JP3143610U - 阿波和紙の遊山箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単かつ容易に、しかも多量生産しながら、遊山箱本体に遊山箱蓋を脱着可能に連結して開口部を閉塞できる阿波和紙の遊山箱を提供する。
【解決手段】遊山箱本体20は、外側に積層されてなる外側板紙と、この外側板紙の内側に積層して固定されてなる内側板紙とを有しており、遊山箱本体20の開口部21の端縁において、外側板紙が内側板紙よりも延長している。さらに遊山箱本体20は、外側板紙の延長部11を内側に折り込んで遊山箱本体20の厚みを一部増加させることにより段差を設けており、段差によって形成された線状の溝26に遊山箱蓋22を案内して、遊山箱蓋22が遊山箱本体20と脱着可能に連結して開口部21を閉塞できる。
【選択図】図2
【解決手段】遊山箱本体20は、外側に積層されてなる外側板紙と、この外側板紙の内側に積層して固定されてなる内側板紙とを有しており、遊山箱本体20の開口部21の端縁において、外側板紙が内側板紙よりも延長している。さらに遊山箱本体20は、外側板紙の延長部11を内側に折り込んで遊山箱本体20の厚みを一部増加させることにより段差を設けており、段差によって形成された線状の溝26に遊山箱蓋22を案内して、遊山箱蓋22が遊山箱本体20と脱着可能に連結して開口部21を閉塞できる。
【選択図】図2
Description
本考案は、阿波和紙の遊山箱に関するものであって、詳しくは表面に紙を貼付した阿波和紙の遊山箱に係る。
従来より種々の箱が製作されてきた。例えば弁当箱、裁縫箱、薬箱のように特定の品を収納する箱や、あるいは方形扁平の箱を複数段に重ね、最上部の箱に遊山箱蓋を合わせた重箱、その他、入れ子式の箱など、様々な形態の箱が考案されている。また、素材も多様であり、木、石、象牙、金属など種々にわたる。加えて箱に装飾が施されることもあり、例えば漆工芸では蒔絵、漆絵、木画(もくが)、平文(ひようもん)、螺鈿など、金工では毛彫、透彫(すかしぼり)、象嵌など、またそれらを組み合わせた様々な手法が駆使されて、美しく荘厳された箱もある。
上記のような美術的要素の高い箱の製作においては、専門家に依存する部分が高いが、一方、比較的単純な形状の箱の周囲に装飾紙を貼付することで、容易に箱の意匠性を高める手法も開示されている(例えば特許文献1)。このような装飾貼箱を図28に示す。図28の装飾貼箱500は、身箱503の外面に和紙504を貼着している。また図28(a)は、この装飾貼箱500の分解斜視図である。身箱505は底面501の回りに2枚の側板502及び妻板503をそれぞれ連接して組み立てられている。一方、和紙507は、表面に美麗な印刷が施されており、裏面の全面には粘着材508が塗着され、さらにこの粘着剤508を保護するための離型紙509が積層されている。和紙507を身箱505に貼付する際には、図28(b)に示すように、離型紙509を引きはがして粘着剤508側を身箱505の外面に貼着する。これにより美しい印刷面が箱の外面を装飾した装飾貼箱500となる。
しかしながら、精細な形状の細工箱の表面に紙を貼付する場合、箱の形状が緻密であって製造工程が複雑になりかねない。特に箱の露出する全ての領域、すなわち内側及び外側に紙を貼付する形態にあっては、箱の内側の隅など狭い空間にまで紙を貼付する必要がある。したがって細かい作業が要求されるため、製作するのに手間や時間がかかる問題があった。
一方、携帯可能な弁当箱として遊山箱(ゆさんばこ)が知られる。通常の遊山箱の造りは、外箱に収納される三段重ねの引き出しを有しており、さらに引き出しを収納した状態で外箱を閉塞する蓋と、持ち運び用の取っ手を備える。この遊山箱は木製であって、様々な大きさに手作りされるのが一般的である。そして山野などに出かける際には引き出しにおかずなどを詰めて携行することで、持ち運びできる子供用のお弁当箱として伝統的に利用されていた。近年では、この遊山箱の独特の風情によって箱の魅力が見直されている。ただ、製作に手間がかかるなど生産性が低いためコスト高となり、汎用性に乏しいのが実状であった。
