JP3140586B2 - ロッドレスシリンダ装置 - Google Patents

ロッドレスシリンダ装置

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JP3140586B2
JP3140586B2 JP04343648A JP34364892A JP3140586B2 JP 3140586 B2 JP3140586 B2 JP 3140586B2 JP 04343648 A JP04343648 A JP 04343648A JP 34364892 A JP34364892 A JP 34364892A JP 3140586 B2 JP3140586 B2 JP 3140586B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストンロッドを用い
ずにシリンダ内のピストンを移動させることのできるロ
ッドレスシリンダ装置に係り、特にピストンをシリンダ
ストロークの任意の位置で位置決め停止することのでき
るロッドレスシリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダはエアシリンダに代表されるよ
うに部品又は治具等の位置決め用のアクチュエータとし
て普及している。通常のシリンダは、円筒状のシリンダ
チューブと、このシリンダチューブ内を往復運動するピ
ストンと、このピストンの往復運動を外部に伝達するピ
ストンロッドとで構成されている。ところが、ピストン
ロッドを有するシリンダは、往復運動のストローク長と
同じ長さのシリンダチューブが必要である。従って、ス
トロークが長くなればなるほど、そのストローク長に応
じたシリンダを取り付けるための大きなスペースが必要
であり、問題となっていた。
【0003】そこで、最近ではピストンロッドを用いず
にシリンダ内のピストンを往復運動させることのできる
ロッドレスシリンダが注目されるようになってきた。こ
のロッドレスシリンダはピストンロッドを有しないの
で、従来のピストンロッドを有するシリンダに比べて取
り付けスペースを大幅に省略できるという優れた効果を
有するものである。
【0004】図11、図12及び図13は従来のロッド
レスシリンダの概略構成を第三角法で示す図である。図
11はロッドレスシリンダ1をZ軸方向から見た上面
図、図12はロッドレスシリンダ1をY軸方向から見た
側面図、図13はロッドレスシリンダ1をX方向(往復
運動方向)から見た側面図である。なお、図12及び図
13はロッドレスシリンダ1の一部断面形状を示してい
る。
【0005】シリンダチューブ1aの外観形状は直方体
であり、内部にピストン2aを移動させるための案内と
なるカプセル形の空洞を有する。図13には、ピストン
2aの往復運動方向(X軸方向)から見たカプセル形の
空洞の断面形状を示してある。また、シリンダチューブ
1aは、ピストンヨーク2bを外部に露出させ、自由に
移動させるための一定幅の間隙を運動方向全体に渡って
有する。従って、シリンダチューブ1aは運動方向から
見た断面形状が全体的にC字形をしている。
【0006】ピストン2aは、シリンダチューブ1aの
カプセル形空洞の断面形状と相似形の円柱体で構成され
ている。ピストンヨーク2bは、このピストン2aに結
合され、上部にテーブル6を支持するための支持部を有
する。ピストンヨーク2bは往復運動方向から見た断面
形状がT字形をしており、上面(Z軸方向)から見た形
状がH字形をしている。ピストン2aには、ピストンパ
ッキン3がその外周面に沿って設けられている。ピスト
ンヨーク2bの円柱体内部には、シールベルト5を貫通
させるための空洞4を有する。シールベルト5はこの空
洞4に沿って移動する。
【0007】テーブル6はその断面形状がコの字形をし
ており、ピストンヨーク2bの上面に取り付けられてい
る。ピストンヨーク2bはその上面に防塵ベルト7の案
内溝を有する。防塵ベルト7はテーブル6とピストンヨ
ーク2bとの間をピストンヨーク2bの案内溝に沿って
滑り移動するようになっている。ベルト押さえ8はシャ
フト9によって回転自在に設けられ、バネ10によって
押圧力を受けるようになっている。従って、ベルト押さ
え8はバネ10の押圧力に応じて防塵ベルト7をシリン
ダチューブ1aの間隙部に押しつる。
【0008】エンドキャップ11L,11Rはシリンダ
チューブ1aの両端に設けられており、流体(圧縮空
気)をシリンダチューブ1a内に供給するための空気供
給管11a,11bを有する。ベルトカバー12L,1
2Rは防塵ベルト5及びシールベルト7をシリンダチュ
ーブ1a両端に固定するためのカバーである。エンドキ
ャップ11L、シリンダチューブ1a、シールベルト5
及びピストン2aによってロッドレスシリンダ1の左室
空間が構成され、エンドキャップ11R、シリンダチュ
ーブ1a、シールベルト5及びピストン2aによってロ
ッドレスシリンダ1の右室空間が構成される。
【0009】空気供給管11aから所定の圧縮空気が供
給されることによって左室空間の空気圧が増大し、ロッ
ドレスシリンダ1のピストン2a及びピストンヨーク2
bは一体として右方向に移動する。逆に、空気供給管1
1bから所定の圧縮空気を供給することによって右室空
間の空気圧が増大し、ロッドレスシリンダ1のピストン
2a及びピストンヨーク2bは一体として左方向に移動
する。このようにして、テーブル6はシリンダチューブ
1aの全長をストロークとして往復運動する。
【0010】なお、図示していないが、ピストンヨーク
2bの円筒部分の外周近傍にはマグネットが設けられ、
シリンダチューブ1aの側面には近接スイッチ等が設け
られている。このマグネットと近接スイッチによってシ
リンダのストロークエンドを検出し、ピストン2aの往
復運動を制御している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のロッドレスシリ
ンダ1は、テーブル6からピストン2aに対して加わる
垂直方向(Z軸方向)の負荷荷重に対しては比較的大き
な荷重特性を示す。しかし、ロッドレスシリンダ1はシ
リンダチューブ1aにピストンヨーク2bを外部に露出
させ、自由に移動させるための間隙を運動方向(X軸方
