JP3020145B2 - 水銀汚染物の処理法およびそのためにとくに有用な微生物 - Google Patents
水銀汚染物の処理法およびそのためにとくに有用な微生物Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、水銀で汚染され
た底質や土壌の水銀処理法ならびにその処理法に有用な
微生物に関するものである。この発明では、特に、水銀
化合物を揮発性の水銀蒸気に変換できる水銀分解細菌を
用い、水銀で汚染された水俣湾の底質や水銀汚染土壌に
存在する硫化水銀(HgS)、2価の水銀イオン(Hg
2+)、メチル水銀(CH3Hg+)などの水銀化合物を同
時に除去することのできる新しい水銀処理法を提供する
ものである。
た底質や土壌の水銀処理法ならびにその処理法に有用な
微生物に関するものである。この発明では、特に、水銀
化合物を揮発性の水銀蒸気に変換できる水銀分解細菌を
用い、水銀で汚染された水俣湾の底質や水銀汚染土壌に
存在する硫化水銀(HgS)、2価の水銀イオン(Hg
2+)、メチル水銀(CH3Hg+)などの水銀化合物を同
時に除去することのできる新しい水銀処理法を提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、化学工業からの水銀の排出による
環境汚染により、水俣病が引き起こされ大きな社会問題
となった。水銀は、現在、電池、温度計、螢光灯、歯科
で用いるアマルガムなどの工業製品に利用され最終的に
は、汚水処理場で汚泥に濃縮される。また、ブラジル、
中国、イラク、タンザニアなどの多くの世界の国々で、
各種事業所および金採掘現場等で環境への水銀汚染が深
刻化している。さらに、水銀は、農薬等として用いられ
てきた結果として、多くの国で、メチル水銀や酢酸フェ
ニル水銀などの有機水銀による汚染も問題になってい
る。水銀で汚染された底質や土壌は、浚渫や封じ込めや
過熱処理等の物理的処理方法により処理されているが、
これらの方法は、多額の費用を要し、また水銀を除去す
るものでないため、根本的解決方法ではない。一方、水
銀で汚染された環境には、種々の水銀化合物を揮発性の
水銀蒸気に変換・分解する細菌が生息している。これら
の細菌を利用した、2価の水銀の除去法が提唱されてい
るが、環境中の水銀のほとんどは、不溶性硫化水銀とし
て存在しており、また、この硫化水銀を分解できる細菌
が発見されていないため、これらの方法は、環境中の水
銀汚染底質等の処理には適用できない。
環境汚染により、水俣病が引き起こされ大きな社会問題
となった。水銀は、現在、電池、温度計、螢光灯、歯科
で用いるアマルガムなどの工業製品に利用され最終的に
は、汚水処理場で汚泥に濃縮される。また、ブラジル、
中国、イラク、タンザニアなどの多くの世界の国々で、
各種事業所および金採掘現場等で環境への水銀汚染が深
刻化している。さらに、水銀は、農薬等として用いられ
てきた結果として、多くの国で、メチル水銀や酢酸フェ
ニル水銀などの有機水銀による汚染も問題になってい
る。水銀で汚染された底質や土壌は、浚渫や封じ込めや
過熱処理等の物理的処理方法により処理されているが、
これらの方法は、多額の費用を要し、また水銀を除去す
るものでないため、根本的解決方法ではない。一方、水
銀で汚染された環境には、種々の水銀化合物を揮発性の
水銀蒸気に変換・分解する細菌が生息している。これら
の細菌を利用した、2価の水銀の除去法が提唱されてい
るが、環境中の水銀のほとんどは、不溶性硫化水銀とし
て存在しており、また、この硫化水銀を分解できる細菌
が発見されていないため、これらの方法は、環境中の水
銀汚染底質等の処理には適用できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、現状で
は多量の底質や土壌中の水銀を根本的に処理する方法は
なく、微生物を利用する技術も、環境中では、水銀のほ
とんどは、不溶性の硫化水銀として存在しているため、
細菌を直接利用して硫化水銀を処理することはできない
上に、従来知られているほとんどの水銀分解細菌は、2
価の水銀化合物だけを分解し、メチル水銀や酢酸フェニ
ル水銀等の有機水銀化合物を分解できない。
は多量の底質や土壌中の水銀を根本的に処理する方法は
なく、微生物を利用する技術も、環境中では、水銀のほ
