JP3144775U - 漆芸を施したガラス製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少くとも反対側CよりガラスGを通して表面2aを透視可能なガラス器2に漆芸を施してなるガラス製品1であって、少くとも反対側よりガラスを通して表面を透視可能なガラス器2と、予めサンドブラスト処理により凹凸面2a’が形成されたガラス器の表面2aに形成された下地層3と、下地層3の上面3aに形成された第1の漆塗布層11と、第1の漆塗布層の上面11aに順次形成された第n(n≧2)の漆塗布層12と、からなり、ガラス器2を反対側Cより見ると、ガラスGを通して第1の漆塗布層11を透視し得る一方、ガラス器2を表面側2a側より見ると、直接に、第1の漆塗布層11とは異なる色漆からなる第nの漆塗布層12を視認し得る様構成されてなるガラス製品1とする。
【選択図】図1
Description
[参考特許文献1]特許第2949423号公報
[参考特許文献2]特開昭62−270444号公報
[参考特許文献3]特開平11−226490号公報
前記ガラス器を前記反対側より見ると、ガラスを通して前記第1の漆塗布層を透視し得る一方、前記ガラス器を前記表面側より見ると、直接に、前記第1の漆塗布層とは異なる色漆からなる前記第nの漆塗布層を視認し得る様構成されてなることを特徴とするものである。
なお、本明細書において「下地層」とは、完全に硬化或いは乾燥する以前の状態のもの、および/または、それらの状態では少なくとも一部に透明性を保ったもののことをも包含するものとする。また、プライマーなる用語は、顔料、塗料メーカー等々においても日常的に用いられている。
このように、本考案によれば、ガラスの美しさと日本の伝統的な漆芸の美を例えばガラスの表裏で、しかも表情を変えて表現することが可能となる。
図1に示す通り、本考案に係るガラス製品1は、少なくとも反対側CよりガラスGを通して表面2aを透視可能なガラス器2に漆芸を施してなるものである。図1に示す通り、本考案においては、ガラスGからなるガラス器2の表面2aが、以下にその詳細を説明する漆芸を施す加工面に相当する。
尚以下の説明では、便宜上、ガラス器2の表面2a側に対し、ガラスGを通じて反対側にある外界を、反対側Cとあらわすものとする。図1からも理解される通り、看者の加工面側からの視点Wと反対面側からの視点Nとは、ガラスG及びガラス器2の表面2aを挟んで互いに対向している。
構成に引き続き、ガラス器に本考案による漆芸を施すことによって所望のガラス製品を得る際のフローチャートの一例につき説明する。
最初に、第1例として、ガラス器2の表面2a上に第1の漆塗布層11及び第nの漆塗布層12を順次形成するシンプルな例を説明し、次に、第2例として、さらに第nの漆塗布層の上面12aに第1の加飾層21を形成すると共に、下地層3と第1の漆塗布層11との間に第2の加飾層22を形成する例について説明する。
はじめに、サンドブラストにより形成されたガラス器2の表面2aの凹凸面2a’上に下地剤を吹き付ける。下地剤は、上記の通り少なくとも乾燥後には透明性の下地層3となるものであり、吹付塗装の要領で凹凸面2a’上に吹き付けられる。
ステップ1の後、下地剤を乾燥させる。乾燥は、下地剤の性質にもよるが、できるだけ自然乾燥により行うことが好ましい。乾燥時間は、30分から24時間程度の間が好ましい。乾燥後は、透明性の下地層3が形成される。
ステップ2の後、下地層3の上面3aに第1の漆塗布層11を形成する。塗布される漆には、第1の漆塗布層11の色となる顔料が適量混入される。なお、黒色の場合、顔料を混入しない場合もある。以下においても同様である。
漆の塗布は、1回行えば十分であるが、複数回繰り返し行うことで、後にガラスGを通して第1の漆塗布層11を透視した際における漆の美しさや色合いが引き立つこととなる。他の漆塗布層や加飾層の場合でも事情は異なるが理屈は同じである。
ステップ3の後、塗布した第1の漆塗布層を乾燥させる。乾燥は、できるだけ自然乾燥により行うことが好ましい。乾燥時間は、36時間から3週間程度の間が好ましい。他の漆塗布層や加飾層の場合でも概ね同程度とされることが好ましい。乾燥後は、顔料により所望の色の発色が得られた第1の漆塗布層11が形成される。
引き続き、第1の漆塗布層11の上面に順次、第nの漆塗布層12を形成する。
第nの漆塗布層12は、第1の漆塗布層11の上面に形成した1層の漆塗布層、すなわち第2(n=2)の漆塗布層からなるものであっても良い。
この場合、第nの漆塗布層12として塗布される漆には、第1の漆塗布層11の色とは異なる色の顔料が適量混入される。
