JP3081027B2 - ポリエーテル及びその製造方法 - Google Patents

ポリエーテル及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロケットモーター用コン
ポジット系固体推進薬に使用される燃料結合剤に用いら
れるポリエーテル及びその製造方法に関する。更に詳し
くは、酸化剤、粘結剤、助燃剤、燃焼触媒等から成るコ
ンポジット系固体推進薬において、その粘結剤の主成分
である燃料結合剤として用いられるポリエーテル及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
コンポジット系固体推進薬の燃焼特性を改善するために
燃料結合剤としてアジド基を有するポリエーテルを使用
する方法が注目されている。この種のポリエーテルとし
ては一般式(II)
【0003】
【化2】
【0004】(式中、n は正の数を表す。)で示される
アジドメチル基を側鎖にもつポリエーテル(米国特許第
4,268,450 号)、及び一般式(III)
【0005】
【化3】
【0006】(式中、n, mは正の数を表す。)で示され
るBAMOとテトラヒドロフラン(THF) とのコポリマーから
なるポリエーテル(特開平2−239178号公報)が提案さ
れている。一般にポリエーテル中のアジド基量が多いほ
ど、推進薬とした場合の燃焼特性、特に比推力の向上が
大きいことが知られている。従って、従来のポリエーテ
ルよりも含有アジド基量が多いポリエーテルは、推進薬
とした場合の燃焼特性の向上が期待される。
【0007】これまでにBAMOとAMMOとから成るポリエー
テルが、主に発射薬用バインダーとして検討された(特
開平2−14216 号公報)。しかし、このポリエーテル
は、結晶性が大きいために、融点や粘度の高いものであ
った。しかるに、推進薬の製造において取り扱いが可能
である粘度範囲は限定されているため、粘度の高いポリ
エーテルを燃料結合剤として使用した場合、固形物であ
る酸化剤等の成分の添加量が限定されるという大きな問
題がある。また、推進薬の製造作業温度で固形であるよ
うな融点の高いポリエーテルは、燃料結合剤としては使
用できないという致命的欠点を有している。これらの問
題のために、推進薬の燃料結合剤として使用し得るBAMO
とAMMOとのコポリマーから成るポリエーテルはこれまで
に開発されていない状況であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の問題点を解決する
ため、本発明者らは、BAMOとAMMOとのコポリマーからな
り、結晶性の小さいポリエーテルについて鋭意検討を行
った結果、特定の溶媒を使用した溶液重合を採用するこ
とにより特定のAMMO含有量及び特定分子量範囲において
低融点、低粘度の低結晶性ポリエーテルが得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
は、一般式(I)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、m, nは自然数を示す。)で表され
る、BAMO成分とAMMO成分とのコポリマーからなるポリエ
ーテルであって、BAMOのモル数nとAMMOのモル数mとの
比n/mの値が0.05〜9.5 、数平均分子量が 500〜600
0、かつB型粘度計にて測定した60℃における粘度が100
poise 以下であることを特徴とするポリエーテル、及
びハロゲン化炭化水素中に、BAMO、AMMO、反応開始剤と
してBF3O(C2H5)2 及び分子量調節剤としてジオール成分
を一括に仕込み、反応させることを特徴とする前記一般
式(I)で表されるポリエーテルの製造方法を提供する
ものである。
【0011】一般式(I)において、n/mの値は0.05
〜9.5 、特に 0.1〜9.0 の範囲にあることが好ましい。
n/mの値が0.05未満になると推進薬とした場合に燃焼
特性が低下し、また 9.5を超えるとポリエーテルの結晶
性が大きくなり、推進薬の製造が困難になる。また、ポ
リエーテルの数平均分子量は 500〜6000、特に1000〜50
00の範囲にあることが好ましい。数平均分子量が 500未
満になると推進薬とした場合に機械的強度が低下し、ま
た6000を超えると粘度が極端に高くなる。更に、本発明
のポリエーテルの末端は実質的に全てが水酸基であるこ
とが望ましい。
【0012】本発明のポリエーテルは、ハロゲン化炭化
