JP3039112B2 - 精密研削用砥石およびその製造方法 - Google Patents

精密研削用砥石およびその製造方法

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JP3039112B2
JP3039112B2 JP4050025A JP5002592A JP3039112B2 JP 3039112 B2 JP3039112 B2 JP 3039112B2 JP 4050025 A JP4050025 A JP 4050025A JP 5002592 A JP5002592 A JP 5002592A JP 3039112 B2 JP3039112 B2 JP 3039112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、砥粒の分散性に優れか
つチップポケットが砥粒に比べて大きい精密研削用砥石
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なメタルボンド砥石は、通常、粉
末状の金属結合剤に砥粒を均一に混合し、この混合粉末
を台金とともに型込めした後、これらを圧粉成形および
焼結して製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなメタルボンド砥石の製造方法では、砥粒と結合剤
とを混合し型込めする時点で、個々の砥粒を均一に分散
させることが難しく、焼結後の砥粒層の内部において砥
粒の分布密度に粗密が生じることは避けられない。この
ため、研削面に露出した砥粒の配置に粗密が生じ、砥石
の切れ味に局部的なむらが生じて、研削性能が不安定に
なる欠点があった。
【0004】また、従来のメタルボンド砥石を使用して
研削を行うと、図8に示すように砥粒2よりも相対的に
軟質である砥粒層5から摩耗が進行してチップポケット
9を生じ、このチップポケット9により切粉が排出され
る。しかしながら、このチップポケット9は砥粒の大き
さに比べて充分に大きくすることが出来ないという不満
があった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、砥粒の分布密度が均一で切れ味に局部的なむらが生
じにくく、砥粒の大きさに比べて充分に大きいチップポ
ケットを形成できる精密研削用砥石およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の精密研削
用砥石では、金属結合相中に、殻状をなす仮想面に沿っ
て多数の砥粒を配置するとともに上記殻状の仮想面の内
部を金属相によって充密した砥粒集合部を、互いに一定
間隔を隔てて分散させたことを課題解決の手段とした。
【0007】請求項2記載の精密研削用砥石の製造方法
では、金属相をなす中実の金属粒子の表面に相対的に小
径の砥粒を摩擦圧接被覆法により直接的に圧着して多数
固定した後、さらにその外周に金属被覆層を形成して複
合粒子を構成し、この複合粒子を加圧成形及び焼結して
砥石を製造することを課題解決の手段とした。
【0008】
【作用】金属相をなす中実の金属粒子の表面に相対的に
小径の砥粒を摩擦圧接被覆法により直接的に圧着して
数固定した後、さらにその外周に金属被覆層を形成して
複合粒子を構成し、この複合粒子を加圧成形及び焼結す
ると、多数の砥粒が殻状をなす仮想面に沿って配置され
るとともに上記殻状の仮想面の内部が金属相によって充
密させられた砥粒集合部が、金属結合相中に互いに一定
間隔を隔てて分散されている砥石を得ることができる。
従って、このような砥石によれば、砥粒の分布密度に粗
密を生じることなく均一に分散させることができるとと
もに、研削時においては、上記砥粒集合部の中央部分
充密させられた金属相が金属結合相と同じように摩耗す
るので、砥粒径に比して大きなチップポケットが確実か
つ均一に形成でき、良好な切粉排出性が得られる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の精密研削用砥
石およびその製造方法について詳しく説明する。
【0010】図1は本発明の精密研削用砥石の一実施例
を示す模式図である。この精密研削用砥石は、中実球形
の金属核粒子4の表面(仮想面)Aに沿って砥粒2…が
被覆されている砥粒集合部3を、砥石(図示せず)の外
周面に設けられた金属結合相1中に互いに一定間隔を隔
