JP3141204U - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータの破壊によってケーシングに作用する回転トルクを低減できるターボ分子ポンプを提供する。
【解決手段】軸方向に複数段の回転翼41が形成されたロータ4と、ロータ4を回転可能に支持するベース部材3と、ロータ4の周囲に回転翼41に対応して積層して配設された複数段の静止翼43を有する積層体40と、積層体40の外周面を覆うように配設され、ベース部材3とによって積層体40を挟持するケース部材2とを備え、ケース部材2の内周面に、高硬度の表面処理が施された高硬度部22が形成される。
【選択図】図2

Description

本考案は、ターボ分子ポンプに関する。
ケーシング内で高速回転する回転体を有するターボ分子ポンプにおいては、回転体が破壊した場合に、その飛散物からの衝撃によって外側のケーシングが破損することを防止するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載のものは、外側のケーシングの内側に摩擦低減構造を設け、回転体の破壊時にケーシングへのトルク伝達を防ぐ。
特開2003−83283号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のターボ分子ポンプでは、回転体の破壊による飛散物が遠心力によってケーシングにめり込むおそれがあり、その場合にはケーシングに過大なトルクが作用し、ポンプと装置の締結ボルトが破損して、ポンプが装置より落下もしくは装置が破損するおそれがある。
本考案によるターボ分子ポンプは、軸方向に複数段の回転翼が形成されたロータと、ロータを回転可能に支持するベース部材と、ロータの周囲に回転翼に対応して積層して配設された複数段の静止翼を有する積層体と、積層体の外周面を覆うように配設され、ベース部材とによって積層体を挟持するケース部材とを備え、ケース部材の内周面には、高硬度の表面処理が施された高硬度部が形成されることを特徴とする。
また、本考案によるターボ分子ポンプは、複数段の回転翼が形成されたロータと、ロータを回転可能に支持するベース部材と、ロータの周囲に回転翼に対応して積層して配設された複数段の静止翼を有する積層体と、積層体の外周面を覆うように配設され、ベース部材とによって積層体を挟持するケース部材とを備え、ケース部材は、積層体の外側に配置された第1のケースおよび第1のケースの外側に配置された第2のケースを有する二重筒構造をなし、第1のケースは、第2のケースよりも高硬度の構成材によりなることを特徴とする。
本考案によれば、積層体の外側のケース部材の内周面に高硬度の表面処理を施すようにしたので、回転体の破壊による飛散物がケース部材にめり込むことを防止でき、ケース部材に過大な回転トルクが作用することを防ぐことができる。
−第1の実施の形態−
以下、図1、2を参照して本考案の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本考案の第1の実施の形態に係るターボ分子ポンプの全体構成を示す断面図であり、図2は、このターボ分子ポンプの要部拡大図である。ターボ分子ポンプは、例えば半導体製造装置に用いられる真空ポンプである。なお、説明の便宜上、以下では図示のようにターボ分子ポンプの上下方向を定義する。
図1に示すようにターボ分子ポンプのポンプ本体1は、略円筒形状の外側ケーシング2と、外側ケーシング2の下部に取り付けられるベース3と、外側ケーシング2に収容され、ベース3に回転可能に支持されるロータ4とを有する。外側ケーシング1の上部のフランジ21は、図示しない半導体製造装置側の真空チャンバのフランジにボルトによって締結される。外側ケーシング2は、例えばステンレス鋼により構成される。
ロータ4の外周面には、上下方向に間隔をあけて複数段の回転翼41が形成され、各段の回転翼41の間に固定翼43が交互に挿設されている。各段の固定翼43はスペーサ48を介して積層され、固定翼43とスペーサ48により積層体40が形成されている。積層体40と外側ケーシング2の間には、周方向に隙間SPが設けられている。外側ケーシング2の下端面は、Oリング25を介してベース3の上面に締結され、これによりベース3の上端面と外側ケーシング2の上部フランジ21の内径側端面との間に積層体40が挟持される。
ロータ4の回転翼41の下方には回転円筒部42が形成されている。ベース3側には回転円筒部42に対向して固定円筒部が44が設けられ、固定円筒部44の内周面に螺旋状溝が形成されている。以上の回転翼41と固定翼43はタービン翼部を構成し、回転円筒部42と固定円筒部44はモレキュラードラッグポンプ部を構成する。
ロータ4は、上下一対のラジアル磁気軸受け51およびアキシャル磁気軸受け52により非接触支持され、モータ6により回転駆動される。磁気軸受け51,52には、ロータ4の浮上位置を検出するためのラジアル変位センサ53,54およびスラスト変位センサ55がそれぞれ設けられている。モータ6は例えばDCブラシレスモータであり、ロータ4のシャフト部45に、永久磁石が内蔵されたモータロータ61が装着され、ベース3側に、回転磁界を形成するためのモータステータ62が設けられている。
シャフト部45の下端にはセンサターゲット46が設けられ、センサーターゲット46と対向する位置にギャップセンサ55が設けられている。なお、56,57は、非常用のメカニカルベアリングである。
このようなターボ分子ポンプ1では、ロータ4の高速回転により吸気口1aからガス分子が流入し、このガス分子はタービン翼部およびモレキュラードラッグポンプ部のガス通路をそれぞれ経て排気口1bから排気される。これにより吸気口1a側が高真空状態となる。この際、何らかの原因により高速回転中のロータ4が破壊すると、遠心力によってロータ4が周囲に飛散し、その飛散物により外側ケーシング2にロータ4の回転方向と同方向の回転トルクが作用する。この回転トルクが上部のフランジ21を介して真空系のフランジ71に作用すると、真空系の装置が破損するおそれがある。これを防止するため、本実施の形態では以下のようにポンプ本体1の外側ケーシング2を構成する。
