JP3084973B2 - 塗装硬質オレフィン樹脂成形品 - Google Patents

塗装硬質オレフィン樹脂成形品

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JP3084973B2 JP04293505A JP29350592A JP3084973B2 JP 3084973 B2 JP3084973 B2 JP 3084973B2 JP 04293505 A JP04293505 A JP 04293505A JP 29350592 A JP29350592 A JP 29350592A JP 3084973 B2 JP3084973 B2 JP 3084973B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬質オレフィン樹脂で
成形された成形品本体に、硬質アクリルウレタン樹脂塗
料からなる上塗り塗膜が形成された塗装樹脂成形品に関
する。特に耐候性・美観性及び耐擦傷性等の製品物性が
要求される自動車のホイールキャップ、建築用外装品等
に好適な発明である。
【0002】(1) 本明細書で使用する用語の内、特定の
意味を付与したものを下記に定義する。
【0003】 塗膜形成要素…塗膜の主成分となる物
質であるが、必ずしも、量的に最大である必要はなく、
塗膜の基本的物性に寄与する成分を言う。
【0004】 変性ポリオレフィン樹脂の主成分…
必ずしも、量的に最大である必要はなく、該樹脂の基本
的物性に寄与する成分を言う。副成分に対応する。
【0005】
【従来の技術】昨今、アクリルウレタン樹脂は、無色透
明(奇麗に顔料により着色可)で、かつ、耐候性が良好
であるため、上記ホイールキャップ等の硬質樹脂成形品
の仕上げ塗料の塗膜形成材料として、着目されてきてい
る。
【0006】一方、軽量化の要請から、上記ホイールキ
ャップ等の硬質樹脂成形品の成形材料として、硬質オレ
フィン樹脂で成形されたものが多い。
【0007】そして、オレフィン樹脂とアクリルウレタ
ン樹脂とはSP値(相溶性パラメータ)が大きく異な
り、通常の方法では、オレフイン樹脂成形品に、アクリ
ルウレタン樹脂塗料からなる塗膜を形成することは困難
である。
【0008】 このため、従来は、TCE(1,1,1
−トリクロロエタン)でオレフィン樹脂からなる成形品
本体を洗浄し、更に、下塗り塗膜、上塗り塗膜を形成し
て対処していた。
【0009】このTCE洗浄は、基材の汚れ取り、及
び、表面粗面化(エッチング)のために行なう。
【0010】また、下塗り塗膜は、塩素化PP系の塗料
を、上塗り塗膜としては、イソシアネート硬化タイプ等
の架橋型アクリルポリオール樹脂系塗料を、それぞれ使
用して形成していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、TCEは、環
境規制の関係から、製造が制限される方向にある。そし
て、本発明者らが、検討した結果、通常のIPA(イソ
プロピルアルコール)等でアルコール洗浄したあと又は
洗浄無しで、上記、下塗り及び上塗りをしただけでは、
十分な塗膜密着性を得難いことが分かった。
【0012】本発明の目的は、上記にかんがみて、TC
E洗浄をしなくても、密着性良好なアクリルウレタン樹
脂の上塗り塗膜を、硬質オレフィン樹脂からなる成形品
上に有する塗装硬質オレフィン樹脂成形品を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の塗装硬質オレフ
ィン樹脂成形品は、上記課題を下記構成により解決する
ものである。
【0014】 硬質オレフィン樹脂で成形された成形品
本体に、硬質アクリルウレタン樹脂塗料からなる上塗り
塗膜が形成された塗装樹脂成形品において、前記上塗り
塗膜の塗膜形成要素が、硬質アクリルポリオール樹脂を
主成分とし、極性基導入ポリオレフィンとを共重合させ
た変性アクリルポリオール樹脂を副成分とする主剤と、
硬化剤とを含む硬質アクリルウレタン系樹脂であり、前
記成形品本体と上塗り塗膜との間に下塗り塗膜が形成さ