てて分散させたものである。従って、砥粒集合部3の上
記仮想面Aの内部には、金属核粒子4よりなる金属相が
充密させられている。
【0011】上記金属核粒子4としてはCu,Ni,A
l等が好ましい。また、この金属核粒子4の粒径は、1
0〜500μm程度が好ましく、特に30〜100μm
がより好適である。10μm未満では、金属核粒子4の
表面に沿って砥粒2を被覆する場合に、この金属核粒子
4が中心核となりにくく、500μmを越えると金属核
粒子4表面への被覆が困難になる。
【0012】また、上記砥粒2としては、ダイヤモン
ド、cBN等の超砥粒や、SiC、Al23等の一般砥
粒を用いることができる。上記砥粒2の粒径は、精密研
削用としては50μm以下が望ましいが、使用目的に応
じて適宜変更しても良い。上記砥粒2の形状は、球状に
近い状態の正多面体または球状が好ましい。しかし、極
端な鱗片状でない限り、不定形の砥粒を用いても良い。
【0013】上記金属結合相1をなす金属としては、C
u,Ni,Al,Sn,Co等が好ましい。この金属結
合相1を形成するために使用される金属粉末の粒径は、
後述する製造上の理由により0.1〜20μmが望まし
い。
【0014】このような精密研削用砥石では、球形の金
属核粒子4の表面に沿って砥粒2…が被覆されるととも
にこの表面の内部が金属核粒子4よりなる金属相によっ
て充密させられている砥粒集合部3を、金属結合相1中
に互いに一定間隔を隔てて分散させたものであるため、
研削時においては、砥粒集合部3の中央部分の金属相
金属結合相1と同じように摩耗し、砥粒2の径に比して
大径のチップポケットが均一に形成される。このため、
切粉の排出性が極めて良好になる。
【0015】図2本発明の精密研削用砥石の第2実施
例を示す模式図である。この精密研削用砥石、図示し
ない砥石の外周面に設けられた金属結合相1内に、仮想
Aに沿って砥粒2を配置させるとともにこの仮想面A
の内部が金属相によって充密させられた砥粒集合部3を
互いに一定間隔を隔てて分散させたものである。
【0016】この例では、砥粒2を分散させている仮想
A内の金属が、金属結合相1と同一の金属で形成さ
れている点が第1実施例と異なっている。この精密研削
用砥石においても、第1実施例と同様の作用効果を奏す
のは勿論、仮想面A内に充密させられた金属相が金属
結合相1と同一金属であるので、これらが摩耗すること
によるチップポケットの形成がさらに均一となり、一層
確実な切粉の排出を促すことができる。
【0017】次に第1実施例の精密研削用砥石の製造方
法について説明する。まず、Cu,Ni,Al等の中実
金属核粒子4の表面に沿って、金属核粒子4より相対
的に小径の砥粒2を摩擦圧接被覆法によって直接的に圧
着して多数被覆する。摩擦圧接被覆法によって砥粒2を
被覆するには、図3に示すような装置を用いて行われ
る。
【0018】図3に示す加圧転動装置の構成を簡単に説
明すると、図中符号10は軸線を水平に設置された円筒
状のドラムであり、軸線を中心として回転される。ドラ
ム10の内部には、軸線に沿って固定シャフト12が配
置され、このシャフト12には下向きに加圧アーム1
3、およびその回転方向後方側の斜め下方に延びる掻き
取りアーム14がそれぞれ固定されている。ドラム10
内に金属核粒子4と砥粒2を添加した後、蓋(図示せ
ず)で塞ぐことにより、ドラム10内はほぼ密閉され
る。
【0019】加圧アーム13の下端には、ドラム10の
内面と平行な円弧状をなす加圧板15が固定され、この
加圧板15とドラム10内面との間には、一定の間隙が
形成されている。一方、掻き取りアーム14の下端は刃
先状に形成され、ドラム10内面に付着した粉体を掻き
落とす構成となっている。
【0020】圧着被覆を行うには、まず、金属核粒子4
と砥粒2とを所定の割合でドラム10に入れる。
【0021】次に、上記の混合粉末をドラム10に入れ
て蓋をした後、ドラム1を回転させる。すると、混合粉
体が加圧板15とドラム10との隙間で加圧され、混合
粉体に転動運動が加わりつつ互いに擦り合わされる。機
械的に高いエネルギーを与えられ衝突した金属核粒子4
および砥粒2では金属核粒子4の方が軟質でかつ小径で
あるため、金属核粒子4の表面全体に砥粒2が打ち込ま
れた状態となる。
【0022】またドラム10の内面に付着した粉体は掻
き取りアーム14で再び分散され、未付着の砥粒2は再