とんどは、不溶性の硫化水銀として存在しているため、
細菌を直接利用して硫化水銀を処理することはできない
上に、従来知られているほとんどの水銀分解細菌は、2
価の水銀化合物だけを分解し、メチル水銀や酢酸フェニ
ル水銀等の有機水銀化合物を分解できない。
【0004】本発明は、こうした実情の下に、水銀を含
む底質、土壌等水銀汚染物を微生物を利用して有効に処
理する方法を提供するとともに、そのため特に有用な微
生物を提供することを目的とするものである。
む底質、土壌等水銀汚染物を微生物を利用して有効に処
理する方法を提供するとともに、そのため特に有用な微
生物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、微生物を利用して水銀汚染物を処理するにあた
り、汚染物中の水銀をHg2+に変換せしめ、かつチオー
ル化合物を存在させることが有効であることを見出すと
ともに、その処理法にとくに有用な微生物を見出し、本
発明に至った。
た結果、微生物を利用して水銀汚染物を処理するにあた
り、汚染物中の水銀をHg2+に変換せしめ、かつチオー
ル化合物を存在させることが有効であることを見出すと
ともに、その処理法にとくに有用な微生物を見出し、本
発明に至った。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)水銀汚染物の処理法であって、水銀汚染物中の不
溶性無機水銀化合物を酸性下に酸化し、Hg2+に変換せ
しめ、次いでpH調整後チオール化合物および水銀還元
性微生物の存在下にHg 2+ を還元して水銀蒸気に変換処
理することを特徴とする水銀汚染物の処理法、 (2)水銀還元性微生物がシュードアルテロモナス(P
seudoalteromonas)属に属する微生物
である前記(1)記載の水銀汚染物の処理法、 (3)水銀汚染物が水銀汚染土壌または底質である前記
(1)または(2)記載の水銀汚染物の処理法、 (4)チオール化合物がチオグリコール酸塩である前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の水銀汚染物の処理
法、 (5)水銀還元性シュードアルテロモナスM−1(生命
工学工業技術研究所受託番号FERM P−1604
9)に関する。
溶性無機水銀化合物を酸性下に酸化し、Hg2+に変換せ
しめ、次いでpH調整後チオール化合物および水銀還元
性微生物の存在下にHg 2+ を還元して水銀蒸気に変換処
理することを特徴とする水銀汚染物の処理法、 (2)水銀還元性微生物がシュードアルテロモナス(P
seudoalteromonas)属に属する微生物
である前記(1)記載の水銀汚染物の処理法、 (3)水銀汚染物が水銀汚染土壌または底質である前記
(1)または(2)記載の水銀汚染物の処理法、 (4)チオール化合物がチオグリコール酸塩である前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の水銀汚染物の処理
法、 (5)水銀還元性シュードアルテロモナスM−1(生命
工学工業技術研究所受託番号FERM P−1604
9)に関する。
【0007】底質等ではそこに含まれる水銀のほとんど
は不溶性の硫化水銀として存在するが、本発明において
は、このように水銀汚染物が硫化水銀を含む場合には、
これを酸性下で酸化して水溶性の2価の水銀イオンに変
換することが重要である。この場合、使用する酸として
は塩酸が好ましく、また酸化剤としては塩化第2鉄が好
ましい。硫化水銀は、このようにして水溶性の2価の水
銀イオンに変換することにより微生物を利用して環境中
の硫化水銀を水銀蒸気として変換、除去することが可能
となる。
は不溶性の硫化水銀として存在するが、本発明において
は、このように水銀汚染物が硫化水銀を含む場合には、
これを酸性下で酸化して水溶性の2価の水銀イオンに変
換することが重要である。この場合、使用する酸として
は塩酸が好ましく、また酸化剤としては塩化第2鉄が好
ましい。硫化水銀は、このようにして水溶性の2価の水
銀イオンに変換することにより微生物を利用して環境中
の硫化水銀を水銀蒸気として変換、除去することが可能
となる。
【0008】前記硫化水銀を酸化してHg2+変換する方
法において使用される酸としては硫酸、硝酸も考えられ
