JP3142217B2 - 回転センサ - Google Patents

回転センサ

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JP3142217B2
JP3142217B2 JP06312488A JP31248894A JP3142217B2 JP 3142217 B2 JP3142217 B2 JP 3142217B2 JP 06312488 A JP06312488 A JP 06312488A JP 31248894 A JP31248894 A JP 31248894A JP 3142217 B2 JP3142217 B2 JP 3142217B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機,船舶,自動車
などのナビゲーション、あるいは、8mmカメラなどの
手ぶれ検知等の種々の用途に利用可能な回転センサに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、航空機や船舶のナビゲーションな
どの対象に用いられる回転センサ(ジャイロ)として、例
えば文献「光エレクトロニクス辞典,産業調査会辞典出
版センター 1992年 P.P.207〜208」に
示されているような光ファイバジャイロが知られてい
る。
【0003】図18は最も典型的な干渉方式の光ファイ
バジャイロを示す図である。図18を参照すると、この
光ファイバジャイロでは、光源101からの光を光カッ
プラーC2によって分離し、光ファイバに両端から入射
させ、互いに垂直な偏光を右回りと左回りの光とし、そ
のうちの一方の位相を位相変調器102によって変調す
る。光ファイバを経験させた後、同じく光カップラーC
2で合波するが、一方の偏光はすぐ受光器D2方向に分離
され、もう一方の偏光はポラライザ103を経て、C1
で受光器D1方向に分離されて検出される。両受光器
D1,D2からの出力差は光ファイバの回転Ωに応じた出
力Pとなる。図19には、光ファイバジャイロの回転Ω
と出力Pとの関係が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光ファイバジャイロでは、光ファイバなどを用
いる必要があるので、装置規模が大型になり、また、高
コストになるなどの問題があった。
【0005】本発明は、小型化かつ低コスト化を実現可
能な回転センサを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、請求項1記載の発明では、所定の対象物
の回転に関する情報を検知する回転センサにおいて、光
源と、光源からの光を回折してn1次光,n2次光
(n1,n2は整数)の第1回折光を発生させる第1番目
の回折格子と、第1番目の回折格子からのn1次光,n2
次光の第1回折光をそれぞれ回折してm1次光,m2次光
(m1,m2は整数)の第2回折光を発生させる第2番目
の回折格子と、該第2番目の回折格子からのm1次光と
m2次光との間での干渉により発生する干渉縞の位相の
変化を検出する検出手段とを有し、第1番目の回折格子
と第2番目の回折格子とは、対象物の回転軸線を中心と
して対称に配設され、第1番目の回折格子と第2番目の
回折格子が回転軸線を中心として回転する場合に、2つ
の回折格子が、回転に応じた変位量で、回折格子の長手
方向に相対的に変位し、2つの回折格子の長手方向への
相対的な変位に伴なって干渉縞の位相が変化することを
検出手段で検出して、対象物の回転に関する情報を検出
する。これにより、従来の光ファイバジャイロのよう
に、光ファイバなどを用いる必要がなく、小型化,低コ
ストの装置で、対象物の回転に関する情報を検出するこ
とができる。
【0007】また、請求項2記載の発明では、光源から
の光をレンズにより集光して2つの回折格子に入射させ
る。これにより、光スポットが小さくなり、より小型の
回転センサを提供することができる。
【0008】また、請求項3記載の発明では、光源から
の光をレンズによりコリメートして2つの回折格子に入
射させる。これにより、発生する干渉縞を一定の等ピッ
チのものにすることができ、検出手段(受光手段)を単純
な大きさ(3分割PDのようにピッチが一定のもの)にす
ることができる。
【0009】また、請求項4記載の発明では、n1=
q,n2=−q,m1=p,m2=−p(q,pは整数)な
る回折次数を用いる。これにより、光軸に対して対称的
な構成になり、検出動作が安定になる。
【0010】また、請求項5記載の発明では、干渉縞の
ピッチの4分の1の間隔をもつ3個の受光器で干渉縞を
受光し、相隣り合う2つの受光器の出力の差をとる。こ
