JP3144640U - ヒーターパネルおよびヒーターパネルの設置構造 - Google Patents

ヒーターパネルおよびヒーターパネルの設置構造 Download PDF

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矩雄 青田
貴男 大橋
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株式会社プラサーモ
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Abstract

【課題】既存の床上に床暖房用パネルを配置しても大きな段差を生じさせること無く、床暖房システム導入を可能とする薄型のヒーターパネルを提供する。
【解決手段】面状発熱体2と、この面状発熱体2の下面側に設置される断熱材とを有するヒーターパネル1において、面状発熱体2および断熱材の側縁を囲う補強材(長尺補強材41と短尺補強材)とが設けられ、面状発熱体2の上面側および補強材の上面側の全体を覆う表層材51が固定されるとともに、断熱材の下面側および補強材の下面側の全体を覆う裏層材52が固定され、断熱材は外被材と、この外被材の内部に包まれるとともに真空状態で密封された芯材とを有する真空断熱材3であること。
【選択図】図3

Description

本考案は、ヒーターパネルおよびヒーターパネルの設置構造に関する。とくに、面状発熱体および断熱材を一体的に組み込んだヒーターパネルに関する。
従来から、面状発熱体および断熱材を一体的に組み込んだ床暖房パネルとして、特許文献1に開示された床暖房装置において用いられている床暖房パネルが知られている。
この床暖房パネルは、均熱板の下面に絶縁シートおよび面状発熱体が順次積層接着されている。また、絶縁シートの下面外周にかつ面状発熱体を囲むように根太材が接着され、この根太材で囲まれた内部の区画空間にかつ面状発熱体の下面に発泡プラスチック樹脂からなる断熱層が設けられている。
このような床暖房パネルは、新築時だけでなく、リフォーム時に新たに敷設することも多い。それは、リフォーム時において、既存の床上にパネルを並べることで床暖房面を形成する、いわゆる増し張り方式で床暖房システムを導入できるという利点があるためである。すなわち、大規模な工事を必要としないためリフォーム依頼者にとっては手軽に床暖房システムを導入することが出来た。
実用新案登録第3077586号公報
しかし、近年は住宅のバリアフリー化に伴い、敷居の高さが低い、もしくは敷居が設けられていない住宅が増えてきている。バリアフリー住宅のリフォーム時に上記のような床暖房用パネル設置しようとすると、床暖房パネルの厚みが大きいために、床面に大きな段差が生じてしまい、バリアフリー住宅としての機能を損なってしまうという問題があった。
特に、床暖房パネルの厚みを大きくしている原因としては、面状発熱体の下面側に積層される断熱材にあった。特許文献1で示される床暖房パネルの断熱材は発泡プラスチック樹脂からなるので、面状発熱体から発生する熱が下方の床材側へ放出するのを防ぎ、一定の断熱性を確保するためには、断熱材にある程度の厚みを持たせることが必要であった。その結果、床暖房パネルの厚みを大きくしていた。
本考案の目的は、床面に大きな段差を生じさせること無く、バリアフリー対応床暖房システムの導入を可能とする薄型のヒーターパネルおよびこのヒーターパネルの設置構造を提供することにある。
そのため、本考案に係るヒーターパネルは、上記目的を達成するために以下のような構成を採用する。
すなわち、本考案のヒーターパネルは、面状発熱体と、この面状発熱体の下面側に設置される断熱材とを有するヒーターパネルであって、前記面状発熱体の側縁および前記断熱材の側縁を囲う補強材が設けられ、前記面状発熱体の上面側および前記補強材の上面側の全体を覆う表層材が取り付けられるとともに、前記断熱材の下面側および前記補強材の下面側の全体を覆う裏層材が取り付けられ、前記断熱材は外被材と、この外被材の内部に包まれるとともに真空状態で密封された芯材とを有する真空断熱材であることを特徴とする。
この構成によれば、断熱材は真空断熱材を用いているため、従来の発泡プラスチック樹脂からなる断熱材と比較して、同レベルの断熱性を得るための断熱材厚みを薄くすることができる。これは、真空断熱材によれば、気体熱伝導率の寄与を極力少なくすることができるため、断熱性能を格段に向上させることが出来るからである。したがって、本考案に係るヒーターパネル全体としての厚みも薄くすることができるから、床面に大きな段差を生じさせることがない。