るが、これらは酸が強すぎて生成する中和物の共存が後
段の微生物処理に悪影響を及ぼす。また、酸化剤として
はFe3+の他にAg+、Cu+、Cd2+などもあるが、こ
れらの使用もやはり後段の微生物処理が進まないので好
ましくない。
法において使用される酸としては硫酸、硝酸も考えられ
るが、これらは酸が強すぎて生成する中和物の共存が後
段の微生物処理に悪影響を及ぼす。また、酸化剤として
はFe3+の他にAg+、Cu+、Cd2+などもあるが、こ
れらの使用もやはり後段の微生物処理が進まないので好
ましくない。
【0009】また、本発明は、無機水銀化合物のみでな
く、メチル水銀、酢酸フェニル水銀など有機水銀化合物
の除去にも有効である。
く、メチル水銀、酢酸フェニル水銀など有機水銀化合物
の除去にも有効である。
【0010】本発明の水銀処理法に使用する微生物とし
ては、Hg2+を還元して水銀蒸気に変換できる細菌であ
れば公知のものを含め利用することができる。これらの
細菌は、例えば水俣湾内の底質などから、当業者にはよ
く知られた方法により採取、分離することができる。し
かし、pH調整時に生成する塩化ナトリウムが多くの細
菌に対して上記のHg2+を水銀に変換してこれを揮発化
除去する反応の妨げとなる。そこで、前記水銀の揮発化
反応に塩化ナトリウムを必要とする本発明の新菌を利用
するのが好ましい。この新菌は、シュードアルテロモナ
ス(Pseudoalteromonas)属に属する
シュードアルテロモナス M−1株であり、すでに工業
技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−160
49号として寄託されている。
ては、Hg2+を還元して水銀蒸気に変換できる細菌であ
れば公知のものを含め利用することができる。これらの
細菌は、例えば水俣湾内の底質などから、当業者にはよ
く知られた方法により採取、分離することができる。し
かし、pH調整時に生成する塩化ナトリウムが多くの細
菌に対して上記のHg2+を水銀に変換してこれを揮発化
除去する反応の妨げとなる。そこで、前記水銀の揮発化
反応に塩化ナトリウムを必要とする本発明の新菌を利用
するのが好ましい。この新菌は、シュードアルテロモナ
ス(Pseudoalteromonas)属に属する
シュードアルテロモナス M−1株であり、すでに工業
技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−160
49号として寄託されている。
【0011】この本発明に係る菌は、以下のようにして
採取、培養、および単離された。
採取、培養、および単離された。
【0012】1985年の10月に水俣湾の海水より、
塩化第二水銀(HgCl2)を50μg/mlの割合で
含んだZoBell 2216E寒天培地で30℃、2
4時間好気培養し、コロニーを形成後、単離された。
塩化第二水銀(HgCl2)を50μg/mlの割合で
含んだZoBell 2216E寒天培地で30℃、2
4時間好気培養し、コロニーを形成後、単離された。
【0013】ZoBell 2216E培地は、1リッ
トルの蒸留水に、NaCl 30g、KCl 0.7
g、MgCl2・6H2O 10.8g、MgSO4・7
H2O5.4g、CaCl2・2H2O 1g、酵母エキ
ス1g及びペプトン5gを含み、pHは7.6に調整し
てある。
トルの蒸留水に、NaCl 30g、KCl 0.7
g、MgCl2・6H2O 10.8g、MgSO4・7
H2O5.4g、CaCl2・2H2O 1g、酵母エキ
ス1g及びペプトン5gを含み、pHは7.6に調整し
てある。
【0014】次に、本発明の菌の形態的な特徴、ならび
に菌学的な特性について述べる。
に菌学的な特性について述べる。
【0015】 グラム陰性の捍菌 発育温度(ZoBell 2216E) 10℃から37℃で発育、 45℃で発育できない カタラーゼ + オキシダーゼ + DNase培地で、黄色がかったオレンジ色の色素産生 インドール産生 グルコースから酸を産生 アルギニンデハイドロラーゼ、ウレアーゼ − ゼラチン水解 マンノース、マンニトール、Nアセチルグルコザミン分解 サイトクロームオキシターゼ + アミラーゼ − DNase + アルギニン、リジン、オルニチン、デカルボキシラーゼ − 上記の性質により、本発明の菌はPseudoalte