れにより、位相が90°異なる2個の正弦波信号を得る
ことができ、回転に関する情報を高精度に検出できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係る回転センサの第1の実施例の
構成図である。図1を参照すると、この回転センサ10
は、光源1と、光源1からの光をコリメ−トするレンズ
2と、レンズ2からのコリメ−ト光が入射する2つの回
折格子3,4と、検出手段90とを有している。
【0012】ここで、光源1には、例えば半導体レ−ザ
などのレーザが用いられる。また、第1番目の回折格子
3,第2番目の回折格子4は、それぞれ所定のピッチΛ
1,Λ2を有し、かつ格子面が互いに平行となっている。
この場合、第1番目の回折格子3は、光源1からの光を
回折してn1次光,n2次光(n1,n2は整数)の第1回
折光を発生させ、第2番目の回折格子4は、第1番目の
回折格子3からのn1次光,n2次光の第1回折光をそれ
ぞれ回折してm1次光,m2次光(m1,m2は整数)の第
2回折光を発生させ、検出手段90は、該第2番目の回
折格子4からのm1次光とm2次光との間で干渉により発
生する干渉縞12の位相の変化を検出するようになって
いる。なお、図1の例では、検出手段90は、1つの受
光素子7からなっている。
【0013】ところで、本実施例の回転センサ10は、
対象物(例えば航空機)の回転に関する情報を検知するた
め、対象物の所定位置に取り付けて用いられるようにな
っており、この場合、対象物の回転の中心,すなわち回
転軸線Rの付近に第1番目の回折格子3と第2番目の回
折格子4とが配設されるように、この回転センサ10を
対象物に取り付けるのが良い。
【0014】より詳しくは、第1番目の回折格子3と第
2番目の回折格子4は、対象物の回転軸線Rを中心とし
て対称に配設されるのが良い。換言すれば、対象物の回
転中心(回転軸線R)が第1番目の回折格子3と第2番目
の回折格子4との間の中心付近となるように、第1番目
の回折格子3と第2番目の回折格子4とを配設するのが
良く、この場合、対象物が回転し、この回転センサ10
が回転すると、第1番目の回折格子3と第2番目の回折
格子4とは、回折格子対(二重回折格子)として、対象物
の回転軸線Rの周りに回転することになる。
【0015】このとき、回折格子3,4には、回転軸線
Rの周りの回転(例えば矢印H方向の回転)により、遠心
力とコリオリの力とが働く。いま、回折格子3,4の回
転に伴なう座標系(回転座標系)をx,y,zと定義する
と(なお、x軸方向は回折格子3,4の長手方向に対応
し、y軸方向はこの回転センサ10の光軸方向に対応
し、z軸方向は回転軸線Rの方向に対応している)、回
折格子3,4に働く遠心力F1,F2は、y軸方向とな
り、また、回折格子3,4に働くコリオリの力C1,C2
は、x軸方向となる。この際、図1からわかるように、
第1番目の回折格子3に働くコリオリの力C1と第2番
目の回折格子4に働くコリオリの力C2とは、互いに反
対の向きになり、第1番目の回折格子3と第2番目の回
折格子4とは、x軸方向に互いに変位(移動)する。この
変位量は、コリオリの力C1,C2が回転速度に比例する
ものであることから、回転速度にほぼ比例して大きくな
る。従って、2つの回折格子3,4のx軸方向への変位
量に伴なう前記干渉縞12の位相の変化量を検出手段9
0で検出することで、対象物の回転速度(すなわち、角
速度)などの対象物の回転に関する情報を検出すること
ができる。
【0016】なお、2つの回折格子3,4の回転に伴な
うx軸方向の変位量を安定して検出するため(すなわ
ち、回転に関する情報を安定して検出するため)、回折
格子3,4は、例えば回転センサ10の側壁11に、バ
ネ(例えば板バネ)やゴムなどの弾性体部材5,6によっ
て挟持されている。また、第1番目の回折格子3に働く
遠心力F1と第2番目の回折格子4に働く遠心力F2
も、互いに反対の向きになり、第1番目の回折格子3と
第2番目の回折格子4とは、y軸方向にも変位(移動)し
ようとするが、y軸方向への変位については、これを例
えば部材13によって阻止する。これにより、回転によ
る回折格子3,4の変位をx軸方向のみに制限して検出
できる。
【0017】次に、このような構成の回転センサ10の
動作原理をより詳細に説明する。
【0018】なお、以下では説明の便宜上、第1番目,
第2番目の回折格子3,4の二重回折格子による干渉縞
12の発生は、E光とF光との2つの光で行なうとす
る。すなわち、図2に示すように、第1番目の回折格子
3において発生したn1次の第1回折光(回折角θ1)が
第2番目の回折格子4で回折して発生したm1次の第2
回折光(回折角θ2)をE光として用い、また、第1番
