JP3029672B2 - ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、優れた耐衝撃性を有し、更に光沢等外観特
性に優れ、且つ光沢と耐衝撃性を高度にバランスさせた
新規な分岐状のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合
体、及びそれを含む耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法
に関する。
(従来の技術) 耐衝撃性スチレン系樹脂、例えば耐衝撃性ポリスチレ
ンは、従来ABS樹脂に比して、成形品表面の光沢が劣
り、衝撃強度も低いなどの欠点を有していた。最近薄肉
化志向や高級化などにより、市場から、衝撃強度、光沢
などの総合バランスに優れた耐衝撃性ポリスチレンの出
現の要望が強くなっている。
また、耐衝撃性ポリスチレンの用途も拡大化してきて
おり、用途に応じて要求される物性バランスも多様化し
ている。従来耐衝撃性ポリスチレンは、ゴム状物質とし
てポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体等を
スチレン単量体に溶解し、重合攪拌下に分散ゴム粒子と
した後、そのまま塊状または溶液重合する方法か、或い
は懸濁重合に付す、いわゆる塊状−懸濁重合する方法が
一般的である。
この場合、ゴム状物質の含有量は3〜10重量%が普通
であった。更に、ゴム量を増加させる場合、重合装置内
の粘度が上昇し、攪拌に支障をきたすほか、樹脂中のゴ
ム粒子径のコントロールが困難となり容易でない。この
ようなことから、比較的溶液粘度の低いポリブタジエン
を用いる製法(特公昭58−4934号公報)が開示されてい
る。このような手法により品質の向上した樹脂が得られ
るものの近年の樹脂に対する要望を十分に満足している
とはいえない。
他方、別のゴム変性スチレン系共重合体としては、一
般的にABS樹脂と言われているゴム変性スチレン−アク
リロニトリル共重合体が知られている。しかし、塊状重
合法によって得られた樹脂は乳化重合法によって得られ
た樹脂に比較して機械的強度と外観の物性バランスの点
で劣るという欠点がある。このために、塊状重合法、塊
状−懸濁重合法においては満足されるような樹脂が得ら
れていない。
このような欠点を改良する方法として、例えば低溶液
粘度のゴム状重合体を用いた樹脂(特開昭63−199717号
公報、及び特開昭63−207803号公報)が開示されてい
る。しかしながら、これらの低溶液粘度のゴム状重合体
を用いた樹脂は外観特性などが必ずしも十分に満足しう
るものではない。また、用いられているような構造の低
溶液粘度のゴム状重合体は、コールドフローが激しく、
工業的に取り扱う場合操作性に問題があった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、このような事情に鑑み、用いられるゴ
ム状重合体のコールドフロー性の防止など取扱い性を改
良し、かつ機械的強度や外観性などを高度にバランスさ
せたゴム変性スチレン系共重合体を得ることを目的とし
て鋭意検討した結果、特定の構造を有する分岐状のブタ
ジエン−スチレン系ブロック共重合体を用いることによ
り、上記目的が達成されたゴム変性スチレン系共重合体
が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は; 炭化水素溶媒中、ブタジエン及びスチレンとを有機
リチウム系触媒を用いて重合させ、得られたスチレン−
ブタジエン共重合体を3官能以上のカップリング剤にて
カップリングさせて得られる、 (a)25℃における5重量%スチレン溶液粘度が5〜50
センチポイズ(cps)、 (b)結合スチレン含量が2〜15重量%、 (c)ブロックスチレン含量が結合スチレン含量の80重
量%以上、 (d)ムーニー粘度が10〜80、 (e)分子量分布(Mw/Mn)が1.4以下、 (f)共重合体の分子量分布曲線のピーク分子量をM.
