JP3141083U - 吸収係数の高いフィコエリスリンを生成する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本考案は特定藻類を利用して高い吸光係数(OD)比較値を有するフィコエリスリンを得ることができる装置に関する。
【解決手段】そのうち特定藻類にはヒラガラガラ属オブロンガタ(Galaxaura oblongata)、イソノハナ属セェイラニカ(Halymenia ceylanica)、ベニモズク(Helminthocladia australis)、オニアマノリ(Porphyra dentata)とその組合せが含まれている。特定藻類の生活史における有性生殖、無性生殖と栄養繁殖という3つの世代交代を利用し、果胞子糸状体段階では各種ガム質類は含有されないという特徴下において、光線、温度、栄養条件を制御し、その糸状体段階を延長させるとともに、更にそれを材料として高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを抽出する。
【選択図】図1
【解決手段】そのうち特定藻類にはヒラガラガラ属オブロンガタ(Galaxaura oblongata)、イソノハナ属セェイラニカ(Halymenia ceylanica)、ベニモズク(Helminthocladia australis)、オニアマノリ(Porphyra dentata)とその組合せが含まれている。特定藻類の生活史における有性生殖、無性生殖と栄養繁殖という3つの世代交代を利用し、果胞子糸状体段階では各種ガム質類は含有されないという特徴下において、光線、温度、栄養条件を制御し、その糸状体段階を延長させるとともに、更にそれを材料として高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを抽出する。
【選択図】図1
Description
本考案は特定藻類を利用した装置、特に当該特定藻類を利用して高い吸光係数(OD)比較値を有するフィコエリスリンを得ることができる装置に関するものである。
フィコエリスリン、フィコシアニン又はその他天然タンパク質色素であるかに拘らず、通常、実用面での安全性、耐熱性、酸・アルカリ度などを備え、相当程度の安定性も備えているため、食品や化粧品への応用が可能であり、同時に免疫学における抗体マーカー用の蛍光色素として臨床診断や細胞生化学研究に応用することも可能である。現在市場で開発及び応用されているものとしてはフィコシアニン(phycocyanin)とフィコエリスリン(phycoerythrin)とがあり、フィコシアニン生産の原料源の多くは大量に繁殖・培養されている藍藻、例えばスピルリナ(Spirulina)とミクロキスティス(Microcystis)であり、その培養と生成方法の多くは特許査定済みである。フィコエリスリンは原料が欠乏しているか、または原材料が色素の生成に不利であるため、生産量は少なく、高価である。全世界では毎年数万ポンドの食用赤色色素の需要があり、天然で、安全かつ安定しており、特殊な蛍光も発する赤色色素は非常に求められており、大量生産後には、価格は下落し、その応用範囲と市場への供給は拡大するものと見込まれている。
現在、藻由来の赤色色素タンパク質の大部分は紅藻の大型葉状体、例えばアマノリ属(Porphyra)、アミクサ(Ceramium)などから分離されており、一部は培養を大幅に制御することが可能なポルフィリディウム(Porphyridium)から抽出されている。
現在、野生では大量の紅藻資源が存在しており、また栽培されたアマノリ属がフィコエリスリンの原料とされているが、多くの紅藻には豊富に粘質物(アガー、カラゲニン、カラゲナン)が含有されているため、色素の抽出は容易ではなく、特に乾燥後の藻類原料は特に容易ではなく、更に野生藻類の原料は質・量ともに季節的に変動するため、人為的に把握することは容易ではない。
現在、ポルフィリディウムの培養でも細胞収集時に極めて困難であり、単細胞藻体の収集は一貫してエネルギと時間とを消費する操作であるため、生産コストに甚大な影響を及しており、藻細胞が培養時に分泌する可溶性多糖類は、細胞の収集を妨げるばかりではなく、色素の抽出にも影響を及ぼしている。