向)全体に渡って有しているため、テーブル6を介して
ピストンヨーク2bに加わる荷重モーメントに対しては
弱い特性を示す。特に、ピストンヨーク2bの中心から
Y軸方向に加わる横曲げモーメントに対してはロッドレ
スシリンダ1は非常に弱い荷重特性を示す。この横曲げ
モーメントはピストンヨーク2bをYZ平面で回転させ
ようとするモーメントのことである。この他、ピストン
ヨーク2bをXZ平面で回転させようとするモーメント
を曲げモーメントといい、ピストンヨーク2bをXY平
面で回転させようとするモーメントを捩じりモーメント
という。従って、従来のロッドレスシリンダ1を複数用
いて2次元座標空間又は3次元座標空間内を自由に移動
制御できるロボット等を構成したとしても、ロッドレス
シリンダ1自身の荷重によって生じる上述のような各モ
ーメントによって最終的にテーブル6に設置することの
できる部品や治具の重量は限られたものとなり、実用的
でないという問題を有する。
【0012】また、従来のロッドレスシリンダ1は、ピ
ストン2aに内蔵されたマグネットと近接スイッチによ
ってそのストロークエンドを検出できるだけであって、
ピストン2aの全ストロークにおける現在位置を検出す
ることはできず、ストロークの任意位置(中間点)にピ
ストン2a(テーブル6)を停止させるという位置決め
機能を有していなかった。なお、ロッドレスシリンダ1
はピストン2aの両側の受圧面積が等しいので、ピスト
ン2aの両側に同じ空気圧を加えることによって、スト
ローク中間のどの位置にでも停止させることは可能であ
るが、停止位置を正確に制御することはできなかった。
特に、複数のロッドレスシリンダ1を用いて2次元座標
空間又は3次元座標空間を構成した場合、運動方向が重
力方向と同じとなるロッドレスシリンダ1のピストン2
a(テーブル6)をストローク中間で停止させることは
困難であった。
【0013】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、全体的に負荷荷重に対して強い剛性を有し、ピス
トンをシリンダストロークの任意の位置で位置決め停止
することのできるロッドレスシリンダ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】 本発明のロッドレスシ
リンダ装置は、シリンダチューブとこのシリンダチュー
ブ内を移動するピストンとこのピストンに対してピスト
ンヨークを介して結合されたテーブルとから少なくとも
構成され、前記ピストンに対して流体圧を作用させるこ
とによって前記テーブルを移動させるロッドレスシリン
ダと、軸方向が前記ピストンの移動方向と平行になるよ
うに前記シリンダチューブに対して相対的に固定され、
前記テーブルの負荷荷重を受けるように配置された少な
くとも一本のロッドと、前記ピストンの移動に伴って前
記ロッドに沿って移動し、前記ピストンの現在位置を検
出するセンサ手段と、前記ピストンの移動に伴って前記
ロッドに沿って移動し、前記ロッドとの間に生じる摩擦
力によって前記ピストンに制動力をかける流体圧式のブ
レーキ手段と、前記ピストン及び前記ピストンヨークの
内部に流体圧流路を形成し、該内部の流体圧流路を介し
て前記流体圧式ブレーキ手段に前記シリンダチューブ内
の流体圧を供給する流体圧供給手段とから構成されるも
のである。
【0015】
【作用】ロッドレスシリンダはシリンダチューブとピス
トンとテーブルとから少なくとも構成され、通常のシリ
ンダに不可欠のピストンロッドを有しない。テーブルは
ピストンヨークを介してピストンに結合されているの
で、流体圧の作用によって移動するピストンと共に部品
や治具等を積載して移動する。このようなロッドレスシ
リンダではテーブルに積載された部品や治具等の荷重が
ピストンヨーク及びピストン部分にかかるようになって
いる。
【0016】ロッドは、その軸方向がテーブルの移動方
向と平行になるようにシリンダチューブに対して相対的
に固定されている。そこで、センサ手段及びブレーキ手
段をピストンの移動に伴ってロッドに沿って移動するよ
うに設けることによって、センサ手段及びブレーキ手段
はピストンの移動に伴ってスムーズに移動するようにな
る。センサ手段はピストンの現在位置を検出するもので
あり、ブレーキ手段は流体圧の作用によってロッドとの
間に摩擦力を生じさせ、その摩擦力によってピストンに
制動力を加える流体圧式のものである。また、ロッドは
テーブルの負荷荷重を受けるように配置されているの
で、テーブルに積載された部品や治具等の負荷荷重を受
ける梁として作用する。従って、従来のロッドレスシリ
ンダがピストンヨーク、ピストン及びシリンダチューブ
だけで負荷荷重に対応していたのに比べて格段に荷重特
性が向上する。ロッドは少なくとも一本設けることによ
って、荷重特性を向上することができるが、横曲げモー
メント等に対しての性能を上げたい場合には、二本のロ
ッドを設ければよい。
【0017】 ブレーキ手段は流体圧の作用によって制
動力を発生するものなので、この流体圧を供給するため
の配管等を設けなければならない。ところが、ブレーキ
手段はピストンと一緒に移動するので、流体圧を供給す
る配管等をテーブルやセンサ手段の移動の妨げとならな
いように注意して設けなければならない。そこで、本発
明では、前記ピストン及び前記ピストンヨークの内部に
流体圧流路を形成し、該内部の流体圧流路を介して流体
圧式ブレーキ手段にシリンダチューブ内の流体圧を供給
する流体圧供給手段を設けたことを特徴としている。す
なわち、ロッドレスシリンダのシリンダチューブ内には
ピストンを移動させるための流体圧が常に供給されてい
るので、このシリンダチューブ内の流体圧をブレーキ手
段に供給するように、ブレーキ駆動のための流体圧流路
をピストンとピストンヨークの内部に形成したことを特
徴としている。これによって、わざわざブレーキ手段に
対して流体圧を供給するための外部配管等を設けなくて
も、ブレーキ手段に流体圧を供給することが可能とな
り、また、外部配管等の配置を考慮しなくてもよくな
る。
【0018】このように本発明によれば、テーブルの負
荷荷重を受けるようにロッドを設けることによって、荷
重特性を格段に向上することができるとともに、このロ
ッドを用いてブレーキ手段及びセンサ手段を構成してい