P、及びブロックスチレン部のピーク分子量をB.P
(万)、結合スチレン含量をT.S(%)としたとき、 M.P×T.S×0.004<B.P の関係にある、ブタジエン−スチレンブロック共重合体
を提供する。また、 炭化水素溶媒中、ブタジエン及びスチレンとを有機
リチウム系触媒を用いて重合させ、得られたスチレン−
ブタジエン共重合体を3官能以上のカップリング剤にて
カップリングさせて得られる、 (a)25℃における5重量%スチレン溶液粘度が5〜50
センチポイズ(cps)、 (b)結合スチレン含量が2〜15重量%、 (c)ブロックスチレン含量が結合スチレン含量の80重
量%以上、 (d)ムーニー粘度が10〜80、 (e)分子量分布(Mw/Mn)が1.4以下、 (f)共重合体の分子量分布曲線のピーク分子量をM.
P、及びブロックスチレン部のピーク分子量をB.P
(万)、結合スチレン含量をT.S(%)としたとき、 M.P×T.S×0.004<B.P の関係にある、ブタジエン−スチレンブロック共重合体
の3〜25重量%と、スチレン系単量体またはスチレン系
単量体と共重合可能な単量体との混合物97〜75重量%
を、塊状重合、塊状懸濁重合または溶液重合させる、耐
衝撃性スチレン系樹脂組成物の製造方法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)ブロック共重合体: 本発明において用いられるゴム状重合体は、限定され
た構造を有する分岐状のブタジエン−スチレン系ブロッ
ク共重合体(以下、ブロック共重合体と略称する)であ
る。
本発明の、限定された構造を有するブロック共重合体
を規定する各種パラメータ(a)〜(f)について以下
に説明する。
(i)結合スチレン含量(b): 本発明において用いられるブロック共重合体の結合ス
チレン含量(b)は2〜15重量%、好ましくは、4〜10
重量%である。
用いるブロック共重合体の結合スチレン含量(b)が
15重量%より多い場合、得られる樹脂の衝撃強度が低下
し、また2重量%より少ない場合、ブロックス共重合体
のコールドフローが激しくなり、工業的に取り扱う場合
に操作性が悪くなる。
(ii)ブロックスチレン含量(c): ブロックスチレン含量(c)は結合スチレン含量の80
重量%以上である。
ブロックスチレン含量(c)が結合スチレン含量の80
重量%未満の場合、得られる樹脂の衝撃強度が低くな
る。
(iii)溶液粘度(a)とムーニー粘度(d): これまで述べたように、本発明で用いられるブロック
共重合体は粘度や分子量が限定された範囲の構造となっ
ており、25℃における5重量%スチレン溶液粘度(SV)
(a)とムーニー粘度(ML)(d)の関係(ML/SV)は
1〜6の範囲となるのが好ましい。
その場合、溶液粘度(a)は、5〜50センチポイズ
(cps)であることが好ましい。
また、ムーニー粘度(d)は10〜80の範囲であること
が好ましい。
(iv)分子量分布(Mw/Mn)(e): 本発明で用いられるブロック共重合体の分子量分布
(Mw/Mn)(e)は、1.4以下である。
Mw/Mn(e)が1.4を超える場合、ブロック共重合体の
外観特性が低下する。
(v)ブロック共重合体のピーク分子量、ブロックスチ
レン部のピーク分子量、結合スチレン系含量の関係
(f): 次に、本発明で用いられるブロック共重合体のピーク
分子量〔M.P(万)〕及びブロックスチレン部のピーク
分子量〔B.P(万)〕、さらに結合スチレン系含量〔T.S
(%)〕の関係(f)は、下式: M.P×T.S×0.004<B.P の範囲となる。
この範囲以外の場合、ブロック共重合体のコールドフ
ロー性が悪くなり、また得られる樹脂の衝撃強度も低下
する。
(II)測定方法: 次に、本発明で用いるブロック共重合体及び構造成分
の測定方法について説明する。
1)25℃における5重量%スチレン溶液粘度(a)はキ
ャノンフェンスケ型粘度計を用いて測定した。
2)結合スチレン含量(b)は紫外分光光度計を用い、
定法により測定した。
3)ブロックスチレン含量(c)は、ブロック共重合体
を四酸化オスミウムを触媒としてt−ブチルハイドロパ
ーオキサイドにより酸化分解する方法〔L.M.KOLTHO−F
F,etal.,J.polym.Sci.1,429(1946)〕により分解して
得られるポリスチレン成分量を紫外分光光度計を用いて
測定し、分解前のブロック共重合体に対する重量%とし
て表した。
4)ムーニー粘度(d)は、ML1+4で測定した値であ