上記問題を解決するため、米国特許第5,358,858号明細書ではウシケノリ(Bangia atropurpurea)とコスジノリ(Porphyra angusta)の糸状体によりフィコエリスリンを生成する方法が開示されており、ウシケノリとコスジノリの生活史における糸状胞子体段階では各種ガム質類は含有されていないという特徴の下で、制御された光線、温度、栄養条件を利用し、その糸状体段階を延長させるとともに、更に一歩進んでそれを材料としてフィコエリスリンを抽出している。その手順は以下の通りである。
1.糸状体の培養と繁殖においては、野外で成熟したウシケノリまたはコスジノリの配偶体を採集し、滅菌された海水と毛筆で藻体をきれいに洗浄し、若干陰干しした後に改良されたSWM−III(表1の通り)を含む培養皿内に投入する。培養皿内の底部にはカバーガラスが敷設されており、胞子が放出されるとともにカバーガラスに付着した後、室温下において、1000lux〜4000luxの照度と1日当り10〜16時間の光線照射を備えた培養箱内で発芽・成長させ、最終的に複数枝状に分岐した糸状胞子体を呈するまで発育させる。
表1 SWM−III
(pH値を調節する際には、先ず濃HClによりpH≦7に調節し、さらに適当な濃度のNaOHによりpH値を7.5に調節する。このようにすれば消毒時に白色の沈殿が発生することを回避することができる)
なお、*1(PI−metal)及び*2(S−3 Vitamins)の組成は、以下の通り。
(Stock溶液はすべて褐色ビン内に装入して、冷蔵保存する)
2.糸状体を掻き落とした後、培養液の入った三角フラスコに移し、上記の培養条件下で培養し、糸状体の凝集ブロックを育成する。糸状体の凝集ブロックを破砕し、更に大きく成長させるためのメスフラスコに移して引続き更に多くの凝集ブロックとなるように発育させ、併せて順次培養体積を増大させ、より大きな体積の光線照射培養槽内において、空気を流入させて(1分間当り300mlの清浄な空気)、大量に繁殖させて培養する。それを100〜400メッシュの網目状の布により濾過する。濾過された培養液は、回収し再利用が可能であり、後続の培養に対しては何の妨げにもならない。
3.藻体の採取後、糸状体構造を真空または温風で迅速に乾燥させ、さらに粉末状に研磨した後、水またはリン酸塩溶液により十分に撹拌し、抽出、遠心分離を行うと、清澄で深紅の藻タンパク質溶液が得られる。藻色素の濃縮と精製に際しては、20%の硫酸アンモニウム溶液により一部の不純物タンパク質を除去して沈殿させ、さらに溶液内において60%〜65%の硫酸アンモニウム溶液により色素タンパク質を沈殿させると、それがOD565/OD280=1.4〜1.6の粗赤色色素であり、食品向け、化粧品向けとして使用可能な色素である。
4.沈殿したタンパク質に対して更にゲル濾過を行い、精製する。その際、Sephadex G200を使用して樹脂による分離を実施する。第一段階で得られるのはOD比が3.3〜3.7のフィコエリスリン製品であり、同一工程を反復するとOD比が5.1〜5.2のフィコエリスリンが得られ、それをさらに電気泳動法(SDS)により電気泳動すると、その結果として純度約99%となり、免疫検査用試薬とすることが可能となる。
上記方法では、従来からのアマノリ属、アミクサの色素抽出法で必須であった加熱とガム質分離という複雑な工程や、ポルフィリディウムなどの単細胞植物からの抽出法ではその体積が小さいために収集が困難であり、それが分泌する多糖類が色素の抽出に影響を及ぼすという問題は回避されているが、ウシケノリやコスジノリの糸状体から直接形成された深紅の藻タンパク質溶液は、そのOD565/OD280が1.4〜1.6に過ぎないため、藻色素の濃縮と精製を実施することにより高いOD値のフィコエリスリンを得なければならない。そのため初回に形成される深紅の藻タンパク質溶液が高いOD値を備えている糸状体を有するその他藻種を発見することが必要とされている。