特開平1−320144号公報
本考案は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本考案の主な目的は、簡単かつ容易に、しかも多量生産しながら、遊山箱本体に遊山箱蓋を脱着可能に連結して開口部を閉塞できる阿波和紙の遊山箱を提供することにある。また、本考案の他の大切な目的は、周壁を厚くして強固な構造としながら、能率よく綺麗に製作できる阿波和紙の遊山箱を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本考案の一の阿波和紙の遊山箱は、少なくとも一方向に開口した箱形の遊山箱本体20と、遊山箱本体20の開口部21から出し入れ可能であり、遊山箱本体20の内部に収納されて、かつ多段に積層されてなる複数の引き出し30と、遊山箱本体20内に引き出し30を収納した状態で、遊山箱本体20の開口部21を開閉可能な平板状の遊山箱蓋22とを有する。また遊山箱本体20、引き出し30及び遊山箱蓋22は板紙からなる。さらに遊山箱本体20は、外側に積層されてなる外側板紙19と、この外側板紙19の内側に積層して固定されてなる内側板紙9とを有しており、遊山箱本体20の開口部21の端縁において、外側板紙19が内側板紙9よりも延長している。そして、この遊山箱本体20は、外側板紙19の延長部11を内側に折り込んで遊山箱本体20の厚みを一部増加させることにより段差を設けており、段差によって形成された線状の溝26に遊山箱蓋22を案内して、遊山箱蓋22が遊山箱本体20と脱着可能に連結して開口部21を閉塞できる。
また、本考案の他の阿波和紙の遊山箱は、遊山箱本体20、引き出し30及び遊山箱蓋22の表面に、表面紙4を接着してなることを特徴とする
また、本考案の他の阿波和紙の遊山箱は、和紙であることを特徴とする。
また、本考案の他の阿波和紙の遊山箱は、表面紙4の和紙が天然染料によって染色されていることを特徴とする。
また、本考案の他の阿波和紙の遊山箱は、引き出し30が3段に積層されてなることを特徴とする。
本考案の阿波和紙の遊山箱は、板紙を利用する。これにより箱の構造を頑丈としつつ、全体の重量を軽量にできる。したがって運搬が容易となる。特に内側と外側とに板紙を積層させることで、より一層構造を屈強にすることができる。また紙製であるため、裁断や折曲、接着などの加工が容易であり、したがって作業を簡便化でき生産性を高められる。また、不要の際には焼却せずに紙のリサイクルとして回収できるため、廃棄処理の負担が軽減する。
また、外側板紙を内側に折り込んで遊山箱本体の厚みを一部増加させ、相対的に高低差を設けることにより、溝を成形する構造とすることで、簡易にかつ安定した溝を得られる。これにより、彫り込むことで溝を成形する従来の場合と比較して、削りくずを発生しないため環境に優しい。また、単に板紙を折り返すことで、常に一定した厚みを積層させることができる。したがって多量生産においても、常に深さの安定した溝を迅速に得られる。また外側板紙2を折り込むことにより、2重の板紙で開口部を縁取りする構造となる。これにより開口部をしっかりと補強して頑強な枠体とできる。
さらに本考案の阿波和紙の遊山箱は、箱の表面を表面紙で接着する構造とする。この結果、板紙とこれを被覆する表面紙とが同一の材質であるため、双方の接着性が高まる。また質感や色彩、模様などに応じて紙を適宜選択することで、遊山箱の外観を自在に変化させることができ、箱の意匠性や汎用性を高められる。また外面の紙によって湿気や損傷などから箱本体を保護でき、遊山箱自体の耐性が向上する。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本考案の技術思想を具体化するための阿波和紙の遊山箱を例示するものであって、本考案は阿波和紙の遊山箱を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、実用新案登録請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「実用新案登録請求の範囲」および「課題を解決するための手段」の欄に示される部材に付記している。ただ、実用新案登録請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。また、図において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。なお、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