水素中に、BAMO、AMMO、反応開始剤としてBF3O(C2H5)2
及び分子量調節剤としてジオール成分を一括に仕込み、
反応させることにより得られる。反応温度は0〜50℃、
特に15〜35℃の範囲にあることが好ましい。反応温度が
0℃未満であると反応がほとんど進行しないために実用
的でない。また、反応温度が50℃を超えると反応速度が
大きくなり、反応熱により異常反応を起こす。
【0013】本発明に用いられるハロゲン化炭化水素と
しては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1 −ジクロ
ロエタン、1,2 −ジクロロエタン、1,1,2 −トリクロロ
エタン、四塩化炭素等が挙げられるが、特に、ジクロロ
メタン、四塩化炭素が好ましい。ハロゲン化炭化水素の
使用量は特に限定されないが、反応原料に対し 1.0〜10
重量倍使用するのが好ましい。本発明によれば反応溶媒
としてハロゲン化炭化水素を用いることにより、反応系
全体の極性が変化するため、BAMOやAMMOのブロック性が
低下し、その結果としてポリエーテルの結晶性が低下す
るものと推定される。
【0014】また、分子量調節剤として用いるジオール
成分は特に限定されないが、1,2 −エタンジオール、1,
2 −プロパンジオール、1,3 −プロパンジオール、1,2
−ブタンジオール、1,3 −ブタンジオール、1,4 −ブタ
ンジオール、2,3 −ブタンジオール、1,2 −ペンタンジ
オール、1,4 −ペンタンジオール、1,5 −ペンタンジオ
ール、2,4 −ペンタンジオール、1,2 −ヘキサンジオー
ル、1,5 −ヘキサンジオール、1,6 −ヘキサンジオー
ル、2,5 −ヘキサンジオール、1,4 −シクロヘキサンジ
メタノール等が挙げられ、特に1,2 −エタンジオール、
1,3 −プロパンジオール、1,4 −ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオールが好ましい。これらの分子量調節剤
とBAMOやAMMOとのモル比を変化させることにより、任意
の分子量のポリエーテルを得ることができる。
【0015】更に、本発明のポリエーテルの製造に用い
られるハロゲン化炭化水素、反応開始剤(BF3O(C
2H5)2)、BAMO、AMMO及び分子量調節剤(ジオール成分)
に含まれる水分は1000ppm 以下、特に500ppm以下である
ことが好ましい。また、反応開始剤として用いられるBF
3O(C2H5)2 の添加量は分子量調節剤に対して0.1 〜2倍
モル、特に0.3 〜0.9 倍モルの範囲が好ましい。添加量
が分子量調節剤に対して0.1 倍モル未満になると反応速
度が小さくなるために実用的ではない。また2倍モルを
超えると副反応が起こるために得られるポリエーテルの
分子量分布が広くなってしまうため好ましくない。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0017】実施例1 <BAMOの合成>3,3 −ビスクロルメチルオキセタン 200
gを窒素吹き込み管を有するガラス製セパラブルフラス
コにとり、ジメチルホルムアミド670.5 g及びアジ化ソ
ーダ183.8 gを加え、室温にてよく混合した。次にオイ
ルバスで上記混合液をゆっくりと90℃に加温した。温度
を引き続き90℃に保ち、撹拌しながら2時間反応を行
い、BAMOを合成した。反応終了後混合液の温度を室温ま
で下げ、塩化メチレン1.5リットル及び水1.5リットルを
加え、分液ロートにて分液した。分液後、下層液(塩化
メチレン溶液)を分取した。更に、分液ロートを用い
て、分取した塩化メチレン溶液を水1.5リットルで2〜
3回水洗し、最後に分取した下層液中に溶け込んでいる
水分を無水硫酸ナトリウムを加えて脱水した。その後こ
の溶液を濾過し、ロータリーエバポレーターにて塩化メ
チレンを除去した。更に、圧力3mmHg、温度 120〜140
℃の条件にて蒸留精製し、無色透明又は淡黄白色のBAMO
を得た。GC(ガスクロマトグラフィー)にて純度を測定
した結果、99.9%以上であった。また、カールフィッシ
ャー法にて含水量を測定した結果、60ppm 以下であっ
た。
【0018】<AMMOの合成>3−クロロメチル−3−メ
チルオキセタン 200gを窒素吹き込み管を有するガラス
製セパラブルフラスコにとり、ジメチルホルムアミド43
1 g及びアジ化ソーダ118.1 gを加え、室温にてよく混