この場合であっても、最終的に看者に視認されない第2、第3、・・・第n−1と順次形成される漆塗布層とは異なって、最上位層として形成され、図1に示すガラス器2の表面2a側から看者に直接視認され得る第nの漆塗布層12の色は、第1の漆塗布層11の色とは異なる色とされる。
ステップ5の後、塗布した第nの漆塗布層12を乾燥させる。乾燥は、できるだけ自然乾燥により行うことが好ましい。乾燥後は、顔料により所望の色の発色が得られた第nの漆塗布層12が形成される。
同時に、看者は、第nの漆塗布層12については、第1の漆塗布層11とは違って、漆独特の自然な色合いや風合い、或いは触感を、直接眼や掌で楽しむことが可能となる。
次に、第2例として、第nの漆塗布層の上面12aに第1の加飾層21を形成すると共に、下地層3と第1の漆塗布層11との間に第2の加飾層22を形成することによってさらなる別のガラス製品を得る際のフローチャートの一例につき説明する。
ステップ2:下地剤の乾燥、そして下地層の形成
これらに関しては、上記第1例と同じ要領にて実施される。
下地層3を形成した後、第1の漆塗布層11を形成する前に、両者の間に一部、第2の加飾層22を形成する。
第2の加飾層22は、第1の漆塗布層11よりも総塗布面積の小さく、しかも第1の漆塗布層11とは異なる色漆の漆加飾を少なくとも一部に含むものである。
ステップ2−2の後、塗布した第2の加飾層22を乾燥させる。乾燥は、できるだけ自然乾燥により行うことが好ましい。乾燥後は、顔料により所望の色の発色が得られた第2の加飾層22が形成される。
ステップ4:第1の漆塗布層の乾燥
ステップ5:第nの漆塗布層の形成
ステップ6:第nの漆塗布層の乾燥
これらに関しても、上記第1例と同じ要領にて実施される。
ステップ6の後、第nの漆塗布層12の上面12aに一部、必要に応じて第1の加飾層21を形成する。
第1の加飾層21は、第nの漆塗布層12よりも総塗布面積の小さい、第nの漆塗布層12とは異なる色漆の漆加飾又は蒔絵を少なくとも一部に含むものである。
第1の加飾層21として漆加飾が用いられる場合、ステップ7の後、塗布した漆加飾を乾燥させる。乾燥は、できるだけ自然乾燥により行うことが好ましい。乾燥後は、顔料により所望の色の発色が得られた第1の加飾層21が形成される。
同時に、看者は、第1の漆塗布層21については、第nの漆塗布層12と同様に、漆独特の自然な色合いや風合い、或いは触感を、直接眼や掌で楽しむことが可能となる。
なお、i)ガラス及び下地層は透明性を有すること、ii)下地層はガラス器の表面に形成される極薄い層であること、そしてiii)ガラス器表面の凹凸面は最終的に下地層が形成されることによって消失し、透明性が回復する、という各実施例及び本考案の性質上、図4AからDあるいは図5AからCにおいては、図1で示した符号が付与できない場合があり、それらに関しては適宜、上で説明した図1を参照しながら、以下の説明を行うものとする。
棗とは、一般的に茶器の一種で、抹茶を入れるのに用いる木製漆塗りの蓋物容器である。
i)番手:120番、加工時間:5から7秒、表面粗さ:粗、すりガラス程度:濃、
ii)番手:400番、加工時間:5から7秒、表面粗さ:細、すりガラス程度:薄、
の2つを試した。
・商品名:シリコマックスS クリヤー(070−2150/2110)、ロックペイント株式会社製、系統:アクリルシリコン樹脂をベースとする超耐候性塗料、品種:クリヤー、
重ね塗りした回数は2回、そして乾燥時間は1回当たり48時間である。
重ね塗りした回数及び乾燥時間はそれぞれ、1回、72時間である。
その結果、図4AからCに示す通り、ガラス器2を通じて第1の漆塗布層11がクリアに透視可能になっている。
iii)番手:220番、加工時間:10秒、表面粗さ:粗、すりガラス程度:濃、
iv)番手:600番、加工時間:10秒、表面粗さ:細、すりガラス程度:薄、
の2つを試した。
重ね塗りした回数及び乾燥時間はそれぞれ、1回、72時間である。
重ね塗りした回数及び乾燥時間はそれぞれ、1回、72時間である。
重ね塗りした回数及び乾燥時間はそれぞれ、1回、72時間である。
i)商品名:カシューグラスライト#300(ガラス用塗料)、カシュー株式会社製、系統:アクリル樹脂を主成分としたガラス用塗料、品種:クリヤー、
ii)商品名:ストロンTXL2800クリヤー、カシュー株式会社製、系統:ポリウレタン塗料、品種:クリヤー、
本実施例では、i)を試用した。
その結果、図5A及びBに示す通り、ガラス器2を通じて第1の漆塗布層11及び第2の加飾層22がクリアに透視可能になっている。