また、本考案では、前記真空断熱材の芯材はグラスウールであることが好ましい。
グラスウールにすることで真空断熱材の内部真空空間率をより多くすることが可能となって、断熱性をさらに向上させることができる。したがって、さらに真空断熱材厚みを薄くすることが可能となって、ヒーターパネル全体としての厚みもさらに薄くすることが出来る。
また、本考案に係るヒーターパネルは、前記表層材の下面に対して前記補強材の上面および前記面状発熱体の上面が接着材で圧着固定され、前記補強材の下面および前記断熱材の下面が前記裏層材の上面に対して接着剤で圧着固定されていることが好ましい。
したがって、面状発熱体、断熱材、補強材、表層材、および裏層材が接着剤によって圧着固定されるので、これらの各部材が強固に固定され、ヒーターパネルに対してより高い強度を付与することが出来る。また、ヒーターパネルとして一体化されていることで取り扱いが容易になり、床暖房施工時の施工工期の短縮、施工費の低廉化が可能である。
また、本考案に係るヒーターパネルに用いる面状発熱体は、一対の電極線が埋設された面状発熱抵抗シートの両面を絶縁性フィルムで覆った構造であるとともに面状部が平滑に形成されていることが好ましい。
したがって、面状発熱体の表面凹凸が少ないので、面状発熱体と表層材との間には、ほとんど空隙が生じなくなる。ゆえに、面状発熱体からの熱をより効率的にヒーターパネル表面へと伝えることが可能となる。
なお、面状発熱体の表面に凹凸が多少あったとしても、ヒーターパネルは前記の通り接着剤によって圧着固定されているため、表層材と面状発熱体との間に生じる空隙に接着剤が充填される。よって、空隙が介在することによる伝熱性能低下を防止することが出来る。
また、本考案に係るヒーターパネルの面状発熱体に電力を供給するための電源ケーブルが、補強材のいずれか一つに設けられた被挿通部に通されていることが好ましい。
したがって、ヒーターパネルのいずれか一つの側面の補強材を省略せずに電源ケーブルと面状発熱体とを接続させることが出来るので、全体の強度を低下させることなくヒーターパネルを得ることができる。
また、本考案に係るヒーターパネルでは、前記表層材と前記裏層材とが、絶縁性を有することが好ましい。
このような構成とすれば、面状発熱体の上面および下面が全て絶縁材によって覆われるから、漏電などの事故を確実に防止できる。
また、本考案に係るヒーターパネルでは、前記面状発熱体が前記断熱材の外周縁よりも内側に配置されていることが好ましい。
このような構成とすれば、面状発熱体は、断熱材が設けられた範囲からはみ出ないので、面状発熱体から下方への熱拡散をより確実に防止することができる。
また、本考案に係るヒーターパネルの設置構造は、上記ヒーターパネルを既存の床上に並設し、このヒーターパネルの上面と敷居の上面とが略同一高さとなることを特徴とする。
このような設置構造を採用することで、ヒーターパネルの並設前に存在した敷居による段差を無くすことが出来るため、バリアフリー対応床暖房システムの導入が可能となる。
以下に本考案の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
[全体構成]
図1は本実施形態に係るヒーターパネル1を示す分解斜視図、図2は組み込んだ状態のヒーターパネル1の外観斜視図、図3はその断面図である。これらの図に示すように、本実施形態のヒーターパネル1は、面状発熱体2と、面状発熱体2の下面側に真空断熱材3とを有し、面状発熱体2と真空断熱材3の側面から囲うように四方に設けられた補強材4と、面状発熱体2の上面側および補強材4の上面側の全体を覆う表層材51と、真空断熱材3の下面側および補強材4の下面側の全体を覆う裏層材52とから構成されている。
[面状発熱体]
図4は面状発熱体2の断面図である。この面状発熱体2は、平面矩形状に成形して形成された面状発熱部材としての面状発熱抵抗シート21と、この面状発熱抵抗シート21の長手方向に沿って所定間隔を隔てて埋設される一対の電極線22と、面状発熱抵抗シート21の表裏面を覆う絶縁性フィルム23とを備えて構成されている。また、一対の電極線22は電源ケーブル24と接続される。
なお、本実施形態では厚みが0.6mmの面状発熱体2を用いた。
面状発熱抵抗シート21は、熱可塑性樹脂及び導電性粒子を備えた発熱組成物から形成され、抵抗発熱体として機能し、通電することにより発熱する。この熱可塑性樹脂としては、結晶性熱可塑性樹脂が好ましく、具体的には、ポリオレフィン樹脂及びその共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキシド及びノニル樹脂、ポリスルフォン等を挙げることができる。
