JP3146653B2 - 光情報処理装置 - Google Patents

光情報処理装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒ−レント光を利用
する光情報処理分野、あるいは光応用計測制御分野に使
用する光情報処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6に半導体レーザを用いて構成した光
情報処理装置の構成図を示す。この光情報処理装置は光
ディスクに情報を記録、再生するものである。以下830n
mの波長の光に対する記録および再生について図を用い
て詳しく述べる。半導体レーザ21より出射された光P
1はレンズ40、ビームスプリッター41を通過した
後、レンズ42により媒体である光ディスク43に照射
される。半導体レーザの出力30mWにて媒体に記録が行わ
れる。また、出力2mWにて読み取りが行われる。このと
きは、書き込みと同じ光路を通って媒体に照射された
後、反射光は逆にレンズ42によりコリメートされビー
ムスプリッター41で反射され、レンズ44で集光後、
Siによるディテクタ44で信号が読み取られる。レン
ズ42の開口数(NA)は0.6であり集光スポットサ
イズは1.1μmであった。
【0003】これに対して、通常のレンズの代わりにフ
レネルレンズを使う構成がある。図7にフレネルレンズ
による集光を示す。フレネルレンズ34は回折を利用し
たもので、図7のようにブレーズ化することで効率を1
00%近くにすることができる。パターンが形成された
膜の厚みは1.7μmと薄くできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような光情報処
理装置を用いた構成では、半導体レーザが読み取りと書
き込みで出力が異なり、駆動する電流の違いによる波長
変動を生じていた。また、半導体レーザの個体差が大き
く、±10nm程度の波長ばらつきが生じていた。そのた
め、フレネルレンズでの集光の際、焦点位置に変化が生
じるという問題を有していた。これについて説明する。
半導体レーザは波長830nmであるが、レーザの波長が5n
mずれただけで焦点位置は2μm変化し、収差を生じて
いた。
【0005】そこで本発明は、電流変化、個体差に左右
されないだけでなく、環境温度が変わっても安定した発
振波長が得られるコンパクトなレーザ光源およびフレネ
ルレンズを用いて、光学部品の小型、軽量化および複合
化を図ることを目的とする。
【0006】
【0007】
【課題を解決するための手段】 発明の光情報処理装置
は、半導体レーザと、光導波路およびグレーティングお
よび光変調部が形成された基板と、フレネルレンズと、
ビームスプリッターを有し、前記光導波路中に前記半導
体レーザからの光が入射し、光の一部が前記グレーティ
ングにより半導体レーザに帰還され、なおかつ光導波路
から出射された光がレンズおよびビームスプリッターを
通過した後、媒体に照射される構成となるという手段を
有するものである。
【0008】
【作用】本発明の光情報処理装置として、小型、軽量、
低コスト化が可能なフレネルレンズを用い、色収差を防
ぐために発振波長一定のレーザ光源を用いる。光導波路
上に形成されたグレーティングからの帰還により、半導
体レーザの波長は温度および電流が変化しても常に一定
の発振波長が得られる。また、発振波長の個体差もな
く、すべてのレーザ光源で同一の波長が得られる。これ
を詳しく説明する。半導体レーザの駆動電流が変化する
と半導体レーザの材料の屈折率が変化し、これに伴って
発振波長が変化しようとするが、グレーティングからの
帰還波長が一定のためその波長で発振を行う。つまり発
振波長λは、グレーティングの周期Λ、光導波路の屈折
率Nとすると、λ=2NΛとなる。ここで周期Λおよび
屈折率Nは一定であるため発振波長λも一定となる。そ
のため、読み取りと書き込みで電流が変化してもフレネ
ルレンズの焦点位置に変化はなく、収差が生じない。ま
た、切り替えに対して遅れがない。
【0009】
【実施例】本発明の光情報処理装置の実施例について説
明する。光情報処理装置の構成を図1に示す。本実施例
ではLiTaO3を基板として用いた。半導体レーザ21より
出射された光P1は基板22に形成されている光導波路
2に入射する。入射した光P1は光導波路2中を最低次
モードであるTM00モードで伝搬し、グレーティングに
より半導体レーザに一部帰還される。これにより、波長
安定化されたレーザ光P1は光導波路2より放射され、
レーザビームとして使用される。このビームはフレネル
レンズ35により平行化された後、ビームスプリッター
41を通過し、フレネルレンズ36により、記録のため
の媒体である光ディスク43に照射される。反射光は逆
にフレネルレンズ36によりコリメートされビームスプ
リッター41で反射され、フレネルレンズ37で集光
後、Siによるディテクタ45で信号が読み取られる。
フレネルレンズの材料はSF8(屈折率1.68)であり、
開口数(NA)は0.6である。また、集光スポットサ
イズは1.1μmであった。ビームは安定であり、これ
により高密度光情報処理装置が実現できた。また、レー
ザ光源のサイズは4mm角内のコンパクトなものとなって
いる。さらに、光ディスク面上からの戻り光に対して
