JP3146519B2 - 熱形過負荷継電器のヒートエレメント構造 - Google Patents

熱形過負荷継電器のヒートエレメント構造

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JP3146519B2 JP14217691A JP14217691A JP3146519B2 JP 3146519 B2 JP3146519 B2 JP 3146519B2 JP 14217691 A JP14217691 A JP 14217691A JP 14217691 A JP14217691 A JP 14217691A JP 3146519 B2 JP3146519 B2 JP 3146519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、別置の主回路機器を
制御するための接点と、該接点を開閉駆動する駆動機構
と,短冊状に形成され温度が上昇することにより湾曲し
て前記駆動機構を動作させるバイメタルと、主回路用端
子間に接続されてバイメタルを過熱するヒートエレメン
トとを共通のケース内に収納してなる熱形過負荷継電器
の前記ヒートエレメントの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、この種熱形過負荷継電器の一般構
成につき説明する。図10は実開平1−98976 号公報にて
開示された熱形過負荷継電器の正面図、図11は同継電器
の側面断面図、図12は同継電器の動作原理図である。合
成樹脂からなるケース31に固定されたバイメタル支え4
に一端が抵抗溶接等により固定されたバイメタル1に絶
縁層2を介してコイル状に巻かれた巻線ヒータ33に主回
路用端子32Aから主回路の過電流が流入すると、この過
電流はバイメタル1の自由端側の巻線ヒータ33との接合
点からさらにバイメタル1内を流れて主回路用端子32B
から流出し、このとき、バイメタル1は過電流通過によ
るみずからの温度上昇と巻線ヒータ33からの加熱による
温度上昇とで湾曲し、バイメタル1に連結されケース31
内の側壁31bにより移動を案内される第1の連結板34Aを
図12に示すように右方へ駆動し、釈放レバー35を反時計
方向に回動させ、釈放レバー35とともに駆動機構を構成
する反転機構部36を実線から破線のように曲がりを反転
させ、反転機構部36と連結されケース31内の側壁31aに
より移動を案内される第2の連結板34Bを右方へ駆動す
る。これにより、別置の主回路機器, 例えば電磁接触器
の主回路接点を開閉制御するための,固定接点37,可動
接点38からなるa接点が開離し、固定接点39,可動接点4
0からなるb接点が閉成される。ここでリセット棒41を
下げると、リセット棒41の斜面41aが第2の連結板34B
に当接し、これを左方向へ移動させ、元の実線表示状態
になり、反転機構部36も元に戻る。
【0003】ところで、バイメタル1を加熱するヒート
エレメントには、図7に示すように、バイメタル1に無
機質の耐熱材を構成材料とした,例えばガラスクロスの
ような可撓性を有する絶縁層2を介して抵抗線をコイル
状に巻きつけた線ヒータ3または図8に示すような帯状
の抵抗板を巻きつけた板ヒータ5のような巻線ヒータが
用いられ、主回路の電流は常時線ヒータ3または板ヒー
タ5と、線ヒータ3,板ヒータ5とバイメタル1との接
合点3a,5aと、バイメタル1とを通って流れる。
【0004】ヒートエレメントとしてこのような巻線構
造のものは、一般に定格電流の小さい熱形過負荷継電器
に用いられ、定格電流が大きくなると、抵抗線あるいは
抵抗板の断面積を大きくとる必要があり、断面積を大き
くとると、バイメタルが温度上昇により湾曲するときに
湾曲を妨げる力が大きくなり、この構造では定格電流の
大きいヒートエレメントを作ることができない。
【0005】図9に従来から知られている大電流用ヒー
トエレメントの構造を示す。この構造のヒートエレメン
トは、抵抗材からなる帯状の薄板を谷の深いW字状に折
り曲げて重ね合わせ、Wの各谷間に絶縁板7を挟み込ん
でなるもので、W字の外側の一方の辺をバイメタル1に
当接し、無機質の耐熱材からなる絶縁層13を介してバイ
