JP3045512B2 - 抗菌性ポリウレタンフォーム、抗菌性ポリウレタンエラストマー及び抗菌性ポリウレタン塗料組成物 - Google Patents

抗菌性ポリウレタンフォーム、抗菌性ポリウレタンエラストマー及び抗菌性ポリウレタン塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スコーチ状変色を抑制した抗菌性ポリウレ
タンフォーム、抗菌性ポリウレタンエラストマー及び抗
菌性ポリウレタン塗料組成物、特に黄色ブドウ球菌に著
効の抗菌性ポリウレタンフォーム等に関する。
本発明は、台所用クリーナー、マスク、ボディスポン
ジ、化粧品用パフ、フィルターエレメント、シール材、
下着パッド、シートクッション、マットレス、ヘッドレ
スト、皿洗い機用パッド、農芸用フォーム、内壁材、紙
オムツ、靴底(インソール)、スキーウェア等に利用さ
れる。
〔従来の技術〕
従来、抗菌性ポリウレタンフォームとしては、金属イ
オン等の無機系抗菌剤(特に、ゼオライトに金属イオン
を担持させたゼオライト担持抗菌剤)が分散保持された
軟質ポリウレタンフォームが知られている(特開平成1
−161053号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来のポリウレタンフォームは、所定の金属イオ
ンが用いられているので、このイオンの触媒作用による
と推察されるスコーチ状変色を誘起してしまう。また、
このフォームは大腸菌に対しては抗菌性を示すものの、
黄色ブドウ球菌に対しては抗菌効果を示さないことが、
これまでに認められている。
以上より、前記変色を抑制するとともに、黄色ブドウ
球菌に対しても抗菌作用を示すポリウレタンフォームが
望まれている。黄色ブドウ球菌は食中毒の原因となるの
で、特に、台所用クリーナとして安心して使用できるポ
リウレタンフォームが望まれている。尚、ポリウレタン
エラストマー及びポリウレタン塗料組成物についても、
同様に望まれている。
本発明は、前記問題点を解決するとともに前記要望を
考慮してなされたものであり、変色を抑制するととも
に、黄色ブドウ球菌に対しても抗菌作用を示すポリウレ
タンフォーム、ポリウレタンエラストマー及びポリウレ
タン塗料組成物を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、スコーチ状変色の抑制及び黄色ブドウ球
菌に効果のある抗菌性物質に関して、鋭意研究を重ねた
結果、キトサンがこの効果を有することを見出して、本
発明を完成したものである。
即ち、本第1発明の抗菌性ポリウレタンフォームは、
ポリオール、触媒、発泡剤及びキトサン抗菌剤を混合
し、その後、該混合物に有機イソシアネートを加えて製
造された抗菌性ポリウレタンフォームであって、前記ポ
リウレタンフォーム中にキトサンが分散されて含有され
ることを特徴とする。本第4発明の抗形性ポリウレタン
エラストマーは、ポリウレタンエラストマー中にキトサ
ンが分散されて含有されることを特徴とする。
本第2発明の抗菌性ポリウレタンフォーム、又は本第
5発明の抗菌性ポリウレタンエラストマーにおいて、前
記ポリオール、前記有機イソシアネート及び前記キトサ
ン全体を100重量部とする場合、前記キトサンの含有量
は1〜12重量部(以下、単に%という)である。
本第6発明の抗菌性ポリウレタン塗料組成物は、ポリ
オール及び有機イソシアネートを含む塗料基剤とキトサ
ンとを含有することを特徴とする。本第7発明の抗菌性
ポリウレタン塗料組成物においても、前記と同様に、前
記キトサンの含有量は1〜12%である。
前記キトサンは、キチンをアルカリ溶液と加熱、又は
アルカリ融解等をして脱アセチル化した生成物で、β−
ポリ−D−グルコサミンである。このキトサンは、スコ
ーチ状変色を示さず、人体に対して安全性に優れ、更
に、以下の実施例に示すように抗菌性、特に黄色ブドウ
球菌に対する効果に優れる。
キトサンの含有量は、前記第2、5、7発明のよう
に、ポリオール、有機イソシアネート及びキトサンの全
体に対して1〜12%が好ましい。これが1%未満の場合
はキトサンの添加による抗菌効果が少なく、12%を越え
てもその効果が飽和してしまうし、更に、フォーム等の
ポリウレタン構造体又は塗膜の性能が低下するからであ
る。
前記ポリウレタンフォームの原料に用いられるポリオ
ール、有機イソシアネート、発泡剤としては、通常、各
ポリウレタン構造体(製品)の物性、用途等に対応し
て、種々選択して使用される。その各配合量も、目的、
用途等により選択され、一般には通常の配合量とされ