具体的に実施例1に係る阿波和紙の遊山箱(以下、単に「遊山箱」と記載する場合がある。)の斜視図を図1に、また阿波和紙の遊山箱100の分解斜視図を図2にそれぞれ示す。図1及び図2の遊山箱100は、左手前方向に開口した遊山箱本体20と、この遊山箱本体20内に収納可能な複数の引き出し30と、また遊山箱本体20の開口部21を開閉できる遊山箱蓋22とを主に有する。また、図1は遊山箱本体20内に引き出し30を収納した状態(以下、「収納状態」と記載することがある。)を、図2は遊山箱本体20より引き出し30を引き出した状態(以下、「開放状態」と記載することがある。)をそれぞれ表す。
具体的には図2に示すように、遊山箱本体20は四角形の箱形であり、箱の内部には空洞が形成されて開口部21へと連通している。この開口部21より複数の引き出し30を出し入れでき、引き出し30は遊山箱本体20の内部にて多段に積層された姿勢で収納される。また遊山箱本体20の開口部21の周縁近傍には、鉛直方向に凹状の溝26が形成されている。この溝26に遊山箱蓋22の板厚を嵌め込んだ状態で遊山箱蓋22を上下に摺動することにより、開口部21を開閉可能とする。つまり、図2の開放状態において、遊山箱蓋22の下部を溝26の上部に嵌着し、この遊山箱蓋22を下方に移動させると、図1に示す収納状態となる。さらに、この収納状態から遊山箱蓋22を上方向に引き上げれば図2に示す開放状態となり、遊山箱本体20内に収納された複数の引き出し30が表れて手前に引き出し可能となる。すなわち遊山箱100は、遊山箱本体20の溝26に遊山箱蓋22を案内して、遊山箱蓋22が遊山箱本体20と脱着可能に連結して開口部21を閉塞できる構造を備える。
一方、図2の例では遊山箱蓋22の上部の厚みを大きくして、遊山箱蓋22の表面に段差を設けている。この段差を指掛け部50として、つまり、この段差に指を掛けて遊山箱蓋22の摺動を容易にしている。また、図1及び図2では略同サイズの引き出しを3段に重ねて表現しているが、全ての引き出しが遊山箱本体20の内部に積層して収納できる構造であれば、引き出しの総数や各引き出しの内部の深さについては特に限定しない。
さらに遊山箱本体20の側面20bに、少なくとも一部を開口した窓部24を設けてもよい。図1、図2の例では、遊山箱本体20の開口部21側と隣接する両側面20b側に、円状の窓部24を備える。これにより収納状態においても、窓部24を介して引き出し30の側面の一部を視認でき意匠性を高められる。また図2の例では引き出し30が3段に積層されており、最上部の引き出し30と遊山箱本体20の天板20aは多少離間されている。この隙間に指を挿入し、最上部の引き出し30上端に指を掛ければ、引き出し30を手前側に引き出し易い。また、遊山箱本体20の天板20aには提げ手25を装着してもよく、これにより遊山箱100を携帯しやすくなり好ましい。
(箱の材質)
また、阿波和紙の遊山箱100は板紙より構成される。すなわち遊山箱の表面に被覆される、後述の表面紙4と同じ紙製であるため、双方の接着性が高まる。さらに紙は切断や折曲、組み立てなどの加工が容易であり、また箱全体を軽くできる。また比較的安価で、入手しやすく、大量生産可能でる。特に抄紙した紙を2層以上に結合させた板紙を重ねて使用することで、軽量であるにもかかわらず耐衝撃性に優れた頑丈な構造とでき好ましい。