目の回折格子3において発生したn2次の第1回折光
(回折角φ1)が第2番目の回折格子4で回折して発生し
たm2次の第2回折光(回折角φ2)をF光として用い
て、干渉縞12を発生させるものとする。
【0019】この場合、光源1の波長をλとし、第1番
目の回折格子3に光源1,レンズ2からの光が垂直入射
すると、E光については次式の関係が成立する。
【0020】
【数1】sinθ1=n1λ/Λ1 −sinθ2+sinθ1=m1λ/Λ2
【0021】数1により、第2番目の回折格子4の回折
角θ2について次式が導かれる。
【0022】
【数2】sinθ2=λ(n1/Λ1−m1/Λ2)
【0023】同様に、F光については、次式が成立す
る。
【0024】
【数3】sinφ2=−λ(n2/Λ1−m2/Λ2)
【0025】また、干渉縞12のピッチΛ0は次式によ
り表わされる。
【0026】
【数4】Λ0=λ/(sinθ2+sinφ2)
【0027】数2,数3,数4から、Λ1,Λ2とΛ0と
の関係が次式のように求められる。
【0028】
【数5】 Λ0=1/[(n1−n2)/Λ1−(m1−m2)/Λ2]
【0029】数5から、光Eと光Fとでそれぞれ同じ次
数(n1=−n2,m1=−m2),同じ回折角(θ1=φ1,
θ2=φ2)の高次光を用いる場合のみならず、異なる次
数,異なる回折角の高次光を用いる場合にも、干渉縞1
2のピッチΛ0は、第1番目の回折格子3のピッチΛ1と
第2番目の回折格子4のピッチΛ2とにだけ関係し、光
源からの光の波長には全く無関係となり、光源1に半導
体レーザのような波長変化の大きい光源が用いられる場
合でも、その波長変化の影響を受けないことがわかる。
【0030】また、この場合、Λ1とΛ2と回折次数
n1,n2,m1,m2を適切に設定することで、任意の本
数の干渉縞12を得ることができる。なお、干渉縞12
は、第1番目の回折格子3,第2番目の回折格子4のx
軸方向の移動(変位)に従って移動するので、干渉縞12
のピッチΛ0よりも小さな受光面積の1個の受光素子7
で受光すれば、正弦波状信号が得られ、n1次光(または
m1次光)を用いることにより、仮に第1番目の回折格子
3,第2番目の回折格子4のいずれか一方だけがx軸方
向に1ピッチ移動(変位)するとすると、正弦波状信号は
移動する方の回折格子の次数の差(|m1−m2|または
|n1−n2|)の周期となる。
【0031】具体例として、仮に、第1番目の回折格子
3が移動(変位)せず、第2番目の回折格子4が移動(変
位)するとし、例えば第1番目の回折格子3にピッチΛ1
がΛ1=1μmの非常に高密度な回折格子を用い、干渉
縞のピッチΛ0を2mm(コリメート光の光径程度)と大
きくとる場合に、回折次数をn1=1,n2=−1,m1
=−2,m2=2とすれば、第2番目の回折格子4のピ
ッチΛ2は、Λ2=2.0005μmと、第2番目の回折
格子3のピッチΛ1の約2倍の大きなもので良いことに
なる。このように小さいピッチの回折格子を用いて大き
いピッチの干渉縞を発生させることができる。
【0032】このような動作原理の回転センサ10を、
例えば航空機などの対象物に取り付けて対象物の回転に
関する情報を検知するのに用いることができる。この
際、前述のように、第1番目の回折格子3と第2番目の
回折格子4との間に、対象物の回転中心(回転軸線R)が
位置するように、回転センサ10を対象物に設置する。
【0033】対象物が回転していないときには、回転セ
ンサ10内の第1番目の回折格子3と第2番目の回折格
子4とは、図3に符号3a,4aで示す位置にあり、ま
た、このときの干渉縞12は符号12aに示す状態にあ
る。この状態から、対象物が回転すると、各回折格子
3,4は、遠心力とコリオリの力とを受け、各回折格子
3,4は、前述のように、コリオリの力C1,C2によっ
て、x軸方向に互いに反対方向に変位する。すなわち、
図3に符号3b,4bで示す位置にそれぞれ変位する。
回折格子3,4のx軸方向へのこの相対的な変位によっ
て、干渉縞の位相は、符号12bに示す状態に変化す
る。なお、この際、回折格子3,4の変位量は、コリオ
リの力C1,C2が作用することによる弾性体部材5,6
の変位量に相当するものとなり、コリオリの力C1,C2
が回転速度(角速度)に比例することから、弾性体部材
5,6の相対的な変位量,すなわち回折格子3,4間の
相対的な変位量は、回転速度(角速度)にほぼ比例したも
のとなる。従って、干渉縞12の位相も、対象物の回転
速度(角速度)に応じて変化し、検出手段90(受光素子
7)でこの干渉縞12の位相の変化を検出することで、
対象物の回転速度(角速度)を検出することができる。
【0034】上記のような回転センサ10において、使
