JP3068938B2 - 成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JP3068938B2 JP4032236A JP3223692A JP3068938B2 JP 3068938 B2 JP3068938 B2 JP 3068938B2 JP 4032236 A JP4032236 A JP 4032236A JP 3223692 A JP3223692 A JP 3223692A JP 3068938 B2 JP3068938 B2 JP 3068938B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス加工などの成形
加工に供される合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に
関し、特に鋼板の表面粗さを制御することにより成形性
に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛めっき鋼板は表面処理鋼板の中
で最も生産量が多く、その用途も建材、土木を対象とし
たものから家電製品、自動車等へと拡大してきた。最近
では溶融亜鉛めっき後加熱処理してめっき層に鋼板から
鉄を拡散させた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が冷延鋼板と
同等の材料特性が得られる上、塗装性等の表面品質に優
れることから、自動車車体に使われ始めている。特に、
自動車車体材料に対しては、近年、耐食性の向上に対す
る要求が非常に強く、優れた耐食性を有する厚目付を施
した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の需要が急速に増加しつ
つある。
【0003】従来より、プレス加工に供される冷延鋼板
に対しては、成形性、製品の表面性状およびプレス金型
の寿命等を向上させる目的で表面粗さの調整が行われて
きた。即ち、プレス加工後に行われる塗装仕上がりの観
点からは、鋼板の表面粗さは小さいことが好ましいが、
平滑な鋼板はプレス加工時に金型と鋼板の潤滑が不十分
と成りやすく摩擦係数が大きくなり成形性が低下するこ
とから、従来から冷延鋼板に対しては#120程度のシ
ョットブラストによって表面を荒らしたダルロールを用
いて調質圧延し鋼板表面に凹凸をつけることによりプレ
ス性を確保している。表面に適度の凹凸があるとプレス
加工時に凹部に潤滑油が封じこまれミクロプールが形成
され、流体潤滑の度合いを高めることによって摩擦抵抗
と型かじりの発生が軽減される。最近では、例えば特公
平03−54006号公報に開示されているように、調
質圧延ロールにレーザービームで規則的な凹凸パターン
を形成し、転写される鋼板の表面パターンを制御するこ
とにより冷延鋼板の成形性を有効に向上させる方法が開
発され自動車用鋼板の製造に適用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の成形性については、基本的には素材である冷延鋼
板の成形性によって決定され、一般的に冷延鋼板よりも
プレス成形性は劣る。その理由はめっき層がプレス金型
と凝着を生じて摩擦抵抗が増大するためと考えられてい
る。合金化溶融亜鉛めっき鋼板に対しても冷延鋼板と同
様にダルロールを用いた調質圧延により表面粗さの調整
が行われているが、冷延鋼板に対する調質圧延を単に転
用しているに過ぎず、有効に合金化溶融亜鉛めっき鋼板
のプレス性を向上するには至っていない。よって、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板は冷延鋼板に比べて優れた耐食性
を有するにかかわらず、その用途は比較的軽度にプレス
加工される製品、部品に限られている。
【0005】本発明は、これらの問題点を解決して、表
面粗さを制御し適正化することにより、プレス成形性を
飛躍的に向上させその用途を拡大することができる合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造工
程における調質圧延において、圧延による前記鋼板の伸
び率を3.0%以下とし、かつ調質圧延前の鋼板の三次
元中心線平均粗さSRa1および三次元十点平均粗さS
Rz1と、調質圧延後の三次元中心線平均粗さSRa2
および三次元十点平均粗さSRz2を次式の関係になる
ように表面粗度を制御することを特徴とする成形性に優
れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が提供され
る。 SRa2−SRa1≦0(μm) 30(μm)≧SRz2−SRz1≧2(μm)
【0007】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0008】本発明が、対象とする合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板は、r値で代表される成形性とTSで代表される
強度を用途に応じて適正化することを目的に成分調整さ
れた種々の鋼板を素材として、その両面あるいは片面に
それぞれ、30〜100(g/m2)の溶融亜鉛めっきを施
した後、熱処理によりめっき層中のFe量を5〜20w
t%に調整した鋼板でSRaが0.5〜3.0μm程
度、SRzが8〜20μm程度のものである。
【0009】本発明者らは種々の表面粗さのロールを用
いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板の調質圧延を行い、ロー
ル表面にあらかじめ形成された所定の表面パターンを鋼
板に転写させ、種々の表面粗さに調整された鋼板を用い
て、プレス成形限界と摺動性におよぼす合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の表面粗さの影響を調査した。その結果、定
性的には合金化溶融亜鉛めっき表面にロール転写された
平坦な部分の面積がより広く、かつミクロプールとして
機能する凹部を適度に有した場合の摺動特性が極めて優
れることを見出した。この時の成形性に対する表面粗さ
の関係は、三次元平均表面粗さと三次元十点平均粗さに
よって評価することができる。すなわち、三次元平均表
面粗さはロール転写された平坦な部分の面積の大小を示
し、三次元十点平均粗さはミクロプールとして機能する
凹部の平均深さを示すことになる。
【0010】なお、ここでいう三次元平均粗さSRaは
表面処理鋼板の平均粗度を正確に評価するためのパラメ
ーターであり、その定義は、通常の平均粗度Raを三次
元に拡張したパラメーターである。すなわち、粗さ局面
(f(x,y))から、面積SMの部分を抜き取り、こ
の抜き取り部分の中心面上に直交座標軸(X軸,Y軸)
を置き中心面に直交する軸をZ軸で表すと、次式で与え
られる値をμm単位で表わしたものがSRaである。こ
こでいう中心面とは表面粗度において凹部と凸部の面積
が等しくなる仮想面をいう。