メタル1に止め金12で固定されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、熱形過負荷
継電器(以下、継電器と略称する)の特性として、電動機
の焼損防止のために、過電流の大きさと過電流開始から
接点動作までの時間とのあるべき関係がJISC8325等
に示されている。これにより、主回路に過負荷電流が流
れつづけると、所定の時間でバイメタルが湾曲して継電
器の接点が動作し、主回路の開閉を行う電磁接触器の主
接点を閉路状態に保持しているコイルの励磁が解かれ、
主回路電流が遮断されて電動機への給電が断たれる。し
かし、電磁接触器の寿命回数を越えた使用や、接点溶着
等のトラブル等で電磁接触器が主回路を開く機能を失っ
た場合には、継電器のヒートエレメントに過電流が流れ
つづけ、ヒートエレメントは加熱されつづけ、やがて溶
断に至る。
【0007】さらに、ヒートエレメントの溶断時に主回
路の電圧が溶断部にかかるためアークが発生し、このア
ークによりW字の谷間に挿入された絶縁板が劣化すると
ともに、このアークによりW字を形成しているヒータ板
が溶けつづけ、このときの熱により、合成樹脂からなる
継電器のケースおよびカバーが焼損し、ヒートエレメン
トまわりが大きく損傷するという問題が生じる。
【0008】この発明の目的は、熱形過負荷継電器によ
って開閉動作を制御される電磁接触器が、寿命回数を越
えた使用や接点トラブル等により、その主回路の遮断能
力を失い、継電器のヒートエレメントに過電流が流れつ
づける状態となっても、継電器の焼損事故を生じさせな
いヒートエレメントの構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明においては、別置の主回路機器を制御する
ための接点と、該接点を開閉駆動する駆動機構と、短冊
状に形成され温度が上昇することにより湾曲して前記駆
動機構を動作させるバイメタルと、主回路用端子間に接
続されてバイメタルを過熱するヒートエレメントとを共
通のケース内に収納してなる熱形過負荷継電器の前記ヒ
ートエレメントの構造を、該ヒートエレメントが、抵抗
材からなる帯状もしくは短冊状の薄板を非接着状態に重
ね合わせてなるとともに形状をほぼU字状に形成して
るヒータ板と、該ヒータ板の対向2辺中の他方の辺の開
放側端部に接続される可撓導体とからなり、ヒータ板の
U字の対向2辺中の1辺がバイメタルの面に沿わさせる
とともに、ヒートエレメント中温度が最も高くなる位置
を含む適宜の長手方向長さの範囲が断面積を小さく形成
され、かつヒートエレメント中断面積が小さく形成され
た部位よりU字の開放端側U字の対向2辺の間にU字の
対向2辺を外方へ押し広げるばねが介挿される構造とす
るものとする。
【0010】
【作用】このように、ヒートエレメント中の温度が最も
高くなる位置を含む適宜の長手方向長さの範囲を断面積
を小さく形成することにより、過大電流が流れつづけた
場合にまずこの小断面積の部位でヒートエレメントの溶
断が始まるので、この部位の長手方向長さを遮断に必要
かつ十分なアーク電圧を生じる長さとすることにより、
アークが確実に遮断され、継電器の焼損が防止されるほ
か、電磁接触器により始動, 停止が制御される電動機の
焼損を防止することも可能になる。また、ヒートエレメ
ント中断面積が小さく形成された部位よりU字の開放端
側U字の対向2辺の間にU字の対向2辺を外方へ押し広
げるばねを介挿することにより、溶断した後の溶断部の
絶縁距離を確保することができるので確実に回路を遮断
することができる。
【0011】
【実施例】図1に本発明によるヒートエレメント構造の
第1の実施例を示す。バイメタル1はバイメタル支え4
に抵抗溶接等で溶接され、片持ち梁状に支持されてい
る。ヒートエレメント中の発熱部を構成するヒータ板8
は、抵抗材からなる帯状の薄板を所要長さに切断して非
接着状態に重ね合わせたU字状の可撓板として形成さ
れ、その一方の端部がヒートエレメントの入(出)力端子
10にろう付け等により電気的に結合され、バイメタル1
に沿わされた後、止め金12を用いてバイメタル1に固定
される。通電時の温度が最も高くなる位置を含む適宜の
長手方向長さの範囲が、ヒータ板の幅が小さくなるよう
にあらかじめ両側から切り欠かれて断面積が小さくなっ