上記の考案の背景において、公知のウシケノリやコスジノリの糸状体を利用して直接形成された深紅の藻タンパク質溶液では、その吸光係数比較値が非常に低いという問題点を考慮し、本考案では別種の特定藻類を利用して高い吸光係数比較値を備えたフィコエリスリンを得ることができる装置を開示しており、上記状況の発生は回避される。当該特定藻類はヒラガラガラ属オブロンガタ(Galaxaura oblongata)、イソノハナ属セェイラニカ(Halymenia ceylanica)、ベニモズク(Helminthocladia australis)、オニアマノリ(Porphyra dentata)とその組合せである。
本考案の一つの目的は、上記特定藻類を利用してフィコエリスリンを得ることができる装置により、単位重量当りのフィコエリスリン含有量の重量比較値を高め、単位コストを削減するという目的を達成することである。
本考案のもう一つの目的は、上記特定藻類を利用してフィコエリスリンを得ることができる装置により、吸光係数比較値の高いフィコエリスリンを抽出し、フィコエリスリンの精製手順を低減させるという目的を達成することにある。
上記目的に基づき、本考案では生活史に有性生殖、無性生殖と栄養繁殖という3つの世代交代を備えた藻種の果胞子(carpospore)糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置が利用される。それには、成熟した果胞子嚢の配偶体を含む前記特定藻類を培養する培養液を有し、果胞子を得るための第一培養槽と、当該第一培養槽に近接しており、500lux〜6000luxの照度を有し、明暗比が10:14以上で15〜30℃の環境下で、当該果胞子を培養し、それを成長させて糸状体を得るための第二培養槽と、当該第二培養槽内に設置可能であり、当該糸状体を収集するための収集器と、当該収集器に近接しており、当該収集器から取り出されてその内部に設置された当該糸状体を研磨するための研磨器と、当該研磨器に近接しており、酸・アルカリ緩衝液と研磨後の当該糸状体を導入し、濃い色の色素タンパク質溶液を得るための撹拌器と、当該撹拌器に近接しており、当該濃い色の色素タンパク質溶液からフィコエリスリンを沈殿させるための沈殿器とが備わっている。
本考案によると、ヒラガラガラ属オブロンガタ、イソノハナ属セェイラニカ、ベニモズクとオニアマノリの果胞子糸状体中から抽出されたフィコエリスリンの高速液体クロマトグラフィにより得られた565nm箇所におけるクロマトグラムはそれぞれ図7B、図8B、図9B及び図10Bに示されている通りである。
本考案によると、当該培養液はSWM−III培養液である。
本考案によると、当該SWM−III培養液は有機物を除去したSWM−III培養液である。
本考案によると、当該果胞子糸状体を培養する方法は旋回浮遊培養法である。
本考案によると、培養環境は20℃、2000luxの照度であり、明暗比12:12である。
本考案によると、収集器は網目状布を利用して当該糸状体を収集する。
本考案によると、当該網目状布は20から400メッシュの網目状布である。
本考案によると、当該研磨器には乾燥器も備わっている。
本考案によると、乾燥器は真空乾燥器である。
本考案によると、乾燥器は温風乾燥器である。
本考案によると、当該沈殿器は塩析法によりフィコエリスリンを沈殿させる。
本考案によると、当該塩析法によりフィコエリスリンを沈殿させる際には60〜65%の硫酸アンモニウム溶液が添加される。
本考案によると、更に精製器が備わり、ゲル濾過法により当該フィコエリスリンが精製される。
本考案によると、ゲル濾過法はSephadex G200を使用したゲル濾過法である。
本考案によると、更に精製器が備わり、限外濾過法(ultrafiltration)により当該フィコエリスリンが精製される。
本考案では別種の特定藻類を利用して高い吸光係数比較値を備えたフィコエリスリンを得ることができる。
本考案の適正実施例については下記で詳細に説明されている通りである。しかし、詳細説明以外に、本考案はその他実施例にも広範に応用可能であるため、本考案はその制限を受けるものではなく、それは後述の実用新案登録出願範囲を基準とする。
