JP3147327B2 - 光導波回路及びその製造方法 - Google Patents

光導波回路及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信や光情報処
理の分野で用いられる光導波回路及び光導波回路の製造
方法に関し、特に面型ホトダイオードの光導波回路への
実装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の光導波回路への面型ホトダイオー
ドの実装構造の概略を図5に示す。同図に示すように、
基板1上に形成されたコア2とクラッド3とから成る光
導波回路の所望の部位には、光反射用の45度に傾斜し
た斜め溝4が設けられている。そして、導波光は上記斜
め溝4で全反射して導波回路面に直交するよう上方に出
射し、この部位に面型ホトダイオード(以下「PD」と
いう。)5を受光面を下に向けて設置して受光してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5に示す
ような構造においては、上記斜め溝4の形成法が問題と
なっている。すなわち、上記斜め溝4は、現状では機械
加工による方法が最も精度よく形成できるものとされお
り、例えば回転丸刃を45度に傾けて試料をスライドさ
せて切るようにしているわけであるが、その際、導波回
路面全面に亙って溝4が形成されることになる。
【0004】従って、上記PD5を設置しようとする部
位の近傍に、例えば他の導波路があるような場合には、
この導波路をも切ってしまうことになり、PD5の設置
部位はおのずから限られてしまうことになる。
【0005】以上述べたように、従来の光導波回路で
は、反射用の斜め溝が他の導波回路を横切らない部位、
すなわち回路の端にしか面型PDを実装できないという
問題点があった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みて、光回路中
の任意の位置に他の回路に影響を及ぼすことなく面型P
Dを実装できる構造を提供し、より多機能な光導波回路
及びその製造方法を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係る光導波回路の構成は、基板上に形成されたコア
及びクラッドとから成る光導波回路であって、上記コア
を囲み該コアより屈折率の低いクラッドよりなる光導波
路と、該光導波路のコアの光軸方向にほぼ直交する垂直
な第1の端面と該第1の端面と対向する第2の端面とを
有すると共に、上記コアよりも深い矩形断面の溝と、該
溝の上記第1の端面に対向する第2の端面に設けられ、
上記コアの中心の高さで光軸方向に対してほぼ45°の
角度をなす反射材支持層と、該反射材支持層の表面に設
けられた反射材とからなる光導波回路において、上記第
1の端面と対向する第2の端面を有する導波路が、該コ
アよりも深い溝により囲まれて独立した島状クラッドよ
りなると共に、該島状クラッドの上面に液だめを形成し
てなり、該液だめと上記溝とを連通する開口部が上記第
1の端面と対向しない箇所に設けられてなることを特徴
とする
【0008】
【0009】上記光導波回路において、上記光導波路の
コアを囲んだクラッドに設けられた溝部の光軸方向のク
ラッドの長さ、光軸方向と直交する方向のクラッドの深
さ、コアの厚み及び開口数の関係が下記(1),(2)
式の関係を充足することを特徴とする。
【0010】
【数2】 L<(A/θm) (1) D>2Lθm+B (2) ここで、上記式において、Lは溝部の光軸方向の長さ、
Aは導波路の上部クラッドの厚み、θmは光導波路の開
口数、Dは凹部のクラッド表面からの深さ、Bはコアの
厚みとする。
【0011】上記光導波回路において、溝の底面が基板
まで達するものであることを特徴とする。
【0012】また、本発明の光導波回路の製造方法は、
平坦な基板上にコア及びクラッドからなる光導波路を形
成する工程と、上記光導波路の所望の部位に、上記コア
の光軸方向にほぼ直交する垂直な第1の端面と該第1の
端面と対向する第2の端面とを有すると共に、上記クラ
ッド表面から上記コアまでより深い深い矩形断面の溝を
形成する工程と、次いで、上記第2の端面のコーナー部
に液状硬化物質を充填し、しかる後に該液状硬化物質を
硬化させて斜面を形成する工程と、その後、該斜面上に
反射増加膜を付着する工程とからなることを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する実施の形
態の内容について図面を参照して説明する。
【0014】(第1の実施の形態)先ず、本発明の第1
の実施の形態について述べる。図1は本発明の第1の構
成に係る断面概略図である。図1に示すように、本発明
の導波回路10の構成は、基板11上に形成されたコア