び加圧アーム13で金属核粒子4の表面上に打ち込まれ
ていく。この作業を一定時間繰り返すことにより、砥粒
2は金属核粒子4の表面に順次圧着被覆されていき、図
4に示すように最終的にはほぼ全量圧着被覆された砥粒
集合部3となる。
【0023】次にドラム10内に、Cu,Ni,Al,
SnまたはCo等の金属粉末を入れ、上記同様にドラム
10を回転させて、砥粒集合部3上に、Cu,Ni,A
l,SnまたはCo等からなる金属被覆層6を形成する
(図5参照)。この金属被覆層6を形成するために用い
られる金属粉末の粒径は、0.1〜20μmが望まし
い。0.1μm未満ではこの金属粉末のみで凝集が起こ
ったり、充分な圧力が金属粉末に加わらなかったりして
金属被覆層6の形成が困難になる。20μmを越えると
金属被覆層6の厚み分布が不均一になったり、金属被覆
層6の形成自体が難しくなる。
【0024】この金属被覆層6は、後述する砥石化時の
焼結性を向上させるものである。この金属被覆層6の被
覆層厚さは、1〜30μm程度が望ましい。これは、1
μm未満では、焼成時に十分な焼結助剤の役目を果たさ
ず、30μmを越えると、形成困難になるためである。
【0025】またこの金属被覆層6を砥粒集合部3上に
形成するには、上記方法だけでなく無電解めっき法、電
気めっき法等を用いても良い。
【0026】次に、このようにして得られた複合粒子7
を台金とともに型込めし、圧粉成形および焼結する。す
ると、複合粒子7の金属被覆層6同士が容易に接合し合
う。その結果、図6に示すように各金属被覆層6が相互
に強固に結合した金属結合1が形成される。同時に、
砥粒2で被覆された中実の金属核粒子4はこの結合相1
中で3次元的にほぼ等間隔に分散され、台金の金属結合
相1の一部としての金属相が形成される。なお、上記圧
粉成形および焼結には、ホットプレス法等も含まれる。
成形、焼結の雰囲気は大気中でも可能であるが、不活性
あるいは還元性雰囲気がより好ましい。
【0027】使用する台金および砥粒層の形状は、従来
実用化されているいかなる形状であっても良い。また、
台金を使用せず、砥石全体が砥粒層のみで構成されてい
る砥石も製造可能である。成形時のプレス条件や加熱条
件は従来と同様でよい。
【0028】上記のような砥石製造方法によれば、細か
い砥粒2が金属核粒子4よりなる上記金属相の周りに
状に多数均一に配置されて結合相1に分散した砥石を形
成することができる。このため、研削時においては、砥
粒より相対的に軟質な金属核粒子4よりなる金属相が容
易に摩耗するため、図7に示すように砥粒2の径に比し
て大径のチップポケット8を形成することができ、更に
結合相1の摩耗によるチップポケットも含めて切粉の排
出を効率良く行うことができる。しかも、これら金属相
と金属結合相1とは同じように摩耗するので、これによ
るチップポケットの形成が不均一となることがなく、よ
り確実に切粉排出性の向上を図ることができる。このた
め、研削動力の低減が図れ、良好な切れ味が持続する。
また、この方法によれば、従来、型込め時に起こってい
た砥粒にかたよりが発生することがない。また、この方
法によって得られた砥石では、砥粒相に微細砥粒が同一
パターンで均一に分散しているため、研削面の切れ味が
良く、被研削材の仕上げ面粗さが従来に比べて2倍程度
向上する。さらに、砥粒2は、摩擦圧接被覆法によって
金属核粒子4の表面に直接的に打ち込まれることによ
り、圧着されて固定されるため、焼結の際に砥粒2が脱
落したり、製造された砥石の金属結合相1中に該金属結
合相1や上記金属相よりも硬質な層が残されてチップポ
ケットの形成を阻害したりすることもない。
【0029】なお、上述した砥石の製造方法において、
上記金属粉末に各種フィラーを添加しても良い。その場
合には、成形後の砥石にフィラー種に応じた機能を付与
することが可能である。例えば、フィラーとしてカーボ
ン粉を金属粉末に混合すれば、最終的に得られた砥石を
研削に使用した際に、研削面に徐々にカーボン粉が供給
されるため、潤滑性や砥粒の自生発刃作用を高めること
ができる。また、金属被覆相6の一部または全てにSi
CやAl23等の硬質粒子を添加しておけば、結合層の
内部において個々の砥粒1の周囲にフィラーを均一に配
置することができるから、成形後の砥石にそれに基づく
機能を効果的に付与することが可能である。
【0030】なお、本実施例においては、図1に示す精
