JP3078603B2 - 金属酸化物薄膜の製造方法 - Google Patents

金属酸化物薄膜の製造方法

Info

Publication number
JP3078603B2
JP3078603B2 JP03183836A JP18383691A JP3078603B2 JP 3078603 B2 JP3078603 B2 JP 3078603B2 JP 03183836 A JP03183836 A JP 03183836A JP 18383691 A JP18383691 A JP 18383691A JP 3078603 B2 JP3078603 B2 JP 3078603B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
developing solution
metal oxide
metal
oxide thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03183836A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH055041A (ja
Inventor
信夫 堤
勘治 坂田
豊喜 国武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Japan Science and Technology Agency
Tokuyama Corp
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Tokuyama Corp
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc, Tokuyama Corp, Japan Science and Technology Corp filed Critical Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority to JP03183836A priority Critical patent/JP3078603B2/ja
Publication of JPH055041A publication Critical patent/JPH055041A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3078603B2 publication Critical patent/JP3078603B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子レベルで構造制御
された多層状で多孔質の金属酸化物薄膜を製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ゾル−ゲル法によって形成される金属酸
化物薄膜は、「ゾル−ゲル法の科学」(1988年アグ
ネ承風社発行,作花済夫著)第85〜153頁で、その
物性と共に製造方法や利用形態等が紹介されている。使
用される金属アルコキサイド溶液は、目的とする金属酸
化物をアルコール,水,酸,アンモニア等の溶媒に添加
して調製される。ゾル−ゲル法によって金属酸化物薄膜
を作製する場合、薄膜形成時に溶媒の蒸発やメタノキサ
ン結合(M−O−M)の生成による架橋反応に伴って体
積の収縮が起きるため、クラックが発生し易く、また均
一な組織及び膜厚をもつ薄膜を得ることが難しい。しか
も、加水分解性が非常に大きいため、溶液中に沈殿が生
じる場合もある。
【0003】また、基板や支持膜を使用するため、コー
ティング膜と基板との密着性や、膜形成時の体積収縮に
耐える機械的強度が基板等に要求されることから、基板
や支持膜の材質に制約が加わる。しかも、コーティング
膜の膜厚も厚い場合で10〜20μm,薄い場合で0.
1μm程度が限度である。このような厚膜では、分子レ
ベルで構造制御された薄膜とすることができない。
【0004】ゾル−ゲル法により作製される金属酸化物
薄膜は、三次元架橋体であるため、細孔径が10〜20
0オングストローム程度でしかも無定形の細孔構造をも
ったものとなる。細孔径をこれ以上大きくすることは難
しく、そのため触媒等の担体としては、不適当である。
また、表面活性基の配向性を制御することもできない。
【0005】このように、従来のゾル−ゲル法では、金
属酸化物薄膜の膜厚,細孔構造,表面活性基の配向性等
を分子レベルで制御することは困難である。