なお本実施形態で用いた樹脂組成物は、温度が上がると電気抵抗が増加し、通電量が減少する温度抵抗変化特性(PTC特性)を有している。そのため、過熱防止制御を自動的に行なうことができるので好適である。ただし、温度コントローラによっても過熱防止制御を行なうことができるので、PTC特性を有していない樹脂組成物を用いることも出来る。
前記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン類、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン
等のポリプロピレン類、ポリブテン、4−メチルペンテン−1樹脂等を挙げることができる。また、第1実施形態においては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体等のエチレン−アクリレート系共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等のオレフィンとビニル化合物との共重合体及びフッ素含有エチレン系重合体、ならびに、これらの変成物も使用できる。
前記酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。前記ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン66、ナイロン610 等を挙げることができる。前記ポリアセタールは、単一重合体であっても共重合体であってもよい。前記熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を挙げることができる。また、前記結晶性熱可塑性樹脂としては、前記のほかに、例えば、トランス−1,3−ポリイソプレン、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン等のジエン系重合体及び共重合体等も使用することができる。
前記各種の結晶性熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上をポリマーブレンド等として併用してもよい。もっとも、前記各種の結晶性熱可塑性樹脂の中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のオレフィン系共重合体やトランス−1,4−ポリイソプレン等が好ましい。前記各種の結晶性熱可塑性樹脂は、必要に応じて他のポリマーや添加物との組成物として使用することもできる。
前記導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック粒子、グラファイト粒子等の粒状物、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)等の金属微粒子、金属粉体、金属酸化粉体等の粉状物、炭素繊維等の繊維状物、導電性無機材料(ITO等)、チタン酸バリウム(BaTiO3 ),チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )等の正温度係数特性を有する無機材料等を挙げることができる。これらの中でもカーボンブラック粒子、グラファイト粒子等の粒状物、特に、カーボンブラック粒子が好ましい。前記各種の導電性粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合物として併用してもよい。導電性粒子の粒径としては、特に制限はないが、例えば、平均粒径が通常10〜200nm、好ましくは、15〜100nmである。導電性粒子が繊維状である場合には、そのアスペクト比は通常1〜1000、好ましくは、1〜100程度である。
前記結晶性樹脂と導電性粒子との配合割合は、重量比として、通常、10〜80:90〜20、好ましくは、55〜75:45〜25である。導電性粒子の配合割合がこの範囲より少ないと面状発熱抵抗シート21の抵抗値が大きくなり、面状発熱体2が実用上、十分に発熱しないことがあり、一方、導電性粒子の配合割合がこの範囲より多いと正温度係数特性が十分に発現しないことになる。面状発熱抵抗シート21の発熱組成物の比抵抗値は仕様や目的に応じて適宜選定することができるが、通常の場合、10〜50000Ω・cm、好ましくは、40〜20000Ω・cmである。前記結晶性樹脂と導電性粒子とを混合し成形して面状発熱抵抗シート21が得られるが、この成形時又は成形後において前記発熱組成物中の熱可塑性結晶性樹脂を架橋して発熱組成物を硬化させることが好ましい。この発熱組成物を硬化させると、正温度特性が改良されるとともに、面状発熱体2の熱変形あるいは熱軟化等による不良を防止することができる。