また、阿波和紙の遊山箱100は板紙より構成される。すなわち遊山箱の表面に被覆される、後述の表面紙4と同じ紙製であるため、双方の接着性が高まる。さらに紙は切断や折曲、組み立てなどの加工が容易であり、また箱全体を軽くできる。また比較的安価で、入手しやすく、大量生産可能でる。特に抄紙した紙を2層以上に結合させた板紙を重ねて使用することで、軽量であるにもかかわらず耐衝撃性に優れた頑丈な構造とでき好ましい。
(表面紙)
また、実施例1の阿波和紙の遊山箱100は、これを構成する遊山箱本体20、引き出し30及び遊山箱蓋22の表面に、表面紙4を接着している。表面紙4は、植物の繊維を含有する和紙、あるいは植物繊維に限定されず化学繊維やフィルムなどの合成樹脂を主原料とする合成紙を利用できる。和紙は、長い繊維同士が緊密に絡み合っているため、折ったり引っ張ったりしても絡み合いが容易に解けず、繊維が抜けない。したがって薄くても丈夫であり、また耐久性に優れる。一方、合成紙であれば防湿性・耐候性などの特徴を享受できる。さらに紙の表面に樹脂、プラスチックフィルム、アルミ箔、あるいは別の紙材などの保護膜で被覆し、これを加熱、圧着してラミネート加工した加工紙を利用してもよい。これにより強度や耐性を一層向上させるなど種々の機能を付加した紙とできる。
また、実施例1の阿波和紙の遊山箱100は、これを構成する遊山箱本体20、引き出し30及び遊山箱蓋22の表面に、表面紙4を接着している。表面紙4は、植物の繊維を含有する和紙、あるいは植物繊維に限定されず化学繊維やフィルムなどの合成樹脂を主原料とする合成紙を利用できる。和紙は、長い繊維同士が緊密に絡み合っているため、折ったり引っ張ったりしても絡み合いが容易に解けず、繊維が抜けない。したがって薄くても丈夫であり、また耐久性に優れる。一方、合成紙であれば防湿性・耐候性などの特徴を享受できる。さらに紙の表面に樹脂、プラスチックフィルム、アルミ箔、あるいは別の紙材などの保護膜で被覆し、これを加熱、圧着してラミネート加工した加工紙を利用してもよい。これにより強度や耐性を一層向上させるなど種々の機能を付加した紙とできる。
実施例1の遊山箱では和紙を使用した。具体的には、コウゾ・ミツマタ・ガンピなどの靱皮(じんぴ)繊維を主原料とし、木灰やソーダ灰などのアルカリ性で煮て、不純物を溶かし去る。さらに繊維をほぐし、これを抄紙して和紙を得た。和紙を利用することで、原料の植物の繊維のもつ自然な色彩や光沢などが十分に発揮され、箱の意匠性を高められる。また、和紙は薄くても丈夫な特質を有するため、箱の強度が高まり好ましい。
さらに、紙は顔料や染料によって有色としてもよい。実施例1の和紙では、植物・動物・鉱物から得た天然染料によって染色されており、具体的にはベニバナ、タイセイ(大青)、茜(あかね)、藍、コチニール、ロッグウッドなどを利用できる。天然染料による着色は独特の色彩と風合いを備えるため、和紙の質感と相俟って一層の意匠効果が高まる。また抄紙工程において、天然系の染料で植物の繊維を染色することで、精製された和紙における色落ちを回避できる。さらに合成染料の使用と比較して、染色工程での廃液による環境負荷を低減でき好ましい。また、和紙として阿波和紙を利用することで、阿波和紙の色、風合いを生かした遊山箱とでき好ましい。さらに藍や黄檗(きはだ)、千振を使って染めた阿波和紙を使用すれば、一層意匠性を高められる。以下に遊山箱の各部材について、製作方法と併せて詳しく説明する。
(遊山箱本体)
図3は、図2に示す遊山箱本体のIII−III’線における断面図である。図3に示すように、遊山箱本体20は、主に2層の板紙から構成される。すなわち外側に積層されてなる外側板紙19と、この外側板紙19の内側に積層して固定されてなる内側板紙9とを有する。このような板紙の2層構造は以下のようにして得られる。
図3は、図2に示す遊山箱本体のIII−III’線における断面図である。図3に示すように、遊山箱本体20は、主に2層の板紙から構成される。すなわち外側に積層されてなる外側板紙19と、この外側板紙19の内側に積層して固定されてなる内側板紙9とを有する。このような板紙の2層構造は以下のようにして得られる。