【0006】これらの欠陥を防止する手段として、バル
ク体の合成にあっては、ホルムアミド,ジメチルホルム
アミド等の有機溶媒を乾燥制御剤として添加する方法が
一部で採用されている。しかし、この方法はバルク体の
作製に留まり、フィルム状の薄膜をゾル−ゲル法によっ
て製造することは不可能とされている。たとえば、薄膜
のクラックを防止するため、有機溶媒等の乾燥制御剤を
添加しても、展開液が水であるとき、どのような親水性
の有機溶媒を使用しても、その添加量には限度がある。
そのため、乾燥制御剤としての効果を呈するまでには及
ばず、クラック発生を完全に抑制することができない。
【0007】そこで、従来のゾル−ゲル法を改善するた
め、分子の両端に極性基及び疎水基が付加された両親媒
性化合物と金属アルコキサイドとを含有する展開液を調
製し、この展開液を基板上に展開した後、基板上に形成
された複合膜から溶媒を除去することにより、両親媒性
化合物及び薄膜前駆体としての金属アルコキシシラン物
質を含有する薄膜を作製することが特願平1−1314
78号で提案されている。得られた薄膜は、両親媒性化
合物の分子集合体を鋳型として金属アルコキシシラン物
質が分配されているため、両親媒性化合物を抽出すると
き、分子レベルで構造制御された多層状及び多孔質の金
属酸化物薄膜となる。また、溶媒が除去された複合膜か
らM (OR)n, M (OH)n等の加水分解重縮合反応を促
進させて、薄膜の改質を行うことも紹介されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この方法では、アルコ
キシシランが他の金属アルコキサイドに比較して加水分
解性が低いため、水性の展開液を使用することができ
る。しかし、加水分解性の高い金属アルコキサイドを薄
膜前駆体として使用するとき、展開液の調製時に沈殿が
生じ易い。この点で、先に提案された方法は、ポリシロ
キサンフィルム以外の金属酸化物薄膜の製造には適した
ものとはいえない。
【0009】また、分子レベルで構造制御された薄膜を
得る上で必要な分子集合体は、水溶液中においてのみ形
成され、非水系の溶媒中では形成されない。そのため、
薄膜前駆体としての金属アルコキサイドも、加水分解速
度が早く、空気中の水分に対しても反応する極めて不安
定なものである。しかも、Ti,Zr,Sn等を取り込
んだ薄膜を製造することが難しく、得られる薄膜の種類
に制約が加わる。更に、多量の水の存在下で金属アルコ
キサイドの加水分解重縮合反応が容易に進行するため、
重縮合の程度を制御することも困難である。
【0010】このような問題を解消する方法としては、
特願平3−68047号で提案した方法がある。この方
法では、溶媒中に存在する両親媒性化合物の集合状態を
利用して分子レベルで構造制御された薄膜を製造する方
法において、両親媒性化合物と薄膜前駆体としての金属
アルコキサイドとを含有する展開液を非水溶媒で調製す
ることにより、展開液調製時の金属アルコキサイドの沈
殿生成を防ぎ、更に調製した展開液から展開法で製膜す
るときクラックの発生が抑えられた金属酸化物薄膜を得
ることが可能とされている。
【0011】すなわち、フルオロカーボン鎖を有し、有
機溶媒に対する親和性がない基と極性基とが分子の両端
に負荷された両親媒性化合物と金属アルコキサイドとを
含有する展開液を非水溶媒で調製し、この展開液を基板
表面に展開した後、基板上に形成された複合薄膜から溶
媒を除去して金属酸化物薄膜を得ている。しかし、新し
く提案された方法によるとき、金属アルコキサイドM
(OR)nの種類や添加量が極めて少ない場合等では、均
一な薄膜が得られない場合がある。たとえば、Cu (O
CH3)2 ,Ca (OCH3)2 ,Ba (OC25)2 ,Z
n (OC25)2等の官能性が低い金属アルコキサイド
では、それ自身単独の酸化物薄膜を得ようとしても、架
橋が一次元的或いは二次元的にしか進行せず、薄膜にな
りにくい場合がある。
【0012】また、超薄膜の多層状からなる金属酸化物
薄膜を得ようとする場合等では、金属アルコキサイドの
添加量を極少量にすることによって、目標とする超薄膜
が得られる。しかし、取扱いが容易な自己支持性をもっ
た薄膜にはなり難く、脆い金属酸化物薄膜になりがちで
ある。
【0013】更に、金属アルコキサイドの他に、第2,
第3成分として添加する金属に適当なアルコキサイドが
ない場合、すなわち使用したい溶媒に溶解しにくい場合
や合成が困難な場合には、In(CH3 COCH2 CO