るので、ピストンをシリンダストロークの任意の位置で
正確に位置決め停止することができるという優れた効果
がある。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。図1は本発明のロッドレスシリンダ装置の概略構
成を第三角法で示す図であり、図11に対応しており、
ロッドレスシリンダ装置をZ軸方向から見た上面図であ
る。図2は図12に対応しており、図1のロッドレスシ
リンダ装置をY軸方向から見た側面図である。図3は図
13に対応しており、図1のロッドレスシリンダ装置を
X軸方向から見た側面図である。
【0020】図において、ロッドレスシリンダ装置は、
従来のロッドレスシリンダ1と、固定板21L,21R
と、ブレーキ用ロッド22と、センサ用ロッド23と、
ブレーキ手段24と、センサ手段25とから構成され
る。ロッドレスシリンダ1は図11〜図13の記載のも
のと同じ構成である。テーブル6aは従来のテーブル6
よりも巾が広く、上面(X軸方向)から見てブレーキ手
段24及びセンサ手段25を覆ようになっており、ブレ
ーキ手段24及びセンサ手段25に溶接やネジ締め等に
よって機械的に固定されている。
【0021】固定板21L,21Rは厚さ約25mmの
鉄板で構成され、ブレーキ用ロッド22、センサ用ロッ
ド23及びロッドレスシリンダ1を機械的に固定する。
固定板21L,21Rはベッド等に溶接結合されたり、
ボルト等でネジ締めされたりして固定される。固定板2
1L,21Rには、図12のロッドレスシリンダ1の空
気供給管11a,11bに接続された空気供給管(図示
せず)を有する。
【0022】ブレーキ用ロッド22及びセンサ用ロッド
23は直径約36mmの鉄柱で構成され、固定板21
L,21Rに機械的に固定される。例えば、ブレーキ用
ロッド22及びセンサ用ロッド23両側にナットを形成
し、固定板21L,21Rの両側をボルトで締め付け固
定してもよいし、固定版21L,21Rとブレーキ用ロ
ッド22及びセンサ用ロッド23とを溶接で固定しても
よい。ロッドレスシリンダ1も同様にして固定板21
L,21Rに固定すればよい。
【0023】ブレーキ手段24は、その両側に軸受け2
4L,24Rを有し、ブレーキ用ロッド22をガイドと
して滑り移動し、所定のストローク位置にてテーブル6
aをブレーキング停止させる。センサ手段25も同様に
両側に軸受け25L,25Rを有し、センサ用ロッド2
2をガイドとして滑り移動し、ストロークの現在位置を
アブソリュートに検出する。センサ手段25には位置検
出用の信号ケーブル(図示せず)が接続されている。ブ
レーキ手段24及びセンサ手段25の詳細構成について
は後述する。
【0024】ブレーキ手段24及びセンサ手段25は共
にテーブル6aに機械的に固定されているので、テーブ
ル6aはブレーキ手段24及びセンサ手段25を介して
結合されたブレーキ用ロッド22及びセンサ用ロッド2
3に沿って、固定板21L,21R間を自由に滑り、直
線方向(X軸方向)に移動することができる。
【0025】固定板21L,21Rに機械的に固定され
たブレーキ用ロッド22及びセンサ用ロッド23は、そ
れぞれ固定梁を構成する。従って、テーブル6aの負荷
荷重は、ブレーキ手段24及びセンサ手段25を介して
固定梁を構成するブレーキ用ロッド22及びセンサ用ロ
ッド23に全て架かるようになり、ロッドレスシリンダ
1は単にテーブル6aを運動方向(X軸方向)に移動さ
せるためのアクチュエータとして機能し、負荷荷重の影
響を受けなくなる。これによってロッドレスシリンダ装
置は、曲げモーメント、横曲げモーメント及び捩じりモ
ーメント等の各種モーメントに対して、従来とは比べも
のにならない程大きな荷重特性を示す。
【0026】図4は本実施例に係るロッドレスシリンダ
装置のブレーキ手段にシリンダチューブ内の空気圧をピ
ストン及びピストンヨークを介してブレーキ手段25に
供給するための流体圧供給手段の一部構成を示す図であ
る。図5は図4の一部断面形状を示す図である。ピスト
ン2aL,2aRは、シリンダチューブ1aのカプセル
形空洞の断面形状と相似形の円柱体で構成されている。
ピストンヨーク2bは、このピストン2aに結合され、
上部にテーブル6aを支持するための支持部2cを有す
る。ピストンヨーク2bは往復運動方向から見た断面形
状がT字形をしており、上面(Z軸方向)から見た形状
がH字形をしている。ピストン2aL,2aRには、ピ
ストンパッキン用の溝が設けられている。ピストンヨー
ク2bの円柱体内部には、シールベルト5を貫通させる
ための空洞4を有する。$流体圧供給手段はピストン2
aL,2aR内に形成された空気圧流路L1,R2と、
ピストンヨーク2b内に形成された空気圧流路L2,R
2,C3と、ピストンヨーク2a内に設けられた空気圧
流路L3,R3,C2及びシャトルバルブC1と、テー
ブル6a内に設けられた空気圧流路C4とから構成され
る。空気圧流路L1、L2及びL3はロッドレスシリン
ダ1の左室空間とシャトルバルブC1の一方の入力ポー
トとを接続し、空気圧流路R1、R2及びR3はロッド
レスシリンダ1の右室空間とシャトルバルブC1の他方
の入力ポートとを接続する。空気圧流路C2、C3及び
C4はブレーキ手段24の方向切換弁65とシャトルバ
ルブC1の出力ポートとを接続する。シャトルバルブC
1は2つの入力ポートに供給されるシリンダチューブ1
a内の左室空間及び右室空間内の圧縮空気のうち、高圧
側の空気圧を出力ポートから出力するので、方向切換弁
65は常に高圧の圧縮空気の供給を受けることになる。
【0027】本発明のロッドレスシリンダ装置は、ロッ
ドレスシリンダ1でテーブル6aをX方向に移動制御
し、センサ手段25でテーブル6aの現在位置を検出
し、ブレーキ手段24でテーブル6aを任意の位置に位
置決め停止させている。本発明では、ブレーキ手段24
を用いてテーブル6aを任意の位置に停止させる位置決
め制御方式として、特開昭59−117902号公報に
記載の位置決め制御方式を採用する。この位置決め制御
方式の詳細は特開昭59−117902号公報に記載さ
れているので、ここではその概略を説明する。この位置
決め制御方式は、ピストン2a(テーブル6a)の速度
若しくは加速度又はこれら両方に応じたオーバラン量の