【0011】
【数1】
【0012】また、ここでいう三次元十点平均粗さSR
zは表面処理鋼板表面に形成された凹部を正確に評価す
るためのパラメーターであり、その定義は、通常の十点
粗さRzを三次元に拡張したパラメーターである。すな
わち、粗さ局面(f(x,y))から、面積SMの部分
を抜き取った部分において、中心面に平行、かつ粗さ局
面を横切らない平面から縦倍率の方向に測定した最高か
ら5番目までの山頂の標高の平均値と最深から5番目ま
での谷底の平均値との差の値をμm単位で表した次式で
SRzは表わされる。
【0013】
【数2】
【0014】ここで、R1 ,R3 ,R5 ,R7 ,R9
基準面積L×Lに対応する部分の最高から5番目までの
山頂の標高(μm)、R2 ,R4 ,R6 ,R8 ,R10
基準面積L×Lに対応する部分の最高から5番目までの
谷底の標高(μm)である。
【0015】表面処理鋼板表面に形成された凹部は、三
次元最大粗さSRmaxによって評価することもできる
が、鋼板表面に微小な傷があった場合には傷の標高をカ
ウントする可能性が高いので実用上、ノイズの排除が可
能な三次元十点平均粗さSRzによる評価が必要であ
る。
【0016】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗度を調
整する方法は、スキンパスロールに任意の凹凸を形成
し、それを圧延により転写させることになるが凹凸の形
成方法としては、(1)種々の粒度のショットをロール
表面にブラスティングする、(2)レーザー光線を用い
て、ロール表面にクレーター状の凹凸をつける、(3)
放電加工する、(4)ロールをエッチングする、等があ
るが、レーザ光線またはエッチングによる方法が粗度精
度の点から好ましい。従来、鋼板の表面粗度調整は、平
均粗さRaのみで制御されてきたが、RaおよびRzを
独立して最適化しようとする点が本発明の特徴である。
【0017】次に、本発明の構成要件の限定理由につい
て説明する。
【0018】調質圧延において、圧延による合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の伸び率を3.0%以下とした理由は、
3.0%を超えてもロール粗度の転写が十分なのでプレ
ス成形時に良好な摺動特性は得られるが、伸び率が過大
になると、鋼板の降伏強度が上昇しn値が低下しプレス
成形性(張出し成形性、深絞り性)が低下するので、伸
び率を3.0%以下に限定した。一方、伸び率の下限に
ついては本発明が限定する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
表面粗度の制御によって自ずと限定される。
【0019】次に、調質圧延前の合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の三次元中心線平均粗さSRa1と調質圧延後の三
次元中心線平均粗さSRa2がSRa2−SRa1≦0
(μm)の関係になるように表面粗度を制御する理由
は、SRa2が過大になるとプレス成形時のパウダリン
グの発生が顕著であり摺動性の劣化をもたらすのでSR
a2−SRa1≦0(μm)に限定した。
【0020】調質圧延前の鋼板の三次元十点平均粗さS
Rz1と調質圧延後の三次元十点平均粗さSRz2を3
0(μm)≧SRz2−SRz1≧2(μm)の関係に
なるように表面粗度を制御する理由は、SRz2が過大
になると、プレス成形時に鋼板凹部での潤滑油の封じ込
めが不十分となり型かじりを生じやすく、過小ではプレ
ス成形時にミクロプールが形成されず、パウダリングが
顕著に生じやすいので30(μm)≧SRz2−SRz
1≧2(μm)に限定した。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0022】(実施例1)現場工程で製造した合金化溶
融亜鉛めっき鋼板(板厚0.7mm、目付量60g/m
2(両面)、母材:極低炭素鋼板)を表1に示す条件
で、調質圧延したのち表面粗度の測定および深絞りによ
るカップ成形試験を行いプレス成形性を評価した。カッ
プ成形試験は種々の径のブランクを潤滑油を塗布したの
ち直径33mmのパンチにて深絞り加工を行い、絞り抜
けたブランクの最大径Rとパンチ径rから限界絞り比
(LDR)=R/rを算出し、プレス成形性を評価し
た。さらに成形後の鋼板表面を走査型電子顕微鏡で観察
し、パウダリングの発生の程度を観察した。それらの結
果を表2にまとめた。比較のために本発明限界外のもの
を加え同様に評価した。本発明法に従えば、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の表面粗さを調質圧延にて制御すること
により限界絞り比が2.2を超え、優れたプレス成形性
が得られることがわかる。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、本発明の調質圧延法に従えば、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の成形性を効果的に向上することができ、
耐食性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の用途を飛躍
的に広めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 比 良 隆 明 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平2−274858(JP,A) 特開 平2−59101(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造工程にお
    ける調質圧延において、圧延による前記鋼板の伸び率を
    3.0%以下とし、かつ調質圧延前の鋼板の三次元中心
    線平均粗さSRa1および三次元十点平均粗さSRz1
    と、調質圧延後の三次元中心線平均粗さSRa2および
    三次元十点平均粗さSRz2を次式の関係になるように
    表面粗度を制御することを特徴とする成形性に優れた合
    金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 SRa2−SRa1≦0(μm) 30(μm)≧SRz2−SRz1≧2(μm)
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KR102468036B1 (ko) * 2020-11-12 2022-11-17 주식회사 포스코 성형성이 우수한 고강도 아연계 도금강판 및 그 제조방법
KR102484992B1 (ko) * 2020-11-18 2023-01-05 주식회사 포스코 강도, 성형성 및 표면 품질이 우수한 도금강판 및 이의 제조방법

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