JP3063509B2 - 薄膜光電変換素子の製造装置 - Google Patents

薄膜光電変換素子の製造装置

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JP3063509B2 JP6007971A JP797194A JP3063509B2 JP 3063509 B2 JP3063509 B2 JP 3063509B2 JP 6007971 A JP6007971 A JP 6007971A JP 797194 A JP797194 A JP 797194A JP 3063509 B2 JP3063509 B2 JP 3063509B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可撓性基板上にアモル
ファスシリコン (以下a−Siと略す) などの光電変換層
の各層をステッピングロール方式で成膜する薄膜光電変
換素子の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】a−Siを主材料とした光電変換層を含む
各層を長尺の高分子材料あるいはステンレス鋼などの金
属からなる可撓性基板上に形成して薄膜光電変換素子を
製造する方法は、生産性の点ですぐれている。長尺の可
撓性基板上に複数の層を成膜する方式として、各成膜室
内を移動する基板上に成膜するロールツーロール方式
と、成膜室内で停止させた基板上に成膜したのち成膜の
終わった基板部分を成膜室外へ送り出すステッピングロ
ール方式とがある。プラズマCVD法を用いて成膜する
ステッピングロール方式では、成膜室開放−基板1フレ
ーム移動−成膜室封止−原料ガス導入−圧力制御−放電
開始−放電終了−原料ガス停止−ガス引き−成膜室開放
の操作がくり返される。 このステップロール方式を採
用した成膜装置は、通常のロールツーロール成膜に比べ
以下の点で優れている。
【0003】(1) 隣接する成膜室とのガス相互拡散がな
い。 (2) 装置がコンパクトである。 図2はステッピングロール方式の成膜装置の一例を示
し、共通室20の中に複数の成膜室21〜24が配置さ
れた構造になっており、各成膜室はヒータ2を内蔵した
電極3を昇降させることによって開放、封止できるよう
になっている。高分子薄膜あるいはステンレス鋼等の金
属薄膜からなる可撓性基板1は各成膜室のヒータ2を内
蔵した接地電極3と電源5に接続された高電圧電極4の
間を通され、ロール25と26の間の搬送は成膜室開放
時に、成膜は成膜室封止時にそれぞれ行われる。
【0004】図3(a) 、(b) はステッピングロール方式
の成膜室の開放時および封止時の断面をそれぞれ示す。
断続的に搬送されてくる可撓性基板1の上下に函状の上
部成膜室の壁6と下部成膜室の壁7とが開口部側で対向
している。下部成膜室には高電圧電極4が、上部成膜室
には接地電極3が備えられている。成膜時には、図3
(b) に示すように、上部成膜室の壁6が下降し、接地電
極3が基板1を抑えて下部成膜室の壁7の開口側端面に
取付けられたシール材8に接触させる。これにより下部
成膜室の壁7と基板1により、排気管9に連通する気密
に密閉された成膜空間10が形成され、高電圧電極4へ
の高周波電圧の印加によりプラズマを成膜空間10に発
生させ、図示しない導入管から導入された原料ガスを分
解して基板1上に膜を形成する。この場合、シール材8
は厚さ数十から数百ミクロンの可撓性基板を介してヒー
タ2で加熱された上部成膜室の壁6の表面端部と接触す
ることになり、シール材8の接触部の温度は上部成膜室
の壁6の面とほぼ等温になる。成膜時のヒータ温度は2
00〜300℃、一方、シール材8として弗素ゴム等を
用いる場合、脱ガスを防ぐためにはシール部を150℃
以下に保つ必要がある。このため、上部成膜室の壁6の
表面温度を150℃以下に保持することが重要になり接
地電極3と上部成膜室の壁6との間に最低2mm、望まし
くは5mm以上の間隔を設ける必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図3(b) に示す成膜時
には、上部成膜室壁6と基板1によって囲まれた内部空
間11が生ずる。しかし、本出願人の出願にかかる平成
4年特許願第347394号ほかの明細書に記載されているよ
うに、基板の一面上に形成された薄膜光電変換素子の透