結晶性熱可塑性樹脂の架橋は架橋剤及び/又は放射線を利用して行うことができる。前記架橋剤は、結晶性熱可塑性樹脂の種類に応じて、有機過酸化物、硫黄化合物、オキシム類、ニトロソ化合物、アミン化合物、ポリアミン化合物等から適宜選択して決定することができる。例えば、前記結晶性熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂等である場合には、好適な架橋剤として、例えば、有機過酸化物を利用することができる。この有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)
ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、tert−ブチルペルオキシベンゼン等を挙げることができる。
これらの中でも、特に、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が好ましい。なお、これらの各種の有機過酸化物は1種単独で使用してもよいし、必要に応じて、トリアリルシアヌレートやジビニルベンゼン、トリアリルイソシア
ヌレート等の架橋補助剤を添加してもよい。前記有機過酸化物の使用割合は、前記結晶性樹脂100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは、0.05〜2重量部である。この割合が0.01重量部未満では、架橋化が不十分となり、正温度係数特性が十分に発現しなかったり、高温領域での抵抗の低下がみられたりする等の問題が生じやすい。一方、5重量部を越えると、架橋化度が高くなりすぎて、成形性が低下したり、正温度係数特性が低下したりする現象がみられることになる。
電極線22は、導電性の高い金属、例えば、銅や銅合金、金、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属線が好適に用いられ、必要に応じて、銅、銀、ニッケル、錫によるめっき等のコート材が表面に形成される。この電極線22は、単線でもよく、撚り線でもよい。
絶縁性フィルム23は、面状発熱抵抗シート21及び電極線22を覆うように積層された後、加熱溶着ラミネート加工が施されている。これによって、面状発熱体2が一体形成され、面状発熱抵抗シート21および電極線22が外部から絶縁される。絶縁性フィルム23としてはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、あるいは、これらのフィルムにアルミシートを装着したラミネートフィルムから構成されているものでもよい。特にアルミラミネートされたフィルムは、防湿性、ガスバリア性にもすぐれるので、面状発熱対の長寿命化を図ることが出来る。
[断熱材]
図5は、本実施形態のヒーターパネル1において断熱材として用いた真空断熱材3の断面図である。真空断熱材3は、芯材31とガス吸着剤32と、これらを内部に包むとともに真空状態で密封する外被材33とからなる。具体的には、芯材31とガス吸着剤32を外被材33で覆い、内部を減圧して、外被材33の熱溶着性を有する部位同士を熱溶着し、真空状態を保って密封することにより真空断熱材3を得ることができる。
なお、本実施形態では、厚みが2.0mmの真空断熱材3を用いた。
芯材31には、多孔質材料を用いることができ、多孔質材料としては、発泡体材料(ウレタン等)、粉末材料(シリカ等)、繊維材料(グラスウール等)が挙げられる。本実施形態では、グラスウールを用いた。これによって真空断熱材3の内部に形成される真空空間がより大きくなり、断熱性能が高くなる。そのため、従来と同等の断熱性能を維持するのであれば、断熱材としての厚みを薄くすることが出来る。
ここで、断熱性能と厚みについて例を挙げて具体的に説明する。
まず、従来用いられていた断熱材を構成する発泡プラスチック樹脂としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノールなどがある。この中で、例えばポリウレタン系の硬質ウレタンフォームを用いた断熱材の熱伝導率は、0.022〜0.025[W/mK]である。