密研削用砥石の製造方法について説明したが、金属核粒
子4と金属被覆相6とに用いられる金属を同一にするこ
とにより容易に図2に示す第2実施例の精密研削用砥石
を製造することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の精密研削用
砥石では、金属結合相中に、殻状をなす仮想面に沿って
多数の砥粒を配置するとともに上記殻状の仮想面の内部
を金属相によって充密した砥粒集合部を、互いに一定間
隔を隔てて分散させたものであるため、微細砥粒が同一
パターンで均一に分散し、切れ味が良く仕上げ面粗さも
従来の砥石で行ったものに比べて2倍程度向上する。ま
た研削時においては、砥粒集合部の中央部分の金属相と
金属結合相とが同じように摩耗するので、砥粒径に比し
て大径のチップポケットが確実かつ均一に形成でき、良
好な切粉排出性が得られる。このため、研削動力の低減
が図れ、良好な切れ味を持続することができる。
【0032】また、本発明の精密研削用砥石の製造方法
では、金属相をなす中実の金属粒子の表面に相対的に小
径の砥粒を摩擦圧接被覆法により直接的に圧着して多数
固定した後、さらにその外周に金属被覆層を形成して複
合粒子を構成し、この複合粒子を加圧成形及び焼結して
砥石を製造するので、上記の効果が得られる砥石を確実
かつ容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精密研削用砥石の第1実施例を示す模
式図である。
【図2】本発明の精密研削用砥石の第2実施例を示す模
式図である。
【図3】本発明の精密研削用砥石の製造方法に使用され
る装置の説明図である。
【図4】砥粒集合部を示す模式図である。
【図5】複合粒子を示す模式図である。
【図6】本発明の精密研削用砥石の一例を示す模式図で
ある。
【図7】本発明の精密研削用砥石のチップポケットを示
す模式図である。
【図8】従来の砥石のチップポケットを示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 金属結合相 2 砥粒 3 砥粒集合部 4 金属核粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 及川 尚登 福島県いわき市泉町黒須野字江越246− 1 三菱マテリアル株式会社 いわき製 作所内 (56)参考文献 特開 昭56−102477(JP,A) 特開 昭51−100167(JP,A) 特開 昭50−7194(JP,A) 特開 昭60−46837(JP,A) 実公 昭61−7219(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 3/06 B24D 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属結合相中に、殻状をなす仮想面に沿
    って多数の砥粒が配置されるとともに上記殻状の仮想面
    の内部が金属相によって充密させられている砥粒集合部
    が、互いに一定間隔を隔てて分散されていることを特徴
    とする精密研削用砥石。
  2. 【請求項2】 金属相をなす中実の金属粒子の表面に相
    対的に小径の砥粒を摩擦圧接被覆法により直接的に圧着
    して多数固定した後、さらにその外周に金属被覆層を形
    成して複合粒子を構成し、この複合粒子を加圧成形及び
    焼結して砥石を製造することを特徴とする精密研削用砥
    石の製造方法。
JP4050025A 1992-03-06 1992-03-06 精密研削用砥石およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3039112B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100536734C (zh) * 1996-12-23 2009-09-09 皇家菲利浦电子有限公司 咖啡煮具

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100536734C (zh) * 1996-12-23 2009-09-09 皇家菲利浦电子有限公司 咖啡煮具

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