以上、本考案の内容を、実施例を用いて説明したが、本考案は上記実施例の構成に何ら限定されず、種々の変形が可能である。
2、2a、2a’ ガラス器、ガラス器の表面、凹凸面
3、3a 下地層、下地層の上面
11、11a 第1の漆塗布層、第1の漆塗布層の上面
12、12a 第2の漆塗布層、第2の漆塗布層の上面
21 第1の加飾層
22 第2の加飾層
C 反対側
G ガラス
N 反対面側からの視点
W 加工面側からの視点
Claims (4)
- 少なくとも反対側よりガラスを通して表面を透視可能なガラス器に漆芸を施してなるガラス製品であって、
少なくとも反対側よりガラスを通して表面を透視可能なガラス器と、
予めサンドブラスト処理により凹凸面が形成された前記ガラス器の前記表面に形成された下地層と、
前記下地層の上面に形成された第1の漆塗布層と、
前記第1の漆塗布層の上面に順次形成された第n(n≧2)の漆塗布層と、
からなり、
前記ガラス器を前記反対側より見ると、ガラスを通して前記第1の漆塗布層を透視し得る一方、
前記ガラス器を前記表面側より見ると、直接に、前記第1の漆塗布層とは異なる色漆からなる前記第nの漆塗布層を視認し得る様構成されてなることを特徴とするガラス製品。 - さらに、前記第nの漆塗布層の上面に一部形成され、前記第nの漆塗布層よりも総塗布又は形成面積の小さい、前記第nの漆塗布層とは異なる色漆の漆加飾又は蒔絵を少なくとも一部に含む第1の加飾層を備え、
前記ガラス器を前記表面側より見ると、直接に、前記第nの漆塗布層に加えて前記第1の加飾層をも視認し得る様構成されてなることを特徴とする請求項1に記載のガラス製品。 - さらに、前記下地層と前記第1の漆塗布層との間に一部形成され、前記第1の漆塗布層よりも総塗布面積の小さい、前記第1の漆塗布層とは異なる色漆の漆加飾を少なくとも一部に含む第2の加飾層を備え、
前記ガラス器を前記反対側より見ると、ガラスを通して、前記第1の漆塗布層に加えて前記第2の加飾層をも透視し得る様構成されてなることを特徴とする請求項1及び2に記載のガラス製品。 - 前記下地層が透明性のプライマーからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス製品。
Priority Applications (1)
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| JP2008004452U JP3144775U (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 漆芸を施したガラス製品 |
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| JP2008004452U JP3144775U (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 漆芸を施したガラス製品 |
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| JP3144775U true JP3144775U (ja) | 2008-09-11 |
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| JP2008004452U Expired - Lifetime JP3144775U (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 漆芸を施したガラス製品 |
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010269957A (ja) * | 2009-05-20 | 2010-12-02 | Canon Inc | 光学素子およびそれを有する光学系 |
| CN112142339A (zh) * | 2020-10-20 | 2020-12-29 | 涡阳县高炉创新包装有限责任公司 | 玻璃瓶表面喷涂工艺 |
| JP2025127729A (ja) * | 2024-02-21 | 2025-09-02 | 有限会社橋本漆芸 | ガラス瓶の漆調塗装及び加飾 |
-
2008
- 2008-07-01 JP JP2008004452U patent/JP3144775U/ja not_active Expired - Lifetime
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