る。
5)分子量分布(Mw/Mn)(e)は、(M.P)と同様にし
て試料のGPCを測定し、分割定法により計算する。
分割定法はGPCチャートを単位VR毎に分割し、分子量
とその含量から平均分子量を求める一般的な方法で、例
えば「ゲルクロマトグラフィー<基礎編>」(武内次
夫、森定雄著、講談社刊)117〜123頁にも述べられてい
る。
この場合、VRの分割幅が細かい程、精度が高くなるた
め、本発明ではVRを11.67μ(保持時間としては1秒
毎)に分割して計算した。
6)共重合体の分子量分布曲線のピーク分子量(M.P)
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、
GPCと略称する)によって測定し、計算された値であ
る。
GPC測定条件 : 測定機種 ウォーターズ社製 M−6000型 溶媒 THF(テトラヒドロフラン) カラム デュポン社製 ゾルバックス(ZORBAX) PSM 1000S 2本 ゾルバックス(ZORBAX) PSM 60S 1本 カラム温度 35℃ 送液流量 0.7ml/min 送液圧力 800psi 試料濃度 0.1重量% 試料液量 0.1ml 検出器 示差屈折計 上記条件により標準ポリスチレン(ウォーターズ社
製;単分散ポリスチレン分子量174万、44万、11万、4.9
万、8500、1850)のGPCを測定し、そのピーク位置の保
持容量(以下VRと略称する)を求め、分子量とVRとの相
関曲線を作図する。
ブロック共重合体のGPCを測定し、そのピーク位置のV
Rから相関曲線より(M.P)を求める。
7)ブロック共重合体のブロックスチレン部のピーク分
子量(B.P)は、前述したt−ブチルハイドロパーオキ
サイドによる分解方法で得られるポリスチレン成分を
(M.P)と同様にして測定した。
(III)ブロック共重合体の製造方法:」 本発明で用いるスチレンとブタジエンブロック共重合
体は、通常、有機リチウム系触媒を用い、炭化水素溶媒
中でスチレンとブタジエンとを重合させ、得られたブロ
ック共重合体を3官能以上のカップリング剤にてカップ
リングさせて製造される。有機リチウム系触媒として
は、例えば、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリ
チウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、
t−ブチルリチウム、ベンジルリチウム等があるが、好
ましくはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等
が用いられる。
炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、ヘキサン等
の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等
の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素が用いられる。
本発明で用いられるブロック共重合体の製造には、連
続重合法、バッチ式重合法いずれもとりうるが、後者が
好ましい。スチレン含量や分子量、粘度などの関係が特
定の範囲に限定されるために、重合法には工夫が必要で
ある。特に重合体は限定されないが、例えば、特開昭55
−35404号公報に述べられている重合法を応用し、有機
リチウム触媒とモノマーをそれぞれ分割して重合を行
い、続いて3官能以上のカップリング剤にてカップリン
グすることにより製造できる。
この場合、3官能以上のカップリング剤としては、例
えばトリクロロメチルシラン、四塩化ケイ素等のポリハ
ライド、アジビン酸ジエステル等のジエステル酸、さら
にはポリエポキサイト、ポリイソシアネート、ポリアミ
ン等公知のものを用いることができる。
さらに、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、
ヘキサメチルフォスフォールアミド、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの極性物質を重合系に添加
してもよい。
本発明で用いるブロック共重合体の製造例としては、
例えば、有機リチウム系触媒を2分割してモノマーを重
合させ、その後、カップリング剤で処理する方法を用い
ることができる。即ち、オートクレープにてシクロヘキ
サン中に、スチレンを含む溶液を調製し、テトラヒドロ