合した。次にオイルバスで上記混合物をゆっくりと90℃
に加温した。温度を引き続き90℃に保ち、撹拌しなが
ら、2時間反応を行い、AMMOを合成した。反応終了後、
混合液の温度を室温にまで下げ、塩化メチレン 0.6リッ
トル及び水 3.6リットルを加え、十分混合した後、分液
ロートにて分液し、下層液(塩化メチレン溶液)を分取
した。更に、分液ロートを用いて分取した塩化メチレン
溶液を水 3.6リットルで2〜3回水洗し、最後に分取し
た下層液中に溶け込んでいる水分を無水硫酸ナトリウム
を加えて脱水した。その後この溶液を濾過し、ロータリ
ーエバポレーターにて塩化メチレンを除去した。更に圧
力3mmHg、温度70〜90℃の条件にて蒸留精製し、無色透
明のAMMOを得た。GC(ガスクロマトグラフィー)にて純
度を測定した結果、99.9%以上であった。また、カール
フィッシャー法にて含水量を測定した結果、70ppm 以下
であった。
【0019】<ポリエーテルの製造>常法に従って脱水
精製した 1,4−ブタンジオール0.1248モル、四塩化炭素
517g及び前記BAMO 0.808モル、AMMO 0.808モルを予め
窒素置換したフラスコに入れ十分混合した。更に、室温
にて反応開始剤であるBF3O(C2H5)2 を0.0624モル(1,4
−ブタンジオールに対して0.5 倍モル)添加し、温度を
25℃に保ちながら、5日間反応を継続した。その後、反
応溶液を500ml の塩化メチレンで希釈し、蒸留水を添加
して反応を停止した後、飽和重曹水を添加してBF3O(C2H
5)2 を中和した。更に、蒸留水3リットルを加え、十分
に混合した後、分液ロートにて分液し、下層液(四塩化
炭素−塩化メチレン混合溶液)を分取した。更に、分液
ロートを用い、分取した四塩化炭素−塩化メチレン混合
溶液を水3リットルで2〜3回水洗し、反応開始剤を十
分に除去した。その後、ロータリーエバポレーターにて
四塩化炭素及び塩化メチレンを除去し、更に減圧下にて
加熱し、残留溶剤、残留水分等を除去し、ポリエーテル
を得た。このものは無色粘稠の液体であり、1H−NMR を
用いて分析した結果、BAMOとAMMOとのモル比n/mの値
は1.0 、水酸基価から求めた数平均分子量は2000、更に
B型粘度計にて測定した60℃における粘度は15 poiseで
あった。また、融点は室温以下、官能基数は2.0 であ
り、燃料結合剤として十分使用し得るものであった。
【0020】実施例2 実施例1の<BAMOの合成>及び<AMMOの合成>と同様の
方法で得たBAMO, AMMOの仕込みモル数をそれぞれ1.07モ
ル, 0.460 モルとし、実施例1の<ポリエーテルの製造
>と同様の方法でポリエーテルを得た。このものを1H−
NMR を用いて分析した結果、BAMOとAMMOとのモル比n/
mの値は2.33、水酸基価から求めた数平均分子量は200
0、更にB型粘度計にて測定した60℃における粘度は20
poiseであった。また、官能基数は2.0 であり、燃料結
合剤として十分使用し得るものであった。
【0021】実施例3 実施例1の<BAMOの合成>及び<AMMOの合成>と同様の
方法で得たBAMO, AMMOの仕込みモル数をそれぞれ0.513
モル, 1.20モルとし、実施例1の<ポリエーテルの製造
>と同様の方法でポリエーテルを得た。このものを1H−
NMR を用いて分析した結果、BAMOとAMMOとのモル比n/
mの値は0.43、水酸基価から求めた数平均分子量は200
0、更にB型粘度計にて測定した60℃における粘度は12
poiseであった。また、官能基数は2.0 であり、燃料結
合剤として十分使用し得るものであった。
【0022】実施例4 実施例1の<BAMOの合成>及び<AMMOの合成>と同様の
方法で得たBAMO, AMMOの仕込みモル数をそれぞれ2.50モ
ル, 2.50モルとし、実施例1の<ポリエーテルの製造>
と同様の方法でポリエーテルを得た。このものを1H−NM
R を用いて分析した結果、BAMOとAMMOとのモル比n/m
の値は1.0 、水酸基価から求めた数平均分子量は6000、
更にB型粘度計にて測定した60℃における粘度は90 poi
seであった。また、官能基数は2.0 であり、燃料結合剤
として十分使用し得るものであった。
【0023】実施例5 常法に従って脱水精製した1,2 −エタンジオール0.0083
3モル、塩化メチレン95g、及び実施例1の<BAMOの合
