JP3142689B2 - 疲労強度の優れたばね - Google Patents
疲労強度の優れたばねInfo
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- JP3142689B2 JP3142689B2 JP05159165A JP15916593A JP3142689B2 JP 3142689 B2 JP3142689 B2 JP 3142689B2 JP 05159165 A JP05159165 A JP 05159165A JP 15916593 A JP15916593 A JP 15916593A JP 3142689 B2 JP3142689 B2 JP 3142689B2
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- nitrogen
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- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐疲労性に優れたばねに
関し、このばねはとりわけ高い疲労強度が要求される自
動車エンジン弁ばね用などとして有用である。
関し、このばねはとりわけ高い疲労強度が要求される自
動車エンジン弁ばね用などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の軽量化や高出力化が進む
につれて、エンジンやサスペンション等に使用される弁
ばねや懸架ばね等のばねにおいても、高応力設計が指向
されており、負荷応力の増加に対応するため、耐疲労性
や耐へたり性においても優れたものが強く望まれてい
る。
につれて、エンジンやサスペンション等に使用される弁
ばねや懸架ばね等のばねにおいても、高応力設計が指向
されており、負荷応力の増加に対応するため、耐疲労性
や耐へたり性においても優れたものが強く望まれてい
る。
【0003】特に弁ばねにおいてはとりわけ高い疲労強
度が要求されており、JISに規定されている従来のば
ね鋼のうち疲労強度の優れたSWOSC−V(JIS
G3566)でも対応が困難になってきた。そこでこう
した問題に対処するため、素材の高強度化に加えて非金
属介在物の小型化等によって疲労強度を高める方法が提
案されている(例えば特開昭63−216951号、特
開昭60−247453号等)。
度が要求されており、JISに規定されている従来のば
ね鋼のうち疲労強度の優れたSWOSC−V(JIS
G3566)でも対応が困難になってきた。そこでこう
した問題に対処するため、素材の高強度化に加えて非金
属介在物の小型化等によって疲労強度を高める方法が提
案されている(例えば特開昭63−216951号、特
開昭60−247453号等)。
【0004】一般的に鋼材の疲労は、材料の表面または
内部に存在する介在物等の欠陥を起点としてクラックが
発生・進展し破壊に至る。ここで、素材を高強度化する
ことにより表面硬さを高めたり、あるいは非金属介在物
を小型化することによって、従来よりも疲労強度の高い
ばねが得られるようになってきた。特に最近では、製鋼
技術の向上によってばね用鋼の介在物量は著しく減少
し、介在物を起点とする疲労破壊の発生は希になってき
ており、疲労破壊が生じる場合はほとんどが表面起点と
なっている。従って、疲労強度を更に向上させるには表
面を強化する必要があるが、合金元素の増量添加によっ
て素材強度を上げるにしても、ばね素線の製造面で限界
がある。そのため、窒化等の表面処理によって表層部の
みを強化する方法が検討され、窒化処理条件を規定した
ばねの製造方法が提案されている(例えば特開昭52−
10833号、特開昭63−176430号等)。
内部に存在する介在物等の欠陥を起点としてクラックが
発生・進展し破壊に至る。ここで、素材を高強度化する
ことにより表面硬さを高めたり、あるいは非金属介在物
を小型化することによって、従来よりも疲労強度の高い
ばねが得られるようになってきた。特に最近では、製鋼
技術の向上によってばね用鋼の介在物量は著しく減少
し、介在物を起点とする疲労破壊の発生は希になってき
ており、疲労破壊が生じる場合はほとんどが表面起点と
なっている。従って、疲労強度を更に向上させるには表
面を強化する必要があるが、合金元素の増量添加によっ
て素材強度を上げるにしても、ばね素線の製造面で限界
がある。そのため、窒化等の表面処理によって表層部の
みを強化する方法が検討され、窒化処理条件を規定した
ばねの製造方法が提案されている(例えば特開昭52−
