JP3142952U - 植木鉢 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成であっても保温性を保つことができ、かつ植物の育成を促進可能な植木鉢を提供する。
【解決手段】鉢本体11と、鉢本体11の少なくとも一部に設けられた中空部111と、中空部111を鉢本体11の外部に開口させる開口部110と、開口部110に嵌合される蓋部13と、中空部111と鉢本体11の内部とを連通して設けられた流水孔115と、を有する植木鉢1である。
【選択図】図1

Description

本考案は、植物の栽培に使用する植木鉢に関する。詳しくは、簡易な構成であっても保温性を保つことができ、かつ植物の育成を促進可能な植木鉢に関する。
近年、一般家庭の庭先やベランダ等で、自らの手によって花卉や樹木を植え、花壇を設けて観賞し、あるいは、菜園を設けて蔬菜や果樹を生産し、主に自家用に消費する家庭園芸(ガーデニング)を楽しむ人々が増えている。また、それに伴って消費者のニーズも多様化し、育てやすいガーデニング用植物として改良されたものや、海外から輸入されたもの等多種多様な植物が上市されている。
一方、ベランダ等でガーデニングを行う場合には、植物を植えるための植木鉢やプランター等を用い、各植物の性質に合った素材や形状のものを選択する必要がある。従来の植木鉢としては、例えば図4に示す植木鉢4等が挙げられる。この植木鉢4は、鉢本体41の底部に土壌内の余剰水を外部に排出させるための排水孔419を備えた鉢本体41と、排水孔419から流出された余剰水を受けるための水受け皿44とから構成されており、一般的に市場に数多く出回っている植木鉢の一例である。海外から輸入された植物は、日本の気候に適応できないものもあり、これを育成する場合には、その植物の本来の生育環境を再現する必要がある。特に、耐寒性が低い植物を育成する場合には、植木鉢等の内部温度が耐寒温度以下にならないように、例えば植木鉢等を室内に移したり、ヒーターを内蔵した植木鉢(例えば、特許文献1および2参照)を用いたりした凍結防止措置を取る必要がある。
実開平6−19430号公報 特開平9−252653号公報
しかしながら、植木鉢等を室内に移すためには、これを置くためのスペースが必要であるが、マンション等の住宅環境下ではこのようなスペースを確保することは、非常に困難な場合が多い。
また、上記特許文献1および2に記載のヒーター付植木鉢は、構成が複雑であり、ヒーター等の設備費や電気料金等の維持費等の経済的負担を増加させてしまうだけでなく、これらが屋外に設置される際の漏電等の危険性を完全に排除することは困難である。
そこで、本考案は、簡易な構成であっても保温性を保つことができ、かつ植物の育成を促進可能な植木鉢を提供することを目的とする。
本考案の上記目的は、下記手段により達成される。
(1)すなわち、本考案は、鉢本体と、前記鉢本体の少なくとも一部に設けられた中空部と、前記中空部を前記鉢本体の外部に開口させる開口部と、前記開口部に嵌合される蓋部と、前記中空部と前記鉢本体の内部とを連通して設けられた流水孔と、を有する、植木鉢である。
(2)また、本考案は、前記鉢本体の側壁部および前記鉢本体の底部の略全域に亘って前記中空部を設けたことを特徴とする、(1)に記載の植木鉢である。
(3)また、本考案は、前記中空部に充填材を充填したことを特徴とする、(1)または(2)に記載の植木鉢である。
(4)本考案は、また、前記充填材は、水苔、腐葉土、木屑、バーミキュライト、ピートモス、綿花、大鋸屑、米糠もしくはスポンジまたはこれらの混合物である、(3)に記載の植木鉢である。
(5)また、本考案は、前記鉢本体の上部に前記開口部を設けたことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の植木鉢である。
(6)また、本考案は、前記鉢本体の底部に前記開口部を設けたことを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の植木鉢である。
(7)また、本考案は、前記中空部と前記鉢本体の外部とを連通して設けられた第2の流水孔をさらに有する、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の植木鉢である。