成>及び<AMMOの合成>と同様の方法で得たBAMO 0.100
6 モル、AMMO 0.235モルを予め窒素置換したフラスコに
入れ、十分に混合した。更に0℃にて反応開始剤である
BF3O(C2H5)2 を0.00833 モル(1,2 −エタンジオールに
対して等モル)添加し、温度を0℃に保ちながら5日間
反応を継続した。その後、反応溶液に蒸留水を添加して
反応を停止した後、飽和重曹水を添加してBF3O(C2H5)2
を中和した。更に蒸留水1リットルを加え、十分に混合
した後、分液ロートにて分液し、下層液(塩化メチレン
溶液)を分取した。更に分液ロートを用い、分取した塩
化メチレン溶液を水1リットルで2〜3回水洗し、反応
開始剤を十分に除去した。その後、ロータリーエバポレ
ーターにて塩化メチレンを除去し、更に減圧下にて加熱
し、残留溶剤、残留水分等を除去し、ポリエーテルを得
た。このものは無色粘稠の液体であり、1H−NMR を用い
て分析した結果、BAMOとAMMOとのモル比n/mの値は0.
43、水酸基価から求めた数平均分子量は5700、更にB型
粘度計にて測定した60℃における粘度は75 poiseであっ
た。また、官能基数は2.0 であり、燃料結合剤として十
分使用し得るものであった。
【0024】比較例1 実施例1の<BAMOの合成>及び<AMMOの合成>と同様の
方法で得たBAMO, AMMOの仕込みモル数をそれぞれ0.421
モル, 0.421 モルとし、実施例5と同様の方法でポリエ
ーテルを得た。このものを1H−NMR を用いて分析した結
果、BAMOとAMMOとのモル比n/mの値は1.0 、水酸基価
から求めた数平均分子量は15000 、更にB型粘度計にて
測定した60℃における粘度は100poiseより大きかった。
また、官能基数は2.0 であったが、粘度が高いために燃
料結合剤としては使用できなかった。
【0025】比較例2 実施例1の<BAMOの合成>及び<AMMOの合成>と同様の
方法で得たBAMO, AMMOの仕込みモル数をそれぞれ0.745
モル, 0.319 モルとし、実施例5と同様の方法でポリエ
ーテルを得た。このものを1H−NMR を用いて分析した結
果、BAMOとAMMOとのモル比n/mの値は2.33、水酸基価
から求めた数平均分子量は20000 、また60℃では固形で
あったために粘度は測定できなかった。また、官能基数
は2.0 であったが、融点が高く、60℃では固形であった
ために燃料結合剤としては使用できなかった。
【0026】比較例3 実施例2と同様の方法で、四塩化炭素を添加せずに反応
温度を−10℃に下げて重合反応を行い、ポリエーテルを
製造した。B型粘度計にて測定した60℃における粘度は
100poiseより大きく、燃料結合剤としては使用できなか
った。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−39328(JP,A) 特開 平2−14216(JP,A) 英国特許出願公開2224740(GB,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、m,nは自然数を示す。)で表される、3,3 −
    ビスアジドメチルオキセタン(BAMOと略す)成分と3−
    アジドメチル−3−メチルオキセタン(AMMOと略す)成
    分とのコポリマーからなるポリエーテルであって、BAMO
    のモル数nとAMMOのモル数mとの比n/mの値が0.05〜
    9.5 、数平均分子量が 500〜6000、かつB型粘度計にて
    測定した60℃における粘度が100 poise 以下であること
    を特徴とするポリエーテル。
  2. 【請求項2】 n/mの値が 0.1〜9.0 、数平均分子量
    が1000〜5000である請求項1記載のポリエーテル。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化炭化水素中に、3,3 −ビスア
    ジドメチルオキセタン、3−アジドメチル−3−メチル
    オキセタン、反応開始剤としてBF3O(C2H5)2及び分子量
    調節剤としてジオール成分を一括に仕込み、反応させる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のポリエーテルの
    製造方法。
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