10833号、特開昭63−176430号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし本発明者らが種
々研究を行なったところによると、単に窒化処理等を施
すだけでは必ずしも疲労強度の大幅な改善効果が得られ
ないこともあり、例えば窒化条件が同じであっても窒化
後の表面硬さが同じになるとはかぎらず、所要の疲労特
性が得られないこともある。従って、耐疲労性や耐へた
り性において安定した品質のばね製品を得るには、これ
らの特性に及ぼす鋼材の化学成分および窒化処理後のば
ね特性を明確にする必要がある。
々研究を行なったところによると、単に窒化処理等を施
すだけでは必ずしも疲労強度の大幅な改善効果が得られ
ないこともあり、例えば窒化条件が同じであっても窒化
後の表面硬さが同じになるとはかぎらず、所要の疲労特
性が得られないこともある。従って、耐疲労性や耐へた
り性において安定した品質のばね製品を得るには、これ
らの特性に及ぼす鋼材の化学成分および窒化処理後のば
ね特性を明確にする必要がある。
【0006】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、用いる鋼材の化学成分を
特定すると共に窒化処理後のばね特性を明確にし、それ
により優れた耐疲労性や耐へたり性を安定して発揮し得
る様なばねを提供しようとするものである。
たものであって、その目的は、用いる鋼材の化学成分を
特定すると共に窒化処理後のばね特性を明確にし、それ
により優れた耐疲労性や耐へたり性を安定して発揮し得
る様なばねを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るばねの構成は、重量比で C:0.4〜0.8% Si:0.8〜4.0% Mn:0.2〜2.0% Cr:0.4〜3.0% を含有し、更に V:0.05〜0.50% Nb:0.05〜0.50% Ni:0.2〜2% Mo:0.1〜1.0%よりなる群から選ばれる少なく
とも1種の元素を含み、残部Feおよび不可避不純物か
らなる鋼を窒化処理してなり、表面から10μm以内の
窒素量が0.5〜2%、窒素拡散深さが0.07mm以
上、内部硬さがビッカース硬さで470以上であるとこ
ろに要旨を有するものである。また上記ばねにおいて、
表面あらさ(Rmax)と表面から10μm以内の窒素
量(Ns)の関係がRmax≦15/Nsであるもの
は、耐疲労性において一層優れた性能を発揮する。
のできた本発明に係るばねの構成は、重量比で C:0.4〜0.8% Si:0.8〜4.0% Mn:0.2〜2.0% Cr:0.4〜3.0% を含有し、更に V:0.05〜0.50% Nb:0.05〜0.50% Ni:0.2〜2% Mo:0.1〜1.0%よりなる群から選ばれる少なく
とも1種の元素を含み、残部Feおよび不可避不純物か
らなる鋼を窒化処理してなり、表面から10μm以内の
窒素量が0.5〜2%、窒素拡散深さが0.07mm以
上、内部硬さがビッカース硬さで470以上であるとこ
ろに要旨を有するものである。また上記ばねにおいて、
表面あらさ(Rmax)と表面から10μm以内の窒素
量(Ns)の関係がRmax≦15/Nsであるもの
は、耐疲労性において一層優れた性能を発揮する。
【0008】
【作用】上記の様に本発明では、使用する鋼材の化学成
分を特定すると共に、窒化処理後の表層部の窒素量と窒
素拡散深さおよび内部硬さを特定し、あるいはこれらに
加えて表面あらさと表層部の窒素量との関係を特定する
ことによって、安定した耐疲労性と耐へたり性を確保す
るものであり、以下、それらの設定理由を詳述する。
分を特定すると共に、窒化処理後の表層部の窒素量と窒
素拡散深さおよび内部硬さを特定し、あるいはこれらに
加えて表面あらさと表層部の窒素量との関係を特定する
ことによって、安定した耐疲労性と耐へたり性を確保す
るものであり、以下、それらの設定理由を詳述する。
【0009】まず、鋼材の化学成分を定めた理由につい
て述べる。Cは、高応力が負荷されるばね鋼として十分
な強度を付与するために不可欠の元素であり、0.4%
以上含有させなければならない。しかし、0.8%を超
えると靭延性が極端に劣化しばね成形時に折損し易くな
るので、C含有量は0.4〜0.8%とする。Siは、
製鋼時の脱酸に必要であり、しかも窒化処理における軟
化抵抗を上げてばねの内部硬さを確保するのに必要な元
素であり、0.8%未満ではその効果が有効に発揮され
ない。しかし4.0%を超えると靭延性の低下が顕著に
なるので、Si含有量は0.8〜4.0%とした。
て述べる。Cは、高応力が負荷されるばね鋼として十分
な強度を付与するために不可欠の元素であり、0.4%