る。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、又はこれらの変成ポリオール(例
えば、ポリエーテルエステルポリオール等)も用いるこ
とができる。この2種以上の混合とすることもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、通常、エポキシド
付加物が使用され、(1)エチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ショ糖の多価アルコールの
アルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド)付加
物、(2)ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、エチレンジアミン等のアルキレンオキシド付加物、
(3)スチレン、アクリロニトリル等のグラフト型ポリ
マーポリオール等の変成ポリオールが例示される。
ポリエステルポリオールとしては、(1)マロン酸、
コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸或いはフタ
ル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸又はそれらの
混合物と、エチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール等の脂肪族グリコール或いはトリメチ
ロールプロバン、グリセリン等のトリオールとから重合
して得られる末端にヒドロキシル基を有するポリエステ
ルポリオール、(2)ε−カプロラクトンの開環重合で
得られるポリカプロラクトン等のポリエステルポリオー
ルが例示される。
前記ポリオールの分子量としては、軟質又は半硬質の
ポリウレタンフォームの場合、600〜6000、そのうち特
に1000〜5000が好ましい。これが、600未満或いは6000
を越えると物性及び反応性が著しく低下するからであ
る。また、硬質ポリウレタンフォームの場合、この分子
量は、通常、300〜600である。
有機イソシアネートとしては、2個以上のイソシアネ
ート基を同一分子中に含有する有機化合物であって、脂
肪族及び芳香族系イソシアネート、ポリイソシアネート
単量体、その混合物及びその変成物が包含される。脂肪
族イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘ
キサンジイソシアネート等がある。芳香族イソシアネー
トとしては、トリレンジイソシアネート(2、4及び/
又は2、6異性体)、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、多官能イソシアネート等がある。変成物としては、
プレポリマーのウレタン変成物、アロファネート変成
物、イソシアヌレート変成物等が例示される。
触媒としては、有機アミン及び錫化合物等の1種又は
2種以上を使用できる。この有機アミンとしては、
(1)トリエチルアミン等のモノアミン、(2)N−メ
チルモルホリン等の環状アミン、(3)トリエチレンジ
アミン、テトラメチル−1、4−ブタンジアミン等のジ
アミン、(4)ジメチルエタノールアミン等のエーテル
アミン、(5)その他のトリアミン、ヘキサミン、環状
ポリアミン等を用いることができる。錫化合物として
は、(1)ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジ
アセテート等の4価の錫化合物、(2)スタナスオクテ
ート、スタナスオレエート等の2価の錫化合物等を用い
ることができる。
発泡剤としては、通常、水(有機イソシアネートとの
反応で炭酸ガスを生成する)を使用するが、必要に応じ
て、トリクロロモノフロオロメタン、メチレンクロライ
ド等の低沸点の有機化合物や、空気、二酸化炭素等の気
体を用いることもできる。
更に、本発明の効果を逸脱しない限り、ポリエーテル
・シロキサン型等の整泡剤、ハロゲン化リン酸エステル
等の難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、充填剤又は着色剤等
を配合することができる。
前記ポリウレタンフォームとしては、通常、軟質のも
のが用いられるが、これに限定されず、半硬質、硬質の
ものとすることもできる。
また、これらのフォームの製造方法としては、従来の
公知のものを適宜使用でき、例えば、不連続法、連続法