用する回折光の次数は、n1=q,n2=−q,m1=
p,m2=−p(q,pは整数)のように、対称的である
のが良い。すなわち、この場合には、全体構造としても
対称的となり、安定性を高めることができる。この中で
もn1=1,n2=−1,m1=1,m2=−1の回折次数
の場合が、最も回折効率が高く、有用である。
【0035】また、回折格子3,4は両方とも移動(変
位)するので、干渉縞12も回折格子3,4の一方だけ
が変位する場合の約2倍変化し、これにより、検出感度
は高いものとなる。具体的に、干渉縞感度(検出感度)は
|m1−m2|+|n1−n2|となる。
【0036】なお、上述の実施例では、検出手段90と
して、干渉縞の間隔よりも小さい受光面をもつ受光素子
(あるいは小さい孔のピンホール)7を用いており、これ
により、1つの受光素子7から図4に示したような正弦
波状信号を得ることができる。この種の正弦波状信号
は、谷と山の比(t2/t1;アスペクト比)が大きいほ
ど品質が良いが、1つの受光素子7からの正弦波状信号
は、バイアス成分t1をもつため、この正弦波状信号は
良質のものとなっていない。
【0037】図5乃至図11には、正弦波状信号の品質
を良好なものにするための各種の信号検出の仕方,換言
すれば、検出手段90の各種の構成例が示されている。
先ず、図5には、光を重ねた光径(図では円とする)中
に干渉縞の明暗を1個ずつ発生させたときに、干渉縞の
明暗に相当する間隔(干渉縞のピッチの半分)をへだて
て2つの受光素子58,59を配置し、各受光素子5
8,59の出力の差をとる構成が示されている。
【0038】図6は、図5の構成における一方の受光素
子58の出力信号O1,他方の受光素子59の出力信号
O2,2つの受光素子58,59の出力の差信号(O1
−O2)をそれぞれ示す図である。図6からわかるよう
に、2つの受光素子58,59は、干渉縞のピッチの半
分の間隔で配置されているので、受光素子58,59の
出力信号O1,O2は、180゜の位相差となり、従っ
て、2つの受光素子58,59の出力O1,O2の差を
とり差信号(O1−O2)とすることにより、バイアス
成分t1を除去することができ、アスペクト比の高い良
好な正弦波状信号を得ることができて、これにより、回
転に関する情報をより高精度に測定することができる。
また、この場合に、図7に示すように、受光素子58,
59の幅Hを小さくすることにより、バイアス成分t1
をさらに小さくすることができ、差信号(O1−O2)
の振幅を大きくすることができて、より一層、完全に近
い良質な正弦波状信号を得ることができる。但し、幅H
を小さくすると、受光量も減少するので、受光素子5
8,59の幅Hについては、用途等に応じ、適当なもの
に設計するのが良い。
【0039】図5では、干渉縞の明暗に相当する間隔
(干渉縞のピッチの半分)をへだてて2つの受光素子5
8,59を配置したが、図8に示すように、干渉縞の明
暗の間隔の半分の間隔(干渉縞のピッチの4分の1)を
へだてて2つの受光素子58,59を配置することも可
能である。すなわち、一方の受光素子58を例えば明の
部分に配置し、他方の受光素子59を明と暗との中間位
置(光径の中間位置)に配置することも可能である。
【0040】図9は図8の構成における一方の受光素子
58の出力信号O1,他方の受光素子59の出力信号O
3,2つの受光素子58,59の出力の差信号(O1−
O3)をそれぞれ示す図である。図8のように、2つの
受光素子58,59の間隔が干渉縞のピッチの4分の1
(明暗の間隔の半分)となるよう2つの受光素子58,
59を配置すると、図9に示すように、2つの受光素子
58,59の各出力信号O1,O3は、90゜の位相差
をもつことになる。すなわち、一般にエンコーダに必要
な90゜位相差をもつ2つの正弦波信号(すなわちA相
信号,B相信号)を出力信号O1,O3として、それぞ
れ受光素子58,59から出力することができる。この
場合、90゜の位相差をもつA相信号O1,B相信号O
3を方向弁別信号として回折格子3,4の移動方向の検
出,すなわち回転方向の検出に用いることができ、ま
た、A相信号とB相信号との差,すなわち出力信号O1
と出力信号O3との差をとり差信号(O1−O3)とす
ることで、この差信号(O1−O3)を回転速度の測定
に用いることができる。そして、回転速度の測定に差信
号(O1−O3)を用いることによって、前述したと同
様に、品質の良い正弦波を得ることができ、回転に関す
る情報を高精度に測定することができる。すなわち、図
8の構成では、対象物の回転に関する情報として、回転
方向を弁別する信号と回転速度を測定するための信号と
を高精度に得ることができる。
【0041】さらに、品質の良い(アスペクト比の高