以上含有させなければならない。しかし、0.8%を超
えると靭延性が極端に劣化しばね成形時に折損し易くな
るので、C含有量は0.4〜0.8%とする。Siは、
製鋼時の脱酸に必要であり、しかも窒化処理における軟
化抵抗を上げてばねの内部硬さを確保するのに必要な元
素であり、0.8%未満ではその効果が有効に発揮され
ない。しかし4.0%を超えると靭延性の低下が顕著に
なるので、Si含有量は0.8〜4.0%とした。
【0010】Mnも鋼の脱酸に有効であり、また焼入れ
性を高めて素線の内部硬さを確保するのに必要な元素で
あるが、0.2%未満ではその効果が不十分であり、一
方2.0%を超えると靭延性が劣化するため、Mn含有
量は0.2〜2.0%の範囲とした。Crは、窒化物を
形成し易く窒化による表面硬さの増加に有効であり、且
つ窒化処理における軟化抵抗を上げてばねの内部硬さを
確保するために欠くことのできない元素であり、0.4
%未満ではこれらの効果を十分に発揮させることができ
ない。しかし、3.0%を超えると靭延性が劣化するの
で、その範囲は0.4〜3.0%とした。本発明で用い
る鋼材は上記4元素に加えて、下記の特徴を与えるため
V,Nb,NiおよびMoよりなる群から選択される少
なくとも1種の元素を含有させることが必要である。
性を高めて素線の内部硬さを確保するのに必要な元素で
あるが、0.2%未満ではその効果が不十分であり、一
方2.0%を超えると靭延性が劣化するため、Mn含有
量は0.2〜2.0%の範囲とした。Crは、窒化物を
形成し易く窒化による表面硬さの増加に有効であり、且
つ窒化処理における軟化抵抗を上げてばねの内部硬さを
確保するために欠くことのできない元素であり、0.4
%未満ではこれらの効果を十分に発揮させることができ
ない。しかし、3.0%を超えると靭延性が劣化するの
で、その範囲は0.4〜3.0%とした。本発明で用い
る鋼材は上記4元素に加えて、下記の特徴を与えるため
V,Nb,NiおよびMoよりなる群から選択される少
なくとも1種の元素を含有させることが必要である。
【0011】VおよびNbは、焼入れ・焼戻し等の熱処
理において結晶粒を微細化し、靭延性の向上に寄与す
る。更に窒化処理工程で二次析出強化して内部硬さを高
めると共に、窒化物を形成し易い元素であるため添加さ
れるもので、これらの効果は夫々0.05%以上含有さ
せることによって有効に発揮される。しかし夫々0.5
%を超えて過剰に含有させると、鋼材の段階で粗大な炭
化物や窒化物を析出し易くなって靭延性に悪影響を及ぼ
す様になる。
理において結晶粒を微細化し、靭延性の向上に寄与す
る。更に窒化処理工程で二次析出強化して内部硬さを高
めると共に、窒化物を形成し易い元素であるため添加さ
れるもので、これらの効果は夫々0.05%以上含有さ
せることによって有効に発揮される。しかし夫々0.5
%を超えて過剰に含有させると、鋼材の段階で粗大な炭
化物や窒化物を析出し易くなって靭延性に悪影響を及ぼ
す様になる。
【0012】Niは、焼入れ・焼戻し後の靭延性の向上
に有効な元素で、また焼入れ性向上効果によって素線の
内部硬さを高める作用も有しており、それらの効果は
0.2%以上含有させることによって有効に発揮され
る。しかし、それらの効果は2.0%で飽和し、しかも
熱間圧延時にベイナイトあるいはマルテンサイト組織が
発生し易くなって靭延性の劣化を招くので、それ以上の
添加はかえって不利益となる。
に有効な元素で、また焼入れ性向上効果によって素線の
内部硬さを高める作用も有しており、それらの効果は
0.2%以上含有させることによって有効に発揮され
る。しかし、それらの効果は2.0%で飽和し、しかも
熱間圧延時にベイナイトあるいはマルテンサイト組織が
発生し易くなって靭延性の劣化を招くので、それ以上の
添加はかえって不利益となる。
【0013】Moも、窒化処理時に二次析出強化して内
部硬さを高める作用があり、0.1%以上含有させるこ
とが有効である。しかし、1%を超えると熱処理時にベ
イナイトあるいはマルテンサイト組織が生成し易くなっ
て素線の製造が困難になる。
部硬さを高める作用があり、0.1%以上含有させるこ
とが有効である。しかし、1%を超えると熱処理時にベ
イナイトあるいはマルテンサイト組織が生成し易くなっ
て素線の製造が困難になる。
【0014】次に、窒化処理後のばねの特性についてそ
の限定理由を説明する。本発明者らは前記従来技術で指
摘した様な問題点に鑑み、上記成分組成を満足する鋼材
を用いた窒化ばねの内部特性と疲労特性の関係について
従来よりも高負荷応力下において研究を重ねた結果、以
下に示す知見を得た。 (1)窒化処理によって表層部の硬さと圧縮残留応力が