まず図4に示すように、内側板紙9、外側板紙19、表面紙4を矩形状にそれぞれ裁断する。そして内側板紙9と内側用表面紙4aとを接着して合紙39とし(図4(a))、図5の状態とする。この和紙付き合紙39と、外側板紙19とを、遊山箱本体20の展開図に相当するよう所定の形状にそれぞれ平版打ち抜き機(アローカット)で抜型する(図6(a)、図6(b))。そして図7(a)、図7(b)に示すように、合紙39及び外側板紙19を各々組み立てて、少なくとも一方向に開口した箱形とする。さらに箱形の形状を維持するようテープなどで仮止めして、遊山箱本体の本体27a、本体外側27bを得る。続いて、本体外側27bの内側に本体内側27aを積層して双方を固定する。また図8の本体外側27bの端縁領域(図の円状領域)における拡大図を図9に示す。この図に示すように、遊山箱本体20の開口部21の端縁において、外側板紙19が内側板紙9よりも延長している。さらに、この外側板紙19の延長部11を内側に折り込んで遊山箱本体20の厚みを一部増加させることにより段差を設ける。そして、箱の厚みの相違によって線状の溝26を形成している。
この溝26についてさらに詳しく説明する。溝26は 図3に示すように断面形状が凹状に形成されている。この凹状において、一段低い底部12を1層の板紙の厚みとしてこれを基準とし、両隣に隣接する一対の土手部13、23を、板紙の厚みを増加させることで実現している。すなわち、一方の土手部13は、外側板紙19と内側板紙9とを積層させて2層に固定して実現する。そして他方の土手部23は、外側板紙19の端縁を内側に折り返すことで板紙を2層に重ね、厚みを稼ぐことにより達成する。このように厚みを増加させて、これを溝26の壁とすることで、遊山箱本体の構造を頑丈としつつ、容易に溝を成形できる。特に実施例1の形態であれば、板紙であるため、この折り込み作業が簡易に達成でき、すなわち溝26を簡単に形成できる。
さらに本体外側27bの表面に、外側用の表面紙4bを接着する。まず図10に示すように、外側用表面紙4bを所定のサイズにポンスで抜く。外側用表面紙4bは本体外側27bの展開形状に略一致しているが、外側用表面紙4bを本体外側27bに被覆した際に、開口部の端部において内側に折り返し、さらに溝を26被覆できる大きさとする。この外側用表面紙4bを裁断した後、図11に示すように、外側用表面紙4bの所定の位置に遊山箱本体20を配置した状態で、にかわ、ボンドなどの接着材を介して外側用表面紙4bを遊山箱本体20の表面に接着する。これにより図3に示すように、外側板紙19で構成された本体外側27bの表面を外側用表面紙4bが貼着する。詳しくは、外側用表面紙4bが、本体外側27bの外面側から外側板紙19の折り返し領域、さらに溝26を経て、既に貼着されている内側用表面紙4a上の一部に積層して接着する。この結果、遊山箱本体20の外側及び内側の表面のほぼ全てを表面紙で被覆することとなり、板紙の下地面が露出されない。特に、内側板紙9を組み立てる前に、予め内側板紙9と内側用表面紙4aとを合紙39とし、この合紙39を組み立て本体内側27aとする形態によって、表面紙の被覆による手間を極めて低減することができる。
このように本体外側27bの表面に外側用表面紙4bを被覆し、さらに外側用表面紙4bの最端部を、本体内側27aの内側に既に貼着された表面紙4a上に積層させる形態とする。これにより図3に示すように、上下の表面紙4b、4aの間に、2層の板紙を狭着する構造とできる。すなわち上下の表面紙が2層の板紙をまとめて包み込むことで、内側板紙9と外側板紙19同士を接着材を塗布することなく、確実にかつ簡便に2層の板紙を
さらに、曲線を帯びた端縁を表面紙で接着する際には、表面紙の一部に切り込みを入れることで、曲線状に沿って表面紙を貼付しやすくできる。例えば、図10及び図11に示すように、外側用表面紙4bは、遊山箱本体20の円状の窓部24に相当する円状の開口部を備えており、この表面紙の開口部の端縁に沿って、所望の間隔で切り込みを形成している。これにより窓部24の端面で外側用表面紙4bを内側方向に折り返す際に、外側用表面紙4bの折り目を窓部24の曲線状と略一致させることができ好ましい。