CH3),Zn(CH3 COCH2 COCH3)2 等の金属
アセチルアセトネートやPb(CH3 COO)2,Y(C
1735COO)3,Ba(HCOO)2等の金属カルボキシ
レートを始めとする金属有機酸塩を添加して、2種以上
の金属元素からなる金属酸化物薄膜を得ることも考えら
れる。しかし、このような場合では、アルコキサイドと
アセチルアセトネート等との加水分解速度や重縮合後の
クラック度等が大きく異なるため、均一な超薄膜からな
る金属酸化物薄膜を得ることができない。
【0014】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、展開液としてラジカル重合性モノ
マーを添加した溶液を使用し、薄膜形成後にラジカル重
合性モノマーを重合させて二次元的に架橋した超薄膜ポ
リマーを含む複合薄膜を形成することにより、金属酸化
物の超薄膜化に伴った脆さや異種の出発原料に由来する
架橋速度の差に起因してクラックが金属酸化物薄膜に発
生すること等を防ぎ、自己支持性のある安定した均一な
金属酸化物薄膜を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の金属酸化物薄膜
製造方法は、その目的を達成するため、フルオロカーボ
ン鎖を有し、有機溶媒に対する親和性がない基と極性基
とが分子の両端に付加された両親媒性化合物,金属アル
コキサイド及びラジカル重合性モノマーを含有する展開
液を非水溶媒で調製し、該展開液を基板表面に展開して
ラジカル重合性モノマーを含有する両親媒性化合物の多
層二分子膜を調製した後、前記ラジカル重合性モノマー
を重合させて二次元的に架橋した超薄層ポリマーを含む
複合薄膜を形成することを特徴とする。
【0016】展開液には、特願平3−68047号と同
様に、金属アルコキサイドの部分的な加水分解重縮合反
応を積極的に行わせるため、少量の水を添加することも
できる。また、溶媒を除去した後の複合薄膜に対して分
解重縮合反応を促進させる化学的処理又は熱的処理を施
した後、両親媒性化合物を抽出することもできる。
【0017】本発明で使用される両親媒性化合物は、同
一分子内に極性基及び疎水基の両方を有する化合物であ
る。極性基としては、スルホン酸塩,硫酸塩,アンモニ
ウム塩,ポリアミン塩,カルボン酸塩,スルホニル塩,
燐酸塩,ホスホン酸塩,ホスホニウム塩,ポリエーテル
類,アルコール類,スルホニウム塩,糖残基類等を含め
たポリオール類及びこれらの基の組合せを使用すること
ができる。他方、有機溶媒に対する親和性がない基(以
下、疎溶媒基という)としては、フルオロカーボンを含
むアルキル基,アルキルアリル基,脂環基,縮合多環基
及びこれらの基の組合せを使用することができる。
【0018】本発明で使用される両親媒性化合物とし
て、炭素数2〜20のフルオロアルキルカルボン酸,炭
素数7〜13のパーフルオロアルキルカルボン酸,N−
プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロ
オクタンスルホンアミド等のフッ素系界面活性剤や、特
願平2−59019号公報で紹介されているフルオロカ
ーボン鎖とより分子配向性の高い炭化水素鎖を組合せた
両親媒性化合物が例示される。これらの両親媒性化合物
は、水ばかりでなく、種々の溶媒中でも集合状態を形成
し、展開法による製膜で規則的な配向性をもった薄膜を
得ることができる。また、ラジカル重合性モノマーを取
り込むことができ、取り込まれたラジカル重合性モノマ
ーが二次元的に架橋した超薄層積層体を形成するため、
より自己支持性を備えたフィルム状の金属酸化物薄膜を
製造することが可能となる。
【0019】金属酸化物薄膜の前駆体となる金属アルコ
キサイドは、M (OR)nの一般式で表される。ただし、
Mは金属元素,Rはアルキル基,nは金属元素Mの酸化
数をそれぞれ示す。
【0020】金属元素Mとしては、Ti,Al,Zr,
Si等が掲げられる。これら金属元素Mのアルコキサイ
ドの例としては、Ti(iso−OC37)4 ,Al(is
o−OC37)3 ,Zr(OCH3)4 ,Si(OCH3)4
Si(OC49)4 ,Si(OC25)4 ,Ba(OC25)
2 等がある。また、これらの金属アルコキサイドの外に
も、Ge,B,Li,Na,Fe,Ga,Mg,P,S
b,Sn,Ta,V等の金属アルコキサイドが使用され
る。その他の金属アルコキサイドに関しても、一般的に
ゾル−ゲル法で使用可能とされているものであれば、全
