3×Umf程度のガス流速で運転
することによって可能となる。
【0033】以下、図5および図7を用いて弁開度、火
炉内圧力および空塔速度について、従来技術と本発明の
実施例を比較して説明する。
【0034】図7は従来技術によるガス圧力逃し弁を用
いて、プラント緊急停止後の加力容器系内の減圧操作を
行なった場合の停止特性を示し、図5は本発明の実施例
に係るガス圧力逃し弁を用いた場合の停止特性を示す。
【0035】従来技術では、図7に示すとおり、ガス圧
力逃し弁はON−OFF操作であるため、ガス圧力逃し
弁を開いた操作直後の火炉圧力が高いときは、ガス圧力
逃し弁の吐出ガス量も過大となり、この時の流動層内の
空塔速度は粒子の飛散速度(Ut )以上の運転となる。
そのため、層内媒体が飛散、消失する問題があった。ま
た、時間経過とともに火炉圧力が減少すると、ガス圧力
逃し弁からの吐出ガス量が減少するので最後には流動化
開始速度(Umf)以下になり、層内媒体の抜出し不能と
なるといった問題があった。
【0036】しかしながら、本発明の実施例によれば、
図5に示すとおり、ガス圧力逃し弁の開度調整により空
塔速度が常に適正な範囲に保たれるので、従来技術の問
題は解決できる。
【0037】図5は、層内媒体の粒径の分布幅が少ない
場合の運転の例を示したものであり、ガス圧力逃し弁
は、空塔速度がUmf一定になるように制御され層内媒体
の粒度分布の幅が大きい場合は、円滑に層内媒体を抜き
出すために、空塔速度は3×Umf程度まで高めた運転を
する必要がある。
【0038】図2は図1の他の実施例を示す。
【0039】本実施例では、演算器42の開、閉信号4
3でガス圧力逃し弁27の開度を制御するのではなく、
容量の異なるガス圧力逃し弁27を複数個設置し、それ
らの容量の異なるガス圧力逃し弁27の開閉操作によっ
て層内ガス流速をUmf〜3×Umfの範囲に制御するもの
である。
【0040】この実施例の効果は、ガス圧力逃し弁は開
閉動作のみであるため、ガス圧力逃し弁の信頼性が増
す。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、緊急停止時であっても
流動層内のガス流速を適正な範囲に制御することがで
き、しかも流動媒体を抜き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る加圧流動層ボイラの概略
構成図である。
【図2】図1の他の実施例に係る加圧流動層ボイラの概
略構成図である。
【図3】縦軸に重量割合、横軸に流動媒体の粒径を示し
た特性曲線図である。
【図4】縦軸に流動化開始速度比、横軸に流動媒体の粒
径を示した特性曲線図である。
【図5】縦軸に弁開度、火炉圧力および空塔速度、横軸
に時間を示した実施例に係る特性曲線図である。
【図6】従来技術の加圧流動層ボイラの概略構成図であ
る。
【図7】縦軸に弁開度、火炉圧力および空塔速度、横軸
に時間を示した従来技術の特性曲線図である。
【符号の説明】
1 加圧容器 2 流動層ボイラ 4 流動層 6 伝熱管 15 排ガス煙道 27 ガス圧力逃し弁 36 流動層内温度検出器 37 流動層内温度検出信号 38 炉内圧力検出器 39 炉内圧力検出信号 40 排ガス流量検出器 41 排ガス流量検出信号 42 演算器 43 開、閉信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 恭功 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (56)参考文献 特開 平1−237325(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F22B 1/02 F23C 11/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層内に伝熱管を配置した流動層ボイ
    ラを加圧容器内に収納し、加圧下で運転する流動層ボイ
    ラの排ガス煙道にガス圧力逃し弁を設け、流動層ボイラ
    内のガス圧力を逃すものにおいて、 前記流動層ボイラに流動層内温度を検出する流動層内温
    度検出器、炉内圧力を検出する炉内圧力検出器と、排ガ
    ス煙道に排ガス流量を検出する排ガス流量検出器と、こ
    れらの検出信号からガス圧力逃し弁の開、閉信号を演算
    する演算器を設け、緊急停止時には流動層内のガス流速
    を流動化開始速度1〜3倍の範囲で運転されるようにガ
    ス圧力逃し弁を開、閉するように制御することを特徴と
    する加圧流動層ボイラの安全装置。
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