romonas haloplanktisに最も近い
と思われる。しかし、Pseudoalteromon
as haloplanktisが硝酸塩を利用できる
のに対して、本発明の菌は硝酸塩を利用することができ
ない点で明らかに区別できる。
romonas haloplanktisに最も近い
と思われる。しかし、Pseudoalteromon
as haloplanktisが硝酸塩を利用できる
のに対して、本発明の菌は硝酸塩を利用することができ
ない点で明らかに区別できる。
【0016】その他、本発明の菌は、塩化第二水銀、塩
化メチル水銀、塩化エチル水銀、酢酸フェニル水銀、チ
メロサール、パラクロロ安息香酸水銀及び、フルオレセ
イン酢酸水銀を分解して水銀蒸気に変換することができ
る。また、塩化第二水銀及び塩化メチル水銀に対する最
小発育阻止濃度は、ZoBell 2216E液体培地
30℃24時間で、50μg/mlおよび0.5μg/
gである。NaCl耐性は、1%から7%のNaClを
含んだペプトン水で発育でき、NaClがないと発育で
きない。
化メチル水銀、塩化エチル水銀、酢酸フェニル水銀、チ
メロサール、パラクロロ安息香酸水銀及び、フルオレセ
イン酢酸水銀を分解して水銀蒸気に変換することができ
る。また、塩化第二水銀及び塩化メチル水銀に対する最
小発育阻止濃度は、ZoBell 2216E液体培地
30℃24時間で、50μg/mlおよび0.5μg/
gである。NaCl耐性は、1%から7%のNaClを
含んだペプトン水で発育でき、NaClがないと発育で
きない。
【0017】すでに述べたように、本発明においては、
水銀汚染された土壌、底質などに塩酸、塩化第2鉄を加
えることにより、含まれていた硫化水銀などの無機水銀
を酸化して2価の水銀イオンとして溶出させ、これを微
生物により水銀蒸気に変換させて空気中に放出させるこ
とにより、水銀汚染物を処理するものである。
水銀汚染された土壌、底質などに塩酸、塩化第2鉄を加
えることにより、含まれていた硫化水銀などの無機水銀
を酸化して2価の水銀イオンとして溶出させ、これを微
生物により水銀蒸気に変換させて空気中に放出させるこ
とにより、水銀汚染物を処理するものである。
【0018】本発明においてとくに前記の新菌を使用す
る場合には、有機水銀化合物に対してはこれを直接分解
して水銀蒸気に還元できるので、不溶性無機化合物に対
して必要な前記の前処理は基本的には不要である。しか
し、これらが混在している場合には前記の前処置を行う
ことにより、無機水銀と有機水銀とを同時に処理するこ
とができるのでより有効となる。また、前記前処理によ
り土壌や底質中に吸着されている有機水銀を溶出させる
ことができ、還元反応が促進されるのでこの点からも前
記前処理は有効である。
る場合には、有機水銀化合物に対してはこれを直接分解
して水銀蒸気に還元できるので、不溶性無機化合物に対
して必要な前記の前処理は基本的には不要である。しか
し、これらが混在している場合には前記の前処置を行う
ことにより、無機水銀と有機水銀とを同時に処理するこ
とができるのでより有効となる。また、前記前処理によ
り土壌や底質中に吸着されている有機水銀を溶出させる
ことができ、還元反応が促進されるのでこの点からも前
記前処理は有効である。
【0019】また、この水銀揮発化反応を促進させるた
め本発明においてはチオール化合物の存在下で処理され
る。このようなチオール化合物としては、例えば、チオ
グリコール酸ナトリウム、システイン、メルカプトエタ
ノール等が好ましい。
め本発明においてはチオール化合物の存在下で処理され
る。このようなチオール化合物としては、例えば、チオ
グリコール酸ナトリウム、システイン、メルカプトエタ
ノール等が好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に実施例により本発明をさら
に詳細に説明する。
に詳細に説明する。
【0021】前処理例 100mlの三角フラスコに水俣湾の底質0.5gを入
れ、塩酸を各濃度で100ml加え、これに塩化鉄(F
eCl3・6H2O)0.2gを加え一昼夜室温で放置
し、水銀を底質から溶出させた。翌日、三角フラスコに
50mlの蒸溜水を加え、底質を洗い、口紙(No.