さらに図12に示すように、遊山箱本体20の天板20aに提げ手25を入れる孔を開口し、この孔に提げ手25をボンドなどの接着材で固定する。
実施例1では板紙として山陽板紙シルクボール70.5Kを使用し、また表面紙4としては、阿波手漉き和紙(忌部紙薄口)を用いた。さらに板紙と和紙との接着材としては、にかわを利用した。これにより、接着ムラを抑制しつつ溝などの極狭い領域であっても板紙の表面の隅々まで確実に和紙を被覆できるため好ましい。
また図13は、実施例1の遊山箱本体20に係る抜本型を示した平面図であり、実線は切断線であって破線は折り目線を表す。さらに図13(a)は本体内側27aの型を、また図13(b)は本体外側27bの型をそれぞれ示す。ただ、図13(b)の型には、一部、遊山箱蓋22の型を含んでおり、この遊山箱蓋22の型に相当する領域を斜線を付してある。このように一の抜本型に複数の部材の型を配置することで、板紙の不要な余白領域を低減して型取りの効率性を高められる。すなわち板紙を有効に利用でき好ましい。さらに図14に、外側用表面紙4bの抜本型を示す平面図を一例として示す。
(遊山箱蓋)
また、阿波和紙の遊山箱100は、上記遊山箱本体20に形成された溝26に案内されて、開口部21を閉塞可能な遊山箱蓋22を備える。この遊山箱蓋22は以下のようにして製作される。実施例1の遊山箱蓋22では、上記遊山箱本体20と同時に型抜きした遊山箱蓋用板紙49を利用する。ただ、遊山箱蓋用板紙49を単独で成形してもよい。まず、図15(a)に示すように、遊山箱蓋用板紙49の一端を折り目線にて折り曲げ、さらに図15(b)のように、この一端側が板紙の幅広側の面上に接するよう折り返して、両面テープ、ボンドなどで固定する。これにより遊山箱蓋22の厚みの違いから段差を生じ、指掛け部50とできる。
また、阿波和紙の遊山箱100は、上記遊山箱本体20に形成された溝26に案内されて、開口部21を閉塞可能な遊山箱蓋22を備える。この遊山箱蓋22は以下のようにして製作される。実施例1の遊山箱蓋22では、上記遊山箱本体20と同時に型抜きした遊山箱蓋用板紙49を利用する。ただ、遊山箱蓋用板紙49を単独で成形してもよい。まず、図15(a)に示すように、遊山箱蓋用板紙49の一端を折り目線にて折り曲げ、さらに図15(b)のように、この一端側が板紙の幅広側の面上に接するよう折り返して、両面テープ、ボンドなどで固定する。これにより遊山箱蓋22の厚みの違いから段差を生じ、指掛け部50とできる。
次に、この遊山箱蓋用板紙49を被覆する表面紙4(阿波手漉き和紙忌部紙薄口1091×788)を四角形状に裁断する(図16(a)、図16(b))。そして図16(a)の一点鎖線で示すように、外側用表面紙4bの四隅の角を切り落とす。これにより遊山箱蓋22に対する外側用表面紙4bの貼り加工が容易となる。さらに糊付け機などで表面紙4にのり付けする。続いて図17(a)に示すように、のりが塗布された外側用表面紙4bの略中央域であって、糊の塗布面上に、遊山箱蓋用板紙49の指掛け部50を有する面側が接面するよう配置する。そしてこの外側用表面紙4bでもって遊山箱蓋用板紙49を包み貼りし、図18の状態とする。さらに遊山箱蓋22の裏面側を内側用表面紙4aにより接着する。これにより図19に示す、遊山箱蓋用板紙49の露出面を表面紙4でもって略全て被覆した遊山箱蓋22とできる。
(引き出し)
また、遊山箱本体20の内部に、多段に積層されて収納される複数の引き出し30は、上記の遊山箱本体20と同質である2層の板紙と表面紙4から構成されており、以下のようにして製作される。まず図20に示すように、内側板紙9、外側板紙19、表面紙4を矩形状にそれぞれ裁断する。そして内側板紙9と内側用表面紙4aとを接着して合紙39とし(図20(a))、図21の状態とする。この和紙付き合紙39と、外側板紙19とを、引き出し30の展開図に相当するよう所定の形状にそれぞれ平版打ち抜き機(アローカット)で抜型する(図22)。実施例1では同サイズの上段、中段及び下段として3つの引き出しを型取りした。ただ図22以下の図面では便宜上、一の引き出しを代表として図示する。