これに対して、本実施形態で用いる芯材31にグラスウールを用いた真空断熱材3の熱伝導率は、0.0020〜0.0050[W/mK]である。したがって、硬質ウレタンフォームのおよそ4分の1から10分の1程度の熱伝導率である。
また、伝熱量は熱伝導率および物体の厚さとの間で、伝熱量[W]=(熱伝導する面積[m2]/物体の厚さ[m])×熱伝導率[W/mK]×温度差[K]、の関係を示すので、物体の厚さ(断熱材の厚さ)は熱伝導率の値に比例する関係にある。そうすると、同じ断熱性能を得るために必要な断熱材の厚みとしては、断熱材の熱伝導率の値が小さいほど、薄くすることが出来ることになる。
したがって、従来用いていた断熱材である硬質ウレタンフォームに比べ、真空断熱材3はおよそ4分の1から10分の1程度まで厚みを薄くすることが可能となる。
本実施形態で用いた外被材33は、熱溶着性プラスチック層、ガスバリア層、保護層がラミネートされたものである。熱溶着性プラスチック層にはポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムを用いることができる。また、ガスバリア層としてアルミ薄箔,アルミ蒸着,エバールフィルム,ポリエステルフィルム等を用いることができる。さらに、ガスバリア層に対する保護層として、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルム等がラミネートされている。
[補強材]
補強材4は、面状発熱体2および真空断熱材3の四方側面側に設けられている。本実施形態では、図1に示すように、面状発熱体2の長手方向に沿って平行に設けられた長尺補強材41と面状発熱体2の短手方向に沿って平行に設けられた短尺補強材42とが組み合わされて矩形枠形状に形成されている。
また、短尺補強材42のいずれか一方の側面には、面状発熱体2への電力供給用の電源ケーブル24を挿通させるために被挿通部43が設けられている。この被挿通部43は補強材4が形成する矩形枠の外側と内側とを連通させるものである。本実施形態では、この被挿通部43の形状を切れ込み状とした。なお、この被挿通部43の形状は電源ケーブル24を挿通可能なものであればよく、孔形状としてもよい。
また、補強材4の材質としては、無垢材、合板、樹脂板など釘打ちが可能な材質であればよい。
なお、本実施形態では、ラワン合板からなる小根太を用い、矩形枠の外周縁寸法が、長手方向は907mm、短手方向は301mm、厚みは3.0mmとなるように形成した。
[表層材、裏層材]
表層材51および裏層材52は、本実施形態では絶縁性を有するシートを用いている。この絶縁性を有するシートは、電気的に絶縁隔離することができる固体絶縁物によって、補強材4によって形成される矩形枠形状の外周縁まで覆うように対応した矩形状に形成される。固体絶縁物としては、たとえば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂、あるいは、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
なお、本実施形態ではヒーターパネル1の薄型化という観点から、表層材51には厚みが0.8mmのPETシートを、裏層材52には厚みが0.6mmのPETシートを用いている。PETシートの長手方向および短手方向の寸法は上記矩形枠の外周縁寸法と略同一とした。
[ヒーターパネルの組み込み]
ヒーターパネル1は図1に示すような各部材を順次積層させる。この際、上記の通り短尺補強材42の被挿通部43を介して面状発熱体2の電源ケーブル24を挿通させ、また、表層材51の下面と、補強材4の上面および面状発熱体2の上面との間に接着材を充填し圧着固定し、補強材4の下面および真空断熱材3の下面と裏層材52の上面との間に接着剤を充填し圧着固定する。これによって、図3に示すような断面構造を有する、厚さ4.4mmのヒーターパネル1を得ることができる。
なお、本実施形態では、面状発熱体2を真空断熱材3の外周縁よりも内側に配置可能な寸法としたうえで、真空断熱材3の外周縁よりも内側に固定位置を調整した。これは、面状発熱体2で発生した熱が裏層剤側へ拡散しないようにしたものである。そのため、図3のように面状発熱体2の側面部と補強部材の内面部との間には若干の隙間が生じることになる。しかし、上記部材固定に用いた接着剤を充填して隙間を埋めることで、面状発熱体2の固定がより確実になる。
[ヒーターパネルの設置構造]