(8)また、本考案は、前記蓋部に前記第2の流水孔を設けたことを特徴とする、(7)に記載の植木鉢である。
(9)また、本考案は、前記流水孔または前記第2の流水孔にフィルタを設けたことを特徴とする、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の植木鉢である。
(10)また、本考案は、前記鉢本体または前記蓋部に着脱自在に嵌合される水受け皿をさらに有する、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の植木鉢である。
(11)また、本考案は、前記水受け皿の内外部を連通して設けられた排水孔さらに有する、(10)に記載の植木鉢である。
(12)また、本考案は、前記水受け皿の側壁部に前記排水孔を設けたことを特徴とする、(11)に記載の植木鉢である。
(13)さらに、本考案は、前記排水孔に第2のフィルタをさらに設けたことを特徴とする、(10)または(11)に記載の植木鉢である。
本考案によれば、充填材が断熱材の役割を果たすだけでなく、適切な充填材を選択することで鉢本体内を所望の温度に調節することができるので、鉢本体内を植物の育成条件に合った温度に保つことができる。したがって、例えば耐寒性が低い植物を育成する場合であっても、鉢本体内を植物の育成条件に合った温度に保つことができ、植木鉢を室内に移したとしても暖房設備を必要とせず、常温で植物を育成することができる。
また、上記のような簡易な構成であるので、ヒーター等の温度調節のための煩雑な処置、または設備投資をする必要はない。
本考案によれば、鉢本体内の土壌に充填材から水分が供給されるとともに、充填材には水受け皿内の貯留水から水分が供給されるので、一度の灌水で土壌中の水分を長時間適度な値に保つことができる。従って、灌水の頻度が少なくなり、肥料使用量の低減に役立つ。
本考案によれば、充填材として水苔等の多孔質材を用いることにより、適度な通気性を保つことができる。従って、土壌の固さを調節する等の熟練を要する作業を省くことができる。
さらに、鉢本体内の充填材の存在により、上記した水分量、温度及び通気の調整を行うことができる。従って、熟練を要することなく簡易な方法で、鉢本体内の保水性、保温性及び換気性をバランスよく保つことができる。
以下、本考案の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本考案の実施形態にかかる植木鉢1の構成を模式的に示した縦断面図である。図1に示すように、本考案の植木鉢1は、植物を植えるための鉢本体11と、植物を育成に必要な用土等を出し入れするための開口部110と、開口部110を閉塞して後述する充填材(図示せず。)等が外部に飛散するのを防ぐための蓋部13と、鉢本体11から排出される余剰水を一時的に貯水するための水受け皿14とから構成されている。ただし、設置場所等を考慮して、植木鉢1は、水受け皿14が省略されて、鉢本体11と開口部110と蓋部13とで構成されてもよい。
本考案にかかる鉢本体11の横断面の形状は、略円形である。ただし、個人の嗜好や設置場所等の状況に応じて他の形状、例えば、略楕円形、略多角形、略星型、略ハート型等であってもよい。
鉢本体11には、充填材を充填するための中空部111が、鉢本体11の側壁部および底部の略全域に亘って設けられている。ただし、中空部111は、鉢本体11の一部、例えば、側壁部や底部等のみに設けられてもよく、この場合、1箇所のみに設けられてもよいし、複数箇所に設けられてもよい。また、本考案にかかる中空部111に充填される充填材は、植木鉢1に保温機能、吸水機能、保水機能または通気機能を持たせることができるものである。したがって、充填材としては、上記機能を植木鉢1に持たせることができれば特に限定されず、例えば、水苔、腐葉土、木屑、バーミキュライト、ピートモス、綿花、大鋸屑、米糠もしくはスポンジまたはこれらの混合物等が挙げられ、これらの中では、水苔、バーミキュライト、ピートモス等が好適に利用される。ただし、上記以外の機能を植木鉢1に持たせてもよく、また、充填材以外の部材が充填されてもよい。