フランをシクロヘキサンに対して50〜5000ppm添加した
後、40〜80℃に昇温後、n−ブチルリチウムを使用モノ
マー全量に対して0.05〜0.20重量%添加して反応を開始
し、モノマーの反応終了後、さらにn−ブチルリチウム
を0.1〜0.30重量%添加し、直ちにブタジエンを添加し
てさらに反応を続ける。この時、反応の最高温度が80〜
110℃になるように調整する。反応終了後、四塩化ケイ
素をn−ブチルリチウムに対して0.5〜1.5当量添加して
反応させる。反応終了後、安定剤を添加して溶剤を分離
し、目的のブロック共重合体を得る。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂を得る方法は、本発
明が満足されるように配慮されている限り、公知の方法
を用いてもよいが、特に、塊状重合法、塊状−懸濁重合
法が好ましい。
以下、塊状重合法と塊状−懸濁重合法の実施態様につ
いて述べる。
一般に、塊状重合法においては、ゴム状重合体をスチ
レン系単量体に溶解し、必要に応じて共重合可能なアク
リロニトリル等の単量体、さらには、トルエンやエチル
ベンゼン等の希釈剤、流動パラフィンやミネラルオイル
等の内部潤滑剤、酸化防止剤、メルカプタン類やα−メ
チルスチレン二量体等の連鎖移動剤等を加え、無触媒の
場合は、通常95〜200℃において加熱重合し、触媒重合
においては、一般により低い温度において、すなわち60
〜150℃において、実質的にスチレンの重合が完了する
まで重合操作が継続される。
触媒重合の場合は、開始剤として、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン等のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサ
イド類;ベンゾイルパーオキサイド、n−トルオイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のジアシル
パーオキサイド類;ジミリスチルパーオキシジカーボネ
ート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパ
ーオキシジカーボネート類;t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、ジ−t−ブチルイソフタレート、ジ−tert−ブチル
パーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類;シ
クロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;p−メンタハ
イドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパー
オキサイド類;アゾビスイソブチロニトリル。アゾビス
シクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物類などが
用いられる。これらは1種あるいは2種以上の組み合わ
せで用いられる。
さらに必要に応じて、連鎖移動剤、例えばメルカプタ
ン類、α−メチルスチレンニアダイマー、テルピノーレ
ンを用いることができる。
この塊状重合に際しては、しばしば公知の内部潤滑
剤、例えば流動パラフィンが重合体100重量部に対して
1〜5重量部添加される。重合終了後、生成ポリマー中
に少量(1〜20%)の未反応単量体を含有する場合は、
かかる単量体を公知の方法、例えば減圧除去あるいは揮
発分除去の目的に設計された押出装置で除去するなどの
方法によって除去することが望ましい。
かかる塊状重合中の攪拌は必要に応じて行われるが、
単量体の重合体への転化率、すなわち単量体の重合率が
60%以上まで進んだ後、攪拌を停止するか緩和するのが
望ましい。過度の攪拌は得られる重合体の強度を低下さ
せることがある。
また、必要ならば少量のトルエン、エチルベンゼン等
の希釈剤の存在下で重合し、重合終了後に未反応単量体
と共にこれら希釈剤は加熱除去してもよい。
また、塊状−懸濁重合法においては、まず前半の反応
を塊状で行い、後半の反応を懸濁状態で行うものであ
る。すなわち、ゴム状重合体の単量体溶液を先の塊状重
合の場合と同様に、無触媒下で加熱重合または触媒添加
重合し、単量体の通常50%以下、好ましくは20〜40%ま
でを部分的に重合させる。これが前半の塊状重合であ
る。