て本発明の製造方法に使用することができる。
【0021】金属アルコキサイドM (OR)nが加水分解
を受けてM (OH)n基を生成し、M(OH)n相互の脱水
反応或いはM (OH)nとM (OR)nとの間の脱アルコー
ル反応により重縮合反応が行われ、メタノキサン結合M
−O−Mの生成によって架橋し、薄膜が形成される。
【0022】このときの反応を式で表すと、次の通りで
ある。 加水分解反応:M (OR)n+xH2 O→M (OH)x (OR)n-x+xROH 重縮合反応:(脱水) −M−OH+H−O−M→−M−O−M+H2 O (脱アルコール) −M−OH+R−O−M→−M−O−M+ROH
【0023】金属アルコキサイドM (OR)nにおけるR
は、加水分解を受けてM (OH)n基を生成することが必
要である。具体的には、メチル,エチル,プロピル,ブ
チル,アセトキシ,アセチルアセナト等がRとして掲げ
られる。また、これらのノルマルアルコキサイドの外
に、たとえばセカンダリーブトキシド,ターシャリーブ
トキシド,イソブトキシド等の異性体も掲げられる。
【0024】金属アルコキサイドM (OR)nは、単独で
も或いは2種以上の組合せでも使用することができる。
また、金属酸化物薄膜を形成するため、前駆体となる金
属アルコキサイドの他に、金属アセチルアセトネートM
(CH3 COCH2 COCH3)n ,金属カルボキシレー
トM(RCOO)n等を少量添加することもできる。金属
アセチルアセトネートM(CH3 COCH2 COCH3)
n としては、In(CH3 COCH2 COCH3),Zn
(CH3 COCH2 COCH3),Ti(O−isoC3
7)2 [OC(CH3)CHCOCH32 ,Ti(CH
3 COCH2 COCH3)等がある。また、金属カルボキ
シレートM(RCOO)nとしては、Pb(CH3 CO
O)2,Y(C1735COO)3,Ba(HCOO)2等があ
る。更に、他のアルコキサイドや金属アセチルアセトネ
ート,金属カルボキシレート等に関しても、本発明は制
約を受けるものではなく、全ての種々なアルコキサイド
を有する金属アルコキサイドや全ての種々な金属アセチ
ルアセトネートや金属カルボキシレートを同様に使用す
ることができる。
【0025】両親媒性化合物及び金属アルコキサイドと
共に添加されて展開液成分となるラジカル重合性モノマ
ーは、次式の多官能モノマーの単独或いは複数を共重合
させて使用することもできる。なお、次式におけるR
は、CH3 又はHを示す。これらラジカル重合性モノマ
ー及びこのモノマーを重合させて超薄層ポリマーを含む
複合薄膜を調製する方法は、特願平1−58885号に
示されているが、それに拘束されることなく、他のモノ
マー及び調製方法も採用可能である。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】また、これら多官能モノマーに単官能モノ
マーやエチレングリコール,グリセリン等の希釈剤を混
合することもできる。使用可能な単官能モノマーとして
は、次の化合物が例示される。
【0029】
【化3】
【0030】前述したフルオロカーボン鎖を疎溶媒基に
有する両親媒性化合物が集合状態を形成するため、展開
液として、水よりも極性の低いアルコール類,エーテル
類,ケトン類,エステル類,ハロゲン化アルカン類,ニ
トリル類,有機酸類,有機塩基類,芳香族炭化水素類,
飽和及び不飽和炭化水素類等の有機溶媒を用いることが
できる。このとき、金属アルコキサイドの加水分解性や
空気中から取り込まれる水分とCO2 ガスの酸性触媒に
よる効果も考慮して、展開液に添加される水の量を調整
するとき、金属アルコキサイドの加水分解重縮合の度合
いを制御することができる。その結果、目的に応じて多
孔性や層状に変化させた構造をもつ薄膜を製造すること
ができる。更に、M (OR)n基の加水分解を促進するた
めに、少量の酸性物質或いは塩基性物質を添加しても良
い。
【0031】両親媒性化合物にラジカル重合性モノマー
及び金属アルコキサイドを添加した展開液を特願平1−
58885号で提案した方法と同様に、基板上に展開し
た後、溶媒を蒸発させ、ラジカル重合性モノマー及び金
属アルコキサイドを含有する複合薄膜を調製する。そし
て、複合薄膜に含まれているラジカル重合性モノマーを
熱重合,光重合,放射線重合等によって重合させ、二次
元的に架橋した超薄層ポリマーを含む複合薄膜を作製す
る。この複合薄膜の化学的処理,熱的処理等は、ラジカ