増加するが、これらは表層部の窒素量に対応しており、
疲労特性に対して適正な窒素量範囲が存在する。
の限定理由を説明する。本発明者らは前記従来技術で指
摘した様な問題点に鑑み、上記成分組成を満足する鋼材
を用いた窒化ばねの内部特性と疲労特性の関係について
従来よりも高負荷応力下において研究を重ねた結果、以
下に示す知見を得た。 (1)窒化処理によって表層部の硬さと圧縮残留応力が
増加するが、これらは表層部の窒素量に対応しており、
疲労特性に対して適正な窒素量範囲が存在する。
【0015】そして、窒化処理材の表層から10μm以
内における窒素量が0.5%以上になると表層硬さの増
加が大きく、疲労寿命が著しく向上する。しかし、2%
以上になると表層硬さは更に高くなるが、表面に硬質で
脆弱な窒化物の形成が著しくなるため疲労寿命は逆に低
下することが分かった。そこで本発明では、表層から1
0μm以内における窒素量範囲を0.5〜2%と定め
た。ちなみに図1は、表面から10μm以内の窒素量
(Ns)と内部硬さ、表面硬さ、窒素の拡散深さおよび
疲労寿命の関係を調べた結果をグラフ化して示したもの
であり、上記窒素量(Ns)を0.5〜2%とすること
によって高い疲労寿命を確保し得ることが分かる。但
し、疲労寿命の試験法は後述する通りである。
内における窒素量が0.5%以上になると表層硬さの増
加が大きく、疲労寿命が著しく向上する。しかし、2%
以上になると表層硬さは更に高くなるが、表面に硬質で
脆弱な窒化物の形成が著しくなるため疲労寿命は逆に低
下することが分かった。そこで本発明では、表層から1
0μm以内における窒素量範囲を0.5〜2%と定め
た。ちなみに図1は、表面から10μm以内の窒素量
(Ns)と内部硬さ、表面硬さ、窒素の拡散深さおよび
疲労寿命の関係を調べた結果をグラフ化して示したもの
であり、上記窒素量(Ns)を0.5〜2%とすること
によって高い疲労寿命を確保し得ることが分かる。但
し、疲労寿命の試験法は後述する通りである。
【0016】また、窒素拡散深さが0.07mm以上に
なると表層部の圧縮残留応力の増加が著しくなり、疲労
寿命の向上効果が顕著に現われてくる。従って窒素の拡
散深さを0.07mm以上と定めたが、約0.5mmで
その効果は飽和するので、窒化処理の生産性を考慮する
と、上限は0.5mmが望ましい。上記の様に表層部が
強化されると、疲労破壊は内部から発生し易くなるが、
これを抑制し全体として高レベルの耐疲労特性を確保す
るには、表面から0.5mm以上の深さ位置おける内部
硬さをHv470以上にすることが必要となる。
なると表層部の圧縮残留応力の増加が著しくなり、疲労
寿命の向上効果が顕著に現われてくる。従って窒素の拡
散深さを0.07mm以上と定めたが、約0.5mmで
その効果は飽和するので、窒化処理の生産性を考慮する
と、上限は0.5mmが望ましい。上記の様に表層部が
強化されると、疲労破壊は内部から発生し易くなるが、
これを抑制し全体として高レベルの耐疲労特性を確保す
るには、表面から0.5mm以上の深さ位置おける内部
硬さをHv470以上にすることが必要となる。
【0017】(2)また、窒化処理後に行なわれるショ
ットピーニング処理の条件によって残留応力や表面あら
さは変化するが、耐疲労特性の一層の向上を図るには、
表層部において880N/mm2 以上の圧縮残留応力を
有することが望ましい。しかし、本発明者らが確認した
ところによると、圧縮残留応力の増加を狙って過度のシ
ョットピーニングを施すと、表面粗度が大きくなって疲
労強度は逆に低下する。そしてこの低下度合いは窒素量
が高いほど大きくなり、窒素量に応じて適正な表面粗度
が存在することが分かった。そして種々実験結果から表
面あらさ(Rmax)と表面から10μm以内の窒素量
(Ns)との関係を整理したところ図2に示す結果が得
られ、Rmax(μm)≦15/Nsとすることによ
り、高レベルの疲労寿命がより安定して得られることが
確認された。
ットピーニング処理の条件によって残留応力や表面あら
さは変化するが、耐疲労特性の一層の向上を図るには、
表層部において880N/mm2 以上の圧縮残留応力を
有することが望ましい。しかし、本発明者らが確認した
ところによると、圧縮残留応力の増加を狙って過度のシ
ョットピーニングを施すと、表面粗度が大きくなって疲
労強度は逆に低下する。そしてこの低下度合いは窒素量
が高いほど大きくなり、窒素量に応じて適正な表面粗度
が存在することが分かった。そして種々実験結果から表
面あらさ(Rmax)と表面から10μm以内の窒素量
(Ns)との関係を整理したところ図2に示す結果が得