次いで、この部分的に重合した混合物を懸濁安定剤ま
たはこれと界面活性剤の両者の存在下に水性媒体中に攪
拌下に分散させ、反応後半を懸濁重合で完結させ、最終
的に洗浄、乾燥し、必要によりペレットまたは粉末化
し、実用に供するものである。
以上の他、これらの方法は改変、改良を行った従来公
知の方法により、有用な耐衝撃性スチレン系樹脂が得ら
れる。
本発明における組成物には、ポリジメチルシロキサン
などの有機ポリシロキサンを添加しても良い。この場
合、スチレン系単量体に有機ポリシロキサンを添加して
重合を行ってもよいし、押出機等を用いて混合しても良
い。
また、本発明における特定のブロック共重合体ととも
に対衝撃性スチレン系樹脂を形成するスチレンの一部を
スチレン以外のスチレンとラジカル共重合可能な単量体
で置換する場合、かかるスチレン以外の共重合可能な単
量体は、スチレンを含む全単量体の50重量%以下の範囲
で用いられる。
このようなスチレン以外の共重合可能な単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、無水マレ
イン酸、またはα−メチルスチレン、ビニルトルエン、
ビニルエチルベンゼン等のモノビニル芳香族炭化水素な
どから選ばれた1種または2種以上のモノマーが用いら
れる。
本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂は、射出成形、押出
成形等の加工法で多種多様に実用上有用な製品として使
用できる。さらに加工に際し、必要に応じて酸化防止
剤、紫外線吸収剤、難燃剤、滑剤、離型剤、充填剤等さ
らに他の熱可塑性樹脂、例えば一般用ポリスチレン、メ
タクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネ
ート、スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂、メ
チルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂、無水マレ
イン酸−スチレン共重合体樹脂などと混合して用いても
よい。
(実施例) 以下の若干の実施例を示し、本発明の具体的実施態様
を示すが、これは本発明の趣旨をより具体的に説明する
ためのものであって、本発明を限定するものではない。
(I)ブタジエン−スチレンブロック共重合体試料の製
造。
以下に示す方法により、本発明において用いるブロッ
ク共重合体(試料A)を得た。
内容積10のオートクレープを洗浄乾燥し、窒素置換
後、予め精製、乾燥したシクロヘキサン5.2kgとテトラ
ヒドロフラン2.6gを加え、次に乾燥したスチレン80gを
加えた。次いで、このモノマー混液を71℃まで昇温した
後n−ブチルリチウムの10重量%シクロヘキサン溶液8.
0gを加えて反応を開始した。
反応終了後、引き続いてn−ブチルリチウムの10重量
%シクロヘキサン溶液12.0gと乾燥したブタジエン720g
を加えて反応を再開し、反応終了後、四塩化ケイ素を1.
20g加えて30分間反応した。
得られたポリマー溶液に安定剤として2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を0.5PHR加え、
溶媒を加熱除去した。
以下、同様の手法にて第1表に示した条件にて実施例
B、C、D、E、F、比較例G、H、I、J、Kの共重
合体を得た。
ブロックスチレン含量、結合スチレン含量、分子量、
ムーニー粘度、溶液粘度については先に説明した方法に
より測定した。
コールドフロー性については以下の方法にて測定し
た。
L40mm×W40mm×H50mmの立方体のゴム試験片を作成
し、室温にて500gの荷重を上からかけて60分後の試験片
の高さH′を測定する。
(II)耐衝撃性スチレン系樹脂の製造。
第1表の各ブロック共重合体を用いて、以下に述べる
塊状重合法により耐衝撃性スチレン系樹脂を得た。
即ち、第1表の各種ゴム状重合体を夫々に第2表の組
成にて調製し、均一に溶解させた。これを攪拌装置付反
応器に移し、原料モノマーに対して0.03部の1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを加えて、10
5℃で3時間、135℃で2時間、160℃で2時間反応させ
た。
反応中、ゴム状粒子の相の平均粒径を調整するため
に、攪拌数をコントロールした。
得られた重合体を230℃にて未反応物を減圧除去後、