変化を考慮して正確な位置決め停止を行えるようにした
学習機能を有するものである。
【0028】この位置決め制御方式は、ピストン2aの
移動速度に応じたオーバラン量を予測するばかりでな
く、移動の立上り時が加速度の影響を比較的強く受ける
ことから、加速度をも考慮してオーバラン量を予測して
位置決め制御している。すなわち、シリンダチューブ1
aに対するピストン2aの相対的移動速度及び加速度の
両方を考慮して予測オーバラン量を決定し、決定した予
測オーバラン量に応じて補償を行うようにセンサ手段2
5からの現在位置データ又は位置決め目標値(移動量設
定値)の値を変更し、その変更された位置データ又は目
標値との比較に基づきピストン2aの移動量を制御して
いる。
【0029】図6はセンサ手段25の詳細構成を示す図
である。センサ手段は誘導型の位相シフト型位置センサ
からなるアブソリュート型の位置センサである。尚、こ
の位置センサの詳細については実開昭57−13462
2号公報、実開昭57−151503号公報、実開昭5
7−135917号公報、実開昭58−136718号
公報又は実開昭59−175105号公報等にて公知な
ので、ここでは簡単に説明する。
【0030】センサ手段25は位相シフト方式によって
センサ用ロッド23とケーシング42との間の相対的な
直線位置を検出するものである。すなわち、センサ手段
25は、固定部となるセンサ用ロッド23と可動部とな
るコイルアッセンブリ41とから構成され、センサ用ロ
ッド23に沿って直線移動するコイルアッセンブリ41
のセンサ用ロッド23に対する位置を検出するものであ
る。コイルアッセンブリ41は、センサ用ロッド23の
軸方向に所定間隔をもって配置された4個の1次コイル
1A,1C,1B,1Dと、これに対応して設けられた
2次コイル2A,2C,2B,2Dとからなる。コイル
アッセンブリ41は、その内部に形成される円筒空間が
センサ用ロッド23と同心となるようにケーシング42
に固定されている。
【0031】センサ用ロッド23は特殊加工が施されて
いる。すなわち、センサ用ロッド23はその周囲におい
て、磁性体部45と、その周囲の軸方向に交互に設けら
れた所定幅のリング状の非磁性体部46とからなる磁気
目盛り部43を具備している。この磁性体部45と非磁
性体部46とはコイルアッセンブリ41に形成された磁
気回路に対して磁気抵抗の変化を与えるような構成にな
っていればどのような材質のもので構成してもよい。例
えば、非磁性体部46を非磁性体又は空気等で構成して
もよい。また、鉄製のセンサ用ロッド23にレーザ焼き
付けを行うことにより、磁気的性質を変化させることに
より、互いに透磁率の異なる磁性体部45と非磁性体部
46とを交互に形成するようにしてもよい。
【0032】一例として一つのコイル長を「P/2」
(Pは任意の数)とすると、磁性体部45と非磁性体部
46の交互配列における1ピッチ分の間隔は「P」であ
る。その場合、例えば、磁性体部45と非磁性体部46
の長さは等しく「P/2」であってもよいし、また、必
ずしも等しくなくてもよい。本実施例において、コイル
アッセンブリ41は4つの相で動作するように構成され
いる。図面上では、これらの相に便宜上A,C,B,D
の符号が付されている。
【0033】センサ用ロッド23とコイルアッセンブリ
41との位置関係は、センサ用ロッド23の磁性体部4
5の位置に応じてコイルアッセンブリ41の各相A〜D
に生じるリラクタンスが90度ずつずれるようになって
いる。例えば、A相をコサイン(cos)相とすると、
C相はマイナスコサイン(−cos)相、B相はサイン
(sin)相、D相はマイナスサイン(−sin)相と
なるように構成されている。
【0034】図6の実施例では、各相A〜D毎に個別に
1次コイル1A,1C,1B,1D及び2次コイル2
A,2C,2B,2Dがそれぞれ設けられている。各相
A〜Dの2次コイル2A,2C,2B,2Dはそれぞれ
に対応する1次コイル1A,1C,1B,1Dの外側に
巻かれている。
【0035】各1次コイル1A,1C,1B,1D及び
2次コイル2A,2C,2B,2Dの長さは、前述のよ
うに「P/2」である。図6の例では、A相のコイル1
A,2AとC相のコイル1C,2Cとが隣合って設けら
れており、B相のコイル1B,2BとD相のコイル1
D,2Dも隣合って設けられている。また、A相とB相
又はC相とD相のコイル間隔は「P(n±1/4)」
(nは任意の自然数)である。
【0036】この構成によって、センサ用ロッド23と
コイルアッセンブリ41との間の相対的直線変位に応じ
て各相A〜Dにおける磁気回路のリラクタンスが距離
「P」を一周期として周期的に変化し、しかもそのリラ
クタンス変化の位相が各相A〜D毎に90度ずつずれる
ようにすることができる。従って、A相とC相とでは1
80度ずれ、B相とD相とでも180度ずれる。
【0037】1次コイル1A,1C,1B,1D及び2
次コイル2A,2C,2B,2Dの結線形式は図7に示
すようにする。図7において、A相とC相の1次コイル
1A及び1Cは正弦信号sinωtで互いに同相に励磁
され、2次コイル2A及び2Cの出力は逆相で加算され
るように結線されている。同様に、B相とD相の1次コ
イル1B及び1Dは余弦信号cosωtで互いに同相に
励磁され、2次コイル2B及び2Dの出力は逆相で加算
されるように結線されている。2次コイル2A,2C,
2B,2Dの出力は最終的に加算され、出力信号Yとし
て位相差検出手段30に取り込まれる。
【0038】この出力信号Yは、センサ用ロッド23の
磁性体部45とセンサ手段25との間の相対的な直線位
置に応じた位相角φだけ基準交流信号(sinωt,c
osωt)を位相シフトしたものとなる。その理由は、
各相A〜Dのリラクタンスが90度ずつずれており、か
つ一方の対(A,C)と他方の対(B,D)の励磁信号
の電気的位相が90度ずれているためである。従って、
出力信号YはY=Ksin(ωt+φ)となる。ここ
で、Kは定数である。
【0039】リラクタンス変化の位相φは磁性体部45
の直線位置に所定の比例係数(又は関数)に従って比例
しているので、出力信号Yにおける基準信号sinωt
(又はcosωt)からの位相ずれφを測定することに
