JP3035687B2 - 水圧転写印刷法 - Google Patents

水圧転写印刷法

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JP3035687B2
JP3035687B2 JP5090655A JP9065593A JP3035687B2 JP 3035687 B2 JP3035687 B2 JP 3035687B2 JP 5090655 A JP5090655 A JP 5090655A JP 9065593 A JP9065593 A JP 9065593A JP 3035687 B2 JP3035687 B2 JP 3035687B2
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昌人 山盛
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水圧転写印刷法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、水圧転写印刷法とは、所望の模
様が片側の表面に印刷された転写フィルム(普通ポリビ
ニルアルコール主体のフィルム)をその供給ローラより
繰り出しそして転写槽内の水面に浮かべて送り出す一
方、その上方で被転写体をコンベアにより移送しなが
ら、その被転写面を転写フィルムの上から水中に押し入
れることにより、転写フィルム上の模様を被転写体に転
写させるところの印刷技術をいうが、この印刷法は、三
次元曲面への印刷が正確でかつ容易であるという特徴を
有することから、最近、様々な用途において各種の立体
製品の表面印刷に利用されている。尚、水圧転写印刷法
の改良のためにいくつかの提案も従来なされている(特
公昭60-50597号公報、特開昭57-45090号公報、特開昭58
-31754号公報、特開平4-119850号公報、特開平4-122647
号公報など)。
【0003】また、この種の印刷法においては、通常、
転写フィルムの膨潤化によって印刷層の接着性を高めて
良好な水圧転写を確実にするべく、供給ローラより繰り
出された転写フィルムを転写槽内の水面上に浮かべる前
に、例えばロール塗工装置により、活性剤の溶液例えば
硫酸バリウム主体のメチルセロソルブ溶液を転写フィル
ムの印刷面に塗布するという処理が行なわれている。そ
してまた、上記の手順に従い印刷された転写体は、通
常、その後クリア塗料を転写面に塗布することにより、
表面が透明樹脂により被覆された最終的な印刷製品に仕
上がられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
過程を経て最終的に仕上げられた転写印刷製品は、表面
が大変滑らかな製品になる。製品の用途、印刷模様の種
類などによっては、表面の平滑度が高い印刷製品がより
求められるであろう。しかし、木目模様、銘石(大理石
等)模様などの印刷がなされた製品にあっては、必ずし
も表面が完全に平滑である必要はなく、むしろ、微視的
にみれば相当の凹凸が製品の表面に残されている方が望
まれる。真正の木材、銘石等は、本来、人間の目で見て
わかる程度の表面凹凸を有するものであり、このため、
これらをクリア塗料で被覆したとしても、その表面凹凸
は完全には失われずある程度残ることから、木目模様、
銘石模様等を有する転写印刷製品については、そのよう
な表面凹凸が形成されることにより、視覚のみならず、
触覚によっても実物感を得られるようにすることが求め
られている。特に、自動車の内装品の分野においては、
最近、木目模様の装飾品の利用が好まれており、従っ
て、木目模様に加え、クリア塗装された木材製品の表面
と同様の触感が得られるところの転写印刷製品を開発す
べきとの要求が現在高まってきている。
【0005】しかるに、従来の水圧転写印刷法によって
は、印刷製品について表面の微細な凹凸を表現すること
ができず、従って、木目、銘石等の模様が転写印刷され
た製品にあっては、その表面を触ったときの感覚が実際
の木材、銘石等の表面にクリア塗装をしたものの場合と
著しく異なり、木質製品、石材製品等ならば得られるで
あろうところのその製品固有の触感が全く得られないと
いう欠点があった。
【0006】かかる触感を与える一の方法としては、木
目、石目模様の印刷インキの他、木粉、石粉等を予めフ
ィルムの表面に付着させたところの転写フィルムを、水
圧転写過程に利用する方法が考えられる。しかし、この
方法では、かかる特殊な転写フィルムを、通常の水圧転
写過程とは別の前工程において製造し予め準備しておく
必要があるため、生産工程がさらに一工程増加するとい
う不利があり、かつ、その工程に用いる専用の塗装装置
等が必要である等の欠点がある。
【0007】本発明は、かかる事情のもと、従来の水圧
転写印刷の技術の欠点を解消するべくなされたものであ
って、印刷製品について表面の微細な凹凸を表現するこ
とができ、木目、銘石等の模様が転写印刷された製品に
ついては、実際の木材、銘石等の表面をクリア塗装した
製品の触感と同様の触感を得ることができ、しかも、か
かる触感を与えるための処理を通常の水圧転写過程の中
で行なうことができ、そのための工程を新たに設ける必
要がないところの水圧転写印刷法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による水圧転写印