鉢本体11には、中空部111と内部との間を水分や養分等が自由に行き来するための流水孔115が、中空部111と内部とを連通して設けられている。このような流水孔115を設けることで、土壌内から余剰水分を除去することができ、あるいは、中空部111内の水分を土壌内に移動させることにより、乾燥を食い止めることができる。ただし、流水孔115の位置や数は、中空部111と内部との間を水分等が自由に行き来することができれば特に限定されるものではなく、鉢本体11の側壁部等に均等に設けられてもよいし、側壁部等の一部に密集して設けられてもよい。また、流水孔115の形状も、例えば、矩形以外にも、円形、楕円形等であってもよい。また、流水孔115には、充填材が外部に流出したり、外部から害虫等が侵入したりするのを防ぐことができるフィルタ(図示せず。)を設置することができる。また、フィルタの形状や大きさ等は、流水孔115の形状や大きさ等に合わせて適宜選択される。
本考案にかかる開口部110は、中空部111を鉢本体11の外部に開口させるために、鉢本体11の底部に設けられている。このような開口部110を設けることで、中空部111に充填材を充填しやすくなり、また、使用後に中空部111から充填材を取り出して洗浄しやすくなる。ただし、開口部110の位置や大きさは、中空部111を外部に開口させることができれば特に限定されるものではなく、底部の略全域に亘って設けられてもよく、あるいは、底部の一部に設けられてもよい。また、開口部110の数も、特に限定されるものではなく、用途に応じて複数設けられてもよい。
本考案にかかる蓋部13は、開口部110に嵌合されてこれを閉塞させるためのものであり、これにより、鉢本体11に着脱自在に取り付けられている。ただし、蓋部13は、開口部110の閉塞を強固にするために、開口部110と螺合して取り付けてもよい。また、開口部110が複数設けられている場合には、開口部110の数に合わせて複数設けられてもよい。
蓋部13には、排水孔132が、中空部111と外部とを連通して設けられている。この排水孔132は、中空部111の余剰水が一定量に達した場合に、鉢本体11の外部に排出させるためのものである。ただし、排水孔132の位置や数は、中空部111の余剰水を外部に排出させることができれば特に限定されるものではなく、蓋部13に均等に設けられてもよいし、密集して設けられてもよい。また、排水孔132の形状も、例えば、矩形以外にも、円形、楕円形等であってもよい。また、排水孔132には、流水孔115と同様にして、フィルタを設置することができる。この場合、フィルタの形状や大きさ等も適宜選択される。
本考案にかかる水受け皿14は、鉢本体11から排出される余剰水を、一次的に貯水するためのものである。このような水受け皿14を設置することで、例えば、鉢本体11を室内等に設置する際に、鉢本体11から排出される余剰水で室内等が汚れる心配がなくなる。また、水受け皿14の形状や大きさ等は、鉢本体11の形状や大きさ等に合わせて適宜選択される。
図2は、本考案の他の実施形態にかかる植木鉢2の構成を模式的に示した縦断面図である。植木鉢2は、鉢本体21と水受け皿24とを螺合させて鉢本体21に着脱自在に取り付けられる構成にした以外は、図1に示す植木鉢1と同様である。したがって、ここでは水受け皿24およびそれに関連する事項について説明し、その他の部材についての説明は省略する。
本考案にかかる水受け皿24は、水受け皿24に貯水されている余剰水25によって、中空部211や内部の乾燥を防ぐために、鉢本体21の底部に水受け皿24を螺合させることにより、鉢本体21に着脱自在に取り付けられている。ただし、水受け皿24と底部とを嵌合させることにより取り付ける構造であってもよい。このような水受け皿24を設置することで、例えば、定期的に水やりができなくなった等の問題を、適量の水を水受け皿24に入れておくだけで解決することができる。また、鉢本体21と水受け皿24とによって形成される密閉空間により、水の蒸発を防ぐこともできる。なお、水受け皿24の形状や大きさ等は適宜選択される。