ル重合性モノマーを含有しない展開液から調製された複
合薄膜と同様の条件下で行うことができる。化学的処理
或いは熱的処理された複合薄膜は、両親媒性化合物を抽
出することによってポリマー複合金属酸化物薄膜とな
る。
【0032】展開液が展開される基板には、ガラス板,
石英板,フロロポア,グラファイト板,シリコン板,テ
フロン板,緻密ポリマーフィルム,多孔質ポリマーフィ
ルム等がある。基板の表面には、展開液の種類に応じて
親水化処理或いは疎水化処理を施しても良い。たとえ
ば、展開液が基板表面上の所定面積に展開されるよう
に、基板表面の一部を親水化し、残りの表面を疎水化す
ることも有効である。
【0033】基板上に展開された展開液から溶媒が除去
され、両親媒性化合物と金属アルコキサイドの複合薄膜
が形成される。金属アルコキサイドが両親媒性化合物の
分子集合体の規則性に従って存在し、また空気中の水分
による部分的な加水分解を抑えるため、溶媒の除去は徐
々に行うことが好ましい。また、ドライボックス等の乾
燥容器中で溶媒を除去することにより、空気中の水分や
CO2 ガスによる金属アルコキサイドの部分的な加水分
解を更に抑えることも可能である。
【0034】引き続いて化学的処理或いは熱的処理を行
い、M (OR)nやM (OH)n基の加水分解重縮合反応を
進める。化学的処理としては、酸性物質や塩基性物質を
使用した処理が掲げられる。たとえば、塩酸,硝酸,硫
酸,酢酸,アンモニア,アミン,水酸化ナトリウム等の
液体或いは溶液に複合薄膜を直接浸漬する処理や、これ
ら酸性或いは塩基性物質の蒸気に複合薄膜を晒す処理等
が有効である。また、複合薄膜を数百℃で熱処理する方
法も有効である。
【0035】このようにして作製された複合薄膜は、両
親媒性化合物の種類によって選択された抽出剤で両親媒
性化合物を抽出除去することにより、分子レベルで構造
制御された金属酸化物薄膜となる。
【0036】
【作用】本発明者等は、非水系の有機溶媒中でも多様な
分子組織体を形成するフルオロカーボン鎖を有する両親
媒性化合物に着目し、この両親媒性化合物が形成する規
則的な分子集合体を分子鋳型としてゾル−ゲル法を適用
するとき、加水分解性が高く水溶媒中では沈殿を生じる
ような金属アルコキサイドでも、分子レベルで構造制御
された金属酸化物薄膜を製造することが可能であり、し
かも極めて薄い金属酸化物薄膜をこれらの方法で得る場
合にバインダーとしてラジカル重合性モノマーを添加す
ることにより安定した金属酸化物薄膜が得られると考え
た。この考察に基づき、鋭意研究を進めた結果、本発明
を完成するに至った。
【0037】分子の両端に極性基及びフルオロカーボン
鎖を有する疎溶媒基をもつ両親媒性化合物は、水のみな
らず、有機溶媒中でも分子集合体を形成することが知ら
れている。詳細については、特願平2−59019号で
説明しているのでここでは省略するが、疎水性の高いフ
ルオロカーボン鎖とより分子配向性の高い炭化水素鎖と
を組合せた疎溶媒基をもつ両親媒性化合物を有機溶媒に
溶解或いは分散させ、適宜の基板上に展開することによ
り、分子レベルで規則的な配向性をもった薄膜を得るこ
とができる。
【0038】これに対し、疎溶媒基にフルオロカーボン
鎖をもたない炭化水素鎖のみの両親媒性化合物は、水に
分散させるときには分子集合体を形成するが、有機溶媒
への分散で分子集合体を形成することは困難である。こ
のことに関しては、特願平1−58889号で詳しく説
明しているので、ここでは省略する。
【0039】フルオロカーボン鎖を有する両親媒性化合
物の有機溶媒に溶解或いは分散させた展開液に加水分解
性の高い金属アルコキサイドを添加することにより、両
親媒性化合物が形成する規則配向性をもった分子集合体
を鋳型として、金属アルコキサイドは展開液中に固定さ
れる。更に、少量の水の添加等によって部分的な加水分
解重縮合反応を起こさせた金属アルコキサイドを展開液
に添加したり、或いは展開液に少量の水を分散させて展
開液を調製すると、金属アルコキサイドは、両親媒性化
合物の分子集合体を鋳型にして加水分解重縮合反応を進
め、ある程度の橋掛けを形成し、固定化される。これら
の方法は、両親媒性化合物や金属アルコキサイドの種類
及びその添加量によって調製の方法が異なる。そこで、
適当な条件を選択することによって、金属アルコキサイ
ドの加水分解重縮合反応の速さ等を変え、薄膜の構造形
態を分子レベルで制御することが可能となる。
【0040】ラジカル重合性モノマーを添加した展開液