藻タンパク質は藻類の体内由来の水溶性蛍光タンパク質色素の一種である。それには特殊な蛍光的性質が備わっているため、現在、主に流動細胞計の蛍光試薬上に広範に応用されている。各種の藻タンパク質において、フィコエリスリンはその中の1種類であるとともに天然物のうちで発光強度が最も高い1種類でもある。そのため多くの蛍光検査法で当該類色素が採用されており、図1で示されているのは高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により得られたフィコエリスリンのUV吸収と蛍光発散層のクロマトグラムである。そのクロマト条件は以下の通りである。
HPLC column:HYDROCELL DEAE NP10
Column size:50×4.6mm
Buffer A:10mMK−PBS pH6.0
Buffer B:10mMK−PBS、0.5M NaCl pH6.0
Gradient:0% Buffer B→12min→50% Buffer B
Detection:565nm
Flow rate:1ml/min
高速液体クロマトグラフは主に高精密度高圧ポンプ、分離管、検出器と記録器とで構成されている。
Column size:50×4.6mm
Buffer A:10mMK−PBS pH6.0
Buffer B:10mMK−PBS、0.5M NaCl pH6.0
Gradient:0% Buffer B→12min→50% Buffer B
Detection:565nm
Flow rate:1ml/min
高速液体クロマトグラフは主に高精密度高圧ポンプ、分離管、検出器と記録器とで構成されている。
ウシケノリの生活史(図2に示されている通り)とコスジノリの生活史(図3に示されている通り)によれば、前記2種類の藻類の生活史は一般に有性生殖と無性生殖という二つの世代交替であり、有性生殖では造果器(雌性配偶体)と精子(雄性配偶体)を形成する配偶体であり、雌性配偶体が受精した後、発育して果胞子嚢が形成され、内部の果胞子が成熟した後、放出され、糸状胞子体となる。無性生殖では単胞子から直接発芽して小型の藻体となり、一定期間後に再度単胞子が形成され、また単胞子が発芽して小型の藻体となり、このように循環して適当な環境条件下において、小型藻体が形成した単胞子が発芽して大型の藻体となる。同時に、小型藻体も大型藻体に転換し、さらに有性生殖世代に進む。公知の技術では糸状胞子体段階の各種ガム質類を含有しないという特徴を利用し、光線、温度、栄養を制御するという条件下で、その糸状体段階を延長させるとともに、更に進んでそれを材料としてフィコエリスリンを抽出する。
藻類の生活史においては、有性生殖と無性生殖という二つの世代交代以外に、一部藻類では栄養繁殖世代も多く現れる。つまり四分胞子を形成する胞子体(つまり四分胞子体)であり、その過程においては造果器が受精後に果胞子体(carposporophyte)、果胞子(carpospore)、四分胞子体(tetrasporophyte)、四分胞子嚢(tetrasporangium)が形成され、最後が四分胞子(tetraspore)であり、そのうち果胞子と四分胞子はともに発芽して糸状体となる。しかし当該2種類の糸状体の特性は異なっており、ウミゾウメン(Nemalion)の生活史(図4)に示されている通りである。同様に、本考案でも栄養繁殖世代の特定藻類について、その果胞子糸状胞子体段階の各種ガム質類を含有しないという特徴を利用し、光線、温度、栄養を制御するという条件下で、その糸状体段階を延長させるとともに、更に進んでそれを材料として高いOD値を備えたフィコエリスリンを抽出する。そのうち、本考案における前記特定藻類にはヒラガラガラ属オブロンガタ(Galaxaura oblongata)、イソノハナ属セェイラニカ(Halymenia ceylanica)、ベニモズク(Helminthocladia australis)、オニアマノリ(Porphyra dentata)とその組合せが含まれており、その手順は以下の通りである。
1.糸状体の培養と繁殖においては、成熟したヒラガラガラ属オブロンガタの成熟した果胞子嚢を含む配偶体について、滅菌された海水と毛筆で藻体をきれいに洗浄し、若干陰干しした後に有機物を含有しないSWM−III(表一の通り)を含む培養皿内に投入する。培養皿内の底部にはカバーガラスが敷設されており、果胞子が放出されるとともにカバーガラスに付着した後、15〜30℃において、500lux〜6000luxの照度、明暗比10:14以上と1日当り10時間以上の光線照射を備えた培養箱内で発芽・成長させ、最終的に複数枝状に分岐した糸状体を呈するまで発育させる。