水受け皿24には、排水孔242が、水受け皿24の内外部を連通して設けられている。この排水孔242は、水受け皿24の余剰水25が一定量に達した場合に、鉢本体21の外部に排出させるためのものである。ただし、排水孔242の位置や数は、特に限定されるものではない。また、排水孔242にはフィルタを設置することができ、フィルタの形状や大きさ等は適宜選択される。さらに、排水孔242には、排水孔242を閉塞させるキャップを設置することもできる。例えば、長期間自宅を留守にするような時に、キャップを用いて排水孔242を閉塞し、水を縁まで満たした水受け皿24を鉢本体21に取り付けておけば、中空部211や内部の乾燥を防ぐことができる。
図3は、本考案の他の実施形態にかかる植木鉢3の構成を模式的に示した縦断面図である。植木鉢3は、蓋部33が鉢本体31の上部に設置される構成にした以外は、図1に示す植木鉢1と同様である。したがって、ここでは蓋部33およびそれに関連する事項について説明し、その他の部材についての説明は省略する。
本考案にかかる蓋部33は、図1の蓋部13と同様にして、開口部310に嵌合させることにより、鉢本体31に着脱自在に取り付けられている。ただし、蓋部33は、螺合されて取り付けられてもよいし、複数設けられてもよい。また、余剰水を外部に排出させるための排水孔319は、中空部311と外部とを連通して底部313に設けられている。この場合、排水孔319の位置、数、形状等は、特に限定されるものではない。また、排水孔319には、フィルタを設置することができ、フィルタの形状や大きさ等は適宜選択される。
本考案にかかる植木鉢3は、上述したとおり、開口部310が鉢本体31の上部に設けられているので、内部に土を入れた後であっても、充填材等を補充したり、交換したりすることができる。なお、ドーナツ状に開口部310を設けた場合には、中空部311を維持するために、鉢本体31の内部に支柱が設けられてもよい。ただし、複数の開口部310を設けた場合には、支柱は不要である。
次に、本考案の実施形態にかかる植木鉢1の使用方法について説明する。図1に示す本考案の植木鉢1は、蓋部13および水受け皿14を鉢本体11から取り外して鉢本体11の中空部111に所定の充填材を充填し、蓋部13および水受け皿14を鉢本体11に取り付けた後、通常の植木鉢と同様にして使用することができる。なお、上述した本考案の他の実施形態である植木鉢2(図2参照)および植木鉢3(図3参照)についても、同様にして使用することができる。
まず、鉢本体11に灌水すると、土壌で吸収しきれなかった水分等が、内部から流水孔115を通って中空部111へ流入し、充填材に吸収される。充填材でも吸収しきれなかった水分等は、中空部111から排水孔132を通って水受け皿14内に流出して貯留される。土壌の乾燥にともなって、充填材に吸収されていた水分等が蒸発し、流水孔115から土壌中に進入し、土壌中の水分等が適度な値に保たれる。同時に、水受け皿14内の貯留水が蒸発し、排水孔132から中空部111に流入し、充填材に吸収される。
すなわち、土壌に充填材から流水孔115を通って水分等が供給されるとともに、充填材には水受け皿14から排水孔132を通って貯留水が供給されるので、一度の灌水で土壌中の水分等を長時間適度な値に保つことができる。このため、灌水の頻度が少なくなり、肥料使用量の低減に役立つ。なお、雨水による多量の灌水があった場合には、水受け皿14に溜まった水分等は一定量を超えると、水受け皿14から溢れ出ることになる。また、図2に示す植木鉢2については、水受け皿24に溜まった水分等は一定量を超えると、排水孔242から流出される。
なお、本考案の植木鉢は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
[比較例1]従来の植木鉢を用いた夏すみれの育成試験
図4に示した従来の植木鉢4を用い、以下の手順で夏すみれの育成試験を行った。なお、夏すみれの苗および夏すみれ用の園芸用土(例えば、赤玉土:腐葉土:粉状パーライト=6:3:1の割合で混ぜたもの)として市販品を用いた。まず、植木鉢4に園芸用土を入れて夏すみれの苗を植え、次いで、園芸用土の表面が湿る程度に水を与えて屋外に置いて育成状態を観察した。観察の際には写真撮影を行い、その結果を図5に示した。図5に示すとおり、一部の花や葉は枯れており、夏すみれの育成状態は不良であった。
[実施例1]本考案を用いた夏すみれの育成試験