い)信号を得るために、図10に示すように、隣接する
素子間の間隔が干渉縞のピッチの4分の1となるよう3
つの受光素子60,61,62を配置することもでき
る。
【0042】図11は、図10の構成における3つの受
光素子60,61,62の各々からの出力信号O1,O
3,O2,2つの受光素子60,61の出力の差信号
(O1−O3),2つの受光素子61,62の出力の差
信号(O3−O2)をそれぞれ示す図である。図10の
ように、隣接する素子間の間隔が干渉縞のピッチの4分
の1となるよう3つの受光素子60,61,62を配置
すると、図11に示すように、3つの受光素子60,6
1,62の各出力信号O1,O3,O2は、90゜の位
相差となり、従って、差信号(O1−O3)と差信号
(O3−O2)とは、互いに90゜位相差をもつととも
に、より完全に近い(より品質の良い)正弦波となる。
この場合、90゜位相差をもつ差信号(O1−O3),
(O3−O2)をA相信号,B相信号として用いること
で、対象物の回転方向を精度良く検出することができる
とともに、個々の差信号(O1−O3),(O3−O
2)自体により、対象物の回転速度を精度良く測定する
ことができる。
【0043】また、上述の各実施例の回転センサにおい
て、さらに、回折格子3,回折格子4の少なくとも一方
(例えば、いずれか一方)を、図12(a)に示すように、
2つの領域ua,ubに分けることも可能である。すなわ
ち、各領域ua,ubは同じピッチΛ1(またはΛ2,Λ3)
を有しているが、ピッチの位相が互いに異なっている。
このようにすることによって、図12(b)に示すよう
に、コリメータ光の光断面60内に各領域ua,ubに対
応した位相の異なる2種類の干渉縞Ia,Ib(各干渉縞
Ia,IbのピッチはΛ0)を発生させることができ、この
干渉縞Ia,Ibの縞方向Yに2つの受光素子(例えばフ
ォトダイオード等)7a,7bを並べて配置し、各受光
素子7a,7bから所定の信号をそれぞれ得ることもで
きる。
【0044】ここで、受光素子7a,7bは干渉縞の間
隔よりも小さい受光面を有している。また、2つの領域
ua,ubの回折格子ピッチの位相差β1は、2π/(4|
n−m|)であるのが良い。なお、n,mは、領域が分
離されている回折格子の回折次数である。例えば、1番
目の回折格子3が2つの領域に分けられているとする
と、n,mはそれぞれn1,m1である。また、2番目の
回折格子4が2つの領域に分けられているとすると、
n,mはそれぞれn2,m2である。従って、例えば、1
番目の回折格子3の1次光と−1次光を用い(n1=1,
m1=−1)また、2番目の回折格子4の−1次光と1次
光とを用いるとした場合(n2=−1,m2=1)におい
て、2番目の回折格子4を2つの領域に分けるときに
は、回折格子ピッチの位相差β1を2π/8に設定する
のが良い。
【0045】また、2番目の回折格子4の−1次光と1
次光を用いるときには、回折格子4の各領域ua,ubの
位相差β1に対して、干渉縞Ia,Ibの位相差β0は、次
式のようになる。すなわち、2番目の回折格子4の−1
次光と1次光を用いる場合には、2番目の回折格子4の
位相のずれに対して干渉縞の位相のずれが1−(−1)=
2倍となることから、次式が導き出される。
【0046】
【数6】β0=2β1
【0047】従って、2番目の回折格子4において、各
領域Ia,Ibのピッチの位相差β1が上述のように2π
/8に設定されているときには、干渉縞Ia,Ibのピッ
チの位相差β0は、2π/4となり、各受光素子7a,
7bからは、干渉縞のピッチが1/4ずれた90°の位
相差をもつ2つの正弦波信号(すなわち、A相信号,B
相信号)をそれぞれ得ることができる。これにより、9
0゜の位相差をもつA相信号,B相信号を方向弁別信号
として回転方向の検出に用いることができ、また、A相
信号とB相信号との差をとることで、この差信号を回転
速度の測定に用いることができる。そして、回転速度の
測定に差信号を用いることによって、品質の良い正弦波
を得ることができ、高精度に回転速度を測定することが
できる。
【0048】なお、上記のようなA相信号,B相信号
は、前述のように例えば図8の回転センサにおいても実
現できる。しかしながら、図8の回転センサでは、1つ
の干渉縞からA相,B相を検出するため、干渉縞がずれ
た場合には、A相,B相の位相がずれ易く、移動方向に
ついての検出誤りが発生しやすいという問題がある。
【0049】これに対して、回析格子3または4の領域
を2つに分けて2つの干渉縞Ia,Ibを発生させ、2つ
の受光素子7a,7bを干渉縞の方向Yに並べて配置
し、受光素子7a,7bにおいて2つの干渉縞Ia,Ib