れ、該下塗り塗膜の塗膜形成要素が、硬質アクリルポリ
オール樹脂と極性基導入ポリオレフィンとを共重合させ
た変性アクリルポリオール樹脂を主成分とし、極性基導
入ポリオレフィンを副成分の一つとする変性ポリオレフ
ィン樹脂である、ことを特徴とする。
【0015】
【実施の態様】以下の説明で、配合単位・比率は、特に
断らない限り、重量単位である。
【0016】A.本発明は、成形品本体が、硬質オレフ
ィン樹脂で成形されたものであることを前提とする。
【0017】ここで硬質オレフィン樹脂とは、通常、ロ
ックウエル硬度でR100以上のものを言い、結晶性P
P(ポリプロピレン)、HDPE(高密度ポリエチレ
ン)、超高分子量PE、架橋PE及びそれらの変性ポリ
オレフィン樹脂、更には、ガラス繊維、タルク等の補強
性無機充填剤を混合したものを、好適に使用可能であ
る。
【0018】成形方法は、汎用の、射出・押出・圧縮・
真空成形、等で成形でき、特に限定されるものではな
い。
【0019】なお、ガラス繊維等の無機充填剤を使用す
る場合は、オレフィン樹脂との混合性及び塗膜密着性の
見地から、無機充填剤は、通常、シランカップリング処
理したものを使用する。
【0020】 B.上記成形品において、本発明は、下
塗り塗膜の塗膜形成要素が硬質アクリルポリオール樹脂
と極性基導入ポリオレフィン(以下「極性基導入PO」
と略す)とを共重合させた変性アクリルポリオール樹脂
を主成分とし、極性基導入ポリオレフィンを副成分とす
る変性ポリオレフィン系樹脂である、ことを第一の特徴
とする。
【0021】ここで、主成分と副成分との比率は、変性
アクリルポリオール樹脂及び極性基導入POの種類によ
り、異なるが、通常、前者/後者=4/6〜8/2とす
る。
【0022】 (1) 上記変性アクリルポリオール樹脂
は、下記硬質アクリルポリオール樹脂と下記極性基導入
POとを、慣用の方法でグラフト共重合させたものであ
る。
【0023】 ここで、グラフト化率は、硬質アクリル
ポリオール樹脂の種類、及び極性基の種類・導入化率等
により異なるが、極性基導入POを塩素化率10〜20
%の塩素化PPとしたとき、硬質アクリルポリオール樹
脂/塩素化PP=7/3〜9/1、好ましくは8/2の
比率とする。
【0024】 硬質アクリルポリオール樹脂は、下記
非官能性と架橋用官能性との各アクリルモノマーの共重
合体であって、非官能性及び架橋用官能性の各アクリル
モノマーとして硬質用非官能性及びヒドロキシル型をそ
れぞれ必須成分とするものである。これらは硬質用非官
能性及びヒドロキシル型をそれぞれ1種づつ選択した共
重合体であってもよいが、それらの一方又は双方を2種
以上選択して共重合させたものであってもよい。
【0025】 硬質用非官能性…メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸イソブチル、等。
【0026】 軟質用非官能性…メタクリル酸ヘキシ
ル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸メチル、アク
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、等。
【0027】架橋用官能性…酸型:アクリル酸、メタ
クリル酸、ヒドロキシル型:アクリル酸ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、アミド型:アクリルアミド、メタ
クリルアミド、グリシジル型:アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、等。
【0028】(2) 極性基導入POとしては、汎用のも
の、例えば、塩素化PP、カルボキシル基導入PP、エ
ポキシ基導入PP、アミノ基導入PP等を挙げることが
できる。ここで、極性基導入割合は、例えば、塩素化P
Pの場合、10〜20%の塩素化度のものが好適であ
る。
【0029】 (3)この下塗り塗膜には、成形品本体
がガラス繊維強化の場合、シランカップリング剤を含有