た切欠き部8AとしてU字中のバイメタル1を外れた位置
に存在する。曲がり部の端部には可撓性を有するリード
線14がろう付け等により接合されてヒータ板8とともに
ヒートエレメントを形成し、リード線14の他方端がヒー
トエレメントの出 (入) 力端子11に結合されて継電器内
にバイメタル加熱用電気回路が形成される。なお、この
実施例では、ヒータ板8に断面積の小さい部位を形成す
るのに、ヒータ板を両側から切り欠いて幅を小さくして
いるが、ヒータ板の幅の中央部に長手方向に長い長孔を
形成したり、複数の丸孔を形成することによっても断面
積を小さくすることができる。また、バイメタル1が電
気的に結合されるバイメタル支え4は、合成樹脂からな
る継電器ケースにねじ止めされ、大地から絶縁されてい
るため、バイメタル1とヒータ板8との間に絶縁層を介
装することは必ずしも必要ではない。
【0012】リード線14は中央部を絶縁被覆され、絶縁
被覆の中央部近くとヒータ板8との間に板ばね20が介装
され、バイメタル1からリード線14が遠ざかるような力
をリード線14に与えている。
【0013】このように、ヒータ板8を可撓板として形
成することにより、バイメタル1が湾曲するときの,湾
曲を妨げる負荷が小さくなり、また、通電用接続導体と
して可撓性のあるリード線14を用いることにより、切欠
き部8Aの溶断時にリード線14が移動し、切欠き部8Aの長
手方向長さより長い絶縁距離が得られ、板ばね20が介装
されない場合と比べ、アークがより確実に遮断される。
【0014】図2は、入出力端子10, 11と、ヒータ板8
と、通電用接続導体としてのリード線14とにより構成さ
れる電気回路部だけの正面図と側面図とを示し、図3は
ヒータ板8の形状を示す。また図4は、板ばね20の,バ
イメタル1側を足場としたリード線14への力のかかり方
を示すための図1のA−A線に沿う断面図であり、図5
は板ばね20のヒートエレメントへの組込み前の斜視図を
示す。
【0015】このように構成したヒートエレメントにお
いて、過大電流が流れると、断面積の小さい切欠き部8A
が発熱による温度上昇が最も大きく、電流が流れつづけ
るとこの部分でヒータ板8が溶断する。切欠き部8Aが溶
断すると、板ばね20の力によりリード線14は図1(a)中
右方へ押しのけられ、溶断部は左右方向に絶縁距離を増
し、回路は確実に遮断される。
【0016】図6に本発明によるヒートエレメント構造
の第2の実施例を示す。端子10に接合された接続板21は
バイメタル1に接合され、さらに接続板21の図中右側に
厚板からなるヒータ板19が接合される。このヒータ板19
のバイメタル自由端側は切欠き部18Aを持つ通電用接続
導体18に接合される。接続導体18の他端は端子11に接合
され、全体はバイメタル支え4に図示の如く固定されて
いる。
【0017】本構造においても、第1の実施例に示すヒ
ートエレメント構造と同様、電流が流れると切欠き部18
Aの温度上昇が最大となり、過大電流が流れつづける
と、切欠き部18A が溶断する。ただし、ここでは接続導
体18およびヒータ板19は剛性の高い厚板で構成されてい
るため、切欠き部の溶融のために開いた寸法で回路を遮
断することができる。
【0018】なお、本構造のように、接続板21をバイメ
タル1とヒータ板19とで挟む構造としてバイメタル1と
ヒータ板19との間に小ギャップをもたせる理由は、気温
が20℃前後の作業環境で作られた継電器を寒冷地で使用
する場合、バイメタル1が温度上昇時と反対方向に湾曲
しようとし、バイメタル1とヒータ板19とを密着させた
構造とすると、バイメタル1とヒータ板19との接合点に
両者を剥離させようとする力が作用するからである。
【0019】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明において
ヒートエレメント中温度が最も高くなる位置を含む
適宜の長手方向長さの範囲が断面積を小さく形成される
構造としたので、主回路に過電流が流れつづけたときの
ヒートエレメントの溶断が、必ず断面積を小さくした部
位から始まる。この部位は、ヒートエレメントが接続さ
れる,熱容量の大きい入出力端子から遠い,ヒートエレ
メント全長の中央部近傍にあり、断面積を小さくしなく
ても通電中に最も温度が高くなる部位であるから、断面