られ、Rmax(μm)≦15/Nsとすることによ
り、高レベルの疲労寿命がより安定して得られることが
確認された。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成および作
用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下
記実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の
趣旨に適合し得る範囲で変更して実施することも勿論可
能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含ま
れる。
用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下
記実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の
趣旨に適合し得る範囲で変更して実施することも勿論可
能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含ま
れる。
【0019】実施例1 表1に示す化学組成の鋼を熱間圧延により7φmm径の
線材とした後、下記の工程で3.2φmmのばね用素線
を作製し、表2に示す諸元のばねを製造した。圧延線材
→焼鈍→皮削り→パテンティング→伸線→焼入れ焼戻し
→ばね成形
線材とした後、下記の工程で3.2φmmのばね用素線
を作製し、表2に示す諸元のばねを製造した。圧延線材
→焼鈍→皮削り→パテンティング→伸線→焼入れ焼戻し
→ばね成形
【0020】
【表1】
【0021】表1からも明らかである様に、本発明の規
定要件を満たす鋼A1〜A5は、いずれも支障なくばね
状に成形できたが、比較鋼B3はばね成形中に折損が多
発し、比較鋼B4は伸線加工中に断線が多発してばね成
形ができなかった。また成形できたばねについて下記の
工程で疲労試験用ばねを作製し、表2に示す条件で疲労
試験を行なうと共に、ばね素線断面内の窒素量分布およ
び硬さ分布を測定した。なお、全試料とも窒化条件およ
びショットピーニング条件は同一とした。結果を表3に
示す。 ばね→歪取り焼鈍→デスケーリング→窒化処理→ショッ
トピーニング→低温焼鈍
定要件を満たす鋼A1〜A5は、いずれも支障なくばね
状に成形できたが、比較鋼B3はばね成形中に折損が多
発し、比較鋼B4は伸線加工中に断線が多発してばね成
形ができなかった。また成形できたばねについて下記の
工程で疲労試験用ばねを作製し、表2に示す条件で疲労
試験を行なうと共に、ばね素線断面内の窒素量分布およ
び硬さ分布を測定した。なお、全試料とも窒化条件およ
びショットピーニング条件は同一とした。結果を表3に
示す。 ばね→歪取り焼鈍→デスケーリング→窒化処理→ショッ
トピーニング→低温焼鈍
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】表3からも明らかである様に、比較鋼B1
は内部硬さが低く、B2は窒素量が低いため疲労強度が
劣る。これに対し本発明の実施例ばねはいずれも非常に
優れた疲労寿命を有しており、1×107 回でも折損が
発生しない。
は内部硬さが低く、B2は窒素量が低いため疲労強度が
劣る。これに対し本発明の実施例ばねはいずれも非常に
優れた疲労寿命を有しており、1×107 回でも折損が
発生しない。
【0025】実施例2 実施例1に示したA3鋼から製造したばねを使用し、窒
化処理条件を変えた試料a1〜a3、b1〜b4を製作
してばね疲労試験を行なった。尚疲労試験ばねの製造工
程は前記と同じである。供試ばねの特性を表4に、また
疲労試験結果を図1に示す。
化処理条件を変えた試料a1〜a3、b1〜b4を製作
してばね疲労試験を行なった。尚疲労試験ばねの製造工
程は前記と同じである。供試ばねの特性を表4に、また
疲労試験結果を図1に示す。
【0026】
【表4】
【0027】表4および図1からも明らかである様に窒
素量(Ns)、窒素拡散深さ(Nd)が不足するb1,
B2およびb3の疲労寿命は低いの対し、Ns,Nd両
者を満足する本発明ばねa1〜a3は優れた疲労寿命を
示している。また、Nsが2%を超えるもの(b4)
も、疲労寿命が明らかに低下している。
素量(Ns)、窒素拡散深さ(Nd)が不足するb1,
B2およびb3の疲労寿命は低いの対し、Ns,Nd両
者を満足する本発明ばねa1〜a3は優れた疲労寿命を
示している。また、Nsが2%を超えるもの(b4)
も、疲労寿命が明らかに低下している。
【0028】実施例3 前記表1に示した鋼A3から製造したばねを使用し、窒