させておくことが、密着性向上図れて望ましい。
【0030】 C.本発明は、上塗り塗膜の塗膜形成要
素が、硬質アクリルポリオール樹脂を主成分とし、硬質
アクリルポリオール樹脂と極性基導入POとを共重合さ
せた変性アクリルポリオール樹脂を副成分とする主剤
(ポリオール成分)と、硬化剤(イソシアネート成分)
とを含む硬質アクリルウレタン系樹脂であることを第二
の特徴とする。
【0031】 この変性アクリルポリオール樹脂は、
下塗り塗膜の塗膜形成要素である変性ポリオレフィン
樹脂の主成分である変性アクリルポリオール樹脂と同
じ概念である。すなわち、硬質アクリルポリオール樹脂
と極性基導入POとを、慣用の方法でグラフト共重合さ
せたものであり、硬質アクリルポリオール樹脂及び極性
基導入POは、当該箇所で例示したものを適宜使用可能
である。
【0032】 また、主成分と副成分の比率は、変性ア
クリルポリオール樹脂及び硬質アクリルポリオール樹脂
(分子量1〜2万、主成分とは異種)の種類により異な
るが、通常、前者/後者=5/5〜8/2、好適には
6/4とする。
【0033】D.次に、上記塗装樹脂成形品の製造方法
を説明する。
【0034】(1) 予め、成形しておいたポリオレフィン
(PO)成形品を、IPA等のアルコールで洗浄する。
この洗浄工程は、PO成形品が奇麗な場合は、必然的で
ない。
【0035】(2) 次に、成形品本体に下塗り塗料・上塗
り塗料を順次塗布する。この下塗塗料の態様は、上記塗
膜を形成可能なものなら、特に、限定されず、溶液型・
懸濁型・乳剤型・粉体型等任意である。また、塗装方法
も、塗料の態様に応じて、適宜、はけ塗り、浸漬塗り、
スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、等選択可能であ
る。なお、各塗料には、通常の塗料に配合される着色
剤、老化防止剤、レベリング剤、等が添加されている。
【0036】(3) こうして製造した樹脂塗装成形品は、
後述の実施例で示す如く、TCEで洗浄しなくても、塗
膜密着性が良好である。
【0037】
【発明の作用・効果】 本発明の塗装硬質オレフィン樹
脂成形品は、上記の如く、下塗り塗膜の塗膜形成要素
が、硬質アクリルポリオール樹脂と極性基導入POとを
グラフト共重合させた変性アクリルポリオール樹脂を主
成分とし、極性基導入POを副成分の一つとする変性ポ
リオレフィン樹脂であり、上塗り塗膜の塗膜形成要素
が、硬質アクリルポリオール樹脂を主成分とし、硬質
クリルポリオール樹脂と極性基導入POとを共重合させ
た変性アクリルポリオール樹脂を副成分とする主剤と、
硬化剤とを含むアクリルウレタン系樹脂である、ことを
特徴とすることにより、後述の実施例で示す如く、前処
理として、TCE洗浄をしなくても密着性良好なアクリ
ルウレタン樹脂の上塗り塗膜を、硬質オレフィン樹脂か
らなる成形品上に有する。
【0038】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行なっ
た実施例について説明をする。
【0039】(1) 試料の調製 下記組成の硬質PP成形材料を使用して自動車のホイ
ールキャップ(成形品本体)を射出成形した。
【0040】 PP樹脂組成物配合処方 結晶性PP 100部 シランカップリング処理GF 20部 該成形品本体を、表1に示す各洗浄を行なった後、下
記各組成の下塗り塗料(実施例・従来例)を、乾燥膜厚
10μmとなるように、スプレー塗布し、風乾して下塗
り塗膜を形成した。
【0041】 下塗り塗料組成(実施例) 変性アクリルポリオール樹脂 21.6% (硬質アクリルポリオール樹脂と、塩素化度10〜20%の塩素化PPとを 前者/後者=8/2の比率でグラフト共重合させたもの。) 塩素化PP 4.8% (塩素化度10〜20%及び20〜30%の当量混合物) 顔料(グレイ:酸化チタン系) 10.1% 溶剤(炭化水素系) 61.1% 添加剤 1.4% シランカップリング剤 1.0% 下塗り塗料組成(従来例) 塩素化PO 24.3% (変性塩素化POとウレタン系POとのブレンド:塩素化度25%) 顔料(グレイ:酸化チタン系) 15.6% 溶剤(炭化水素系) 60.0% 添加剤 0.1% 該下塗り塗膜の上に下記各構成の上塗り塗料(実施例