刷法は、水圧転写装置を用いて、模様が印刷された転写
フィルムを、活性剤の塗布に続いて、転写槽内の水面に
浮かべて送り出し、一方、その上方で被転写体をコンベ
アにより移送し、その被転写面を転写フィルムの上から
水中に押し入れることにより、転写フィルム上の模様を
被転写体に転写する印刷法において、木粉、プラスチッ
ク粉末、ゴム粉末、無機質粉末および顔料からなる群か
ら少なくとも一種選択される5μないし50μの大きさ
の非平滑化剤を活性剤の溶液の中に混入させ、該非平滑
化剤を活性剤の塗布と同時に転写フィルムの印刷表面に
付着させることを特徴とするものである。要約していう
と、本発明は、従来の水圧転写装置を用いた通常の転写
印刷過程において、木粉等よりなる相対的に大きな粉末
形態の非平滑化剤を単独または混合の形態で活性剤の溶
液中に混入し、転写フィルムの印刷層面への非平滑化剤
の付着を活性剤の塗布と同時に行なうことにより、水圧
転写を経て、微細な凹凸を印刷模様とともに製品の表面
に形成するようにしたものである。
【0009】本発明において非平滑化剤とは、転写フィ
ルムの印刷表面に付着した状態で水圧転写がなされるこ
とにより、微細な凹凸を転写印刷製品の表面に形成する
ことができる粉末状材料をいい、本発明にあっては、木
粉、プラスチック粉末、ゴム粉末、無機質粉末および顔
料からなる群から、少なくとも一種のものが選択されて
利用される。木粉としては、天然木、破砕木片および木
屑等を微粉砕したものでよく、その樹種、色彩等につい
ては、印刷模様の種類に応じて選択される。また、プラ
スチック粉末、ゴム粉末および無機質粉末としては、各
種のプラスチックやゴム、あるいは各種の銘石などを粉
末化したものでよく、その材質、色彩等については、印
刷模様の意匠に応じて選択される。さらに、顔料につい
ても、種類は特に限定されず、形成しようとする印刷模
様の色相などに対応して選択利用される。
【0010】非平滑化剤としての粉末は、5ないし50
μ、より好ましくは10ないし30μの大きさのものが
適当である。もっとも、粉末の大きさは、この範囲内に
おいて、印刷模様の形態、印刷しようとする製品の種類
などにより適宜調整される。
【0011】また、非平滑化剤は、通常、活性剤の溶液
(比重1.00〜1.10)100重量部に対して10
ないし30重量部、より好ましくは約14重量部、配合
される。非平滑化剤の配合量が10重量部未満である
と、転写フィルムへの付着量が過少となるため、微細な
凹凸が満足に印刷製品の表面に形成されず、一方、非平
滑化剤の配合量が30重量部を越えると、転写フィルム
への付着量が過大となるため、活性剤の塗布並びに水圧
転写を良好に行なうのが困難になる。非平滑化剤の配合
量が上記範囲であると、転写フィルムへの付着量が適当
となり、活性剤の塗布並びに水圧転写を阻害することな
く、満足な微細凹凸を印刷製品の表面に形成することが
できる。
【0012】また、本発明における水圧転写印刷法は、
基本的なプロセスに関しては従来のこの種の印刷法と同
様である。すなわち、本方法もまた、所望の模様が印刷
された転写フィルムを供給ローラより繰り出し、続いて
活性剤を塗布し、そしてこれを転写槽の上方へ送り出し
てその水面上に浮かべる一方、その上方で被転写体をコ
ンベア移送しながら、その被転写面を転写フィルムの上
から水中に押し入れることにより、転写フィルム上の印
刷模様を被転写体に転写するものである。そして、本発
明の方法に従い水圧転写された印刷製品もまた、その後
クリア樹脂塗料が印刷表面に塗装されるのが普通であ
る。クリア樹脂塗膜の厚さは、通常10ないし50μ、
より好ましくは約20μである。
【0013】
【作用】本発明においては、活性剤の塗布と同時に木粉
等の非平滑化剤が転写フィルムの印刷層面に付着される
ことにより、これに続いて、非平滑化剤が付着された転
写フィルムを用いて水圧転写が通常のようになされ、こ
の結果、微細な凹凸が印刷模様とともに製品の表面に形
成されることになる。非平滑化剤の種類、大きさおよび
形態等を適宜選択することにより、例えば木目模様が転
写印刷された製品については、実際の木材の表面をクリ
ア塗装した製品の触感と同様の触感を得ることができ
る。また、大理石模様等を有する印刷製品を作る場合に
も、同様の手段により、そのような材質からなるクリア
塗装製品の触感と同様の触感を得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
【0015】図1は、実施例の方法を実施するのに適す
る水圧転写装置の全体構成を示す。この水圧転写装置
は、水が満たされている転写槽1(aは水面を示す。)
と、木目模様が印刷された転写フィルム2(PVA主体
フィルム、普通 600mの長さ)を供給ローラ9より繰り
出しそして転写槽1内の水面に浮かべて送り出す転写フ
ィルム供給装置3と、転写槽1の上方において、被転写
体5を移送しながら、その被転写面を転写フィルム2の
上から水中に押し入れることにより、転写フィルム上の
印刷模様を被転写体5の表面に転写する転写コンベア4
とから、構成される。
【0016】転写槽1は、主槽11とその後側に位置す
る副槽12とに分かれており、副槽12からの回収管は
フィルタ(F)を介してポンプ10と接続され、そして
ポンプ10からの流出管は主槽11の前側より導入され
ている。従って、ポンプ10の運転によって、槽内の水
が図に示すように、主槽11の側壁を越えて副槽12の