2.糸状体を掻き落とした後に培養液を入れた大型培養槽に移し、上記の成長環境条件下で培養し、糸状体の緩やかで小さな凝集ブロックを育成する。併せて順次培養体積を増大させ、より大きな体積の光線照射培養槽内において、ファンにより空気を流入させて小さな凝集ブロックを培養液内に浮遊させ(旋回浮遊培養と称する)、大量に繁殖させて培養する。それを20〜400メッシュの網目状の布により濾過する。濾過された培養液は回収再利用が可能であり、後続の培養に対しては何の妨げにもならない。
3.藻体の収穫後、糸状体構造を真空器または温風器で迅速に乾燥させ、さらに自動研磨機で粉末状に研磨した後、2.4gの粉末を取り出し、70ml、10mMのリン酸カリウム溶液またはその他の酸・アルカリ緩衝液を加え、撹拌器で十分に撹拌して、溶液のpH値を5〜10の間に維持し、さらに6000rpm、10min、4℃という条件下で遠心分離機により分離させると、清澄で深紅の藻タンパク質溶液が得られる。藻色素の濃縮と精製に際しては、20%の硫酸アンモニウム溶液により一部の不純物タンパク質を除去して沈殿させ、さらに溶液内において60%〜65%の硫酸アンモニウム溶液により色素タンパク質を沈殿させると、それがOD565/OD280=2.66の粗赤色色素であり、食品向け、化粧品向けとして使用可能な色素である。前記清澄な深紅の藻タンパク質溶液は、直接採取された湿潤した藻体を粉砕した後にリン酸カリウム溶液を加えた上で、遠心分離機で分離することによっても得られ、藻色素の濃縮と精製は限外濾過により実施することも可能である。
4.沈殿したタンパク質に対して更にゲル濾過を施して精製する。その際には長さ120cmのSephadex G200を使用して樹脂分離を実施する。第一段階で得られるのはOD比が4.5以上のフィコエリスリン製品であり、同一工程を反復するとOD比が5.3以上のフィコエリスリンが得られ、それをさらに電気泳動法(SDS)により電気泳動すると、その結果として純度約99%となり、免疫検査用試薬とすることが可能となる。
図5A〜Cで示されているのはウシケノリから抽出された純粋フィコエリスリンの高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により得られた280nm、565nm、615nmにおけるクロマトグラムである。図6A〜Cで示されているのはコスジノリから抽出された純粋フィコエリスリンの高速液体クロマトグラフィにより得られた280nm、565nm、615nmにおけるクロマトグラムである。実質的に、異なる藻種から抽出されたフィコエリスリンについては、その高速液体クロマトグラフィにより得られたクロマトグラムにも差異が認められ、それは人間の指紋と同様である。そのため、それに基づき当該フィコエリスリンはどの藻種から生成されたものであるのかを識別することが可能となる。次に、図7A〜Cで示されているのはヒラガラガラ属オブロンガタから抽出された純粋フィコエリスリンの高速液体クロマトグラフィにより得られた280nm、565nm、615nmにおけるクロマトグラムである。同様に、図8A〜C、図9A〜C及び図10A〜Cで示されているのは、本考案においてそれぞれイソノハナ属セェイラニカ、ベニモズクとオニアマノリから抽出された純粋フィコエリスリンの高速液体クロマトグラフィにより得られた280nm、565nm、615nmにおけるクロマトグラムである。
表2はウシケノリ、コスジノリと本考案の特定藻類とから抽出されたフィコエリスリンの比較表である。第一列は単位藻類重量(g)当りに含有されるフィコエリスリン重量(mg)の比較値であり、同一の藻類重量から生成することができるフィコエリスリンが示されている。それによれば、本考案で提起されている特定藻類について、そのフィコエリスリン含有量の比較値はすべて公知のウシケノリ、コスジノリを利用した場合と同様であり、中でもヒラガラガラ属オブロンガタのフィコエリスリン含有量の比較値が最高である。