からA相,B相の信号を直接得る場合には、回析格子3
または4のずれによる干渉縞の傾きなどに対して、検出
誤りを少なくすることができ、特に、A相信号,B相信
号の位相がずれにくく、回転方向についての検出誤りが
発生するのを著しく低減することができる。
【0050】なお、この場合も、±1次光のみならず、
さらに高次光を用いるように拡張可能である。すなわ
ち、例えば図13に示すように、1番目の回折格子3で
発生するn1次光であって2番目の回折格子4のn2次光
と、1番目の回折格子3で発生するm1次光であって、
2番目の回折格子4のm2次光とを回折格子4の回転に
関する情報(回転速度や回転方向など)を得るために用
いることもできる。
【0051】この場合、1番目の回折格子3での回折条
件は次式により表わされる。
【0052】
【数7】sinθ11=n1λ/Λ1 sinθ12=m1λ/Λ1
【0053】また、2番目の回折格子4での回折条件は
次式により表わされる。
【0054】
【数8】−sinθ21+sinθ11=n2λ/Λ2 −sinθ22+sinθ12=m2λ/Λ2
【0055】数7と数8とにより、次式が導かれる。
【0056】
【数9】sinθ21=λ(n2/Λ2−n1/Λ1) sinθ22=λ(m2/Λ2−m1/Λ1)
【0057】また、θ21とθ22の角度の光による干渉縞
のピッチは次式で表される。
【0058】
【数10】Λ0=λ/(sinθ21+sinθ22)
【0059】数9と数10とを用いてΛ1,Λ2とΛ0と
の関係が次式のように求められる。
【0060】
【数11】 Λ0=1/[(n2+m2)/Λ2−(n1+m1)/Λ1]
【0061】数11から、高次光を用いる場合にも、±
1次光を用いる場合と同様に、干渉縞のピッチΛ0は、
1番目の回折格子3のピッチΛ1と2番目の回折格子4
のピッチΛ2とにだけ関係し、光源からの光の波長には
全く無関係となり、光源1に半導体レーザのような波長
変化の大きい光源が用いられる場合でも、その波長変化
の影響を受けない。
【0062】なお、高次光の選び方としては、前述のよ
うに、2つの回折格子3,4からの2つの出射光がほぼ
平行にならなければならないので、1番目の回折格子3
でのn1次光であって2番目の回折格子4でのm1次光
と、1番目の回折格子3でのn2次光であって2番目の
回折格子4でのm2次光との干渉では、Λ1≒Λ0を例に
とると、次式を満たさなければならない。
【0063】
【数12】n1+m1=n2+m2
【0064】また、このように、2番目の回折格子4の
高次光を用いる場合、あるいは、1番目の回折格子3の
高次光を用いる場合、回折格子の領域ua,ubの位相差
β1に対して、干渉縞の位相差β0は次式のようになる。
すなわち、2番目の回折格子4のn2次光とm2次光を用
いる場合には、2番目の回折格子4の位相のずれに対し
て干渉縞の位相のずれが(n2−m2)倍となることから次
式が導き出される。
【0065】
【数13】β0=(n2−m2)β1
【0066】従って、β0=π/2とすると、β1=π/
[2(n2−m2)]となる。
【0067】また、図14に示すように光を重ねた光径
(図では円とする)中に干渉縞の明暗を1個ずつ発生さ
せたときに、受光素子7a,7bの各々に対して、干渉
縞の明暗に相当する間隔(干渉縞のピッチΛ0の半分Λ0
/2)をへだてて、さらに、受光素子8a,8bを配置
し、受光素子7aと受光素子8aの出力の差,受光素子
7bと受光素子8bの出力の差をとるような構成とする
こともできる。
【0068】図15は、図14の構成において、回折格
子3または4の一方の領域,例えばuaにおける受光素
子7aの出力信号a1,受光素子8aの出力信号a2,
2つの受光素子7a,8aの出力の差信号(a1−a
2)をそれぞれ示す図である。図15からわかるよう
に、受光素子7a,8aは、干渉縞のピッチの半分の間
隔で配置されているので、受光素子7a,8aの出力信
号a1,a2は、180゜の位相差となり、従って、受
光素子7a,8aの出力a1,a2の差をとり差信号
(a1−a2)とすることにより、図4の正弦波状信号
からバイアス成分t1を除去することができ、アスペク
ト比の高い良好な正弦波状信号を得ることができる。受
光素子7a,8aの出力の差信号(a1−a2)と受光
素子7b,8bの出力の差信号(b1−b2)とは、図
16に示すようになり、(a1−a2),(b1−b
2)を最終的な出力とすることによって、90゜の位相
差をもつ良好なA相信号,B相信号を得ることができ
て、より高精度に回転速度を測定することができる。ま
た、この場合に、図17に示すように、受光素子7a,
8a;7b,8bの幅Hを小さくすることにより、バイ
アス成分t1をさらに小さくすることができ、差信号の