押出機にてペレット化した。
平均粒径はコールターカウンターを用いて測定し、50
%メジアン径として表現した。
アイゾット衝撃強度は圧縮成形によって作成した、厚
さ3.2mmの試験片を用い、JIS K−7110に従って測定し
た。
光沢は5mm×10mm、厚さ2mmの片ピンゲート付金型で射
出成形を行い、ゲート部とゲート反対側部の光沢の平均
値をJIS K−8741に従って測定した。得られた結果を
第2表に示す。
第2表の実施例1、2、4、6の結果から明らかなよ
うに、本発明のゴム状重合体を用いて耐衝撃性ポリスチ
レンを重合する場合、耐衝撃性と光沢の優れた樹脂が得
られることが判る。
実施例3、5において、スチレンの一部にアクリロニ
トリルを使用した場合にも、耐衝撃性、光沢の優れた樹
脂が得られることが判る。
これに対して比較例7〜11の結果から明らかなよう
に、本発明以外のゴム状重合を用いた場合、光沢あるい
は衝撃強度が劣る樹脂が得られることが判る。
また、用いるゴム状重合体のコールドフロー性におい
ても、本発明で用いるブロック共重合体は従来のポリブ
タジエンと比較して大幅に改良されており、さらにスチ
レン含量が同じ程度の本発明以外のブロック共重合体と
比較しても優れていることが判る。このことは、工業的
に用いる場合大きな利点となる。
(発明の効果) 本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、光沢が優
れ、しかも十分な耐衝撃性をも有しているため、特に外
観と耐衝撃性が共に要求される分野などにさらに広範囲
に使用でき、発明の効果は大であ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−172413(JP,A) 特開 昭61−143415(JP,A) 特開 昭54−11191(JP,A) 特開 昭61−171714(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/04 C08F 287/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素溶媒中、ブタジエン及びスチレン
    とを有機リチウム系触媒を用いて重合させ、得られたス
    チレン−ブタジエン共重合体を3官能以上のカップリン
    グ剤にてカップリングさせて得られる、 (a)25℃における5重量%スチレン溶液粘度が5〜50
    センチポイズ(cps)、 (b)結合スチレン含量が2〜15重量%、 (c)ブロックスチレン含量が結合スチレン含量の80重
    量%以上、 (d)ムーニー粘度が10〜80、 (e)分子量分布(Mw/Mn)が1.4以下、 (f)共重合体の分子量分布曲線のピーク分子量をM.
    P、及びブロックスチレン部のピーク分子量をB.P
    (万)、結合スチレン含量をT.S(%)としたとき、 M.P×T.S×0.004<B.P の関係にあることを特徴とする、ブタジエン−スチレン
    ブロック共重合体。
  2. 【請求項2】炭化水素溶媒中、ブタジエン及びスチレン
    とを有機リチウム系触媒を用いて重合させ、得られたス
    チレン−ブタジエン共重合体を3官能以上のカップリン
    グ剤にてカップリングさせて得られる、 (a)25℃における5重量%スチレン溶液粘度が5〜50
    センチポイズ(cps)、 (b)結合スチレン含量が2〜15重量%、 (c)ブロックスチレン含量が結合スチレン含量の80重
    量%以上、 (d)ムーニー粘度が10〜80、 (e)分子量分布(Mw/Mn)が1.4以下、 (f)共重合体の分子量分布曲線のピーク分子量をM.
    P、及びブロックスチレン部のピーク分子量をB.P
    (万)、結合スチレン含量をT.S(%)としたとき、 M.P×T.S×0.004<B.P の関係にある、ブタジエン−スチレンブロック共重合体
    の3〜25重量%と、スチレン系単量体またはスチレン系
    単量体と共重合可能な単量体との混合物97〜75重量%
    を、塊状重合、塊状懸濁重合または溶液重合させること
    を特徴とする、耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の製造方
    法。
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