図1に示した本考案の植木鉢1を用い、比較例1と同様の手順で同時期に夏すみれの育成試験を行った。ただし、植木鉢1の中空部111に充填する充填材として市販品の水苔を用い、夏すみれの苗および園芸用土として比較例1と同時期に購入したものを用いた。また、比較例1と同様にして、育成状態の観察および写真撮影を行い、結果を図6に示した。図6に示すとおり、比較例1と比較して、花や葉が生い茂り、夏すみれの育成状態は良好であった。
比較例1および実施例1においては、10月下旬に写真撮影を行っており、一般的な夏すみれの開花時期(6〜9月)から外れている。したがって、比較例1および実施例1の結果より、本考案の植木鉢1は、開花時期から外れた場合であっても、植物を育成できることが示唆された。
[比較例2]充填材なしの本考案を用いたネモフィラの育成試験
実施例1と同様の植木鉢1を用い、以下の手順でネモフィラの育成試験を行った。ただし、植木鉢1には充填材を充填しなかった。また、ネモフィラの株およびネモフィラ用の園芸用土(例えば、赤玉土:腐葉土=6:4の割合で混ぜたもの)として市販品を用いた。まず、充填材なしの植木鉢1に園芸用土を入れてネモフィラの株の植え替えを行い、次いで、園芸用土の表面が湿る程度に水を与えて屋外(ベランダ)に置いて育成状態を観察した。観察の際には写真撮影を行い、その結果を図7に示した。図7に示すとおり、殆どのネモフィラは枯れており、育成状態は不良であった。
[実施例2]本考案を用いたネモフィラの育成試験(1)
実施例1と同様の植木鉢1を用い、比較例2と同様の手順で同時期にネモフィラの育成試験を行った。ただし、ネモフィラの株および園芸用土として、比較例2と同時期に購入したものを用いた。また、比較例2と同様にして、育成状態の観察および写真撮影を行い、その結果を図8に示した。図8に示すとおり、比較例2のネモフィラと比較して、葉や花が生い茂り、育成状態も良好であった。
[実施例3]本考案を用いたネモフィラの育成試験(2)
実施例1と同様の植木鉢1を用い、比較例2と同様の手順で同時期にネモフィラの育成試験を行った。ただし、植木鉢1の中空部111に充填する充填材として市販品のバーミキュライトを用い、ネモフィラの株および園芸用土として比較例2と同時期に購入したものを用いた。また、比較例2と同様にして、育成状態の観察および写真撮影を行い、その結果を図9に示した。図9に示すとおり、比較例2のネモフィラと比較して、葉や花が生い茂り、育成状態も良好であった。また、実施例2のネモフィラと同様の育成状態であった。
比較例1、実施例2および実施例3においては、4月下旬に写真撮影を行っており、一般的なネモフィラの開花時期(4〜5月)である。したがって、比較例1、実施例2および実施例3の結果より、本考案の植木鉢1は、充填材を用いる必要があり、また、充填材として、水苔の他にバーミキュライトも適用できることがわかった。
[実施例4]本考案を用いた木立性ベゴニアの育成試験
実施例1と同様の植木鉢1を用い、以下の手順で木立性ベゴニアの育成試験を行った。なお、木立性ベゴニアの株および木立性ベゴニア用の園芸用土(例えば、赤玉土(小粒):ピートモスまたは腐葉土:バーミキュライト:鹿沼土=3:3:3:1の割合で混ぜたもの)として市販品を用いた。まず、植木鉢1に園芸用土を入れて木立性ベゴニアの植え替えを行い、次いで、園芸用土の表面が湿る程度に水を与えて屋外に置いて育成状態を観察した。観察の際には写真撮影を行い、その結果を図10に示した。図10に示すとおり、葉や花が生い茂り、育成状態も良好であった。
実施例4においては、10月下旬に写真撮影を行った。この時期は、一般的な木立性ベゴニアの屋内育成時期(1〜4月および10〜12月)であるにもかかわらず、屋外で育成を行っても育成状態は良好であった。したがって、比較例1、実施例1および実施例4の結果より、本考案の植木鉢1は、従来の植木鉢4と比較して保温効果に優れているので、保温処置を施さなくても耐寒性の低い植物を育成できることが示唆された。
[実施例5]本考案を用いたシクラメンの育成試験