積はさほど小さくしなくても溶断は確実にこの部位から
始まる。このため、継電器に要求される動作特性付与の
ための該小断面部の断面積の設定が比較的自由に可能に
なり、ヒートエレメント中への小断面部の形成は、継電
器の動作特性の付与を妨げない。しかも、主回路機器で
ある電磁接触器の不動作時に継電器が焼損を免れるほか
に、主回路が遮断されて電動機の焼損が防止される効果
が得られる。また、ヒートエレメント中断面積が小さく
形成された部位よりU字の開放端側U字の対向2辺の間
にU字の対向2辺を外方へ押し広げるばねを介挿したこ
とにより、溶断した後の溶断部の絶縁距離を確保するこ
とができるので確実に回路を遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヒートエレメント構造の第1の実
施例を示す図であって、同図(a) は正面図、同図(b) は
側面図
【図2】図1における電気回路部のみを示す図であっ
て、同図(a) は正面図、同図(b)は側面図
【図3】図2の電気回路を構成するヒートエレメント中
のヒータ板の構造を示す斜視図
【図4】図1のA−A線部断面図
【図5】図4に示す板ばねの構造を示す斜視図
【図6】本発明によるヒートエレメント構造の第2の実
施例を示す図であって、同図(a) は正面図、同図(b) は
側面図
【図7】従来のヒートエレメント構造の一例を示す図で
あった同図(a)はヒートエレメントにより加熱されるバ
イメタルの形状を示す斜視図、同図(b) はヒートエレメ
ントによるバイメタルの加熱方法を示す斜視図
【図8】図7に示すヒートエレメント構造においてヒー
タ線材の断面形状が異なる場合の一例を示す斜視図
【図9】従来のヒートエレメント構造の図7および図8
と異なる構造を示す図であって同図(a) は正面図、同図
(b) は側面図
【図10】本発明が対象とする熱形過負荷継電器の一般
構成を示す正面図
【図11】図10に示す熱形過負荷継電器の側面断面図
【図12】図10, 図11に示す熱形過負荷継電器の動
作原理を示す図
【符号の説明】
1 バイメタル 8 ヒータ板 8A 切欠き部 10 端子(主回路用端子) 11 端子(主回路用端子) 14 リード線(通電用接続導体) 18 接続導体(通電用接続導体) 18A 切欠き部 19 ヒータ板 20 板ばね 37 固定接点 38 可動接点 39 固定接点 40 可動接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭51−55374(JP,U) 実開 昭56−112837(JP,U) 実開 昭57−1463(JP,U) 実開 昭60−177433(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 71/16 H01H 71/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】別置の主回路機器を制御するための接点
    と、該接点を開閉駆動する駆動機構と、短冊状に形成さ
    れ温度が上昇することにより湾曲して前記駆動機構を動
    作させるバイメタルと、主回路用端子間に接続されてバ
    イメタルを過熱するヒートエレメントとを共通のケース
    内に収納してなる熱形過負荷継電器の前記ヒートエレメ
    ントの構造であって、該ヒートエレメントが、抵抗材か
    らなる帯状もしくは短冊状の薄板を非接着状態に重ね合
    わせてなるとともに形状をほぼU字状に形成してなるヒ
    ータ板と、該ヒータ板の対向2辺中の他方の辺の開放側
    端部に接続される可撓導体とからなり、ヒータ板のU字
    の対向2辺中の1辺がバイメタルの面に沿わさせるとと
    もに、ヒートエレメント中温度が最も高くなる位置を含
    む適宜の長手方向長さの範囲が断面積を小さく形成さ
    、かつヒートエレメント中断面積が小さく形成された
    部位よりU字の開放端側U字の対向2辺の間にU字の対
    向2辺を外方へ押し広げるばねが介挿されることを特徴
    とする熱形過負荷継電器のヒートエレメント構造。
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