以上のようなヒーターパネル1を用いて、フローリング暖房床を構成するにあたって、図6に示すように、既存の床上62に複数のヒーターパネル1を並設した。そして、ヒーターパネル1と高さを合わせるための高さ調整合板63を配設し、ステップルを使用してヒーターパネル1を固定した。このとき、ヒーターパネル1の上面と敷居の上面とは同一高さとなる設置構造とした。配線を行った後、ヒーターパネル1の上にフローリング用の表面化粧板61を配置し、ヒーターパネル1の補強材4の真上において、これらの表面化粧板61の上から釘を補強材4に打ち込んで固定すると、フローリング暖房床が構成される。
[実施形態の効果]
以上より、本実施形態に係るヒーターパネル1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)断熱材として真空断熱材3を用いているため、従来の発泡プラスチック樹脂からなる断熱材と比較して、同レベルの断熱性を得るための断熱材厚みを薄くすることができる。これは、真空断熱材3によれば、気体熱伝導率の寄与を極力少なくすることができ、断熱性能を格段に向上させることが出来るからである。したがって、ヒーターパネル1全体としての厚みも薄くすることができる。
(2)真空断熱材3の芯材31をグラスウールにすることで内部真空空間率をより多くすることが可能となって、断熱性能がさらに向上する。したがって、真空断熱材3の厚みをより薄くすることが可能となって、ヒーターパネル1全体としての厚みもさらに薄くすることが出来る。
(3)面状発熱体2、真空断熱材3、補強材4、表層材51、および裏層材52が接着剤によって圧着固定されるので、これらの各部材が強固に固定され、ヒーターパネル1に対してより高い強度を付与することができる。また、ヒーターパネル1として一体化されていることで取り扱いが容易になり、床暖房施工時の施工工期の短縮、施工費の低廉化が可能である。
(4)ヒーターパネル1に用いる面状発熱体2は、一対の電極線22と面状発熱部材とを絶縁性フィルム23で挟んで積層された構造であるために、面状発熱体2の表面凹凸を少なくすることができ、面状発熱体2と表層材51との間には空隙がほとんど生じず、面状発熱体2からの熱をより効率的にヒーターパネル1の表面へと伝えることが可能となる。
(5)このとき、面状発熱体2の表面に凹凸が多少あったとしても、ヒーターパネル1は前記の通り接着剤によって圧着固定されているため、表層材51と面状発熱体2との間に生じる空隙に接着剤が充填されることになり、空隙が介在することによる伝熱性能低下を防止することが出来る。
(6)ヒーターパネル1の面状発熱体2に電力を供給するための電源ケーブル24が、補強材4に設けられた被挿通部43に挿通することが可能なので、電源ケーブル24を挿通させるためだけに補強材4を省く必要がなくなり、全体の強度を低下させることがない。
(7)表層材51と裏層材52とが、絶縁性を有するシートであるので、面状発熱体2の上面および下面が全て絶縁材によって覆われて、漏電などの事故を確実に防止できる。
(8)また、面状発熱体2が真空断熱材3の外周縁よりも内側に配置されているので、面状発熱体2は、真空断熱材3が設けられた範囲からはみ出ないので、面状発熱体2から下方への熱拡散をより確実に防止することができる。
(9)また、本実施形態のヒーターパネル1の設置構造を採用することで、ヒーターパネル1の並設前に存在した敷居による段差を無くすことが出来るため、バリアフリー対応床暖房システムの導入が可能となる。
[変形例]
なお、本考案では、前記実施の形態の構成に限定されるものではなく、本考案の目的を達成できる範囲であれば次に示す変形例を含むものである。
例えば、前記実施形態では、ヒーターパネル1の上面側には表層材51が設けられているが、さらに均熱板を設けても良い。均熱板により加熱ムラをなくすことができる。ここで、均熱板は、アルミニウム、鋼板、ステンレスなど均熱効果を発揮できる金属板を用いることが出来る。また均熱板として用いる金属板は、ヒーターパネル1の平面形状に対応した矩形状に形成し、表層材51と接着固定することで、ヒーターパネル1としての一体化が可能となって施工時に取り扱い易い。
また、金属板で形成する代わりに、表層材51の上面にアルミ箔を転写印刷形成してもよいし、表層材51の上面側にアルミ層を真空蒸着やスパッタリング等によって形成させてもよい。
また、前記実施形態の面状発熱体2において、例えば、面状発熱抵抗シート21の両面を覆う絶縁性フィルム23の片面(上層材51側)に蓄熱板を介在させるようにしてもよい。このようにすれば、非通電時でも、蓄熱材から熱を発することができる。