明電極層と他面上に形成された金属電極層とを、基板に
明けられた貫通孔を通る導体を介して接続することによ
り、シート抵抗の高い透明電極層を電流の流れる距離を
短くする構造が開発されている。また、基板に位置合わ
せ用のマーカ穴が明けられることもある。このような光
電変換素子の薄膜の成膜を図3の装置で行う場合、すで
に基板1に分散して明けられた貫通孔を介して、基板1
の両側の空間10および11が連通することになる。こ
れによって次の問題が生ずる。 (1) 上部成膜室の内部空間11に貫通孔を通じて原料ガ
スが侵入して溜る。この溜まったガス、あるいは空間1
1が気密に密閉されていない場合には大気の混入したガ
スが成膜空間10に逆拡散して成膜に悪影響を及ぼす。 (2) 一つの成膜室内で2種類以上の膜を形成する場合、
一層目の成膜後に空間11に溜まったガスを引き切らな
いうちに二層目を成膜することになる。このため、一層
目がp形あるいはn形のドープ膜のときは、その不純物
が二層目に混入することになり、本来得ようとする膜と
は導電率や光学ギャップなどの特性の異なる膜ができて
しまう。
【0006】本発明の目的は、上述の問題を解決し、貫
通孔の明けられた可撓性基板に高品質の膜を制御性良く
成膜可能な薄膜光電変換素子の製造装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明によれば、搬送されてくる可撓性基板を成
膜室のそれぞれ函状の壁体を有する二つの部分の開口側
の間に停止させ、基板を成膜室の両部分の壁体の開口側
端面間にはさみ、成膜室の一方の部分および基板により
囲まれた成膜空間をその空間に連通する排気口から真空
にし、その空間内の電極と成膜室の他方の部分および基
板により囲まれた空間内の電極との間に電圧を印加して
成膜するものにおいて、成膜室の各部分および基板によ
り囲まれた両空間内に連通する通気路を備えた薄膜光電
変換素子の製造装置であって、通気路が、成膜室の両部
分の壁体の開口側の可撓性基板の通らない個所に設けら
れた部分に対向して明けられ、成膜時に成膜室外と気密
に隔離されて連通する開口部よりなることとする。
【0008】
【作用】成膜時に成膜室と基板によって形成される両空
間を通気路を介して連通させることにより、双方の空間
が真空排気されるため、原料ガスの溜まりの問題がなく
なる。
【0009】
【実施例】本発明の参考例の成膜室の開放時および封止
時の断面図を図1(a)、(b)に示し、図2、図3と
共通の部分には同一の符号が付されている。図1(b)
に示す成膜室封止時は、可撓性基板1を間に挟んだ高電
圧電極4側の空間10と接地電極側の空間11は可撓性
配管12によりつながっている。配管材質は脱ガスが少
なくかつ耐熱性に優れたものであることが望ましくステ
ンレス鋼チューブあるいはポリテトラフルオロエチレン
チューブ等が適当である。配管の長さは、上部成膜室の
壁6の昇降ストロークを考慮し、成膜室の開閉に支障を
きたさないような設計をする必要がある。
【0010】この装置を用い、可撓性基板1として高分
子フィルムを使用し、フィルム/金属電極/ (n−i−
p) − (n−i−p) /透明電極構造の二層タンデムセ
ルをステッピングロール成膜する場合について説明す
る。タンデムセルの光電変換層は、図4に示すように、
p層31、p/i界面層 (バッファ層) 32、i層3
3、n層34、p層35、p/i界面層36、i層3
7、n層38よりなり、各層の材質はpおよびp/i界
面層がa−SiO、i層がa−Si、n層がμc(微結
晶)−Siである。これらの膜は主ガスをSiH4 、希
釈ガスをH2 とし、a−SiO成膜時はCO2 を酸素源
とし、p層およびn層成膜時はそれぞれB2 6 および
PH3 をドーピングガスとして成膜される。また、典型
的な各層の膜厚はp層31、35、p/i界面層32、
36、n層34、38がトップセルおよびボトムセルと
もそれぞれ10nm、10nm、20nmであり、トッ
プセルおよびボトムセルのi層33、37の膜厚はそれ
ぞれ80nm、400nmである。この構造の太陽電池
を図2に示すような4つの成膜室をもつステッピングロ
ール方式の装置で成膜するには、例えば第一成膜室21
でn層38、第二成膜室22でi層37、第三成膜室2
3でp/i界面層36、p層35、第四成膜室24でn
層34、i層33、p/i界面層32、p層31を成膜