より直線位置を検出することができる。但し、位相ずれ
量φが全角2πのとき、直線位置は前述の距離Pに相当
する。すなわち、出力信号Yにおける電気的位相ずれ量
φによれば、距離Pの範囲内でのアブソリュートな直線
位置が検出できるのである。この電気的位相ずれ量φを
測定することによって、距離Pの範囲内の直線位置をか
なりの高分解能で精度よく割り出すことが可能となる。
【0040】なお、センサ用ロッド23における磁気目
盛り部43は磁性体部45と非磁性体部46に限らず、
磁気抵抗変化を生ぜしめることのできるその他の材質を
用いてもよい。例えば、銅等のように導電率の高い材質
と鉄等のように導電率の低い材質(非導電体でもよい)
との組合せ(導電率の異なる材質)により磁気目盛り部
43を形成し、渦電流損に応じた磁気抵抗変化を生ぜし
めるようにしてもよい。その場合、鉄等のセンサ用ロッ
ド23の表面に銅メッキ等により良導電体のパターンを
形成するようにしてもよい。パターンの形状等は磁気抵
抗の変化を効率よく生ぜしめるものであれば、いかなる
形状のものでもよい。
【0041】出力信号Yと基準信号sinωt(又はc
osωt)との位相ずれ量φを求めるための手段は適宜
に構成することができる。図7はこの位相ずれ量φをデ
ジタル量で求めるようにした位相差検出手段の回路例を
示す図である。図7において、位相差検出手段30は基
準交流信号sinωt及びcosωtを発生する基準信
号発生部と、2次コイル2A〜2Dの相互誘導電圧と基
準交流信号sinωtとの間の位相差(位相ずれ量)D
θを検出する位相差検出部とからなる。
【0042】基準信号発生部はクロック発振器31、同
期カウンタ32、ROM33,33b、D/A変換器3
4,34b及びアンプ35,35bからなり、位相差検
出部はアンプ36、ゼロクロス回路37及びラッチ回路
38からなる。クロック発振器31は高速の正確なクロ
ック信号を発生するものであり、このクロック信号に基
づいて他の回路は動作する。同期カウンタ32はクロッ
ク発振器31のクロック信号をカウントし、そのカウン
ト値をアドレス信号としてROM33及び位相差検出部
のラッチ回路38に出力する。
【0043】ROM33及び33bは基準交流信号に対
応した振幅データを記憶しており、同期カウンタ32か
らのアドレス信号(カウント値)に応じて基準交流信号
の振幅データを発生する。ROM33はsinωtの振
幅データを、ROM33bはcosωtの振幅データを
記憶している。従って、ROM33及び33bは同期カ
ウンタ32から同じアドレス信号を入力することによっ
て、2種類の基準交流信号sinωt及びcosωtを
出力する。なお、同じ振幅データのROMを位相のそれ
ぞれ異なるアドレス信号で読み出しても同様に2種類の
基準交流信号を得ることができる。
【0044】D/A変換器34及び34bはROM33
及び33bからのデジタルの振幅データをアナログ信号
に変換してアンプ35及び35bに出力する。アンプ3
5及び35bはD/A変換器からのアナログ信号を増幅
し、それを基準交流信号sinωt及びcosωtとし
て1次コイル1A〜1Dに供給する。同期カウンタ32
の分周数をMとすると、そのMカウント分が基準交流信
号の最大位相角2πラジアン(360度)に相当する。
すなわち、同期カウンタ32の1カウント値は2π/M
ラジアンの位相角を示している。
【0045】アンプ36は2次コイル2A〜2Dに誘起
された2次電圧の合成値を増幅して、ゼロクロス回路3
7に出力する。ゼロクロス回路37は磁気センサ4の2
次コイル2A〜2Dに誘起された相互誘導電圧(2次電
圧)に基づいて負電圧から正電圧へのゼロクロス点を検
出し、検出信号をラッチ回路38に出力する。
【0046】ラッチ回路38は基準交流信号の立上りの
クロック信号にてスタートした同期カウンタのカウント
値をゼロクロス回路37の検出信号の出力時点(ゼロク
ロス点)でラッチする。従って、ラッチ回路38にラッ
チされた値はちょうど基準交流信号と相互誘導電圧(合
成2次出力)との間の位相差(位相ずれ量)Dθとな
る。この位相差Dθに基づいてピストン2aの全ストロ
ークにおける現在位置を検出することができる。
【0047】図8は図6のセンサ手段25の他の実施例
の詳細構成を示す図である。図8のセンサ手段25a
は、図6のセンサ手段25においては可動部であるコイ
ルアッセンブリ41を固定部となるセンサ用ロッド23
c側に設け、さらに固定部であるセンサ用ロッド23の
磁気目盛り部43を構成する磁性体部45及び非磁性体
部46を可動部となるケーシング42a側に設けたもの
である。すなわち、センサ手段25及び25aは共に可
動部と固定部とから構成されているが、この可動部と固
定部との位置関係が相互に入れ替わった構成となってい
る。従って、図8のセンサ手段25aは、図6のセンサ
手段25と同じ位相シフト方式によってアブソリュート
に直線位置を検出する誘導型の位相シフト型位置センサ
を構成する。以下、このセンサ手段25aの詳細構成に
ついて説明する。
【0048】センサ手段25aは位相シフト方式によっ
てセンサ用ロッド23aとケーシング42aとの間の相
対的な位置関係を検出するものである。すなわち、セン
サ手段25aは、固定部であるコイルアッセンブリ41
aと、可動部であるケーシング42aに設けられた磁性
体部45a及び非磁性体部46aとから構成され、セン
サ用ロッド23aに沿って直線移動するケーシング42
aに設けられた磁性体部45a及び非磁性体部46aの
センサ用ロッド23aに対する位置を検出するものであ
る。
【0049】コイルアッセンブリ41aは、センサ用ロ
ッド23aの外周上に軸方向に沿ってスペーサ23bを
介して所定のピッチ間隔で配置された2次コイル2A,
2B,2C,2Dと、さらに、この2次コイルの外周上
に設けられた1次コイル1A,1B,1C,1Dとから
なる組み合わせをさらに軸方向に複数組配置したもので
ある。このように所定のピッチ間隔で設けられた1次コ
イル及び2次コイルが磁気目盛り部を構成する。そし
て、このコイルアッセブリ41a(1次コイル)の外周
上には、保護用にステンレス製チューブ23cが設けら
れている。また、1次コイル及び2次コイル間には、リ
ング状の金属製スペーサー23bが設けられている。こ