を問わないし、主原料の反応段階においてワンショット
法、プレポリマー法等を問わない。
なお、前記ポリウレタンフォームの原料に用いられる
キトサン抗菌剤とは、前述したキトサン(β−ポリ−D
−グルコサミン)であって、分子内に複数の−OHおよび
一級−NH基を有する。したがって、ポリオール、触媒、
発泡剤、キトサン抗菌剤および有機イソシアネートから
なる混合物の付加重合・発泡により製造された第1発明
のポリウレタンフォームにおいては、このフォームを構
成するポリウレタンの主鎖中に直接キトサンが取り込ま
れている。
前記ポリウレタンエラストマーとしても、前記の各原
料を選択使用して、公知の方法で製造され、発泡型、非
発泡型を問わない。尚、これは弾性を必要とするので、
そのイソシアネート原料としては2官能又は2官能に近
いものが使用される。
前記塗料組成物として使用される塗料基剤は、目的と
する物性、用途等により、前記各原料を選択して使用さ
れる。一液型でも二液型でも問わず、これによって使用
する原料、触媒等が異なる。例えば、遊離のイソシアネ
ートをもつプレポリマーからなる有機イソシアネートと
ポリオールプレポリマーの2液を使用するもの、フェノ
ールでトリイソシアネート基をブロック化して保護した
有機イソシアネートを用いた1液型のもの、使用直前に
触媒を添加して硬化させるもの等がある。尚、必要に応
じて、他の樹脂、種々の添加物等を配合することもでき
る。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
本実施例は、抗菌性軟質ポリウレタンフォームに係わ
るものである。
本フォーム(実施例1〜4、比較例1)は、第1表に
示す示す配合処方により、通常の方法により製造され
た。
即ち、この軟質ポリウレタンフォームは、所定のトリ
オール、キトサン抗菌剤、アミン触媒、シリコン整泡
剤、発泡剤として水を攪拌混合した後、スタナス(II)
オクテートを添加し、更にトリレンジイソシアネートを
所定量加え、攪拌することにより製造された。
尚、トリオールは分子量3000のポリエーテルポリオー
ル(グリセリンにプロピレンオキシドを付加して重合さ
せたもの)を使用した。トリレンジイソシアネートにお
いて2、4−/2、6−の異性体比(重量比)は、80/20
である。アミン触媒(トリエチレンジアミン)としては
「DABCO」(三共エアプロダクツ社製)を用いた。整泡
剤としては、シリコーン整泡剤「L−520」(日本ユニ
カ−株式会社製)を用いた。キトサンとしては「キトサ
ンS」(太洋化学工業株式会社製、粒径;10〜200μ
m))のものを用いた。
次に、得られたポリウレタンフォームの抗菌力を下記
の方法により調べ、その結果を第2表に示す。この抗菌
力試験方法は、繊維製品衛生加工協議会の抗菌防臭加工
製品認定基準シェークフラスコ法に準拠したものであ
る。
即ち、肉エキスブイヨン培地(20倍希釈液)70mlを20
0ml容積の3角コルベンに入れ、これに黄色ブドウ球菌
(試験菌種;「IFO 12732」)を1ml当り約10万個接種
し、37℃に保持して振とうし、経時的に菌数を測定す
る。第2表の数値は振とう液1ml当りの細菌数を示す。
尚、検体は2×2×5cmの大きさに切断したものについ
て、一辺を約5mmに細切し、小塊として供試した。ま
た、同様にして、大腸菌(試験菌種;「IFO 12734」)
についても測定した。
第2表に示すように、実施例1(キトサン含有量;6.2
%)は、比較例1のキトサン無添加の場合と比べて、大
腸菌及び黄色ブドウ球菌の双方に対して良好な抗菌性を
示した。
特に、黄色ブドウ球菌については著しく優れている。
即ち、6時間後の抗菌性は比較例1と比べて、700倍も
菌数が少ない。また、実施例3(同11.6%)及び実施例
4(同14.1%)においても同様に優れた抗菌効果があ
り、実施例2のキトサン添加量が1.3%と少ない場合で
も、十分な効果が認められる。尚、この実施例4(同1
4.1%)では、この効果が飽和する傾向にある。
以上の結果及びポリウレタン構造体若しくは塗膜の物
性を考慮すると、キトサン添加量は、1〜12%が好まし
い。
尚、本発明においては、上記具体的実施例に示すもの
に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々
変更した実施例とすることができる。即ち、前記実施例
では、軟質ポリウレタンフォームについて試験している
が、半硬質又は硬質ポリウレタンフォム、更にはポリウ
レタンエラストマー、塗料組成物を用いて形成した塗膜