12及びクラッド13とから成る光導波回路であって、
上記コア12を囲み該コア12より屈折率の低いクラッ
ド12よりなる光導波路14と、該光導波路14のコア
12の光軸方向にほぼ直交する垂直な第1の端面である
導波路端15と、該導波路端15と対向する第2の端面
である対向クラッド端面16とを有すると共に、上記コ
ア12よりも深い矩形断面の溝18と、該溝の上記導波
路端15に対向する対向クラッド端面16に設けられ、
上記コア12の中心の高さで光軸方向に対してほぼ45
℃の角度をなす反射材支持層19と、該反射材支持層の
表面に設けられた反射層20とからなることを特徴とす
る。
【0015】すなわち、図1に示すように、本発明にお
いては、面型PD21を装着しようとする所定の部位の
導波回路構成物をエッチング法で除去して光軸方向にほ
ぼ直交する垂直な第1の端面である導波路端15と、該
導波路端15と対向する第2の端面である対向クラッド
端面16とを有する矩形断面の溝18を形成する。次い
で、該溝18の導波路端15に対向するクラッド壁面1
6において、溝18の底面と対向クラッド端面16とで
形成されたコーナー部に液状物質を充填し次いで硬化さ
せることにより、上記液状物質の表面張力によって上記
コア12の中心の高さで光軸方向に対してほぼ45℃の
角度をなす反射材支持層19を形成し、その後、上記反
射材支持層19の硬化斜面上に高反射物質を付着せしめ
て反射層20を付着し、光導波回路を構成してなるもの
である。これによって導波路端15から出射した導波光
を上記反射層20を介して導波回路面に直交する垂直方
向に取り出すようにして、面型PD21に導波光を導く
ようにしている。
【0016】ここで、本実施の形態を更に詳述すると、
図1に示すように、基板11上には上部クラッド13a
及び下部クラッド13bとからなるクラッド13と、こ
のクラッド13に取り囲まれたコア12とから光導波回
路が形成されており、その途中の所望の部位だけ導波路
材がエッチングによって取り去られ、矩形断面の溝18
を形成している。この溝18の一方の壁面は導波路14
の導波路端15となっており、それに対向するクラッド
端面16のコーナ部には、該コーナ部に沿って充填材が
付着せしめられている。上記充填材は、液体状態で付着
せしめ、しかる後に硬化するものである。この結果、充
填材はクラッド端面16と溝18底面とで成るコーナー
部に沿うようにして埋め、その表面形状は表面張力によ
って上記コア12の中心の高さで光軸方向に対してほぼ
45℃の角度をなす反射材支持層19を形成した平滑な
斜面となる。この斜面上に、例えば金等は蒸着法等によ
って高反射物質を付着して反射材20を形成するように
している。このような斜面に入射した出射導波光は、斜
面で反射して導波回路に垂直に出射する。
【0017】なお、斜面形状は凹状であるため、従来例
に比較すると出射光の広がりは大きいが、上記光導波回
路の上面に配設されるPD21の受光面を導波路表面直
近まで近づければ、出射導波光は全て受光面内に入射す
ることとなる。また、斜面の凹状の程度も、後の実施例
に示すように、充填材24のヌレ性を、溝18の底面に
対してよりもクラッド端面16に対してよいように選択
すれば、直線状に限りなく近づけることが可能である。
【0018】ここで、本発明で上記反射材支持層19を
形成する充填材としては、例えばエポキシ、ポリイミド
等の樹脂や、より高温に耐える材料として低融点封着用
ガラス(融点400〜500℃)を挙げることができる
が、同様な作用を呈するものであれば本発明はこれに限
定されるものではない。
【0019】次に導波路パラメータと矩形状の溝部のサ
イズとの関係について図2を参照して説明する。図2に
示すように、上記導波路端15からの出射光が全て上部
に反射されるためには、以下の二つの条件が満たされれ
ばよい。
【0020】光導波路14の開口数をθm,溝18の光
軸方向の長さをL、導波路14の上部クラッド13aの
厚みをAとすると、対向クラッド壁面16での出射導波
光の上方への広がりはLθmである。また、上方広がり
分を全て反射するためには、上部クラッド13aの厚み
はこれよりも大きくなければならないことから、溝の光
軸方向の長さLに対して、
【0021】
【数3】 L<(A/θm) (1) という条件が定められる。また、出射導波光の下方への
広がりを考慮すると、溝18の上部クラッド13a表面
から下部クラッド13bまでの深さDは、コア12の厚
みをBとして
【0022】
【数4】 D>2Lθm+B (2) とする必要がある。
【0023】(第2の実施の形態)次に第2の発明の実
施の形態について述べる。図3及び第4は本発明の第2
の構成に係る断面概略図である。同図中、符号12はコ
ア、21は面型PD、15は導波路端、16は対向クラ