のスペーサー23bはセンサ用ロッド23aとチャーブ
23aとの間に1次コイル及び2次コイルを収納するた
めの空間を形成することによって、1次コイル及び2次
コイルを外部圧力から保護する。
【0050】一方、ケーシング42aには、コイルアッ
センブリ41aに形成された磁気回路に対して磁気抵抗
の変化を与えるための磁性体部45a及び非磁性体部4
6aが設けられている。この磁性体部45a及び非磁性
体部46aはコイルアッセンブリ41aに形成された磁
気回路に対して磁気抵抗の変化を与えるものであればど
のような材質のもので構成してもよい。例えば、非磁性
体部46を非磁性体又は空気等で構成してもよい。ま
た、鉄製のケーシング42aにレーザ焼き付けを行うこ
とにより、磁気的性質を変化させることにより、互いに
透磁率の異なる磁性体部45aと非磁性体部46aとを
交互に形成するようにしてもよい。
【0051】一例として、1個の1次コイル又は2次コ
イルの軸方向におけるコイル長(スペーサ23bの長さ
を考慮する)を「P/2」(Pは任意の数)とすると、
磁性体部45aと非磁性体部46aの交互配列における
1ピッチ分の間隔は「P」である。この場合、例えば、
磁性体部45aと非磁性体部46aの長さは共に「3P
/2」でも、「P/2」でもよいし、また必ずしも等し
くなくてもよい。この実施例では、磁性体部45aと非
磁性体部46aの長さは共に「3P/2」である。
【0052】ケーシング42aに設けられた磁性体部4
5a及び非磁性体部46aとコイルアッセンブリ41a
との位置関係は、ケーシング42aに設けられた磁性体
部45a及び非磁性体部46aの位置に応じてコイルア
ッセンブリ41の各1次コイル1A,1B,1C,1D
に生じるリラクタンスが90度ずつずれるようになって
いる。例えば、1次コイル1Aをコサイン(cos)相
とすると、1次コイル1Cはマイナスコサイン(−co
s)相、1次コイル1Bはサイン(sin)相、1次コ
イル1Dはマイナスサイン(−sin)相となるように
構成されている。
【0053】この構成によって、ケーシング42aに設
けられた磁性体部45a及び非磁性体部46aと、コイ
ルアッセンブリ41aの設けられたセンサ用ロッド23
aとの間の相対的直線変位に応じて各1次コイル1A,
1B,1C,1Dにおける磁気回路のリラクタンスが距
離「P」を一周期として周期的に変化し、しかもそのリ
ラクタンス変化の位相が各1次コイル1A,1B,1
C,1D毎に90度ずつずれるようにすることができ
る。従って、1次コイル1Aと1Cとではリラクタンス
変化の位相が180度ずれ、1次コイル1Bと1Dとで
も180度ずれるようになっている。
【0054】1次コイル1A,1B,1C,1D及び2
次コイル2A,2B,2C,2Dの結線形式は図9に示
すようにする。図9において、1次コイル1A及び1C
は正弦信号sinωt(又は余弦信号cosωt)で互
いに逆相に励磁され、1次コイル1B及び1Dは余弦信
号cosωt(又は正弦信号sinωt)で互いに逆相
に励磁され、2次コイル2A、2B、2C及び2Dの出
力は同相で加算されるように結線される。2次コイル2
A,2C,2B,2Dの出力は出力信号Yとして図7の
位相差検出手段30に取り込まれる。
【0055】この出力信号Yは、ケーシング42aの磁
性体部45a及び非磁性体部46aと、センサ用ロッド
23aの1次コイル1A,1B,1C,1Dとの間の相
対的な直線位置に応じた位相角φだけ基準交流信号(s
inωt,cosωt)を位相シフトしたものとなる。
その理由は、1次コイル1A,1B,1C,1Dのリラ
クタンスが90度ずつずれており、かつ1次コイルの一
方の対(1A,1C)と他方の対(1B,1D)の励磁
信号の電気的位相が90度ずれているためである。従っ
て、出力信号YはY=Ksin(ωt+φ)となる。こ
こで、Kは定数である。
【0056】リラクタンス変化の位相φは磁性体部45
a及び非磁性体部46aと、センサ用ロッド23aの1
次コイル1A,1B,1C,1Dとの間の直線位置に対
して所定の比例係数(又は関数)で比例しているので、
出力信号Yにおける基準信号sinωt(又はcosω
t)からの位相ずれφを測定することによりその直線位
置を検出することができる。但し、位相ずれ量φが全角
2πのとき、直線位置は前述の距離Pに相当する。すな
わち、出力信号Yにおける電気的位相ずれ量φによれ
ば、距離Pの範囲内でのアブソリュートな直線位置が検
出できるのである。この電気的位相ずれ量φを測定する
ことによって、距離Pの範囲内の直線位置をかなりの高
分解能で精度よく割り出すことが可能となる。
【0057】なお、ケーシング42aに設けられた磁性
体部45a及び非磁性体部46aは、磁気抵抗変化を生
ぜしめることのできる材質のものであればよく、例え
ば、銅等のように導電率の高い材質のものと、鉄等のよ
うに導電率の低い材質(非導電体でもよい)のものとを
組み合わせてよい。すなわち、ケーシング42a内に導
電率の異なる材質を設けて、両者の渦電流損の違いによ
って磁気抵抗変化を生ぜしめるようにしてもよい。その
場合、鉄等のケーシング42aの表面に銅メッキ等によ
り良導電体のパターンを形成するようにしてもよい。ま
た、パターンの形状等は磁気抵抗の変化を効率よく生ぜ
しめるものであれば、いかなる形状のものでもよい。
【0058】出力信号Yと基準信号sinωt(又はc
osωt)との位相ずれ量φを求めるための手段は図7
の位相差検出手段30を用いることができる。図6のセ
ンサ手段25の場合は、可動部側にコイルアッセンブリ
が存在するので、基準交流信号sinωt及びcosω
tや出力信号Y用の信号線がテーブル6aの移動の支障
とならないように配線しなければならないが、図8のセ
ンサ手段25aの場合は、固定部側にコイルアッセンブ
リは設けられているので、このような配線を施す必要が
ない。
【0059】図10はブレーキ手段24の概略構成を示
す図である。このブレーキ手段24は全空気圧式のブレ
ーキ機構で構成されている。円筒状のケーシング61は
ブレーキ用ロッド22の周囲に設けられている。ケーシ
ング61の両側には軸受け24L,24Rが設けられ、
ブレーキ用ロッド22の軸方向に沿って滑り移動するよ