実施例1と同様の植木鉢1を用い、以下の手順でシクラメンの育成試験を行った。なお、シクラメンの株およびシクラメン用の園芸用土(例えば、赤玉土:腐葉土:粉状パーライト=6:3:1の割合で混ぜたもの)として市販品を用いた。まず、植木鉢1に園芸用土を入れてシクラメンの株の植え替えを行い、次いで、園芸用土の表面が湿る程度に水を与えて屋内に置いて育成状態を観察した。その結果、このシクラメンは、一般的なシクラメンよりも花が大きく、株の数は3倍程度であった。
したがって、実施例1、実施例4および実施例5の結果より、本考案の植木鉢1は、従来の植木鉢4と比較して保温効果に優れているので、栄養補給等の処置を施さなくても植物の育成を助長できることが示唆された。
[実施例6]本考案を用いた水仙の育成試験
実施例1と同様の植木鉢1を用い、以下の手順で水仙の育成試験を行った。なお、水仙の球根および水仙用の園芸用土(例えば、赤玉土(小粒):腐葉土=7:3の割合で混ぜたもの)として市販品を用いた。まず、植木鉢1に園芸用土を入れて水仙の球根を植え、次いで、園芸用土の表面が湿る程度に水を与えて屋外に置いて育成状態を観察した。観察の際には写真撮影も行い、その結果を図11に示した。図11に示すとおり、植木鉢1に植えた水仙の球根は開花し、育成状態も良好であった。
実施例6においては、4月まで一度も灌水することなく放置していたが、一般的な水仙と同様に開花した。したがって、実施例6の結果より、本考案の植木鉢1は、常に水分で満たされた状態を嫌う球根類の育成にも適用できることがわかった。
[実施例7]本考案を用いたアジアンタムの育成試験
実施例1と同様の植木鉢1の切断面が四角形である植木鉢を用い、以下の手順でアジアンタムの育成試験を行った。ただし、上記植木鉢の中空部に充填する充填材として、市販品の水苔を用い、アジアンタムの株およびアジアンタム用の園芸用土(例えば、赤玉土(小粒):腐葉土:川砂=5:3:2の割合で混ぜたもの)として、市販品を用いた。まず、植木鉢に園芸用土を入れてアジアンタムの植え替えを行い、次いで、園芸用土の表面が湿る程度に水を与えて屋外に置いて育成状態を観察した。その結果、このアジアンタムは8ヶ月間枯れず、育成状態も良好であった。
[実施例8]本考案を用いたクジャクサボテンの育成試験
実施例7と同様の植木鉢を用い、以下の手順でクジャクサボテンの育成試験を行った。なお、クジャクサボテンの株およびクジャクサボテン用の園芸用土(例えば、赤玉土(中粒):腐葉土:堆肥=5:3:2の割合で混ぜたもの)として市販品を用いた。まず、植木鉢1に園芸用土を入れてクジャクサボテンの植え替えを行い、次いで、園芸用土の表面が湿る程度に水を与えて屋外に置いて育成状態を観察した。その結果、このクジャクサボテンは8ヶ月間枯れず、育成状態も良好であった。
[実施例9]本考案を用いたユキノシタの育成試験
実施例7と同様の植木鉢を用い、以下の手順でユキノシタの育成試験を行った。なお、ユキノシタの株およびユキノシタ用の園芸用土(例えば、赤玉土:鹿沼土:腐葉土:川砂=5:2:2:1の割合で混ぜたもの)として市販品を用いた。まず、植木鉢1に園芸用土を入れてユキノシタの植え替えを行い、次いで、園芸用土の表面が湿る程度に水を与えて屋外に置いて育成状態を観察した。その結果、このユキノシタは8ヶ月間枯れず、育成状態も良好であった。
[実施例10]本考案を用いたヒバの育成試験
実施例7と同様の植木鉢を用い、以下の手順でヒバの育成試験を行った。なお、ヒバの株およびヒバ用の園芸用土(例えば、赤玉土:腐葉土:軽石(小粒)=6:3:1の割合で混ぜたもの)として市販品を用いた。まず、植木鉢1に園芸用土を入れてヒバの植え替えを行い、次いで、園芸用土の表面が湿る程度に水を与えて屋外に置いて育成状態を観察した。その結果、このヒバは8ヶ月間枯れず、育成状態も良好であった。
したがって、実施例7〜10の結果より、植木鉢1の形状を変えたとしても、本考案の効果は保持されることがわかった。
[比較例3]充填材なしの本考案を用いたラナンキュラスの育成試験
実施例1と同様の植木鉢1を用い、以下の手順でラナンキュラスの育成試験を行った。ただし、植木鉢1には充填材を充填しなかった。また、ラナンキュラスの株およびラナンキュラス用の園芸用土(例えば、赤玉土(小粒):腐葉土:バーミキュライト=5:4:1の割合で混ぜたもの)として市販品を用いた。まず、充填材なしの植木鉢1に園芸用土を入れてラナンキュラスの球根を植え、次いで、十分に水を与えて屋外(ベランダ)に置いて育成状態を観察した。観察の際には写真撮影を行い、その結果を図12に示した。図12に示すとおり、一部のラナンキュラスは枯れており、育成状態は不良であった。また、写真撮影を行った際に、外温および植木鉢1の内部の温度をそれぞれ測定したところ、22℃および27℃であった。