化処理条件およびショットピーニング条件を変えて処理
し、窒素量と表面あらさ(Rmax)を変化させた試料
a4〜a14を製作し、疲労試験を行なった。結果は図
2および表5に示す通りであり、表面あらさ(Rma
x)と表層部の窒素量(Ns)が「Rmax≦15/N
s」であるものは、安定して優れた疲労寿命を発揮し得
ることが分かる。
化処理条件およびショットピーニング条件を変えて処理
し、窒素量と表面あらさ(Rmax)を変化させた試料
a4〜a14を製作し、疲労試験を行なった。結果は図
2および表5に示す通りであり、表面あらさ(Rma
x)と表層部の窒素量(Ns)が「Rmax≦15/N
s」であるものは、安定して優れた疲労寿命を発揮し得
ることが分かる。
【0029】
【表5】
【0030】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、鋼
材の化学成分を特定すると共に、窒化処理後の表層側の
窒素量と窒素拡散深さ及び内部硬さを特定し、表面およ
び内部の両方からの疲労破壊を抑制する内部特性を与え
ることによって、従来材に比べ高い疲労強度を達成する
ことができ、信頼性の高いばねを提供することになっ
た。
材の化学成分を特定すると共に、窒化処理後の表層側の
窒素量と窒素拡散深さ及び内部硬さを特定し、表面およ
び内部の両方からの疲労破壊を抑制する内部特性を与え
ることによって、従来材に比べ高い疲労強度を達成する
ことができ、信頼性の高いばねを提供することになっ
た。
【図1】表面から10μm以内の窒素量と表面硬さや疲
労寿命の関係を示すグラフである。
労寿命の関係を示すグラフである。
【図2】表面から10μm以内の窒素量と表面あらさが
疲労寿命に及ぼす影響を示すグラフである。
疲労寿命に及ぼす影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 康信 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式 会社神戸製鋼所 神戸製鉄所内 (72)発明者 小林 武夫 京都市右京区梅津西浦町14 サンコール 株式会社内 (72)発明者 寺下 勝 京都市右京区梅津西浦町14 サンコール 株式会社内 (72)発明者 礒野 裕司 京都市右京区梅津西浦町14 サンコール 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 8/26
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比で C:0.4〜0.8% Si:0.8〜4.0% Mn:0.2〜2.0% Cr:0.4〜3.0% を含有し、更に V:0.05〜0.50% Nb:0.05〜0.50% Ni:0.2〜2% Mo:0.1〜1.0%よりなる群から選ばれる少なく
とも1種の元素を含み、残部Feおよび不可避不純物か
らなる鋼を窒化処理してなり、表面から10μm以内の
窒素量が0.5〜2%、窒素拡散深さが0.07mm以
上、内部硬さがビッカース硬さで470以上であること
を特徴する疲労強度に優れたばね。 - 【請求項2】 表面あらさ(Rmax)と表面から10
μm以内の窒素量(Ns)の関係が、Rmax(μm)
≦15/Nsである請求項1記載の疲労強度に優れたば
ね。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05159165A JP3142689B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 疲労強度の優れたばね |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP05159165A JP3142689B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 疲労強度の優れたばね |
Publications (2)
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Family
ID=15687700
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05159165A Ceased JP3142689B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 疲労強度の優れたばね |
Country Status (1)
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