JP3148080B2 - 真空断熱製品の製造方法 - Google Patents

真空断熱製品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は真空断熱製品の製造方
法に関し、詳しくは外壁と内壁との二重壁よりなり、か
つ内壁側が高温側、外壁側が低温側となる二重壁内に断
熱材を挿入し二重壁内部を真空化してなる真空断熱製品
の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱炉や保冷庫用の工業用断熱製
品としてスーパーインシュレーションとして一般に知ら
れているように輻射熱の小さな金属箔と薄い無機質繊維
シートを交互に多数枚積層してなる積層体を高温側に、
また低温側に無機繊維よりなるボードを積層してなる断
熱材を真空断熱体内に充填し密閉後、内部を真空排気す
ることによって高い断熱効果を発揮するようにした真空
断熱製品が知られている(例えば特願5-124901号明細
書、図面又は同6-99310 号明細書図面等)。これら断熱
製品の製造方法として、真空断熱製品の外壁を構成する
外容器の内面に、金属箔と無機質繊維シートとの交互積
層体と無機繊維よりなるボードからなる断熱材を配置
し、その内側に真空断熱製品の内壁を構成する内容器を
挿入し外容器と内容器の開口部を気密に溶接する内容器
挿入法や(特願5-124901号明細書、図面)前記内容器
の外面に前記充填材を配設した後、周壁の一部を開いた
前記外容器を被せ、外部から圧力を加えて圧密して開口
部を気密に溶接する圧密充填法(特願4-294677号明細
書図面)などが知られている。
【0003】
【従来技術の問題点】ところで、例えば断熱製品の内側
が高温となる場合、断熱材は熱輻射を遮断するため内壁
側に輻射熱の小さな金属箔と薄い無機質繊維シートを交
互に多数枚積層してなる積層体を配置する必要がある
が、上記の内容器挿入法の場合は内容器挿入の際の摩擦
などにより薄い金属箔又は無機質繊維シートが破損され
る欠点があった。
【0004】これを防止するためには、前記積層体を樹
脂バインダー等でボード状に強固に固める処理が必要と
なるが、このボード化のためのコストが嵩むと同時に、
バインダーは真空度を劣化させるので断熱壁内部の真空
排気前に完全に除去しておく必要があり、このための加
熱処理などが必要となって工数が増加するなどの欠点が
あった。
【0005】また、前記圧密充填法では断熱材を充填
後、外容器に充填材圧密のための必要な圧力を加えた状
態で、かつ溶接部裏面に断熱材がある状態で真空リーク
のない溶接を行わなければならず、施工が非常に面倒と
なる欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記問題点
を解消することを目的としたものであって、金属箔と無
機質繊維シートの積層体をボード化しなくても破損する
ことなく挿入でき、かつ真空リークに耐える溶接を行う
際、溶接部に応力が加わらずしかも断熱材も接触しない
ようにすることにより容易に真空断熱製品を製造できる
方法を得ることを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明の真空断
熱製品の製造方法は、外壁1Aと内壁1Bとの二重壁1
Cよりなり、内壁1B側が高温側、外壁1A側が低温側
となる二重壁1C内に断熱材2を挿入し二重壁1C内部
を真空化してなる真空断熱製品1の製造方法において、
内壁1Bとなる内容器3を該内容器3内面に隙間無く接
する支持治具4上に被せて支持し、該内容器3の外面に
無機質繊維シート5Aと熱輻射率の小さい金属箔5Bと
を交互に積層した積層体5Cと無機質繊維ボード6との
積層体からなる断熱材2を配置し、次いで該断熱材2の
厚さより小さい内径とされ、かつ嵌め込んだ時の圧縮率
が真空に対する大気圧に略等しい圧縮率となるような内