振幅を大きくすることができて、より一層、完全に近い
良質な正弦波状信号を得ることができる。但し、幅Hを
小さくすると、受光量も減少するので、受光素子7a,
8a;7b,8bの幅Hについては、用途等に応じ、適
当なものに設計するのが良い。また、上述の例では、干
渉縞の明暗に相当する間隔(干渉縞のピッチの半分)を
へだてて受光素子7a,8a;7b,8bを配置した
が、このような配置例に限らず、種々の変形も可能であ
る。
【0069】なお、上述の実施例では、光源1としてレ
ーザを用いており、レーザは干渉性がよいので干渉縞が
はっきり現われ、出力が取りやすいので最も良いが、光
源1としては、レーザに限定されることなく、他の光源
を用いることもできる。例えばLEDのような位相の揃
っていない光源でも、発光面積の小さいものであれば干
渉するので使用できる。
【0070】また、レンズ2は、必ずしも光をコリメー
トするものである必要は無く、光を集光させるものであ
ってもよいし発散させるものであってもよい。また、レ
ンズ2は必ずしも設ける必要はない。すなわち、光源1
からの光を重ね合わせれば測定に必要な干渉縞が発生す
るので、光を重ね合わせることができれば、レンズ2は
必ずしも必要でない。
【0071】また、上述の実施例では、光源1からの光
を回折格子に垂直入射させる場合について説明したが、
本発明は、光源1からの光を回折格子に垂直入射させる
場合に限定されず、垂直に入射させない場合であっても
適用可能である。
【0072】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
発明によれば、所定の対象物の回転に関する情報を検知
する回転センサにおいて、光源と、光源からの光を回折
してn1次光,n2次光(n1,n2は整数)の第1回折光
を発生させる第1番目の回折格子と、前記第1番目の回
折格子からのn1次光,n2次光の第1回折光をそれぞれ
回折してm1次光,m2次光(m1,m2は整数)の第2回
折光を発生させる第2番目の回折格子と、該第2番目の
回折格子からのm1次光とm2次光との間での干渉により
発生する干渉縞の位相の変化を検出する検出手段とを有
し、前記第1番目の回折格子と前記第2番目の回折格子
とは、前記対象物の回転軸線を中心として対称に配設さ
れ、前記第1番目の回折格子と前記第2番目の回折格子
が前記回転軸線を中心として回転する場合に、前記2つ
の回折格子が、回転に応じた変位量で、回折格子の長手
方向に相対的に変位し、2つの回折格子の長手方向への
相対的な変位に伴なって前記干渉縞の位相が変化するこ
とを前記検出手段で検出して、対象物の回転に関する情
報を検出するので、従来の光ファイバジャイロのよう
に、光ファイバなどを用いる必要がなく、小型化,低コ
ストの装置で、対象物の回転に関する情報を検出するこ
とができる。
【0073】また、請求項2記載の発明によれば、光源
からの光をレンズにより集光して2つの回折格子に入射
させるので、光スポットが小さくなり、より小型の回転
センサを提供することができる。
【0074】また、請求項3記載の発明によれば、光源
からの光をレンズによりコリメートして2つの回折格子
に入射させるので、発生する干渉縞を一定の等ピッチの
ものにすることができ、検出手段(受光手段)を単純な大
きさ(3分割PDのようにピッチが一定のもの)にするこ
とができる。
【0075】また、請求項4記載の発明によれば、n1
=q,n2=−q,m1=p,m2=−p(q,pは整数)
なる回折次数を用いるので、光軸に対して対称的な構成
になり、検出動作が安定になる。
【0076】また、請求項5記載の発明によれば、干渉
縞のピッチの4分の1の間隔をもつ3個の受光器で前記
干渉縞を受光し、相隣り合う2つの受光器の出力の差を
とるので、位相が90°異なる2個の正弦波信号を得る
ことができ、回転に関する情報を高精度に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転センサの一実施例の構成図で
ある。
【図2】図1の回転センサの動作原理を説明するための
図である。
【図3】図1の回転センサの動作原理を説明するための
図である。
【図4】図1の回転センサの受光素子から出力される信
号を示す図である。
【図5】干渉縞のピッチの半分の間隔をへだてて2つの
受光素子が配置されている回転センサの構成例を示す図
である。
【図6】図5の構成の回転センサの各受光素子からの出
力信号を示す図である。
【図7】図5の構成の回転センサにおいて、各受光素子
の幅を小さくした状態を示す図である。
【図8】干渉縞のピッチの4分の1の間隔をへだてて2
つの受光素子が配置されている回転センサの構成例を示