図2に示すように外側ケーシング2の内周面には、積層体40の外周面に対向し、その全周にわたって硬度を高めるための表面処理がなされ、他の部分よりも硬度の高い高硬度部22が形成されている。この場合の表面処理としては、例えばショットブラスト、表面に窒素を浸透させて窒化物の層を形成する窒化処理、あるいは表面にニッケル合金等を溶射する溶射処理を用いることができる。ショットブラストを用いた場合には安価に構成でき、窒化処理や溶射処理を用いた場合には硬化層を厚く形成できる。
第1の実施の形態に係るターボ分子ポンプの主要な動作を説明する。
何らかの原因により高速回転中のロータ4が破壊すると、その破壊による飛散物が外側ケーシング2の内壁面に衝突する。ケーシング内壁面には高硬度部22が形成されているので、飛散物は外側ケーシング2にめり込まず、外側ケーシング2の内周面に沿って周方向に移動する。これによりロータ4の停止時間が長くなり、ロータ破壊のエネルギーがロータ4の回転とともに徐々に消費され、外側ケーシング2に作用するトルクのピーク値を低減できる。その結果、真空系の装置の破損を防ぐことができる。
以上の実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)外側ケーシング2の内周面に、表面処理によって高硬度部22を形成するようにしたので、ロータ4の破壊時に、その破壊による飛散物が外側ケーシング2にめり込むことを阻止することができ、外側ケーシング2に過大な回転トルクが作用することを防止できる。
(2)外側ケーシング2の内周面にのみ表面処理を施すので、外側ケーシング2の全体の強度を高める必要がなく、構成が容易である。
−第2の実施の形態−
図3を参照して本考案の第2の実施の形態について説明する。
図3は、本考案の第2の実施の形態に係るターボ分子ポンプの要部拡大図である。なお、図1,2と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
図3に示すように積層体40と外側ケーシング2の間には、略円筒形状の内部ケーシング23が配設されている。積層体40と内部ケーシング23の間の径方向の隙間SP1は、内部ケーシング23と外側ケーシング2の間の径方向の隙間SP2よりも大きい。内部ケーシング23は、ニッケル合金等、外側ケーシング2よりも硬度の高い材質によって構成されている。内部ケーシング23は、ベース3の上端面と上部フランジ21の内径側端面との間にOリング等の弾性体26を介して挟持されている。
このように第2の実施の形態では外側ケーシング2の内側にニッケル合金からなる内部ケーシング23を配設したので、ロータ4の破壊による飛散物が内部ケーシング23にめり込むことを抑制できる。その結果、ロータ4の停止時間が長くなってロータ破壊のエネルギーを徐々に吸収することができ、外側ケーシング2への回転トルクの伝達を防ぐことができる。ベース3と外側ケーシング2の間に弾性体26を介して内部ケーシング23を挟持するので、内部ケーシング23は外側ケーシング2に対して相対移動可能であり、ロータ破壊時の衝撃によって内部ケーシング23が回転させられた場合にも、外側ケーシング2の回転を阻止できる。
外側ケーシング2と内部ケーシング23の間の隙間SP2を、積層体40と内部ケーシング23の間の隙間SP1より大きくしたので、内部ケーシング23は径方向外側に大きく変形可能であり、内部ケーシング23の変形によってロータ破壊のエネルギーを効率よく吸収できる。SP1<SP2としたので、内部ケーシング23が大径化することを防止できる。
なお、上記実施の形態では、外側ケーシング2の内側に内部ケーシング23を配設したが、内部ケーシング23の内周面に第1の実施の形態と同様の表面処理を施し、高硬度部22を形成してもよい。内部ケーシング23をニッケル合金ではなく、外側ケーシング2と同程度の強度を有する材質により構成し、その内部ケーシング23の内周面に第1の実施の形態と同様の表面処理を施してもよい。
ロータ4の質量は軸方向(図の上下方向)で異なり、上側の方が下側よりも質量が重く、ロータ質量が重いほど、ロータ破壊時のエネルギーが大きくなる。この点を考慮し、図2の高硬度部22のうち、上側の方が下側よりも高硬度となるように表面処理を施してもよい。また、図3の内部ケーシング23の強度を軸方向に均一とするのではなく、上側の方が下側よりも高強度となるようにしてもよい。例えば内部ケーシング23の板厚を軸方向で変化させて所望の強度を得るようにしてもよい。
なお、ロータ4を回転可能に支持するベース部材としてのベース3の構成、およびロータ4の周囲を覆うように配設された外側ケーシング2と内部ケーシング23の構成は上述したものに限らない。少なくとも複数段の回転翼41に対応した複数段の固定翼43を積層するのであれば、積層体40の構成は上述したものに限らない。ショットブラスト、窒化処理、溶射処理以外によって、外側ケーシング2の内周面に高硬度部22を形成してもよい。外側ケーシング2(第2のケース)の内側に内部ケーシング23(第1のケース)を配設したが(図3)、二重筒構造の構成はこれに限らない。すなわち、本考案の特徴、機能を実現できる限り、本考案は実施の形態のターボ分子ポンプに限定されない。
なお、ケース部材の内周面における表面処理は、ショットブラスト、窒化処理、または溶射処理のいずれかによって行うことができる。ケース部材としては、例えば図3に示すように積層体の外側に配置された第1のケースおよび第1のケースの外側に配置された第2のケースを有する二重筒構造をなし、第1のケースの内周面に高硬度部を形成することが好ましい。第1のケースを第2のケースよりも高硬度の構成材によって構成することもできる。例えば第1のケースをニッケル合金、第2のケースをステンレス鋼を構成材とすることもできる。第2のケースと第1のケースの間に、第1のケースと積層体との間よりも大きな径方向の隙間を設けることもできる。第1のケースを、弾性体を介してベース部材およびケース部材により挟持するようにしてもよい。
本考案の第1の実施の形態に係るターボ分子ポンプの全体構成を示す断面図。 図1の要部拡大図。 第2の実施の形態に係るターボ分子ポンプの要部拡大図。
符号の説明
2 外側ケーシング
3 ベース
4 ロータ
22 高硬度部
23 内部ケーシング
26 弾性体
40 積層体
41 回転翼
43 固定翼
SP1,SP2 隙間