1)でろ過した。この底質を一昼夜室温で乾燥し、底質
の水銀量を原子吸光光度計で測定した。各濃度の塩酸に
よる底質からの水銀の溶出の結果を表1に示す。
れ、塩酸を各濃度で100ml加え、これに塩化鉄(F
eCl3・6H2O)0.2gを加え一昼夜室温で放置
し、水銀を底質から溶出させた。翌日、三角フラスコに
50mlの蒸溜水を加え、底質を洗い、口紙(No.
1)でろ過した。この底質を一昼夜室温で乾燥し、底質
の水銀量を原子吸光光度計で測定した。各濃度の塩酸に
よる底質からの水銀の溶出の結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例1 200mlの三角フラスコに水俣湾の底質20gを入
れ、3N HCl100ml加え、これに塩化鉄(Fe
Cl3・6H2O)を2g加え、一昼夜室温で放置し、水
銀を底質から溶出させる。翌日この上澄み液をコマゴメ
ピペットで集めた。この液を50mlのインピンジャー
に5mlとり、これに、3N NaOHを約5ml加え
pHを7.0に調整した。この液に1mMチオグリコレ
ート酸ナトリウムを含んだ1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)を30ml加え揮発化反応液を調製した。Pseu
doalteromonas M−1株を10μg/m
lの塩化第二水銀を含んだZoBell2216E人工
海水培地で、30℃で17時間しんとう培養した後、遠
心機で集め、揮発化反応液40mlあたり8mg入れ
た。細菌による水銀揮発化反応は底質を撹拌するためや
発生した水銀蒸気を捕集トラップに送るため、エアーポ
ンプで空気を送り、30℃の恒温層中で24時間行っ
た。この反応の経時的な水銀の除去を表2に示す。
れ、3N HCl100ml加え、これに塩化鉄(Fe
Cl3・6H2O)を2g加え、一昼夜室温で放置し、水
銀を底質から溶出させる。翌日この上澄み液をコマゴメ
ピペットで集めた。この液を50mlのインピンジャー
に5mlとり、これに、3N NaOHを約5ml加え
pHを7.0に調整した。この液に1mMチオグリコレ
ート酸ナトリウムを含んだ1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)を30ml加え揮発化反応液を調製した。Pseu
doalteromonas M−1株を10μg/m
lの塩化第二水銀を含んだZoBell2216E人工
海水培地で、30℃で17時間しんとう培養した後、遠
心機で集め、揮発化反応液40mlあたり8mg入れ
た。細菌による水銀揮発化反応は底質を撹拌するためや
発生した水銀蒸気を捕集トラップに送るため、エアーポ
ンプで空気を送り、30℃の恒温層中で24時間行っ
た。この反応の経時的な水銀の除去を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】上記参考例と実施例1に示すように、底質
中の硫化水銀のほとんどは、塩酸と塩化鉄により溶出
し、細菌により水銀蒸気に変換し、除去されることが明
白である。
中の硫化水銀のほとんどは、塩酸と塩化鉄により溶出
し、細菌により水銀蒸気に変換し、除去されることが明
白である。
【0026】実施例2 50mlのインピンジャーに畑土1gを入れ、これに塩
化メチル水銀を添加し、3NHClを5mlと塩化鉄
0.05gを加え混ぜ合わせ、一昼夜室温で放置した。
これに3NNaOHを約5ml加えpHを7.0に調整
し、実施例2と同様な操作を行い、土壌からのメチル水
銀の除去を行った。この反応の経時的なメチル水銀の除
去を表3に示す。
化メチル水銀を添加し、3NHClを5mlと塩化鉄
0.05gを加え混ぜ合わせ、一昼夜室温で放置した。
これに3NNaOHを約5ml加えpHを7.0に調整
し、実施例2と同様な操作を行い、土壌からのメチル水
銀の除去を行った。この反応の経時的なメチル水銀の除
去を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】上記実施例2に示すように、土壌のメチル
水銀のほとんどは、細菌により水銀蒸気に変換し、除去
されることが明白である。
水銀のほとんどは、細菌により水銀蒸気に変換し、除去
されることが明白である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来有効な処理法がなかった硫化水銀等のように不溶性
の無機水銀化合物やメチル水銀などのような有機水銀化
合物を含む汚染物を同時に処理することができる。ま
た、本発明によりその処理法に特に有用な新規な微生物
が提供される。
従来有効な処理法がなかった硫化水銀等のように不溶性