また、遊山箱本体20の内部に、多段に積層されて収納される複数の引き出し30は、上記の遊山箱本体20と同質である2層の板紙と表面紙4から構成されており、以下のようにして製作される。まず図20に示すように、内側板紙9、外側板紙19、表面紙4を矩形状にそれぞれ裁断する。そして内側板紙9と内側用表面紙4aとを接着して合紙39とし(図20(a))、図21の状態とする。この和紙付き合紙39と、外側板紙19とを、引き出し30の展開図に相当するよう所定の形状にそれぞれ平版打ち抜き機(アローカット)で抜型する(図22)。実施例1では同サイズの上段、中段及び下段として3つの引き出しを型取りした。ただ図22以下の図面では便宜上、一の引き出しを代表として図示する。
続いて図23に示すように、合紙39及び外側板紙19を各々組み立てて箱形とする。この箱形の形状を維持するようテープなどで仮止めして、引き出し内側37a、引き出し外側37bとする。そして図24に示すように引き出し外側37bの内側に引き出し内側37aを積層して固定し、引き出し30を得る。
さらに引き出し30の外側37bの表面に、外側用の表面紙4bを接着する。まず図25に示すように、外側用表面紙4bを所定のサイズにポンスで抜く。外側用表面紙4bは引き出し外側37bの展開形状に略一致しているが、外側用表面紙4bを引き出し外側37bに被覆した際に、開口部の端部において内側に折り返すことのできる大きさとする。さらに、この外側用表面紙4bにおいて、引き出し30の側板7(図24参照)に相当する貼着領域の角部を切り落とす。これにより引き出し30に対する外側用表面紙4bの貼り加工が容易となる。
この外側用表面紙4bを裁断した後、図26に示すように、外側用表面紙4bの所定の位置に引き出し30を配置した状態で、にかわ、ボンドなどの接着材を介して外側用表面紙4bを引き出し30に接着する。これにより図27に示すように、引き出し30の表面を外側用表面紙4bで貼着し、詳しくは引き出し30の外面側から内側へと折り返し、さらに既に貼着されている内側用表面紙4a上の一部に積層して接着する。この結果、引き出し30の外側及び内側からなる表面のほぼ全てを表面紙4で被覆することとなり、板紙の下地面が露出されない。
また、図1及び図2の例では、遊山箱100において、内部に収納される複数の引き出し30をそれぞれ色彩の異なる和紙で被覆している。これによって、収納状態にあっても窓部24より露出された引き出し30の風合いが、遊山箱本体20との風合いにあいまって美麗な装飾効果をもたらす。例えばそれぞれの引き出し30を、同一の色相系統によるグラデーション色としたり、あるいは紙質や模様の相違によって種々の組み合わせとすることで、箱全体のデザイン性を広げられる。特に図1及び図2に示すように、独特の形状を備える遊山箱に和紙を組み合わせることで、光の照射具合により繊維の不規則な斑模様が浮かび上がり、この和紙の風合いがあいまって意匠性を一層高めることができる。また、図2の例では、それぞれの引き出し30において、内側と外側に接着する表面紙4a、4bの色、柄、質などにおいて統一させて各表面紙の継ぎ目を目立たなくした。ただ、内側用表面紙4aと外側用表面紙4bを相違させて、それぞれの面の多様性を享受してもよい。
本考案の阿波和紙の遊山箱は、菓子箱、宝石箱、弁当箱、小物入れとして利用できる。
4…表面紙(和紙)
4a…内側用表面紙
4b…外側用表面紙
7…側板
9…内側板紙
11…延長部
12…底部
13、23…土手部
19…外側板紙
20…遊山箱本体
20a…天板
20b…側面
21…開口部
22…遊山箱蓋
24…窓部
25…提げ手
26…溝
27a…本体内側
27b…本体外側
30…引き出し
37a…引き出し内側
37b…引き出し外側
39…合紙
49…遊山箱蓋用板紙
50…指掛け部
100…阿波和紙の遊山箱
500…装飾貼箱
501…底面
502…側板
503…妻板
505…身箱
507…和紙
508…粘着剤
509…離型紙
4a…内側用表面紙
4b…外側用表面紙
7…側板
9…内側板紙
11…延長部
12…底部
13、23…土手部
19…外側板紙
20…遊山箱本体
20a…天板