うに構成されている。軸受け24L,24Rはケーシン
グ61内の気密を保持するためのパッキン62a,62
b,63a,63bをそれぞれ有する。
【0060】ケーシング61は電磁弁65、空気圧流路
C4,C3,C2、シャトルバルブC1及び空気圧流路
L3,R3,L2,R2,L1,R1を介してロッドレ
スシリンダ1内の圧縮空気をケーシング61内の空気室
67L,67R又は68に供給するための空気圧流路を
有する。ブレーキピストン69L,69Rはパッキン7
0a,71aを介してケーシング61に接し、パッキン
70b,71bを介してブレーキ用ロッド22に接し、
ブレーキ用ロッド22の軸方向に滑り移動する。ブレー
キピストン69L,69Rはケーシング61との間でそ
れぞれ空気室67L,67R及び空気室68を形成す
る。
【0061】ブレーキピストン69L,69R間に形成
された空気室68にはコイルバネ72が設けられてい
る。コイルバネ72はブレーキ用ロッド22の外周に沿
って複数個設けられている。コイルバネ72はブレーキ
ピストン69L,69Rをそれぞれ左右方向に押し広げ
る働きをする。ブレーキブッシュ74L,74RはC字
形のブッシュにすり割の付いたものである。従って、ブ
レーキブッシュ74L,74Rは通常の(何ら外力の作
用していない)状態ではブレーキ用ロッド22の外周面
に沿って自在に移動可能である。
【0062】ブレーキブッシュ74L,74Rの周囲に
は皿バネ73L,73Rが設けられている。皿バネ73
L,73Rの内周部分はブレーキブッシュ74L,74
Rの外周面に接し、皿バネ73L,73Rの外周部分は
ブレーキピストン69L,69Rの内周面に接してい
る。従って、ブレーキブッシュ74L,74Rとブレー
キピストン69L,69Rとの間の距離が小さくなる
と、皿バネ73L,73Rの外周部分が広がり、ブレー
キブッシュ74L,74Rには皿バネ73L,73Rか
ら法線方向の圧力が加わり、ブレーキブッシュ74L,
74Rの外周を収縮させる。収縮したブレーキブッシュ
74L,74Rの内面はブレーキ用ロッド22に所定の
圧力で押し付けられるので、この押圧に応じてブレーキ
ング状態となる。
【0063】逆に、ブレーキブッシュ74L,74Rと
ブレーキピストン69L,69Rとの間の距離が大きく
なると、皿バネ73L,73Rは元の状態に戻り、ブレ
ーキブッシュ74L,74Rには皿バネ73L,73R
からの圧力が加わらなくなり、ブレーキブッシュ74
L,74Rの外周を収縮させる力がなくなる。これによ
って,ブレーキブッシュ74L,74Rの内面がブレー
キ用ロッド22から離れて、ブレーキング状態は開放さ
れる。
【0064】このブレーキ手段24は、圧縮空気が供給
されないオフ状態では、コイルバネ72によりブレーキ
ピストン69L,69Rが左右に押し広げられ、皿バネ
73L,74Rはブレーキピストン69L,69Rによ
って軸方向に沿ってケーシング61の内面に押し付けら
れる。押し付けられた皿バネ73L,73Rの内径が収
縮することにより、ブレーキブッシュ74L,74Rは
ブレーキ用ロッド22に押し付けられ、ブレーキ用ロッ
ド22に接触する。ブレーキ手段24はブレーキブッシ
ュ74L,74Rとブレーキ用ロッド22との間の摩擦
力によってブレーキング状態となる。従って、ブレーキ
手段24はなんら圧縮空気が供給されない状態でも、常
にブレーキング状態を維持するセルフロック機構を有す
る。
【0065】ロッドレスシリンダ1内の圧縮空気が電磁
弁65に供給されている状態で、電磁弁65をオン/オ
フ制御することにより、ブレーキの設定/解除を制御す
ることができる。図10のように電磁弁65がオフ状態
の場合は、空気室68に圧縮空気が導かれ、空気室69
L,69Rは大気圧となるため、ブレーキピストン69
L,69Rにはコイルバネ72の反発力に加えて、圧縮
空気による圧力が加算される。従って、皿バネ73L,
73Rはさらに大きな力でケーシング61の内面に軸方
向に沿って押し付けられるので、ブレーキ手段24のブ
レーキング状態は強固なものとなる。
【0066】逆に、電磁弁65がオン状態の場合は、空
気室69L,69Rに圧縮空気が導かれ、空気室68は
大気圧となるため、ブレーキピストン69L,69Rに
はコイルバネ72の反発力を打ち消す方向に圧縮空気に
よる圧力が加わる。ブレーキピストン69L,69Rは
圧縮空気の圧力によってコイルバネ72を押し付けるよ
うに内側に狭まる。すると、皿バネ73L,73Rに加
わっていた押し付け力が無くなるために、皿バネ73
L,73Rは開き、ブレーキブッシュ74L,74Rと
ブレーキロッド22との接触状態を開放する。これによ
って、ブレーキ手段24のブレーキング状態は開放さ
れ、ケーシング61全体がブレーキロッド22に沿って
自由に移動するようになる。
【0067】なお、上述の実施例では、ブレーキ手段2
4とセンサ手段25とをそれぞれ別々のロッドに設ける
場合について説明したが、これに限らず左右のロッドに
それぞれブレーキ手段24を設け、いずれか一方にセン
サ手段25を設けるようにしてもよい。また、ロッドの
片側一方だけにブレーキ手段24及びセンサ手段25を
設けるようにしてもよい。
【0068】また、上述の実施例では、ロッドをセンサ
用とブレーキ用の2本設ける場合について説明したが、
これに限らず、ロッドを1本設けて、それにブレーキ手
段及びセンサ手段を設けるようにしてもよい。ロッドを
シリンダチューブ内に設け、ピストン及びピストンヨー
クを軸方向に移動可能に支持するように構成し、さらに
ブレーキ手段及びセンサ手段もピストンヨーク内に形成
してもよい。
【0069】また、上述の実施例では、固定板21L,
21Rにロッドレスシリンダ1の両側が固定されている
場合について説明したが、ブレーキ用ロッド22及びセ
ンサ用ロッド23が固定板21L,21Rとの間で梁を
構成し、テーブル6aがそのロッドに沿って移動するよ
うにロッドレスシリンダ1が取り付けてあればよく、ロ
ッドレスシリンダ1は固定板に直接固定されていなくて
もよい。すなわち、ロッドレスシリンダ1と各ロッド2
2,23との間は固定板等の部材を介して相対的に固定
されいればよい。
【0070】さらに、図4の実施例では、シャトルドル
ブC1をピストンヨーク2b内に設けた場合について説