についても、同様にキトサンを均一に分散、配合させれ
ば、同様な若しくは類似した効果が得られることは明ら
かである。
また、キトサンは前記のように優れた抗菌性を示すの
で、前記ポリウレタン系の構造体又は塗料組成物に含有
させるのみならず、他の樹脂(特に同用途を示す発泡樹
脂等)、ゴム、塗料基剤等に含有させて、同様の効果を
得ることもできる。
〔発明の効果〕
本発明の抗菌性ポリウレタンフォーム等においては、
従来のもののように無機系抗菌剤を使用せずに、キトサ
ンを使用しているので、スコーチ状変色を誘起すること
もない。
また、このキトサンは天然物誘導体であり、しかも以
下の安全データに示す如く、人体等に対する安全性が高
いので、台所用クリーナー、マスク、ボディスポンジ、
化粧用パフ、下着パット等の人体に直接触れたり、体内
に入る可能性がある製品についても、安心して利用でき
る。
更に、本発明は、黄色ブドウ球菌に対して著しい効果
を示すので、台所用クリーナ等としては、大変優れる。
また、特に、キトサン含有量が1〜12%の第2、4、
6発明の場合は、ポリウレタン構造体又は塗膜の性能を
低下させずに、前記の優れた抗菌性等を有することがで
き、大変バランスのとれたものとなる。
〔キトサンの安全性データ〕(キチン・キトサン研究
会年報/1988) (1)LD50(経口);>1.0g/kg(マウス、ラット)、
死亡例なし (2)LD50(皮下);>10g/kg(マウス、ラット)、死
亡例なし (3)皮膚一次刺激性;殆ど無刺激性 (4)眼粘膜一次刺激性;殆ど無刺激性、角膜等に異常
所見なし (5)ヒトパッチテスト(経皮);殆ど無刺激性 その他。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 佳郎 東京都江東区亀戸9丁目2番7号 太洋 化学工業株式会社内 (72)発明者 高波 亮一 東京都江東区亀戸9丁目2番7号 太洋 化学工業株式会社内 (72)発明者 相沢 勇 東京都江東区亀戸9丁目2番7号 太洋 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−311561(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 9/02 - 9/14 C08L 75/04 - 75/16 C09D 175/04 - 175/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオール、触媒、発泡剤及びキトサン抗
    菌剤を混合し、その後、該混合物に有機イソシアネート
    を加えて製造された抗菌性ポリウレタンフォームであっ
    て、 前記ポリウレタンフォーム中にキトサンが分散されて含
    有されることを特徴とする抗菌性ポリウレタンフォー
    ム。
  2. 【請求項2】前記ポリオール、前記有機イソシアネート
    及び前記キトサン全体を100重量部とする場合、前記キ
    トサンの含有量が1〜12重量部である請求項1記載の抗
    菌性ポリウレタンフォーム。
  3. 【請求項3】上記抗菌性ポリウレタンフォームは、黄色
    ブドウ糖菌と接触された場合、37℃、6時間後における
    菌数を接触開始時の1/20以下に減少させる抗菌性能を有
    する請求項1または2記載の抗菌性ポリウレタンフォー
    ム。
  4. 【請求項4】ポリオール、有機イソシアネート、触媒、
    架橋剤及びキトサンを含む原料を用いて製造された抗菌
    性ポリウレタンエラストマーであって、 前記ポリウレタンエラストマー中にキトサンが分散され
    て含有されることを特徴とする抗菌性ポリウレタンエラ
    ストマー。
  5. 【請求項5】前記ポリオール、前記有機イソシアネー
    ト、架橋剤及び前記キトサン全体を100重量部とする場
    合、前記キトサンの含有量が1〜12重量部である請求項
    4記載の抗菌性ポリウレタンエラストマー。
  6. 【請求項6】ポリオール及び有機イソシアネートを含む
    塗料基剤とキトサンを含有することを特徴とする抗菌性
    ポリウレタン塗料組成物。
  7. 【請求項7】前記ポリオール、前記有機イソシアネート
    及び前記キトサン全体を100重量部とする場合、前記キ
    トサンの含有量が1〜12重量部である請求項6記載の抗
    菌性ポリウレタン塗料組成物。
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