することが考えられる。この例の場合、第四成膜室24
でn層成膜後の残ガスのi層への混入が前述の問題2と
なる。バイパスラインとして用いられる可撓性配管12
の内径を10nmφ以上にすれば、この問題をクリアで
きることが確認されている。ただし、成膜時は新鮮な原
料ガスを淀みなく導入・排気することが前述の問題1の
解決に必要であり、このためには、配管内径を20nm
φ以上にすることが望ましい。
【0011】本発明の実施例の成膜室の開放時および封
止時の断面図を図5(a)、(b)に、成膜室のシール
部平面図を図6に示す。この場合は、上部成膜室および
下部成膜室の外壁6、7に連結された内壁61、71が
互いに対向して設けられ、それに図6に示すように円形
の通気口13、14が両成膜空間のバイパスとして明け
られている。可撓性基板1は成膜時には図5(b)に示
すように上部成膜室の壁6の端部と下部成膜室の壁7の
端部とにはさまれるほか、成膜室の一辺では内壁61、
71の表面の縁部間にはさまれ、下部成膜室の内部空間
10とはシール材8により気密に保たれる。一方、通気
口13、14の周囲には環状のシール材81が取り付け
られ、通気口13、14の内部の成膜室外の空間に対す
る気密を保っている。図1に示した参考例の場合は可撓
性配管12を設置するスペースを必要とするが、本実施
例の場合はこのスペースが不要であり、コンパクト化に
有利であると考えられる。なお、図1に示した参考例と
同様に通気口13、14の直径を10nmφ以上にすれ
ば前述の問題2をクリアできるが、問題1もクリアする
ためには20nmφ以上にすることが望ましい。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、ステッピングロール方
式の成膜時に、可撓性基板の両側に形成される両空間を
つなぐ通気路を設けることにより、排気口を設けない側
の空間のガスの溜まりを防ぐことができる。これによ
り、常に新鮮な原料ガスが供給されるクリーンな成膜を
実現できる。また、同一成膜室で複数の種類の半導体層
を形成しても残ガスの影響のない成膜を実現できる。従
って、本発明によりステッピングロール方式の装置の本
来の特徴を生かした高スループットかつクリーンな成膜
が可能となり、低コストかつ高性能の薄膜光電変換素子
の量産が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の薄膜光電変換素子製造装置
を示し、 (a) は成膜室開放時、 (b) は成膜室封止時
の断面図
【図2】ステッピングロール成膜装置の断面図
【図3】従来の薄膜光電変換素子製造装置を示し、
(a) は成膜室開放時、 (b) は成膜室封止時の断面図
【図4】本発明の装置により製造される薄膜光電変換素
子の光電変換層の構造を示す断面図
【図5】本発明の別の実施例の薄膜光電変換素子製造装
置を示し、 (a) は成膜室開放時、 (b) は成膜室封止
時の断面図
【図6】図5の装置の下部成膜室の平面図
【符号の説明】
1 可撓性基板 2 ヒータ 3 接地電極 4 高電圧電極 6 上部成膜室壁 7 下部成膜室壁 8、81 シール材 9 排気口 10 下部成膜室内部空間 12 可撓性配管 13、14 通気口 61、71 内壁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送されてくる可撓性基板を成膜室のそれ
    ぞれ函状の壁体を有する二つの部分の開口側の間に停止
    させ、基板を成膜室の両部分の壁体の開口側端面間には
    さみ、成膜室の一方の部分および基板により囲まれた成
    膜空間をその空間に連通する排気口から真空にし、その
    空間内の電極と成膜室の他方の部分および基板により囲
    まれた空間内の電極との間に電圧を印加して成膜するも
    のにおいて、成膜室の各部分および基板により囲まれた
    両空間内に連通する通気路を備えた薄膜光電変換素子の
    製造装置であって、 通気路が、成膜室の両部分の壁体の開口側の可撓性基板
    の通らない個所に設けられた部分に対向して明けられ、
    成膜時に成膜室外と気密に隔離されて連通する開口部よ
    りなることを特徴とする薄膜光電変換素子の製造装置。
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