す図である。
【図9】図8の構成の回転センサの各受光素子からの出
力信号を示す図である。
【図10】隣接する素子間の間隔が干渉縞のピッチの4
分の1となるように3つの受光素子が配置されている回
転センサの構成例を示す図である。
【図11】図10の構成の回転センサの各受光素子から
の出力信号を示す図である。
【図12】回折格子の構成例並びに干渉縞の発生例を示
す図である。
【図13】2つの回折格子からの高次光を用いる場合の
構成を示す図である。
【図14】干渉縞の方向に並置された受光素子の各々に
対し、干渉縞のピッチの半分を隔てて、さらに受光素子
が配置されている回転センサの構成例を示す図である。
【図15】図14の構成の回転センサの一方の領域にお
ける受光素子からの出力信号を示す図である。
【図16】図14の回転センサの最終的な出力信号を示
す図である。
【図17】図14の回転センサにおいて、各受光素子の
幅を小さくした状態を示す図である。
【図18】従来の光ファイバジャイロの構成例を示す図
である。
【図19】図18の光ファイバジャイロの回転Ωと出力
Pとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光源 2 レンズ 3 第1番目の回折格子 4 第2番目の回折格子 5,6 弾性体部材 7 受光素子 10 回転センサ 12 干渉縞 90 検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/00 - 19/72 G01P 15/00 - 15/18 G01B 11/00 - 11/30 102

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の対象物の回転に関する情報を検知
    する回転センサにおいて、光源と、光源からの光を回折
    してn1次光,n2次光(n1,n2は整数)の第1回折光
    を発生させる第1番目の回折格子と、前記第1番目の回
    折格子からのn1次光,n2次光の第1回折光をそれぞれ
    回折してm1次光,m2次光(m1,m2は整数)の第2回
    折光を発生させる第2番目の回折格子と、該第2番目の
    回折格子からのm1次光とm2次光との間での干渉により
    発生する干渉縞の位相の変化を検出する検出手段とを有
    し、前記第1番目の回折格子と前記第2番目の回折格子
    とは、前記対象物の回転軸線を中心として対称に配設さ
    れ、前記第1番目の回折格子と前記第2番目の回折格子
    が前記回転軸線を中心として回転する場合に、前記2つ
    の回折格子が、回転に応じた変位量で、回折格子の長手
    方向に相対的に変位し、2つの回折格子の長手方向への
    相対的な変位に伴なって前記干渉縞の位相が変化するこ
    とを前記検出手段で検出して、対象物の回転に関する情
    報を検出することを特徴とする回転センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回転センサにおいて、前
    記光源からの光を集光するためのレンズがさらに設けら
    れており、光源からの光を該レンズによって集光して前
    記2つの回折格子に入射させることを特徴とする回転セ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の回転センサにおいて、前
    記光源からの光をコリメートするためのレンズがさらに
    設けられており、光源からの光を該レンズによリコリメ
    ートして前記2つの回折格子に入射させることを特徴と
    する回転センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の回転センサにおいて、前
    記第1回折光の回折次数をn1,n2とし、前記第2回折
    光の回折次数をm1,m2とするとき、n1=q,n2=−
    q,m1=p,m2=−p(q,pは整数)なる回折次数を
    用いて干渉縞を発生させることを特徴とする回転セン
    サ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の回転センサにおいて、前
    記検出手段は、前記干渉縞のピッチの4分の1の間隔を
    へだてて配置された3個の受光器を有し、3つの受光器
    で前記干渉縞を受光し、隣り合う2つの受光器の出力の
    差をとって位相が90°異なる2個の正弦波信号を得る
    ことを特徴とする回転センサ。
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