明したが、これに限らずシャトルバルブをブレーキ手段
24側に設けてもよい。この場合、ロッドレスシリンダ
1内の左室空間及び右室空間の圧縮空気がブレーキ手段
側のシャトルバルブまでそれぞれ別々の空気圧流路を介
して導かれるようにすることが必要である。
【0071】上述の実施例では、ロッドレスシリンダと
して、図11〜図13に図示のものについて説明した
が、これ以外のロッドレスシリンダに対しても図1〜図
3のようなロッドを用いた梁を形成することによって、
本発明のロッドレスシリンダ装置を構成できることはい
うまでもない。
【0072】上述の実施例では、ブレーキ用ロッド及び
センサ用ロッドが露出しているが、ロッドレスシリンダ
装置全体を筐体内に収納し、塵や埃等から保護するよう
にしてもよい。本発明のロッドレスシリンダ装置を複数
使用して、2次元座標空間や3次元座標空間等を自由に
移動制御可能なロボットを構成してもよい。この場合
は、X軸及びY軸を構成するロッドレスシリンダ装置の
テーブル同士を結合してやればよい。このテーブル同士
を結合することによって、Z軸方向における基準面から
の可動範囲の高さをシリンダチューブの高さ分だけ低く
設定することができ、ロボット全体を小さくできるとい
う利点がある。
【0073】
【発明の効果】 本発明によれば、全体的に負荷荷重に
対して強い剛性を有するように構成すると共に、流体圧
式ブレーキ手段を用いてピストンをシリンダストローク
の任意の位置で容易に位置決め停止することができると
いう効果を有するブレーキ付のロッドレスシリンダ装置
において、ピストン及びピストンヨークの内部に流体圧
流路を形成し、該内部の流体圧流路を介して流体圧式ブ
レーキ手段にシリンダチューブ内の流体圧を供給する流
体圧供給手段を設けたことにより、ブレーキ手段に対し
て流体圧を供給するための外部配管等を設けなくても、
ブレーキ手段に流体圧を供給することが可能となり、外
部配管等の配置を考慮することなく、シンプルな構成の
ブレーキ付のロッドレスシリンダ装置を提供することが
できる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるロッドレスシリンダ
装置をZ軸方向から見た上面図である。
【図2】 本発明の一実施例であるロッドレスシリンダ
装置をY軸方向から見た側面図である。
【図3】 本発明の一実施例であるロッドレスシリンダ
装置をX軸方向から見た側面図である。
【図4】 本発明の一実施例であるロッドレスシリンダ
装置のブレーキ手段にシリンダチューブ内の空気圧をピ
ストン及びピストンヨークを介してブレーキ手段に供給
するための流体圧供給手段の構成の一部を示す図であ
る。
【図5】 図4の一部断面形状を示す図である。
【図6】 本発明の一実施例であるロッドレスシリンダ
装置のセンサ手段の詳細構成を示す図である。
【図7】 図6のセンサ手段からの位相ずれ量φをデジ
タル量で求めるようにした位相差検出手段の回路例を示
す図である。
【図8】 図6のセンサ手段の他の実施例を示す図であ
る。
【図9】 図9のセンサ手段の巻線の結線形式を示す図
である。
【図10】 本発明の一実施例であるロッドレスシリン
ダ装置のブレーキ手段の概略構成を示す図である。
【図11】 従来のロッドレスシリンダをZ軸方向から
見た上面図である。
【図12】 従来のロッドレスシリンダをY軸方向から
見た側面図である。
【図13】 従来のロッドレスシリンダをX軸方向から
見た側面図である。
【符号の説明】
1…ロッドレスシリンダ、1a…シリンダチューブ、2
a…ピストン、2b…ピストンヨーク、3…ピストンパ
ッキン、4…空洞、5…シールベルト、6,6a…テー
ブル、7…防塵ベルト、8…ベルト押さえ、9…シャフ
ト、10…バネ、11L,11R…エンドキャップ、1
1a,11b…空気供給管、12L,12R…ベルトカ
バー、21L,21R…固定板、22…ブレーキ用ロッ
ド、23…センサ用ロッド、24…ブレーキ手段、25
…センサ手段、24L,24R,25L,25R…軸受
け、1A,1B,1C,1D…1次コイル、2A,2
B,2C,2D…2次コイル、30…位相差検出手段、
31…クロック発振器、32…同期カウンタ、33,3
3b…ROM、34,34b…D/A変換器、35,3
5b,36,36b…アンプ、37…ゼロクロス回路、
38…ラッチ回路、41…コイルアッセンブリ、42…
ケーシング、43…磁気目盛り、45…磁性体部、46
…非磁性体部、61…ケーシング、62a,62b,6
3a,63b,70a,70b,71a,71b…パッ
キン、65…電磁弁、66…空気圧力源、67L,67
R,68…空気室、69L,69R…ブレーキピスト
ン、72…コイルバネ、73L,73R…皿バネ、74
L,74R…ブレーキブッシュ、L1,L2,L3,R
1,R2,R3,C2,C3,C4…空気圧流路、C1
…シャトルバルブ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダチューブとこのシリンダチュー
    ブ内を移動するピストンとこのピストンに対してピスト
    ンヨークを介して結合されたテーブルとから少なくとも
    構成され、前記ピストンに対して流体圧を作用させるこ
    とによって前記テーブルを移動させるロッドレスシリン
    ダと、 軸方向が前記ピストンの移動方向と平行になるように前
    記シリンダチューブに対して相対的に固定され、前記テ
    ーブルの負荷荷重を受けるように配置された少なくとも
    一本のロッドと、 前記ピストンの移動に伴って前記ロッドに沿って移動
    し、前記ピストンの現在位置を検出するセンサ手段と、 前記ピストンの移動に伴って前記ロッドに沿って移動
    し、前記ロッドとの間に生じる摩擦力によって前記ピス
    トンに制動力をかける流体圧式のブレーキ手段と、 前記ピストン及び前記ピストンヨークの内部に流体圧流
    を形成し、該内部の流体圧流路を介して前記流体圧式
    ブレーキ手段に前記シリンダチューブ内の流体圧を供給
    する流体圧供給手段とを具備するロッドレスシリンダ装
    置。
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