・従来例)を、乾燥膜厚20μmとなるように、スプレ
ー塗布し、80℃×15min の条件で、上塗り塗膜を形
成した。
【0042】 上塗り塗料組成(実施例) 変性アクリルポリオール樹脂 12.5% (硬質アクリルポリオール樹脂と、塩素化度10〜20%の塩素化PPとを 前者/後者=8/2の比率でグラフト共重合させたもの。) 硬質アクリルポリオール樹脂 18.7% 顔料(アルミペースト) 3.5% 溶剤(炭化水素系) 55.6% 添加剤 3.0% 硬化剤 6.7% (ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト型) 上塗り塗料組成(比較例) イソシアネート硬化型アクリルポリオール樹脂 27.3% 顔料(アルミペースト) 23.0% 溶剤(炭化水素系) 42.5% 添加剤 0.4% 硬化剤 6.8% (ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット型) (2) 試験方法 塗膜の密着性を下記方法にしたがって剥離強度を測定し
た。その結果を、第1表に示すが、本発明の構成の場
合、TCE洗浄の有無に関係なく、格段に塗膜密着性が
良好であることが分かる。
【0043】<密着性試験>上塗り塗膜の上に、上記と
同系の塗料(「ソフレックス200」関西ペイント社
製)を、基材上の塗膜が100μmとなるように塗布
後、1週間、室温で放置した後、180°剥離試験を行
なった(オートグラフで測定)。条件は、幅:1cm、引
張スピード:50mm/min 、チャートスピード:50mm
/min とした。
【0044】
【表1】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−293937(JP,A) 特開 平4−296376(JP,A) 特開 平4−318083(JP,A) 特開 昭59−124961(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18 B32B 27/00 - 27/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質オレフィン樹脂で成形された成形品
    本体上に、下塗り塗膜を介して、硬質アクリルウレタン
    樹脂材料からなる上塗り塗膜が形成された塗装樹脂成形
    品において、 前記下塗り塗膜の塗膜形成要素が、硬質アクリルポリオ
    ール樹脂と極性基導入ポリオレフィンとを共重合させた
    変性アクリルポリオール樹脂を主成分とし、極性基導入
    ポリオレフィンを副成分の一つとする変性ポリオレフィ
    樹脂であ、 前記上塗り塗膜の塗膜形成要素が、硬質アクリルポリオ
    ール樹脂を主成分とし、硬質アクリルポリオール樹脂と
    極性基導入ポリオレフィンとを共重合させた変性アクリ
    ルポリオール樹脂を副成分とする主剤、と硬化剤とを含
    む硬質アクリルウレタン系樹脂である、 ことを特徴とする塗装硬質オレフィン樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記変性アクリルポ
    リオール樹脂の極性基導入ポリオレフィン、及び、前記
    下塗り塗膜の副成分である極性基導入ポリオレフィンの
    一方又は双方が塩素化ポリプロピレンであることを特徴
    とする塗装硬質オレフィン樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1において、硬質オレフィン樹脂
    がガラス繊維強化樹脂であり、該下塗り塗膜にシランン
    カップリング剤が添加されていることを特徴とする塗装
    硬質オレフィン樹脂成形品。
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