[実施例11]本考案を用いたラナンキュラスの育成試験(1)
実施例1と同様の植木鉢1を用い、比較例3と同様の手順で同時期にラナンキュラスの育成試験を行った。ただし、ラナンキュラスの株および園芸用土は、比較例3と同時期に購入したものを用いた。また、比較例3と同様にして育成状態の観察および写真撮影を行い、その結果を図13に示した。図13に示すとおり、比較例3のラナンキュラスと比較して、葉や花が生い茂り、育成状態も良好であった。また、比較例3と同様にして、植木鉢1の内部の温度を測定したところ、22℃であった。
[実施例12]本考案を用いたラナンキュラスの育成試験(2)
実施例1と同様の植木鉢1を用い、比較例3と同様の手順で同時期にラナンキュラスの育成試験を行った。ただし、植木鉢1の充填材として、市販品のバーミキュライトを用い、ラナンキュラスの株および園芸用土として、比較例3と同時期に購入したものを用いた。また、比較例3と同様にして育成状態の観察および写真撮影を行い、その結果を図14に示した。図14に示すとおり、比較例3のラナンキュラスと比較して、葉や花が生い茂り、育成状態も良好であり、また、実施例11のラナンキュラスと同様の育成状態であった。また、比較例3と同様にして、植木鉢1の内部の温度を測定したところ、22℃であった。
[実施例13]本考案を用いたラナンキュラスの育成試験(3)
実施例1と同様の植木鉢1を用い、比較例3と同様の手順で同時期にラナンキュラスの育成試験を行った。ただし、植木鉢1の充填材として、市販品のピートモスを用い、ラナンキュラスの株および園芸用土として、比較例3と同時期に購入したものを用いた。比較例3と同様にして、育成状態の観察および写真撮影を行い、その結果を図15に示した。図15に示すとおり、比較例3のラナンキュラスと比較して、葉や花が生い茂り、育成状態も良好であり、また、実施例11および12のラナンキュラスと同様の育成状態であった。また、比較例3と同様にして、植木鉢1の内部の温度を測定したところ、19℃であった。
比較例3、実施例11〜13においては、4月上旬に写真撮影を行っており、一般的なラナンキュラスの開花時期(4〜5月)である。したがって、比較例3、実施例11〜13の結果より、本考案の植木鉢1は、充填材を充填しないと断熱効果が得られず、また、充填材として、水苔の他にバーミキュライトやピートモスも適用できることがわかった。
本考案は、鉢本体と、前記鉢本体の少なくとも一部に設けられた中空部と、前記中空部を前記鉢本体の外部に開口させる開口部と、前記開口部に嵌合される蓋部と、前記中空部と前記鉢本体の内部とを連通して設けられた流水孔と、を有する植木鉢である。このような構成にすることによって、簡易な構成であっても保温性を保つことができ、かつ植物の育成を促進させることができる。よって、本考案の植木鉢は、園芸用、観賞用、販売用等の植木鉢として、極めて有用である。
本考案の実施形態にかかる植木鉢1の構成を模式的に示した縦断面図である。 本考案の他の実施形態にかかる植木鉢2の構成を模式的に示した縦断面図である。 本考案の他の実施形態にかかる植木鉢3の構成を模式的に示した縦断面図である。 従来の植木鉢4の構成を模式的に示した縦断面図である。 植木鉢4を用いて育成した夏すみれを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(比較例1)。 水苔を充填した植木鉢1を用いて育成した夏すみれを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(実施例1)。 充填材なしの植木鉢1を用いて育成したネモフィラを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(比較例2)。 水苔を充填した植木鉢1を用いて育成したネモフィラを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(実施例2)。 