また、前記実施形態では、ヒーターパネル1を並設してフローリング暖房床を構成する例を説明したが、必ずしも、フローリング床に限られるものでなく、例えば、厚さ12mm以上の合板を敷設した上に絨毯を敷き詰めて床を構成してもよい。
また、面状発熱体2と上層材51とを熱伝導率の高い熱伝導性接着剤で圧着固定することもできる。面状発熱体2からの上層材51側への伝熱効果を高くすることができ、より効率的に床面を暖めることが出来る。
特にアルミナフィラーを高充填した接着剤であれば、高熱伝導性とともに絶縁性も確保することが出来る。そのため、表層材51に絶縁性が求められる場合でも、表層材51の厚みを薄くしたとしても絶縁性を確保し、ヒーターパネル1の厚みも薄くすることが可能となる。
また、面状発熱体2の電極線22は電極被覆部材に被覆されたものであってもよい。電極被覆部材としては面状発熱抵抗シート21と同じ材質のものを用いることができる。
また、補強材4は、前記実施形態のように長尺補強材41と短尺補強材42とが組み合わされて矩形枠形状に形成されたものでなくてもよい。すなわち、初めから矩形枠形状に形成されているものであってもよい。
本考案は、床暖房用のヒーターパネルとして、特にバリアフリー住宅のような床面高さを高くすることのできない住宅の床暖房用のヒーターパネルとして用いることができる。
本考案の実施形態を示す分解斜視図である。 同上実施形態の組み込み状態の外観斜視図である。 同上実施形態の組み込み状態の断面図である。 同上実施形態における面状発熱体の断面図である。 同上実施形態における真空断熱材の断面図である。 同上実施形態のヒーターパネルを用いてフローリング床を構成する際の図である。
符号の説明
1 ヒーターパネル
2 面状発熱体
21 面状発熱抵抗シート
22 電極線
23 絶縁性フィルム
24 電源ケーブル
3 真空断熱材
31 芯材
33 外被材
4 補強材
43 被挿通部
51 表層材
52 裏層材

Claims (8)

  1. 面状発熱体と、この面状発熱体の下面側に設置される断熱材とを有するヒーターパネルであって、
    前記面状発熱体の側縁および前記断熱材の側縁を囲う補強材が設けられ、
    前記面状発熱体の上面側および前記補強材の上面側の全体を覆う表層材が取り付けられるとともに、前記断熱材の下面側および前記補強材の下面側の全体を覆う裏層材が取り付けられ、
    前記断熱材は外被材と、この外被材の内部に包まれるとともに真空状態で密封された芯材とを有する真空断熱材であることを特徴とするヒーターパネル。
  2. 請求項1に記載のヒーターパネルにおいて、
    前記真空断熱材の芯材はグラスウールであることを特徴とするヒーターパネル。
  3. 請求項1または請求項2に記載のヒーターパネルにおいて、
    前記表層材の下面に対して前記補強材の上面および前記面状発熱体の上面が接着材で圧着固定され、前記補強材の下面および前記断熱材の下面が前記裏層材の上面に対して接着剤で圧着固定されていることを特徴とするヒーターパネル。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒーターパネルにおいて、
    前記面状発熱体は、一対の電極線が埋設された面状発熱抵抗シートの両面を絶縁性フィルムで覆った構造であるとともに面状部が平滑に形成されていることを特徴とするヒーターパネル。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のヒーターパネルにおいて、
    前記面状発熱体に電力を供給するための電源ケーブルが前記補強材に設けられた被挿通部に通されていることを特徴とするヒーターパネル。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のヒーターパネルにおいて、
    前記表層材と前記裏層材が、絶縁性を有することを特徴とするヒーターパネル。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のヒーターパネルにおいて、
    前記面状発熱体が前記断熱材の外周縁よりも内側に配置されていることを特徴とするヒーターパネル。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のヒーターパネルを既存の床上に並設し、このヒーターパネルの上面と敷居の上面とが略同一高さとなることを特徴とするヒーターパネルの設置構造
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