20b…側面
21…開口部
22…遊山箱蓋
24…窓部
25…提げ手
26…溝
27a…本体内側
27b…本体外側
30…引き出し
37a…引き出し内側
37b…引き出し外側
39…合紙
49…遊山箱蓋用板紙
50…指掛け部
100…阿波和紙の遊山箱
500…装飾貼箱
501…底面
502…側板
503…妻板
505…身箱
507…和紙
508…粘着剤
509…離型紙
Claims (5)
- 少なくとも一方向に開口した箱形の遊山箱本体(20)と、
前記遊山箱本体(20)の開口部(21)から出し入れ可能であり、遊山箱本体(20)の内部に収納されて、かつ多段に積層されてなる複数の引き出し(30)と、
前記遊山箱本体(20)内に前記引き出し(30)を収納した状態で、遊山箱本体(20)の開口部(21)を開閉可能な平板状の遊山箱蓋(22)と、
を有する阿波和紙の遊山箱であって、
前記遊山箱本体(20)、引き出し(30)及び遊山箱蓋(22)が板紙からなり、
遊山箱本体(20)は、外側に積層されてなる外側板紙(19)と、この外側板紙(19)の内側に積層して固定されてなる内側板紙(9)とを有しており、遊山箱本体(20)の開口部(21)の端縁において、外側板紙(19)が内側板紙(9)よりも延長しており、
さらに遊山箱本体(20)は、該外側板紙(19)の延長部(11)を内側に折り込んで遊山箱本体(20)の厚みを一部増加させることにより段差を設けており、該段差によって形成された線状の溝(26)に前記遊山箱蓋(22)を案内して、遊山箱蓋(22)が遊山箱本体(20)と脱着可能に連結して開口部(21)を閉塞できることを特徴とする阿波和紙の遊山箱。 - 請求項1に記載の阿波和紙の遊山箱において、
前記遊山箱本体(20)、引き出し(30)及び遊山箱蓋(22)の表面に、表面紙(4)を接着してなることを特徴とする阿波和紙の遊山箱。 - 請求項2に記載の阿波和紙の遊山箱において、
前記表面紙(4)が和紙であることを特徴とする阿波和紙の遊山箱。 - 請求項3に記載の阿波和紙の遊山箱において、
前記表面紙(4)の和紙が天然染料によって染色されていることを特徴とする阿波和紙の遊山箱。 - 請求項1に記載の阿波和紙の遊山箱において、
前記引き出し(30)が3段に積層されてなることを特徴とする阿波和紙の遊山箱。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008003101U JP3143610U (ja) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | 阿波和紙の遊山箱 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008003101U JP3143610U (ja) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | 阿波和紙の遊山箱 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP3143610U true JP3143610U (ja) | 2008-07-31 |
Family
ID=43293527
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2008003101U Expired - Fee Related JP3143610U (ja) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | 阿波和紙の遊山箱 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3143610U (ja) |
-
2008
- 2008-05-14 JP JP2008003101U patent/JP3143610U/ja not_active Expired - Fee Related
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