JP3140565B2 - 金属面へのセメント付着防止剤及び付着防止方法 - Google Patents

金属面へのセメント付着防止剤及び付着防止方法

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JP3140565B2 JP04178518A JP17851892A JP3140565B2 JP 3140565 B2 JP3140565 B2 JP 3140565B2 JP 04178518 A JP04178518 A JP 04178518A JP 17851892 A JP17851892 A JP 17851892A JP 3140565 B2 JP3140565 B2 JP 3140565B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属面へのセメント付
着防止剤および付着防止方法に関する。生コンクリート
製造工場やコンクリート製品製造工場等で使用される混
練ミキサー、排出シュート、搬送装置、トラックミキサ
車のアジテータドラム等、またモルタル・コンクリート
の品質管理に用いる型枠や各種試験器具装置等は、水硬
性セメント材料と接触する金属面にセメントペーストや
モルタル分が付着するため清掃に時間と労力を必要とす
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上述のような個所のうち、トラッ
クミキサーのアジテータドラムの内部や混練ミキサーの
内部、排出シュート等、絶えずコンクリート材料を攪拌
したり、コンクリート材料が流動する個所の金属面には
特にセメント材料の付着を防止する措置は講じないのが
一般的である。
【0003】また、その他の金属面に対しては水硬性セ
メント材料と接触する個所を、ゴム、テフロン樹脂等の
弾性及び対磨耗性を有する材料をシート状、マット状に
成形したもので被覆することにより、セメントペース
ト、モルタルの付着を防止するものとしている。更に、
主として水硬性セメント材料を型枠で成形する場合に
は、型枠表面に一般的に剥離剤として鉱物油を主成分と
する油類を塗布することが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特に対策を講じない場合には、混練ミキサーの攪拌子
の裏側や、シュートの上部開口部付近等、材料の流動に
比較的関係しない部分には、飛散してきて蓄積したペー
ストやモルタルが徐々に付着して固化し、最終的には装
置の性能を低下させることとなるため、清掃作業が必要
となり、この作業が操業効率の低下を招いていた。
【0005】また、金属面を被覆する方法にあっては一
定期間はペーストやモルタルの付着を防止することはで
きるが、基本的には付着そのものを防止することができ
るものではないし、また、被覆材の寿命が比較的短いか
ら、破損時の交換コストや労力を鑑みると必ずしも満足
できるものではない。更に、剥離材を塗布する方法にあ
っては、型枠を構成する金属面が親油性より親水性が高
いうえ、一回の使用にしか耐えられないため付着防止方
法としては不完全な場合が多い。
【0006】このため、付着したセメントペーストやモ
ルタル材を除去して清掃するための時間及び労力が多大
であるため、操業コストが嵩むという問題がある。そこ
で、本発明はセメントペースト、モルタル分の金属面へ
の付着量を低下させ、また付着したとしても容易にこれ
を除去することができる金属面へのセメント付着防止剤
及び付着防止方法を提供することを目的とする。
【0007】そして、この付着防止剤及び付着防止方法
は、概ね24時間以内であれば、少量の水量で簡単に洗
い流すことが可能な程度までセメント水和・硬化反応を
遅延せしめること、及び、金属面、特に鉄製の面に対し
て強力な固着力があり、コンクリート混練中もしくは、
混練直後のモルタル・コンクリート材料の攪拌流動によ
る擦過衝撃が連続的に加えられても表面を強固に被覆し
うることができる必要がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、種々の材料によりその金属面への付着防止性能を試
験した結果、ポリヒドロキシカルボン酸エステルが金属
面へのセメント付着防止作用として優れた効果を示すこ
とを見出した。また、ポリヒドロキシカルボン酸エステ
ルとしてタンニン酸は優れた金属面へのセメント付着防
止作用を示すことを見出した。
【0009】また、他のポリヒドロキシカルボン酸エス
テルとしてコリラジン、ケブラジン酸、アスコルビン酸
等がある。更に、これらの使用方法としては、これらの
セメント付着防止剤を金属表面に塗布することによりセ
メント付着を防止することに有効である。また、付着し
たセメントにセメント付着防止剤を塗布することによっ
ても付着したセメントを容易に除去できることを見出し
た。
【0010】
【作用】ポリヒドロキシカルボン酸エステルはセメント
粒子表面のカルシウムイオンと錯体やキレート化合物を
作り表面に一様に吸着することで遅延体の保護膜を形成
し、そして、セメントの凝結に強く影響を与える構成鉱
物C3Sの水和の際、この保護膜がセメント粒子と水と
の接触を物理的に阻害して水和反応を遅らせるものと考
えられる。この保護膜は、時間の経過と共に水の浸透圧
や内部で僅かながら進行している水和反応により生ずる
水和生成物結晶の膨張圧により破壊され、その後水和反
応が徐々に加速され凝結に至るものと推定される。
【0011】また、タンニン酸は防錆剤として知られて
おり、鉄と速やかに反応してタンニン鉄を形成する。タ