も、波長の変動はなく相対雑音強度(RIN)も-140dB
/Hzと良好であった。
【0010】次にフレネルレンズの作製方法について説
明する。原盤としてガラス上に塗布されたレジストに電
子ビーム露光装置を用いて描画を行いパターンを作製
後、ドライエッチングによりガラスに転写を行う。この
ようにして作製された原盤からレプリカを取り大量に生
産する。そのため大幅な低コスト化が図れる。
【0011】ここで用いたレーザ光源の構成を図を用い
て説明する。図2にレーザ光源の構成図を示す。レーザ
光源は基本的にはSiサブマウント20と半導体レーザ
21と光導波路が形成された基板22により構成され
る。また、基板22の光導波路2上にはTa2O5によるグ
レーティング3が形成されている。Siマウント20に
固定された半導体レーザ21から出射された光P1は直
接光導波路2に導入される。これは、半導体レーザ21
の活性層と光導波路2の位置が、Siサブマウントに対
し、同じ高さに調整されているためである。
【0012】光導波路2に入った光P1はグレーティン
グにより一部が反射され半導体レーザに帰還される。そ
のため半導体レーザはグレーティングの周期と基板の屈
折率で決まる波長に固定され発振する。
【0013】光導波路2はピロ燐酸中でのプロトン交換
により作製した。以下基板への光導波路およびグレーテ
ィング作製方法について図3を用いて説明する。図3
(a)でLiTaO3基板1aにTaを厚み20nm、スパッタ蒸着
した後、通常のフォトプロセスとドライエッチングを用
いてTaをパターニングする。入射テーパ部を形成するた
め、Taによるパターンが形成されたLiTaO3基板の一部を
ピロ燐酸中で260℃、30分間浸し、プロトン交換を行
い、スリット直下に厚み1.2μmの入射テーパ部となる
プロトン交換層を形成する。その後、420℃の温度で20
分間熱処理する。これにより厚み5μmの入射テーパ部
が形成される。これにより、半導体レーザとの結合効率
が大幅に改善される。さらに光導波路2を形成するため
に、ピロ燐酸中で260℃、12分間プロトン交換を行い、
スリット直下に厚み0.5μmのプロトン交換層を形成し
た後、420℃の温度で1分間熱処理する。次に同図(b)
でTa2O56を膜として30nmの厚みで形成する。次に同図
(c)でフォトリソとドライエッチングを用いてTa2O5
の周期的パターンを形成する。これがグレーティング3
となる。グレーティングの周期は1.9μmであり、1次
周期0.19μmの10倍を用いている。このように周期は
1次周期の整数倍であれば用いることができる。その
後、保護膜となるSiO25をスパッタにより厚み2μm形
成する。この厚みを調整することで半導体レーザの活性
層と高さを一致させている。最後に研磨により入出射面
を形成する。光導波路2の厚みは1.9μm、長さは3mmで
ある。また、グレーティングの反射率は10%である。こ
の程度の反射量で充分波長安定化が図れる。
【0014】次に長さ4mmのSiサブマウント20上
に半導体レーザ21の活性層側を下にしてボンディング
する。リード線を付けて半導体レーザを光らせながら、
光導波路が形成された基板22を光導波路2から出射す
る光P1が最大になるところで接着する。以上の工程に
より、コンパクトなレーザ光源が作製できた。
【0015】図4に作製されたレーザ光源の波長の電流
依存性を示す。従来では、電流の40mAの変化に対して、
波長は5nmも変化しているが、本発明のレーザ光源では
波長変化は見られず非常に安定していた。これによりフ
レネルレンズの焦点位置の変化もなく安定に光情報処理
装置は動作していた。また、フレネルレンズを用いてい
るため小型、軽量化が図れた。
【0016】なお、本実施例ではフレネルレンズを3個
使用したが、1個でまかなうこともできる。また、フレ
ネルレンズを用いた他の構成にも適用可能である。
【0017】本発明の光情報処理装置の第2の実施例を
説明する。まず、本発明による光情報処理装置の第2の
実施例の構成は実施例1と同様である。この実施例で
は、レーザ光源用光導波路としてLiNbO3基板中にプロト
ン交換を用いて作製したプロトン交換光導波路と変調用
電極を用いたものである。半導体レーザ21より出射さ
れた光P1は基板22に形成されている光導波路2に入
射する。入射した光P1は光導波路2中を最低次モード
であるTM00モードで伝搬し、グレーティングにより半
導体レーザに一部帰還される。これにより、波長安定化
されたレーザ光P1は光導波路2より放射され、レーザ
ビームとして使用される。このビームはフレネルレンズ
35により平行化された後、ビームスプリッター41を
通過し、フレネルレンズ36により記録のための媒体で
ある光ディスク43に照射される。反射光は逆にフレネ
ルレンズ36によりコリメートされビームスプリッター
41で反射され、フレネルレンズ37で集光後、Siに
よるディテクタ45で信号が読み取られる。フレネルレ
ンズの材料はプラスチック(屈折率1.48)であり、開口
数(NA)は0.6である。また、集光スポットサイズ
は1.1μmであった。ビームは安定であり、これによ
り高密度光情報処理装置が実現できた。
【0018】次に光変調部の構成を図5に示す。図5で
22は+Z板(Z軸と垂直に切り出された基板の+側)