溶液から複合薄膜を作製するとき、重縮合反応後に形成
されたポリマーが補強材として働き、自己支持性の高い
薄膜が得られる。この超薄層複合薄膜は、高い自己支持
性をもっており、取扱いが容易である。この長所は、金
属アルコキサイドの添加量を極めて少なくした金属酸化
物の超薄膜を製造する場合に有利である。得られた複合
薄膜を数百℃で熱処理するとき、同時にポリマーも焼却
され、微細構造をもつ金属酸化物薄膜が得られる。
【0041】しかも、展開液を有機溶媒で調製している
ため、水に添加するとすぐに沈殿を生じるものは勿論、
空気中でもすぐに沈殿を生成する金属アルコキサイドを
容易に展開液中に添加することができる。更には、一般
にゾル−ゲル法で問題となる架橋反応に伴う体積収縮に
よるクラック等の欠陥発生も、乾燥制御剤として働く有
機溶媒によって抑制される。
【0042】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明する。なお、本実施例で使用した両親媒性化合物は、
次式1〜2で表される化合物である。
【0043】
【化4】
【0044】実施例1:20mMの両親媒性化合物1を
メタノールに溶解させた後、次式で表される2官能モノ
マーを両親媒性化合物1と等モル量、及び重合開始剤と
して2官能モノマーに対し2モル%の4(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシエトキシ−2
−プロピル)ケトンを混合して添加した。更に、両親媒
性化合物1に対し0.5倍モル量の金属アルコキサイド
Ti(O−isoC37)4 を添加し、展開液を調製し
た。
【0045】
【化5】
【0046】この展開液を、フッ素樹脂フィルム枠で取
り囲まれたガラス板(以下、これを単にガラス板とい
う)の上に滴下し、室温に保持された湿度5%以下のド
ライボックス中で2日間放置して、展開液の有機溶媒を
蒸発させることにより複合膜を得た。次いで、アンモニ
ア蒸気を充満させた密閉容器中に複合膜を投入し、室温
で1週間放置した。その後、超高圧水銀ランプを使用し
て紫外線を照射し、2官能モノマーを架橋重合させた。
【0047】更に、この複合薄膜を電気炉に投入し、昇
温速度10℃/分で昇温し、600℃に10時間放置し
た。その結果、白色の薄膜が得られた。得られた薄膜
は、厚さが数μmであり、クラック等の欠陥がなく、十
分な自己支持性をもつものであった。また、SEM観察
により、微粒子集合体の微細な構造をもっていることが
判った。
【0048】これに対し、重合性モノマーを添加するこ
となく調製した展開液を同様の方法によって展開させ処
理した。この場合には、白色微粉状となり、薄膜が作製
されなかった。
【0049】実施例2:100mMの両親媒性化合物2
をヘキサフルオロベンゼンに溶解させた後、次式で表さ
れる2官能モノマーを両親媒性化合物2と等モル量、及
び重合開始剤として2官能モノマーに対し3モル%の4
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキ
シエトキシ−2−プロピル)ケトンを混合して添加し
た。更に、両親媒性化合物2に対して0.1倍モル量の
金属アルコキサイドTi(O−nC49)4 及び同じく
0.1倍モル量のBa(OC25)2 を添加して展開液
を調製した。
【0050】
【化6】
【0051】この展開液をガラス板上に展開し、実施例
1と同様な条件下で溶媒を蒸発させた後、超高圧水銀ラ
ンプを使用して紫外線を照射し、2官能モノマーを架橋
重合させた。得られた複合薄膜を電気炉に投入し、昇温
速度10℃/分で昇温し、700℃に30分間放置し
た。その結果、白色半透明の薄膜が得られた。この薄膜
は、厚みが10μmであり、SEM観察によるとき均一
な微粒子集合体の微細構造をもつものであった。
【0052】他方、重合性モノマーを添加せずに調製し
た展開液を同様な方法によって展開し、高温処理を施し
ても、微粉末状となり、薄膜が得られなかった。
【0053】実施例1及び2から明らかなように、種々
の金属アルコキサイドを前駆体として、使用する両親媒
性化合物の種類や製造条件を変えることにより、微細構
造をもつ金属酸化物薄膜が作製された。得られた薄膜
は、両親媒性化合物,重合性モノマー等の種類や製造条
件を調整することによって、分子レベルで構造制御され
た微細構造を多様に変える。そのため、目的に応じた機
能を備える超薄膜を製造することが可能となった。この