ンニン鉄は黒色の安定な化合物であり、タンニン酸を含
む溶液を鉄製の装置に塗布すると、強固な黒色皮膜が形
成される。この皮膜は相当な擦過衝撃を受けても容易に
破壊されないほどに強い。更に、タンニン酸はセメント
水和反応系のアルカリ性によって没食子酸やピロガロー
ル等の強力な遅延成分に分解され、形成された黒色皮膜
に接触したセメント水和反応系は大きく遅延され、少な
くとも24時間以上にわたって硬化しない。従ってこの
処理を行った装置の金属面に対する日毎の清掃作業は大
幅に省力化され、結果的に操業効率が向上する。
【0012】又装置の金属面だけではなく、付着したセ
メントペーストやモルタルに直接スプレー墳霧すること
により、その硬化を遅延させ清掃作業の省力化を図るこ
とができる。金属面への塗布とこの処理を併用すること
により、更に高い効果を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下発明に係る金属面へのセメント付着防止
剤及び付着防止方法の実施例を説明する。生コンクリー
トバッチャープラント操業開始前の完全に清掃された状
態の排出シュートの上部金属部分にタンニン酸を含有す
る水溶液をスプレーで墳霧した。約5分後、墳霧した個
所がやや乾燥し、表面が黒変した時点、午前8時30分
に操業を開始した。2時間後、午前10時30分に飛散
して付着したモルタル皮膜に同様にスプレーで墳霧し、
午後0時10分に午前中の操業を停止し、通常は昼前に
行う清掃作業を行わずにそのまま放置した。そのまま午
後1時15分から午後の操業を開始し、2時間後午後3
時15分に飛散したモルタル皮膜に再度スプレーで墳霧
を行った。試験日の操業終了後、午後6時20分に清掃
作業開始して、清掃作業の労力量、所要時間、使用水量
を測定した。
【0014】ここで使用した付着防止剤は、市販の試薬
タンニン酸粉末を水に溶きタンニン酸液濃度5%、10
%及び20%の水溶液(重量パーセント)とし、墳霧量
は1回につき毎平方メートルあたり200ccとし、比
較例として従来より遅延剤として知られているグルコン
酸ナトリウムの水溶液を使用する場合についても測定を
行った。
【0015】表1はこの結果を、従来例の測定結果と共
に示すものである。これによれば、清掃に要する時間も
洗浄に要した水量も従来例、比較例に比して非常に少な
いものですむ。
【0016】
【表1】 尚、上記の実施例ではタンニン酸の水溶液だけを使用し
た場合を例として説明したが、公知のセメント分散剤で
あるポリアクリル酸塩、アルギン酸等のヒドロキシカル
ボン酸、リグニンスルホン酸およびその誘導体、ポリオ
ール誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル誘導体、アルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮
合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物または
ポリカルボン酸系の高分子化合物類を併用して溶液の粘
度を増してもよい。是により金属面が垂直面であっても
背面であっても液を効率よく付着させることができ、付
着防止効果を向上させることができる。
【0017】更に、従来から知られている他の遅延剤で
ある有機系遅延剤、例えばグルコン酸若しくはグルコヘ
プトン酸等のヒドロキシカルボン酸やケト酸の塩類、糖
類、又はアルコール類、無機系遅延剤であるケイフッ化
物、リン酸塩、ホウ酸と併用によって、希釈液の性状を
変えてもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、付
着防止剤として、ポリヒドロキシカルボン酸エステルを
含む溶液を採用し、これを金属面に塗布し、または付着
したセメントに墳霧するだけで、製造装置の清掃作業を
大幅に省力化することができ、操業効率を向上させ、製
造コストを低減させることができるという効果を奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井ノ川 尚 千葉県船橋市豊富町583番地 住友セメ ント株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−117941(JP,A) 特開 平2−247387(JP,A) 特開 昭63−78966(JP,A) 特開 平1−141861(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/00 B01F 15/00 CAPLUS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシカルボン酸エステルを含
    有することを特徴とする金属面へのセメント付着防止
    剤。
  2. 【請求項2】 上記ポリヒドロキシカルボン酸エステル
    がタンニン酸であることを特徴とする請求項1記載の金
    属面へのセメント付着防止剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のセメント
    付着防止剤を金属表面に塗布することを特徴とする金属
    面へのセメント付着防止方法。
  4. 【請求項4】 付着したセメントに請求項1または請求
    項2記載のセメント付着防止剤を塗布することを特徴と
    する金属面へのセメント付着防止方法。
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