第二、第三列は藻種中から抽出されたフィコエリスリンの吸光係数比較値(OD565/OD280)と(OD615/OD565)であり、前者はフィコエリスリンとその他タンパク質純度との比較値を示しており、後者はフィコシアニンとフィコエリスリンとの純度比を示している。(OD565/OD280)比較値が高いほどフィコエリスリンの純度が高いことを示しており、その付加価値はより高くなり、食品または化粧品色素としての利用価値もより高くなり、後続の精製工程にとっても有利となり、医療面での免疫検査用試薬として応用することが可能となる。フィコシアニンはフィコエリスリンが発する蛍光を吸収し、食品または化粧品色素として使用された際には蛍光呈色効果が不良となるが、(OD615/OD565)が低いほどフィコシアニン含有量が少ないことが示されており、蛍光呈色効果面ではより適切となる。同様に、本考案で提起されている特定藻類について、それから抽出されたフィコエリスリンにはすべて比較的高い吸光係数比較値が備わっていることも明確に示されている。従って、本考案における特定藻類の糸状体を利用して抽出されたフィコエリスリンには、公知のウシケノリ、コスジノリの糸状体と比較した場合、高いフィコエリスリン含有率と高い吸光係数比較値とを有しているという利点が備わっている。
表2 各藻種の藻粉末における色素成分分析
Ba:ウシケノリ(Bangia atropurpurea)
Pa:コスジノリ(Porphyra angusta)
Go:ヒラガラガラ属オブロンガタ(Galaxaura oblongata)
Hc:イソノハナ属セェイラニカ(Halymenia ceylanica)
Ha:ベニモズク(Helminthocladia australis)
Pd:オニアマノリ(Porphyra dentata)
上記の通り、本考案における実施例では所期の効果が達成されており、そこで公開されている具体的構造は、各種同類製品では認められず、また出願前には公開されていないため、完全に実用新案法の規定と要求に合致しているものとし、ここに法に基づき考案の実用新案登録を出願する。審査並びに実用新案権承認の程、宜しくお願いする。
Pa:コスジノリ(Porphyra angusta)
Go:ヒラガラガラ属オブロンガタ(Galaxaura oblongata)
Hc:イソノハナ属セェイラニカ(Halymenia ceylanica)
Ha:ベニモズク(Helminthocladia australis)
Pd:オニアマノリ(Porphyra dentata)
上記の通り、本考案における実施例では所期の効果が達成されており、そこで公開されている具体的構造は、各種同類製品では認められず、また出願前には公開されていないため、完全に実用新案法の規定と要求に合致しているものとし、ここに法に基づき考案の実用新案登録を出願する。審査並びに実用新案権承認の程、宜しくお願いする。
本考案は一つの適正実施例に基づき記述されているが、本考案は当該実施例により限定されるわけではない。前記の通り特定の実施例を挙げて記述しているが、明らかな通り、本考案で提起されている精神を逸脱することなく実施された等価な変更または修飾は、すべて本考案の実用新案登録請求の範囲に含まれることは言うまでもない。また、本考案で提起されている精神を逸脱することなく実施された類似及び近似した変更または修飾も、すべて本考案の実用新案登録請求の範囲に含まれることも同様である。また同時に最も広範な定義により本考案の範囲を解釈し、それによりすべての修飾や類似構造を包含させるべきである。
Claims (9)
- 成熟した果胞子嚢の配偶体を含む特定藻類を培養する培養液を有し、果胞子を得るための第一培養槽と、該第一培養槽に近接しており、500lux〜6000luxの照度を有し、明暗比が10:14以上で15〜30℃の環境下で、該果胞子を培養し、該果胞子を成長させて糸状体を得るための第二培養槽と、該第二培養槽内に設置可能であり、該糸状体を収集するための収集器と、該収集器に近接しており、該収集器から取り出されて該収集器の内部に設置された当該糸状体を研磨するための研磨器と、該研磨器に近接しており、酸・アルカリ緩衝液と研磨後の当該糸状体を導入し、濃い色の色素タンパク質溶液を得るための撹拌器と、該撹拌器に近接しており、該濃い色の色素タンパク質溶液からフィコエリスリンを沈殿させるための沈殿器とを備え、前記特定藻類は、ヒラガラガラ属オブロンガタ、イソノハナ属セェイラニカ、ベニモズク、オニアマノリとその組合せからなる群から選択されることを特徴とする、生活史に有性生殖、無性生殖及び栄養繁殖なる3つの世代交代を備えた藻種の果胞子糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置。