バーミキュライトを充填した植木鉢1を用いて育成したネモフィラを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(実施例3)。 水苔を充填した植木鉢1を用いて育成した木立性ベゴニアを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(実施例4)。 水苔を充填した植木鉢1を用いて育成した水仙を観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(実施例6)。 充填材なしの植木鉢1を用いて育成したラナンキュラスを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(比較例3)。 水苔を充填した植木鉢1を用いて育成したラナンキュラスを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(実施例11)。 バーミキュライトを充填した植木鉢1を用いて育成したラナンキュラスを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(実施例12)。 ピートモスを充填した植木鉢1を用いて育成したラナンキュラスを観察し、写真撮影を行った結果を示した図である(実施例13)。
符号の説明
1,2,3,4・・・植木鉢
11,21,31,41・・・鉢本体
110,310・・・開口部
111,211,311・・・中空部
115・・・流水孔
132,242,319,419・・・排水孔
13,33・・・蓋部
14,24・・・水受け皿
25・・・余剰水

Claims (13)

  1. 鉢本体と、
    前記鉢本体の少なくとも一部に設けられた中空部と、
    前記中空部を前記鉢本体の外部に開口させる開口部と、
    前記開口部に嵌合される蓋部と、
    前記中空部と前記鉢本体の内部とを連通して設けられた流水孔と、
    を有する、植木鉢。
  2. 前記鉢本体の側壁部および前記鉢本体の底部の略全域に亘って前記中空部を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の植木鉢。
  3. 前記中空部に充填材を充填したことを特徴とする、請求項1または2に記載の植木鉢。
  4. 前記充填材は、水苔、腐葉土、木屑、バーミキュライト、ピートモス、綿花、大鋸屑、米糠もしくはスポンジまたはこれらの混合物である、請求項3に記載の植木鉢。
  5. 前記鉢本体の上部に前記開口部を設けたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の植木鉢。
  6. 前記鉢本体の底部に前記開口部を設けたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の植木鉢。
  7. 前記中空部と前記鉢本体の外部とを連通して設けられた第2の流水孔をさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の植木鉢。
  8. 前記蓋部に前記第2の流水孔を設けたことを特徴とする、請求項7に記載の植木鉢。
  9. 前記流水孔または前記第2の流水孔にフィルタを設けたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の植木鉢。
  10. 前記鉢本体または前記蓋部に着脱自在に嵌合される水受け皿をさらに有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の植木鉢。
  11. 前記水受け皿の内外部を連通して設けられた排水孔さらに有する、請求項10に記載の植木鉢。
  12. 前記水受け皿の側壁部に前記排水孔を設けたことを特徴とする、請求項11に記載の植木鉢。
  13. 前記排水孔に第2のフィルタをさらに設けたことを特徴とする、請求項10または11に記載の植木鉢。
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