ように分子レベルで所定の細孔,膜厚,層状構造等を有
した超薄膜は、たとえば、光学材料,物質分離や吸着用
の透過膜,触媒担体,固定化酵素用の生化学担体,燃焼
触媒担体,光電気化学膜,イオン電導体,電子電導体,
超電導体等の材料として、種々の用途に使用することが
できる。
【0054】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、有機溶媒中でも分子集合体を形成する両親媒性化合
物の特徴を活用し、展開液を基板上に展開したときに両
親媒性化合物から形成される規則的な分子配向性をもっ
た分子組織体を鋳型として使用し、バインダーとして添
加した重合性モノマーを架橋させることにより、自己支
持性を高め、取扱い性に優れた安定な薄膜を得ることが
できる。また、重合性モノマーの架橋重合反応によって
薄膜の自己支持性が向上するため、金属酸化物の前駆体
である金属アルコキサイドの添加量を極めて少なくする
ことにより、超薄膜の作製も可能となる。しかも、金属
アルコキサイドの添加量が少ない展開液から調製された
薄膜であっても、配向性が高くしかも分子レベルで構造
制御が可能となり、クラックのない薄膜が得られる。こ
のようにして得られた薄膜は、その構造的な特徴を活か
して、高機能の物質分離膜,各種担体,導電膜等として
使用される。
フロントページの続き (72)発明者 国武 豊喜 福岡県粕屋郡志免町桜丘1−19−3 (56)参考文献 特開 平4−280802(JP,A) 特開 平4−63120(JP,A) 特開 平4−63841(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオロカーボン鎖を有し、有機溶媒に
    対する親和性がない基と極性基とが分子の両端に付加さ
    れた両親媒性化合物,金属アルコキサイド及びラジカル
    重合性モノマーを含有する展開液を非水溶媒で調製し、
    該展開液を基板表面に展開して前記ラジカル重合性モノ
    マーを含有する両親媒性化合物の多層二分子膜を調製し
    た後、前記ラジカル重合性モノマーを重合させて二次元
    的に架橋した超薄層ポリマーを含む複合薄膜を形成する
    ことを特徴とする金属酸化物薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の展開液が水を一成分とし
    て含むものであることを特徴とする金属酸化物薄膜の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の超薄層ポリマーを含む複
    合薄膜に熱的処理或いは化学的処理を施し、前記超薄層
    ポリマーを除去することを特徴とする金属酸化物薄膜の
    製造方法。
JP03183836A 1991-06-27 1991-06-27 金属酸化物薄膜の製造方法 Expired - Fee Related JP3078603B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03183836A JP3078603B2 (ja) 1991-06-27 1991-06-27 金属酸化物薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03183836A JP3078603B2 (ja) 1991-06-27 1991-06-27 金属酸化物薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH055041A JPH055041A (ja) 1993-01-14
JP3078603B2 true JP3078603B2 (ja) 2000-08-21

Family

ID=16142693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03183836A Expired - Fee Related JP3078603B2 (ja) 1991-06-27 1991-06-27 金属酸化物薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3078603B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100658679B1 (ko) * 2005-07-27 2006-12-15 삼성에스디아이 주식회사 표시장치용 다층 기재 및 이를 구비한 디스플레이