ッド壁面、19は反射材支持層、20は反射層、21は
面型PD、22は島状クラッド、23は液だめ、24は
充填剤、25は接着剤ディスペンサー、26はPD用電
極及び27はPD固定用パッドを各々図示する。
【0024】前述した実施の形態では、図1に示すよう
に、コア12及びクラッド13からなる導波路層14の
導波路端15を含む壁面と斜め反射部を形成しようとす
る対向クラッド壁面16とがトポロジー的に同一面に含
まれる場合、充填材を対向クラッド壁面16の近傍のコ
ーナ部に滴下した場合に対向する導波路端面15側にも
回り込んで導波路端15にまで及んでしまうことが危惧
される。
【0025】これを防止するための構成を図3及び図4
に示す。すなわち、これらの図面に示す構成では、液状
物質である充填剤24の充填を容易にするために、対向
クラッド壁面16を含む壁面はトポロジー的に導波路端
15を含む壁面と一致しないように、対向クラッド壁面
16を含む壁面は島状クラッド22を構成し、且つその
島状クラッド22には、液状物質充填用の液だめ23を
備えてなるものである。この島状クラッド23に設けら
れた液だめ11には、充填材24が液だめ23の体積分
を滴下するようにしておけばよい。このようにすれば、
充填材24が導波路端15に回り込むことがなくなり、
導波路端15にまで及んでしまうことが防止される。
【0026】ここで、上記実施の形態においては、溝の
形状等は上述したように、「数3」及び「数4」に示す
ような条件とすればよい。
【0027】さらに、図1及び図3,4に示すもので
は、充填剤の液だれ等を防止するには、溝を形成する際
に下部クラッド層13bの下面の基板11まで達するよ
うにエッチングするようにすればよい。これは、充填材
に対するクラッドと基板とのヌレ性の差により、上記基
板(シリコン基板)においてはコーナ部のみに留まり、
対向クラッド壁面16のコーナ部にのみ上記充填材が充
填され、その後硬化することで反射材支持層19を形成
することとなる。
【0028】
【実施例】次に、本発明の好適な一実施例として以下の
光導波回路に適用した例について説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。
【0029】(1) 先ず、図1に示すものと同様に、
基板11としてSi基板を用い、これにSiO2 を主成
分とするガラスから成る石英系光導波回路を火炎直接堆
積法、及びドライエッチング法にてコア12を取り囲ん
だクラッド13層からなる導波路14を作製した。ここ
で、コア12及びクラッド13間の比屈折率差は、0.
75%、下部クラッド13bの厚みは15μm、コア1
2は6μm角、上部クラッド13aの厚みは15μmで
ある。 (2) この導波回路の面内の所定の箇所をドライエッ
チングによってSi基板に達するまで堀り込み、図3
(a)に示すような、断面形状が凹状の溝を形成した。
上記導波路14の導波路端15と対向クラッド壁面16
間に、距離Lおよびエッチング深さDは、前記「数3」
及び「数4」に記載した不等式(1)及び不等式(2)
を満たすようにそれぞれL=80μm、D=36.5μ
mとした。対向クラッド壁面7は前記したように、島状
クラッド22の一壁面をなすようにし、面積1平方mm
の液だめ23を設けた。 (3) 次に、充填材24としてここではエポテック3
53ND(商品名:理経社製)を選択し、これを十分脱
泡した後、図3(b)に示すように液だめ23に接着剤
をディスペンサー25を用いて30μcc滴下した。し
かる後に、上記充填材24を100℃にて硬化させた。
さて、ここで本実施例の場合、形成した溝の底面はS
i、壁面は酸化物ガラスとなっている。上記用いた充填
材(エポテック353ND:商品名)24は、Siに対
してはヌレ性が悪く、液状の充填材24の接触角は30
度と大きい。一方、酸化物ガラスに対してはヌレ性がよ
く、接触角は5度程度と小さい。従って、上記充填材2
4は容易に対向クラッド壁面16を濡らすが、溝底面へ
は広がりにくく、再現性よく40〜50度の傾斜角の斜
面を得ることができた。なお、上記充填材24の硬化
は、Siの酸化を防止するため、窒素雰囲気中でおこな
った。これは、該充填材24の硬化工程中において、S
iが酸化されると該充填材24は溝底面に広がってしま
うからである。 (4) さらに、後のPD装着工程での加熱に備えるた
め、300度に加熱して充填材24のガス出しを行っ
た。 (5) 次に、この上部に図4(a)に示すように、T
i1000オングストロームの厚み、金を2000オン
グストロームの厚みに蒸着し、高反射物質20、PD用
電極26およびPD固定用パッド27を形成した。パタ
ーン化はリフトオフ法を用いた。 (6) 最後に、図4(d)に示すように、錫鉛半田バ
ンプを備えた受光系80μmのInGaAsPD(0.