- ヒラガラガラ属オブロンガタ、イソノハナ属セェイラニカ、ベニモズクとオニアマノリの果胞子糸状体中から抽出されたフィコエリスリンの高速液体クロマトグラフィにより得られた565nmにおけるクロマトグラムは、それぞれ、図7B、図8B、図9B及び図10Bに示されている通りであることを特徴とする、請求項1に記載の生活史に有性生殖、無性生殖及び栄養繁殖なる3つの世代交代を備えた藻種の果胞子糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置。
- 前記培養液は、SWM−III培養液であるか、あるいは、有機物を除去したSWM−III培養液であることを特徴とする、請求項1に記載の生活史に有性生殖、無性生殖及び栄養繁殖なる3つの世代交代を備えた藻種の果胞子糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置。
- 前記の果胞子糸状体を培養する方法は、旋回浮遊培養法であることを特徴とする、請求項1に記載の生活史に有性生殖、無性生殖及び栄養繁殖なる3つの世代交代を備えた藻種の果胞子糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置。
- 前記の培養環境は、20℃、2000luxの照度であり、明暗比12:12であることを特徴とする、請求項1に記載の生活史に有性生殖、無性生殖及び栄養繁殖なる3つの世代交代を備えた藻種の果胞子糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置。
- 前記収集器は、網目状布を利用して前記糸状体を収集し、該網目状布は20から400メッシュの網目状布であることを特徴とする、請求項1に記載の生活史に有性生殖、無性生殖及び栄養繁殖なる3つの世代交代を備えた藻種の果胞子糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置。
- 前記研磨器には乾燥器も備わっており、該乾燥器は、真空乾燥器または温風乾燥器とすることができることを特徴とする、請求項1に記載の生活史に有性生殖、無性生殖及び栄養繁殖なる3つの世代交代を備えた藻種の果胞子糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置。
- 前記沈殿器は、塩析法によりフィコエリスリンを沈殿させ、該塩析法によりフィコエリスリンを沈殿させる際、60〜65%の硫酸アンモニウム溶液が添加されることを特徴とする、請求項1に記載の生活史に有性生殖、無性生殖及び栄養繁殖なる3つの世代交代を備えた藻種の果胞子糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置。
- 更に精製器が備わり、限外濾過法またはゲル濾過法により前記フィコエリスリンが濾過され、該ゲル濾過法は、Sephadex G200を使用したゲル濾過法であることを特徴とする、請求項1に記載の生活史に有性生殖、無性生殖及び栄養繁殖なる3つの世代交代を備えた藻種の果胞子糸状体を使用して高い吸光係数比較値を有するフィコエリスリンを生成する装置。
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| TW91133928A TWI222463B (en) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | Method of Galaxaura oblongata for producing high OD phycoerythrin |
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