US7723430B2 (en) * 2005-12-15 2010-05-25 Riken Thin film having interpenetrating network layer and method for manufacturing the thin film
JP2008262931A (ja) * 2008-08-05 2008-10-30 Toray Ind Inc プラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペースト
JP6057278B2 (ja) * 2012-06-13 2017-01-11 国立研究開発法人産業技術総合研究所 網目状の金属酸化物骨格を有する多孔質膜及びその製造方法
JP6083635B2 (ja) * 2012-06-13 2017-02-22 国立研究開発法人産業技術総合研究所 球状マクロ孔を含む金属酸化物多孔質厚膜及びその製造方法
CA198411S (en) 2020-03-24 2022-03-09 Husqvarna Ab Wheel for robotic mower

Also Published As

Publication number Publication date
JPH055041A (ja) 1993-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102617646B (zh) 一种纳米级金属有机骨架材料的制备方法
US11104989B2 (en) Chemical vapor deposition process to build 3D foam-like structures
Müllner et al. 7.2 A Facile Polymer Templating Route Toward High Aspect Ratio Crystalline Titania Nanostructures
CN104136393A (zh) 由至少三种金属盐制备溶胶-凝胶的方法以及所述方法用于制备陶瓷膜的用途
CN116081957A (zh) 一种多孔薄膜及其制备方法和用途
JP3078603B2 (ja) 金属酸化物薄膜の製造方法
JP6339889B2 (ja) 金属酸化物中空粒子の製造方法
EP3596544A1 (en) Nanoimprint lithography process and patterned substrate obtainable therefrom
JP3076613B2 (ja) 金属酸化物薄膜の製造方法
JP3058342B2 (ja) 多孔質シリカ薄膜の製造方法
JP5208758B2 (ja) レリーフ特性を有する基板の形状に適合する酸化物セラミックに基づく塗膜製造プロセス
JP4945884B2 (ja) 多孔質炭素材料の製造方法
JP3207886B2 (ja) 金属酸化物薄膜の製造方法
JP4117371B2 (ja) シリカ−チタニア複合膜とその製造方法及び複合構造体
CN102848656A (zh) 钛酸铋钠和铌酸钾钠交替旋涂无铅压电厚膜的制备方法
JP2012062239A (ja) チタン酸バリウムの前駆体水溶液、水溶性前駆体およびその製造方法
JP3128781B2 (ja) 超薄膜積層体の製造方法
KR20130011899A (ko) 분리막, 이의 제조 방법 및 분리막을 포함하는 수처리 장치
CN103805969A (zh) 一种掺锆的CaCu3Ti4O12薄膜的制备方法
JP2927918B2 (ja) アルミノシリケート薄膜の製造方法
JP3323532B2 (ja) 酸化アルミニウム薄膜の製造方法
JPS5939724A (ja) 厚膜用誘電体粉末の製造法
CN114477788B (zh) 多层次孔结构的超滑表面材料的简易制备方法及其制得的超滑表面材料
Kajihara et al. Macroporous morphology of titania films prepared by sol-gel dip-coating method from a system containing poly (ethylene glycol) and poly (vinylpyrrolidone)
CN120185437B (zh) 一种提高自电泳驱动微纳马达离子耐受度的方法及其应用

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees