JP3140168U - ジェル状クッション - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性の高く、小さな荷重に対しても追従し、さらに、寝返り時のねじれ(せん断力)を吸収し、底つきを感じるような沈み込みのない寝心地の良いベッド等に用いるジェル状クッションを提供する。
【解決手段】ジェル状樹脂製の連続した格子壁により複数の多角形の集合体であるハニカム形状構造とし、少なくとも上方が開放されたジェル状格子体を形成し、前記ジェル状格子体の上層部と下層部との間で圧縮性、屈曲性及び座屈性を異なるように設定し、上記下層部は、前記ジェル状格子体を構成するハニカム形状構造体の多角形内にその底部から格子壁の高さより低い高さの平面形状が×又は+形状のジェル状樹脂製のリブ6の両端を格子壁の内壁に一体に形成する。
【選択図】図1

Description

本考案は、ベッド等に用いるジェル状クッションに関する。
ベッド等に用いられるクッションには、人間の体重を支え、保持する機能のほかに、寝心地のよさが要求される。寝心地のよいクッションには、適度な柔らかさと圧縮性、振動吸収性、除湿性、変形追従性やへたりのないことが要求される。そして、従来は、綿や合成繊維のウェブ、ポリウレタン発泡体などの合成樹脂発泡体、コイル状のバネ体などを、単独、或いはこれらを組み合わせて用いてきた。
また、ベッド等に用いられるクッションには、スポンジゴム、半硬質材やジェル状物質をそのまま利用したり、又、柱形状にして並べたものがあり、さらに、それらの物質で形成した隔壁を格子状に並立させたものが開発されている。
実開昭52−15307号公報 特公表2001−514911号公報
しかしながら、柱形状及び隔壁をスポンジゴムで構成した格子状クッションにおいては、隔壁のスポンジゴムの圧縮性によりクッション性を持たせたものであるため、底つき感が生じやすい。隔壁を半硬質材で構成した格子状クッションにおいては、隔壁の半硬質材の側方への傾動によってクッション性を持たせたものであるため、柔らかさに欠き、小さな荷重に対応する緩衝性に劣るという問題を有する。さらに、両者共、寝返り時に発生するねじれ(せん断力)を吸収しにくい状態となり、寝返りを行うためには大きな筋肉運動を必要とするため、眠りを阻害するといったことが発生しやすかった。隔壁をジェル状物質で構成した格子状クッションにおいては、隔壁のジェル状物質の屈曲性、座屈性によってクッション性を持たせたものであるため、クッション性は良いが、ジェル状物質であるため、いわゆるヘタリが早いなど耐久性に欠けるという問題を有するものであった。
本考案は、前記課題を解決した耐久性の高く、小さな荷重に対しても追従し、さらに、寝返り時のねじれ(せん断力)を吸収し、底つきを感じるような沈み込みのない寝心地の良いベッド等に用いるジェル状クッションを提供することを目的とする。
本願請求項1に記載の考案は、ジェル状樹脂製の連続した格子壁により複数の多角形の集合体であるハニカム形状構造とし、少なくとも上方が開放されたジェル状格子体を形成し、前記ジェル状格子体の上層部と下層部との間で圧縮性、屈曲性及び座屈性を異なるように設定し、上記下層部は、前記ジェル状格子体を構成するハニカム形状構造体の多角形内にその底部から格子壁の高さより低い高さの平面形状が×又は+形状のジェル状樹脂製のリブの両端を格子壁の内壁に一体に形成したことを特徴とする。
本願請求項2に記載の考案は、請求項1記載の考案において、小荷重が負荷された場合には、リブを有しない上層部でこれを受け止め、また当該上層部のみをこれに追従させ、大荷重が負荷された場合には、上層部の格子壁の壁面を下層部まで傾かせ、かかる壁面が下層部のリブ構造に接触することで、その大荷重を受け止めることを特徴とする。
本願請求項3に記載の考案は、ジェル状樹脂製の連続した格子壁により複数の多角形の集合体であるハニカム形状構造とし、少なくとも上方が開放されたジェル状格子体を形成し、前記ジェル状格子体の上層部と下層部との間で圧縮性、屈曲性及び座屈性を異なるように設定し、上記上層部は、前記ジェル状格子体を構成するハニカム形状構造体の多角形内にその底部から格子壁の高さより低い高さの平面形状が×又は+形状のジェル状樹脂製のリブの両端を格子壁の内壁に一体に形成したことを特徴とする。
本願請求項4に記載の考案は、請求項3記載の考案において、小荷重が上層部表面に負荷された場合に、上記上層部は殆んど変形することなくその荷重を下層部の格子壁へと伝え、下層部はその伝えられた荷重に基づいて湾曲することにより、その荷重を分散し、大荷重が上層部表面に負荷された場合に、上記上層部はその形態を維持したまま徐々に下層部内へ沈み込み、当該上層部がジェル状クッション底部まで到達した後に、上層部自身がつぶれ込みながらその荷重を分散させることを特徴とする。
本考案のジェル状クッションにおいて、ジェル状樹脂製の連続した格子壁により多角形のハニカム形状構造としたジェル状格子体を形成し、その上下方向の圧縮性、屈曲性及び座屈性を異なるように設定する構成により、上層のハニカム形状構造の圧縮性、屈曲性及び座屈性を大きくし、下層のハニカム形状構造の圧縮性、屈曲性及び座屈性を小さく設定して、上層において小さな荷重に対する追従性を向上させ、下層で荷重による底つきを感じるような沈み込みを防止する機能を持たせて寝心地を良くし、且つ、病人や介護を必要とする人等長くベッドに横たわらなければならない人の荷重を分散し血行障害等の障害を防止可能とする。
ジェル状格子体を構成するハニカム形状構造体の多角形内にその底部から格子壁の高さの約半分の高さの平面形状が×又は+形状のジェル状樹脂製のリブを格子壁の内壁に一体に形成する構成により、ジェル状クッションの上下方向の圧縮性、屈曲性及び座屈性を異ならせ、小さな荷重に対する追従性を向上させ、荷重による底つき感を感じるような沈み込みを防止し、荷重の分散性に優れたクッションとすることが可能となる。
ジェル状格子体を構成するハニカム形状構造体の多角形の断面大きさを上下積層方向で異なるように一体成形する構成により、ジェル状クッションの上下方向の圧縮性、屈曲性及び座屈性を異ならせ、小さな荷重に対する追従性の向上と底つき感を感じるような沈み込みを防止し、荷重の分散性に優れたクッションとすることが可能となる。
ジェル状格子体を構成するハニカム構造体の多角形の断面大きさが小さいハニカム形状構造体と多角形の断面大きさが大きいハニカム形状構造体をその周囲のみを固定して積層する構成により、多角形の断面大きさが大きいハニカム形状構造体の中心部が固定されていないため、その構造体が寝返りなどの移動の際発生するねじれ、つぶれといった上下垂直方向以外の運動を吸収しながら皮膚表面の快適さを保ちながらその力を広範囲に広げ、さらに断面大きさの大きい多角形のハニカム形状構造体のねじれつぶれの運動がハニカム形状構造体の側面だけでなく広範囲に動くことが可能になるため、荷重の分散性が一段と向上し、寝心地の良く、血行障害を防止できるクッションを提供できる。
また、本考案のジェル状クッションは、通気性に優れ、汗の吸収発散を促進し、洗濯も容易であるため、使い勝手がよいベッド等に用いるクッションを提供することができる。
さらに、上下の構造体を逆に組み合わせることによって、皮膚への接触面積が増えることになり、よって皮膚感覚が敏感な人や浮腫による皮膚のダメージが心配される場合の皮膚負担を減らすことが可能となる。
また、ハニカムの断面積が小さいため押圧による壁の傾動距離が小さくなるので使用者は横揺れの感覚を軽減することができ、さらに縦横隔壁の傾動が少ないため、長期間の使用により発生する縦横隔壁の変形やヘタリ等を防止する効果もある。
(実施例1)
本考案の実施形態を図により説明する。図1(a)(b)(c)は、本考案のジェル状クッションの実施例1を示すものである。ジェル状クッション1は、ジェル状エラストマー及びジェル状粘弾性エラストマーから成る集合体から選択されジェル状樹脂により形成される。ジェル状クッション1は、横方向側壁2、縦方向側壁3、横方向隔壁4及び縦方向隔壁5とで複数の断面矩形の集合体であるハニカム形状構造体に形成される。ハニカム形状構造体の単位多角形の断面形状は、実施例に示された矩形に限らず、他の多角形であってもよい。ハニカム形状構造体の横方向隔壁4と縦方向隔壁5とで囲まれた断面多角形の底部から前記横縦隔壁4、5の高さより低い高さまで伸びるジェル状樹脂で形成される平面形状が図1(a)(b)に示されるように×形状又は図1(c)に示されるように+形状のリブ6が形成される。リブ6の両端は前記横縦隔壁4、5の内壁に一体に連結される。リブ6の形状は、ジェル状クッション1の上下方向の圧縮性、屈曲性及び座屈性が適度に異なるようにするものであれば形状はどのような形状であってもよい。また、リブ6の底部からの高さは、リブ6の厚みを厚くすることにより低くすることができる。ジェル状クッション1をこのように構成することにより、リブ6の形成されていない部分の圧縮性、屈曲性及び座屈性は、リブ6の形成されている部分の圧縮性、屈曲性及び座屈性に比較して大きいため、ジェル状クッション1の上部は、小さい荷重に対しても追従し、その荷重を分散し、ジェル状クッション1の下部は圧縮性、屈曲性及び座屈性が上部に比較して小さいため荷重による沈み込みを防止する。
(実施例2)
図2(a)(b)は、本考案のジェル状クッションの実施例2を示すものである。この実施例2に示すジェル状クッション7は、ジェル状エラストマー及びジェル状粘弾性エラストマーから成る集合体から選択されジェル状樹脂により形成される。ジェル状クッション7は、上下2つの部分8及び9により構成される。図2(a)に示されるように、ジェル状クッション7の上部分8は、実施例1のジェル状クッション1と同様に、横方向側壁10、縦方向側壁11、横方向隔壁12及び縦方向隔壁13とで複数の断面矩形の集合体であるハニカム形状構造体に形成される。また、ジェル状クッション7の下部分9は、横方向側壁14、縦方向側壁15、横方向隔壁16及び縦方向隔壁17とで複数の断面矩形の集合体であるハニカム形状構造体に形成される。ジェル状クッション7の上下部分8,9で相違するのは、ハニカム形状構造体を構成する多角形の断面大きさが、上部分8が下部分9より大きく形成される点である。図2(b)に示されるように、ジェル状クッション7の上下部分8,9は一体成形される。ジェル状クッション7の上部分8のハニカム形状構造体を構成する多角形の断面大きさが下部分9のハニカム形状構造体を構成する多角形の断面大きさより大きくして一体成形することにより、ジェル状クッション7の上部分8は、小さい荷重に対しても追従し、その荷重を分散し、ジェル状クッション7の下部分9は圧縮性、屈曲性及び座屈性が上部に比較して小さいため荷重による沈み込みを防止する。
(実施例3)
図3(a)(b)は、本考案のジェル状クッションの実施例3を示すものである。この実施例3に示すジェル状クッション18は、ジェル状エラストマー及びジェル状粘弾性エラストマーから成る集合体から選択されジェル状樹脂により形成される。ジェル状クッション18は、上下2つの部分19及び20により構成される。図3(a)に示されるように、ジェル状クッション18の上部分19は、横方向側壁21、縦方向側壁22、横方向隔壁23及び縦方向隔壁24とで複数の断面矩形の集合体であるハニカム形状構造体に形成される。また、ジェル状クッション18の下部分20は、横方向側壁25、縦方向側壁26、横方向隔壁27及び縦方向隔壁28とで複数の断面矩形の集合体であるハニカム形状構造体に形成され、その上面の周囲のみに不織布、布、テープ、紙等のシート状物29が接着される。図3(b)に示されるように、ジェル状クッション18の上下部分19、20はそれぞれ別体として成形され、ジェル状クッション18の上部分19は、下部分20の上面の周囲のみに接着されたシート状物29を挟んで接着剤や熱溶着により接着して一体とされる。ジェル状クッション18の上部分19のハニカム形状構造体を構成する多角形の断面大きさは、下部分20のハニカム形状構造体を構成する多角形の断面大きさより大きくする。ジェル状クッション18の上部分19の圧縮性、屈曲性及び座屈性は、下部分20の圧縮性、屈曲性及び座屈性に比較して大きく、上部分19は下部分20に対して周囲のみを固定された状態であるため、寝返りなどの移動の際、断面大きさの大きい多角形のハニカム形状構造体のねじれつぶれの運動がハニカム形状構造体の側面だけでなく広範囲に動くことが可能になるため、荷重の分散性が一段と向上し、ジェル状クッション18の上部分19は、小さい荷重に対しても追従し、その荷重を分散し、ジェル状クッション18の下部分20は圧縮性、屈曲性及び座屈性が上部に比較して小さいため荷重による沈み込みを防止する。
本願考案は、あくまで格子壁より低い高さの平面形状が×又は+形状のリブを内壁に一体に形成した旨につき、さらに構成上の限定を付加している。また、本願考案は、いわゆるヘタリが早い等の耐久性に欠けるという問題点を解決するとともに、クッションに負荷される小さな荷重に対しても追従し、さらに寝返り時のねじれ(せん断力)を吸収し、ユーザに対して底つきを感じさせないように荷重を分散させることで沈みこみを無くし、ひいては寝心地や座り心地を向上させたジェル状クッションを提供することを目的としている。
かかる目的の下、本願考案では、ジェル状格子体を構成するハニカム形状の多角形内にその底部から格子壁の高さより低い高さの平面形状が×又は+形状のリブを格子壁の内側に一体に形成する構成としている。即ち、本願考案では、×又は+形状のリブが形成されている下層部と、これらリブが形成されていない上層部の2段構成としている(以下、このような設置方法を第1の設置方法という)。これにより、ジェル状クッションの上下方向の圧縮性、屈曲性及び座屈性を上層部と下層部の間で大幅に異ならせることができる。
仮にこのジェル状クッションに対して小さな荷重が負荷された場合には、リブを有しない上層部でこれを受け止めることができ、また上層部のみをこれに追従させることができる。これに対して上層部のみで受け止めきれない大きな荷重が負荷された場合には、上層部の格子壁の壁面が下層部まで傾き、かかる壁面が下層部と接する状態となる。このとき、下層部のリブ構造によってその大きな荷重を受け止めることができるため、ユーザが底つきを感じるような沈みこみを防止し、荷重の分散性に優れたクッションとすることが可能となる。
本願考案は、鉛直方向に向かって上層部と下層部を明確に分離して構成している。しかも下層部を構成するリブは、その周囲の格子壁に対して一体に形成し、しかもこれを突起状に形成していないため、仮に大きなねじれ(せん断力)が作用しても殆ど傾動することはない。
また、本願考案は、リブの平面形状が×又は+形状となるように限定をかけているところ、そのリブの交錯角につき略90°となるように限定している。即ち、リブの交錯角につき略90°となるように限定していることで、いかなる方向からねじれが作用しても殆ど傾動することはない。
即ち、本願考案では、リブが形成されていない上層部と、リブが形成されている下層部との間でそれぞれの圧縮性、屈曲性及び座屈性を互いに大幅に異ならせることができる。従って、荷重が負荷された場合において、リブ構造を有する下層部を殆ど傾動させることなく、上層部を構成する格子壁のみを主として傾動させることが可能となる。換言すれば、トータルの傾動距離は、リブが形成されていない上層部のみが担い、下層部が担う傾動距離を少なくすることが可能となる。このため、ユーザに対して与えてしまう横ぶれ感を大幅に軽減させることができる。
また、本願考案に係るジェル状クッションでは、トータルの傾動距離を減らすことができる。このため、本願考案にかかるクッションを車椅子等の座面に配設することにより、単なる格子状のクッション体と比較して座位の安定性を向上させることができ、特に座位姿勢の保持が困難な高齢者や身体障害者に対して、より傾動距離を抑えつつ、しかも横ぶれ感を軽減させたクッション体を提供することも可能となる。また、上述の如き構成からなるジェル状クッションを車椅子等に配設することにより、高齢者等の座位姿勢を常に保持安定させることが可能な画期的な車椅子を提供することも可能となる。
また、本願考案は、上下を逆にして設置する第2の設置方法を採用することも可能である。この第2の設置方法では、平面形状が×又は+形状のリブ構造体を上層部にし、かかるリブを有しないハニカム状の格子壁を下層部として使用することになる。かかる場合には、上層部表面と、これに接触するユーザの体表面との間で接触面積を大きくすることができ、ユーザに対してソフトな接触感覚を与えることができ、安定したやさしい皮膚感覚を与え続けることも可能となり、より快適なクッション体となり得るのである。このような使用形態におけるジェル状クッションの変形形態は、例えば小さな荷重が上層部表面に負荷された場合に、かかる上層部は殆んど変形することなくその荷重を下層部の格子壁へと伝え、下層部はその伝えられた荷重に基づいて湾曲することにより、その荷重を分散することになる。また、上層部表面に大きな荷重が負荷された場合においても、上層部はその形態を維持したまま徐々に下層部内へ沈み込み、当該上層部がジェル状クッション底部まで到達した後に、上層部自身がつぶれ込みながらその荷重を分散させることになる。特に、ジェル状クッションの底部を不織布等によって固定した場合に、そのクッション体そのものの傾動距離は、第1の設置方法におけるクッション体の傾動距離と比較して小さくなり、より安定的に座位姿勢の保持が図れることになる。
このように、本願考案に係るジェル状クッションは、粗く分割されたハニカム状の格子壁からなる空間構造と、細かく分割されたリブ構造体で囲まれる空間構造を2層に亘って形成している。これら2層間の間で、傾動の傾向を大幅に異ならせることができる。そして、このジェル状クッションでは、上層部と下層部を入れ替えることにより、第1の設置方法と第2の設置方法とを自在に使い分けることが可能となる。
即ち、第1の設置方法は、かかと等のように局部的に大きな力が加わる場合において望ましく、また第2の設置方法は、背中等のように広範囲に亘って身体とクッション体が接触する場合において望ましい。特に第2の設置方法は、寝台の背もたれを持ち上げて座位姿勢をとる必要がある場合において、底つきそのものを無くして横ぶれを軽減させる際において特に優れた効果を発揮する。さらに、この第2の設置方法では、ソフトな接触感覚をユーザに与えることができることから、皮膚の接触感覚が敏感なユーザや浮腫による皮膚のダメージが心配されるユーザにとって、より快適な使用環境を提供することも可能となる。
また、第1の設置方法並びに第2の設置方法では、2つの形状の異なる空間構造を持たせることによって、特に小さく分割された空間構造部分に大きな荷重が負荷されてジェル状クッションが変形した場合であっても、常にハニカム状構造体の壁により囲まれる空間を保持し続けることができるため、体温の保温性に優れ、さらに汗等の湿気を放出しやすいという特性も有するため、快適な寝具ともなりえるのである。
0030の内容は図1の1の設置方法についての説明であるが、ここで図2の7については、8及び9のどちらも第1の設置方法による組み合わせであるが、8及び9のどちらも第2の設置方法による組み合わせとすることも可能である。また、この組み合わせについては8を第1の設置方法とし9を第2の設置方法にして7を構成することも可能であり、さらに8を第2の設置方法とし9を第1の設置方法として7を構成することも可能である。また、他の組み合わせとして7を構成する場合、上部に9を配し、下部に8を配することも可能であり、この場合の組み合わせは上記の通り4つの組み合わせが可能となる。よって7を構成する組み合わせ方法として合計8つの組み合わせが可能となる。このことは、図3の18を構成する場合においても同じである。これらの組み合わせは求められるクッション性の強度や状況に応じて決定し、最適な構成を作り上げることが可能である。
また、鉛直方向に向かって上層部と下層部を明確に分離した2層構造からなる本願考案は、上層部と下層部間で変形挙動につき大幅な差異を出すことができるため、クッション体に生じるズレ力を効果的に吸収することができる。このため、ズレによって体表面に発生するせん断力をも吸収することにより毛細血管の血流量の低下を大きく軽減させることが可能となり、ひいては床ズレの発生そのものを防止することも可能となる。
その裏付けとして、図4は、1層のハニカム状の格子壁からなる空間構造を持つクッション体(以下、比較例という。)の体圧分散を測定したデータであり、図5は、本願考案を適用したクッション体の体圧分散を測定したデータである。これら各データは、比較例を適用したクッション体、本願考案を適用したクッション体を実際使用時において最も局所的な圧力が発生し得る状況である背上げ角度が80°となるようにそれぞれ寝台に配設し、人体を座らせた状態とし、各クッション体に負荷される圧力分布を測定したものである。
その結果、図4には、40mmHgを超える領域が僅かながら表示されており、局所的に圧力が高くなる領域が発生する旨が示されている。荷重によってハニカム状の格子壁が大きく傾動して沈み込み、荷重を分散させることができなかったことにより発生したものである。
これに対して、図5には、40mmHgを超える領域が全く表示されていないことから、局所的に圧力が高くなる領域は発生することなく、荷重を分散させることで沈みこみが抑えられている旨が示されている。また、睡眠中におけるこの体圧分散の差異による効果は、特に人体を仰臥姿勢より側臥姿勢とした状態においてより顕著になる。
上述のような裏付け結果からも、比較例と異なる構成を採用する本願考案は、特に使用者の健康面を重視してより快適な寝具や椅子を提供しなければならないケースにおいて、上記比較例に記載されている考案では生じない本願考案特有の作用効果を有するものである。
本願考案では、あくまで上方が開放されたジェル状格子体を形成するようにしてもよい。このように上方を開放させることにより、コラム内を密閉させる場合と比較して、除湿性を向上させることが可能となり、せん断力(ねじり力)を効果的に吸収させることが可能となる。
また、格子体内部が密閉されていない本願考案では、直下型沈下動作を示すとは限らず、物体の重力に応じて多様な屈曲動作を示す。このため、本願考案では、直下型沈下のみに着目して固形突起物を配設するだけでは、クッション要素の沈み込みを効果的に防止することができない。
従って、本願考案では、平面形状が×又は+形状のジェル状樹脂製のリブの両端を格子壁の内壁に一体に形成する。これにより、仮に格子壁に対して大きなねじれ(せん断力)が作用しても、この内壁とリブ両端を一体に形成しておくことにより、その傾動距離を小さくすることが可能となる。その裏付けとして、図6において、格子壁の内壁とリブの両端を一体に形成した実験例1は、格子壁の内壁にリブ両端を一体形成していない実験例2と比較して、その傾動距離(A−A’の距離)が小さくなっていることが示されている。このため、傾動距離の小さい本考案をクッションとして適用した場合に体の沈み込みを防止することで、その安定保持を図ることができる。
これに対して、密閉させた格子体内に形成させた固形突起を、本考案のリブの代替として配設した場合に、かかる固形突起は、図6の実験例3に示すように、垂直に立設された垂直壁の傾動傾向とほぼ同様に大きく傾動し、傾動距離そのものが大きくなり、ユーザに対していわゆる横ぶれ感を与えてしまうことになる。特に、寝返り時のねじれ(せん断力)が加わった場合において、このコラムや固形突起物は大きく傾動することとなるため、これを利用する高齢者や身体障害者に対して大きな不快感を与えてしまうことにもなる。
即ち、本願考案は、あくまで上方が開放されたジェル状格子体に荷重が負荷された場合の傾動傾向や傾動距離を十分に洞察した上で、体の安定保持に寄与するための最適なジェル状格子体の傾動を実現するための構成を新たに見出し、これを考案の構成要件としている。