のLiNbO3基板、2は形成された光導波路、3はTa2O5
よるグレーティング、10は光P1の入射部、12は光
P1の出射部、15は光導波路上に形成されたAlの電
極である。LiNbO3は電気光学効果が大きく、電界により
屈折率を変えることができる。光導波路をカットオフ厚
み近傍に作製しておくことで、スイッチングつまり変調
が可能である。つまり光導波路に印加する電圧を変化さ
せることで屈折率が低下し、光導波路がカットオフとな
りビームが伝搬できなくなる。光導波路上に+電圧を印
加し光導波路の横をグランドに落としておくと電気力線
が走り電界がかかる。これにより光導波路の屈折率が低
下し、導波光は基板へ放射モードとして抜けていき、出
射部からは出てこなくなり、これによりスイッチングが
できる。図5で電極幅は4μm、電極間隔は5μm、厚み
は200nmである。保護膜であるSiO2がないと金属である
電極15と光導波路2が直接接触し伝搬損失が増加して
しまう。また、この素子の長さは10mmである。
【0019】図5で光P1として半導体レーザ光(波長
840nm)を入射部10より導波させたところシングルモ
ード伝搬し、グレーティング3により帰還され半導体レ
ーザは波長安定化された。電極15に10Vの電圧を加
えることにより屈折率を10 -4低下させ、ビームをカッ
トできた。このとき電界は2×106V/mである。次
に、この電極にピーク電圧10Vのパルス状変調電圧
(繰り返し200ps)を印加した。500MHzの周波数の
変調電圧に対して出力光も追随して応答していた。この
ように電極に変調電圧を印加することで変調出力も得る
ことができる。このように変調時においても半導体レー
ザの発振波長は変わらず安定に記録、再生が可能となっ
ている。
【0020】なお、本実施例では基板として電気光学効
果の大きなLiNbO3を用いたが他のLiTaO3等の強誘電体材
料も有効である。また、光に対してマルチモード伝搬で
は出力が不安定で実用的ではなく、シングルモードが有
効である。
【0021】なお、光入射方法としては直接結合以外に
もレンズを介した構成でも良い。また、Siをサブマウ
ントとして用いたがCuやC、等他の熱電導の良い材料
であれば良い。また、実施例では結晶としてLiNbO3およ
びLiTaO3を用いたがKNbO3、KTP等の強誘電体、MN
A等の有機材料、またガラス材料にも適用可能である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光情報処理
装置によれば、レンズとしてフレネルレンズ、レーザと
して波長の安定したレーザ光源を用いることで小型、軽
量でなおかつ安価な光情報装置を構成することができ
る。また、本発明の光情報処理装置によれば光導波路に
印加される電圧の制御によりレーザ出力の変調を行うこ
とができる。また、変調時においても焦点位置の変動は
ない。
【0023】また、本発明の光情報処理装置により波長
安定なレーザ光源を用いることにより、簡単に収差のな
いスポットを安定に得ることができる上に、媒体からの
戻り光にも強く、その実用的効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報処理装置の第1の実施例の構成
【図2】本発明の光情報処理装置に用いるレーザ光源の
構成図
【図3】本発明の光情報処理装置に用いるレーザ光源の
製造工程図
【図4】半導体レーザの駆動電流と発振波長の関係を示
す特性図
【図5】本発明の第2の実施例の光情報処理装置に用い
る光変調部の構成図
【図6】従来の光情報処理装置の構成図
【図7】フレネルレンズの断面図
【符号の説明】
2 光導波路 3 グレーティング 4 入射テーパ部 15 電極 20 Siサブマウント 21 半導体レーザ 22 光導波路が形成された基板 P1 光 35、36、37 フレネルレンズ 40、42、44 レンズ 41 ビームスプリッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−62982(JP,A) 特開 昭59−216116(JP,A) 特開 平4−106990(JP,A) 特開 平1−268181(JP,A) 特開 昭64−46995(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体レーザと、光導波路およびグレーテ
    ィングおよび光変調部が形成された基板と、フレネルレ
    ンズと、ビームスプリッターを有し、前記光導波路中に
    前記半導体レーザからの光が入射し、光の一部が前記グ
    レーティングにより半導体レーザに帰還され、なおかつ
    光導波路から出射された光がレンズおよびビームスプリ
    ッターを通過した後、媒体に照射される構成となること
    を特徴とする光情報処理装置。
  2. 【請求項2】光変調部として変調電圧を電極に印加する
    構成となることを特徴とする請求項記載の光情報処理
    装置。
  3. 【請求項3】光導波路の半導体レーザと対抗した側に入
    射テーパ部が形成されていることを特徴とする請求項
    載の光情報処理装置。
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