の無機水銀化合物やメチル水銀などのような有機水銀化
合物を含む汚染物を同時に処理することができる。ま
た、本発明によりその処理法に特に有用な新規な微生物
が提供される。
【図1】図1は、本発明の実施例に使用した実験装置の
説明図である。
説明図である。
1.エアポンプ、 2.恒温槽 3.インピンジャー 4.水銀蒸気捕集トラップ 5.シリコンチューブ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 3/34 C02F 11/02 ZAB 11/02 ZAB B09B 3/00 ZABE (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 1/20 A62D 3/00 B09C 1/10 C02F 3/34 C02F 11/02 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) WPIDS(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】 水銀汚染物の処理法であって、水銀汚染
物中の不溶性無機水銀化合物を酸性下に酸化し、Hg2+
に変換せしめ、次いでpH調整後チオール化合物および
水銀還元性微生物の存在下にHg 2+ を還元して水銀蒸気
に変換処理することを特徴とする水銀汚染物の処理法。 - 【請求項2】 水銀還元性微生物がシュードアルテロモ
ナス(Pseudoalteromonas)属に属す
る微生物である請求項1記載の水銀汚染物の処理法。 - 【請求項3】 水銀汚染物が水銀汚染土壌または底質で
ある請求項1または2記載の水銀汚染物の処理法。 - 【請求項4】 チオール化合物がチオグリコール酸塩で
ある請求項1〜3のいずれかに記載の水銀汚染物の処理
法。 - 【請求項5】 水銀還元性シュードアルテロモナスM−
1(生命工学工業技術研究所受託番号FERM P−1
6049)。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9034958A JP3020145B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 水銀汚染物の処理法およびそのためにとくに有用な微生物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9034958A JP3020145B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 水銀汚染物の処理法およびそのためにとくに有用な微生物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10229873A JPH10229873A (ja) | 1998-09-02 |
| JP3020145B2 true JP3020145B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=12428669
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9034958A Expired - Lifetime JP3020145B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 水銀汚染物の処理法およびそのためにとくに有用な微生物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3020145B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4578597B2 (ja) * | 1999-10-01 | 2010-11-10 | 株式会社間組 | 水銀の気化方法、及び汚染土壌又は汚染水の浄化方法、並びに水銀の検出方法 |
| ITRM20080183A1 (it) | 2008-04-07 | 2009-10-08 | Univ Milano Bicocca | Rimozione microbiologica di mercurio da materiali contaminati. |
-
1997
- 1997-02-19 JP JP9034958A patent/JP3020145B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10229873A (ja) | 1998-09-02 |
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