3mm角)22を、200度で加熱冷却して固定した。
【0030】このようにして装着したPD22の光導波
路との結合効率を波長1.3μmにて評価した。その結
果、結合効率は、導波路端に直接受光面を平行にして装
着した場合の95%と高い値が得られた。
【0031】
【発明の効果】以上のべたように、本発明によれば、他
の導波路に影響を与えず、光導波回路の任意の位置にP
Dを実装することが可能となる。例えば光周回回路や光
反射回路の内側にPDを設置できるため、光回路内のデ
ッドスペースを少なくできるとともに光導波回路自体の
機能も増える。
【0032】さらに、PD装着部の周囲は、段差の無い
平坦な上部クラッドで囲まれるため、キャッピング封止
も可能となるなど、本発明は、光デバイスの多機能化、
低価格化に資するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の構成の断面図である。
【図2】凹部サイズの条件の説明図である。
【図3】本発明の第二の構成の斜視図である。
【図4】本発明の第二の構成の斜視図である。
【図5】従来の光導波回路への面型ホトダイオードの実
装構造の概略図である。
【符号の説明】
11 基板 12 コア 13 クラッド 14 斜め溝 15 面型PD 16 導波路端 17 対向クラッド壁面 18 充填材 19 高反射物 22 島状クラッド 23 液だめ 24 充填材 25 接着剤ディスペンサー 26 PD用電極 27 PD固定用パッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中須賀 好典 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 橋本 俊和 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−264870(JP,A) 特開 昭63−191111(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14 G02B 6/26 - 6/27 G02B 6/30 - 6/35 G02B 6/42 - 6/43

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたコア及びクラッドと
    から成る光導波回路であって、 上記コアを囲み該コアより屈折率の低いクラッドよりな
    る光導波路と、 該光導波路のコアの光軸方向にほぼ直交する垂直な第1
    の端面と該第1の端面と対向する第2の端面とを有する
    と共に、上記コアよりも深い矩形断面の溝と、 該溝の上記第1の端面に対向する第2の端面に設けら
    れ、上記コアの中心の高さで光軸方向に対してほぼ45
    °の角度をなす反射材支持層と、 該反射材支持層の表面に設けられた反射材とからなる光
    導波回路において、上記第1の端面と対向する第2の端面を有する導波路
    が、該コアよりも深い溝により囲まれて独立した島状ク
    ラッドよりなると共に、該島状クラッドの上面に液だめ
    を形成してなり、該液だめと上記溝とを連通する開口部
    が上記第1の端面と対向しない箇所に設けられてなるこ
    とを特徴とする光導波回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光導波回路において、 上記光導波路のコアを囲んだクラッドに設けられた溝部
    の光軸方向のクラッドの長さ、光軸方向と直交する方向
    のクラッドの深さ、コアの厚み及び開口数の関係が下記
    (1),(2)式の関係を充足することを特徴とする光
    導波回路。 【数1】 L<(A/θm) (1) D>2Lθm+B (2) ここで、上記式において、Lは溝部の光軸方向の長さ、
    Aは導波路の上部クラッドの厚み、θmは光導波路の開
    口数、Dは凹部のクラッド表面からの深さ、Bはコアの
    厚みとする。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光導波回路におい
    て、溝の底面が基板まで達するものであることを特徴と
    する光導波回路。
  4. 【請求項4】 平坦な基板上にコア及びクラッドからな
    る光導波路を形成する工程と、 上記光導波路 の所望の部位に、上記コアの光軸方向にほ
    ぼ直交する垂直な第1の端面と該第1の端面と対向する
    第2の端面とを有すると共に、上記クラッド表面から
    記コアまでより深い深い矩形断面の溝を形成する工程
    と、 次いで、上記第2の端面のコーナー部に液状硬化物質を
    充填し、しかる後に該液状硬化物質を硬化させて斜面を
    形成する工程と、 その後、該斜面上に反射増加膜を付着する工程とからな
    ることを特徴とする光導波回路の製造方法。
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