中へ溢れ出、そして回収されたオーバーフロー水は、濾
過の後、再び主槽11内へ供給されるように、常に循環
する方式の槽となっており、よって、運転時には、表面
流pが槽内の水面aに形成されるようになっている。
【0017】転写コンベア4は、2本のチェーン13、
13を並行に配置した構成のチェーンコンベアであっ
て、各チェーン13を3個のプーリ14・・間に張設
し、そしていくつかのホルダー6・・を両チェーン1
3、13に取り付けてなり、モータ15の運転によっ
て、これと接続するプーリ14・・が回転し、チェーン
13、13が回り動き、これとともにホルダー6が移送
されるようになっている。ホルダー6は、被転写体5が
搭載された枠形治具20を掛け外し可能に吊持しうる構
造となっている。このコンベア4には、ホルダー6が下
降する個所とその後ホルダー6が上昇する個所とがあ
り、前者は着荷の位置であり、後者は脱荷の位置であ
る。
【0018】転写フィルム供給装置3は、図1に示すよ
うに、装置カバー16の中に、長さ約600mの転写フ
ィルム2が巻かれた供給ローラ9と、供給ローラ9より
繰り出された転写フィルム2に対して当接、離間するよ
うに進退動可能に備えられた除電ローラ17と、該転写
フィルム2に対して必要なテンションを与えるテンショ
ンローラ18と、その後活性剤を転写フィルム1の表面
に塗布するためのローラ塗工装置8と、そして、転写フ
ィルム2を転写槽1の上方へ送り出されるように引っ張
る送りコンベア19等を備えてなり、運転時には、転写
フィルム2が、供給ローラ9より繰り出され、必要なテ
ンションを保って走行し、途中で活性剤が塗布された
後、転写槽1の上方へ送り出されるようになっている。
【0019】而して、水圧転写は、フィルム供給装置3
の運転によって、転写フィルム2を転写槽1内へ連続的
に供給し水面a上に浮かべて送り出すとともに、転写コ
ンベア4を運転し、まず、ホルダー6が下降する個所に
おいて被転写体5をホルダー6に着荷し、次いで、これ
を移送しながら、その被転写面を転写フィルム2の上方
から水中に押し入れることにより、転写フィルム2上の
印刷模様を被転写体5の表面に転写し、その後、ホルダ
ー6が上昇する個所において被転写体5をホルダー6よ
り脱荷するという手順により、行なわれる。しかる後、
水圧転写された印刷製品は、クリア樹脂の塗装がなさ
れ、厚さ10ないし50μ、より好ましくは約20μの
透明樹脂塗膜が製品の印刷表面に形成される。
【0020】そして、上記装置を用いての本実施例によ
る印刷法は、木粉、プラスチック粉末、ゴム粉末、無機
質粉末および顔料からなる群から選択される非平滑化剤
(大きさ:5ー50μ)を単独または混合の形態で、活
性剤、例えばCFプライマー(有効成分:硫酸バリウム
主体、溶媒:メチルセロソルブ、ザ インクテック株式
会社製)の溶液7(比重1.00ー1.10)の中に、
活性剤溶液100重量に対して10ー30重量部混入さ
せ、非平滑化剤を活性剤の塗布と同時に転写フィルム2
の印刷表面に付着させるものである。
【0021】而して、本方法によると、通常の水圧転写
を行なうだけで、微細な凹凸を印刷された木目模様とと
もに印刷製品の表面に形成することができ、非平滑化剤
の種類、大きさおよび形態等の適当な選択によって、実
際の木材の表面をクリア塗装した製品の触感と同様の触
感を得ることができた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
印刷製品について表面の微細な凹凸を形成することがで
き、木目、銘石等の模様が転写印刷された製品にあって
は、実際の木材、銘石等の表面をクリア塗装した製品の
触感と同様の触感を得ることができ、しかも、かかる触
感を与えるための処理を通常の水圧転写過程の中で行な
うことができ、そのための工程および設備を別に設ける
必要がないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の印刷法を実施するのに適する
水圧転写装置を示す全体図である。
【符号の説明】
1 転写槽 2 転写フィルム 3 転写フィルム供給装置 4 転写コンベア 5 被転写体 6 ホルダー 7 非平滑化剤の混入された活性剤溶液 8 ローラ塗工装置 9 供給ローラ a 水面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 16/00 B44C 1/175

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水圧転写装置を用いて、模様が印刷され
    た転写フィルムを、活性剤の塗布に続いて、転写槽内の
    水面に浮かべて送り出し、一方、その上方で被転写体を
    コンベアにより移送し、その被転写面を転写フィルムの
    上から水中に押し入れることにより、転写フィルム上の
    模様を被転写体に転写する印刷法において、木粉、プラ
    スチック粉末、ゴム粉末、無機質粉末および顔料からな
    る群から少なくとも一種選択される5μないし50μの
    大きさの非平滑化剤を活性剤の溶液の中に混入させ、該
    非平滑化剤を活性剤の塗布と同時に転写フィルムの印刷
    表面に付着させることを特徴とする水圧転写印刷法。
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