Claims (7)

  1. 軸方向に複数段の回転翼が形成されたロータと、
    前記ロータを回転可能に支持するベース部材と、
    前記ロータの周囲に前記回転翼に対応して積層して配設された複数段の静止翼を有する積層体と、
    前記積層体の外周面を覆うように配設され、前記ベース部材とによって前記積層体を挟持するケース部材とを備え、
    前記ケース部材の内周面には、高硬度の表面処理が施された高硬度部が形成されることを特徴とするターボ分子ポンプ。
  2. 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記表面処理は、ショットブラスト、窒化処理、または溶射処理のいずれかであることを特徴とするターボ分子ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記ケース部材は、前記積層体の外側に配置された第1のケースおよび前記第1のケースの外側に配置された第2のケースを有する二重筒構造をなし、
    前記第1のケースの内周面に前記高硬度部が形成されることを特徴とするターボ分子ポンプ。
  4. 複数段の回転翼が形成されたロータと、
    前記ロータを回転可能に支持するベース部材と、
    前記ロータの周囲に前記回転翼に対応して積層して配設された複数段の静止翼を有する積層体と、
    前記積層体の外周面を覆うように配設され、前記ベース部材とによって前記積層体を挟持するケース部材とを備え、
    前記ケース部材は、前記積層体の外側に配置された第1のケースおよび前記第1のケースの外側に配置された第2のケースを有する二重筒構造をなし、
    前記第1のケースは、前記第2のケースよりも高硬度の構成材によりなることを特徴とするターボ分子ポンプ。
  5. 請求項4に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記第1のケースは、ニッケル合金を構成材としてなり、前記第2のケースは、ステンレス鋼を構成材としてなることを特徴とするターボ分子ポンプ。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記第2のケースと第1のケースの間に、前記第1のケースと前記積層体との間よりも大きな径方向の隙間が設けられることを特徴とするターボ分子ポンプ。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記第1のケースは、弾性体を介して前記ベース部材および前記ケース部材により挟持されることを特徴とするターボ分子ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015102039A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 株式会社島津製作所 ターボ分子ポンプ

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