このような本願考案に係るジェル状クッションでは、従来例と比較して、トータルの傾動距離を減らすことができる。このため、本願考案にかかるクッションを車椅子等の座面に配設することにより、単なる格子状のクッション体と比較して座位の安定性を向上させることができ、特に座位姿勢の保持が困難な高齢者や身体障害者に対して、より傾動距離を抑えつつ、しかも横ぶれ感を軽減させたクッション体を提供することも可能となる。特に、車椅子等に配設するクッション体は、高齢者等が長時間に渡り連続的に座るケースが多くなることから、湿気が高くなりがちだが、ジェル状格子体の上方を開放させた本願考案では、クッション体に対して除湿性を持たせることが可能となる。
本考案の実施例1を示す図である。 本考案の実施例2を示す図である。 本考案の実施例3を示す図である。 1層のハニカム状の格子壁からなる空間構造を持つクッション体の体圧分散を測定した図である。 本願考案を適用したクッション体の体圧分散を測定した図である。 格子壁に対して大きなねじれ(せん断力)が作用した場合の挙動について例示した図である。
符号の説明
1 ジェル状クッション
2 横方向側壁
3 縦方向側壁
4 横方向隔壁
5 縦方向隔壁
6 リブ
7 ジェル状クッション
8 上部分
9 下部分
10 横方向側壁
11 縦方向側壁
12 横方向隔壁
13 縦方向側壁
14 横方向側壁
15 縦方向側壁
16 横方向隔壁
17 縦方向隔壁
18 ジェル状クッション
19 上部分
20 下部分
21 横方向側壁
22 縦方向側壁
23 横方向隔壁
24 縦方向隔壁
25 横方向側壁
26 縦方向側壁
27 横方向隔壁
28 縦方向隔壁
29 シート状物

Claims (4)

  1. ジェル状樹脂製の連続した格子壁により複数の多角形の集合体であるハニカム形状構造とし、
    少なくとも上方が開放されたジェル状格子体を形成し、
    前記ジェル状格子体の上層部と下層部との間で圧縮性、屈曲性及び座屈性を異なるように設定し、
    上記下層部は、前記ジェル状格子体を構成するハニカム形状構造体の多角形内にその底部から格子壁の高さより低い高さの平面形状が×又は+形状のジェル状樹脂製のリブの両端を格子壁の内壁に一体に形成したこと
    を特徴とするジェル状クッション。
  2. 小荷重が負荷された場合には、リブを有しない上層部でこれを受け止め、また当該上層部のみをこれに追従させ、
    大荷重が負荷された場合には、上層部の格子壁の壁面を下層部まで傾かせ、かかる壁面が下層部のリブ構造に接触することで、その大荷重を受け止めること
    を特徴とする請求項1記載のジェル状クッション。
  3. ジェル状樹脂製の連続した格子壁により複数の多角形の集合体であるハニカム形状構造とし、
    少なくとも上方が開放されたジェル状格子体を形成し、
    前記ジェル状格子体の上層部と下層部との間で圧縮性、屈曲性及び座屈性を異なるように設定し、
    上記上層部は、前記ジェル状格子体を構成するハニカム形状構造体の多角形内にその底部から格子壁の高さより低い高さの平面形状が×又は+形状のジェル状樹脂製のリブの両端を格子壁の内壁に一体に形成したこと
    を特徴とするジェル状クッション。
  4. 小荷重が上層部表面に負荷された場合に、上記上層部は殆んど変形することなくその荷重を下層部の格子壁へと伝え、下層部はその伝えられた荷重に基づいて湾曲することにより、その荷重を分散し、
    大荷重が上層部表面に負荷された場合に、上記上層部はその形態を維持したまま徐々に下層部内へ沈み込み、当該上層部がジェル状クッション底部まで到達した後に、上層部自身がつぶれ込みながらその荷重を分散させること
    を特徴とする請求項3記載のジェル状クッション。
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