径の、外壁1Aとなる外容器7を、前記断熱材2を圧縮
しながら強制的に外嵌し、完全に外嵌した状態で前記内
容器3と外容器7のそれぞれの開口縁3Aと7Aとを気
密に溶接することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】この発明の方法における真空断熱製品1は、図
1に示すように外壁1Aと内壁1Bとの二重壁1Cより
なり、かつ内壁1B側が高温側、外壁1A側が低温側と
なる二重壁1C内に断熱材2を挿入し内部を真空化して
なる真空断熱製品1を前提とする。
【0009】このような真空断熱製品においては、内壁
1B側に無機質繊維シート5Aと熱輻射率の小さい金属
箔5Bとの交互積層体からなる積層体5Cと無機質繊維
ボード6とからなる断熱材2を配置する必要がある。そ
こで、この積層体5Cの破損を防止するため、この発明
では先ず内壁となる内容器3を支持治具4で内面から支
持し、その外面に無機質繊維シート5Aと熱輻射率の小
さい金属箔5Bとを交互に積層した積層体5Cを配置
し、その外側に無機質繊維ボード6を配置して断熱材2
を構成し、断熱材2外側の無機質繊維ボード6をクッシ
ョン材に利用して外壁となる外容器7を被せる。従っ
て、この外容器7を少々強制的に被せても断熱材2内側
の積層体5Cはその外側の無機質繊維ボード6により保
護され破損することはない。
【0010】また、この外容器7の内径は断熱材2の厚
さより小さい内径とされ、かつ嵌め込んだ時の圧縮率が
真空に対する大気圧に略等しい圧縮率となるような内径
とされているため、強制嵌合により断熱材2の所定の圧
密度が得られ、嵌合の時点で既に真空に対する大気圧に
耐え得る密度とされるのである。また、この嵌合時、挿
入の際の摩擦は専ら無機質繊維ボード6のみに加わるた
め、その内側に積層されている無機質繊維シート5Aや
金属箔5Bが破損されることは無くなる。
【0011】なお、内容器3は支持治具4で内面が支持
されているので、外壁1Aとなる外容器7を強制嵌合し
ても変形等することはない。そして、上記外嵌後外容器
7と内容器3の開口部を気密に溶接する。このとき、溶
接部は内容器3と外容器7の開口端面となるので応力の
影響が少なくまた断熱材2との接触も殆どないので真空
リークに対する信頼性の高い溶接が可能となる。
【0012】
【実施例】次に、この発明の実施例を説明する。以下の
実施例では外寸が巾1000mm、奥行き600mm 、高さ1700m
m、真空断熱壁1Cの厚さ37mmで内面側が高温となる真
空断熱容器を製作した。
【0013】〔実施例1〕まず、図2に示すように、内
壁1Bとなる内容器3として、厚さ1mm のステンレス鋼
板よりなる上方開口型の一体成形の容器を成形し、該内
容器3内面に隙間無く接する巾922m(=1000mm−37mm×
2 −1mm ×4(容器の厚さ))、高さ1662mm(=1700mm−37
mm−1mm(同))、奥行き522mm(=600mm −37mm×2 −1mm
×4) の支持治具4上に前記内容器3を被せて固定し
た。次いで、図3に示すように内容器3の外面に無機質
繊維シート5Aと熱輻射率の小さい金属箔5Bとを交互
に積層した積層体5Cと無機質繊維ボード6とからなる
総厚44mmの断熱材2を積層した。
【0014】そして、同じく上方開口型の一体成形の容
器であって外寸の巾1000mm、奥行き600mm 高さ1700mmの
外壁1Aとなる外容器7を図4に示すように断熱材2を
圧縮しながら強制的に外嵌した。なお、外容器7の開口
部には無機質繊維ボード6を引掛けないよう外側に滑ら
かに湾曲するカーブ7Bを設けたものを使用した。ま
た、図中9は外容器7を押す治具を示す。
【0015】そして、図5に示すように完全に外嵌した
状態で前記内壁となる内容器3と外壁となる外容器7の
開口縁3Aと7Aとを気密に溶接した。このとき、開口
縁3Aと7Aの溶接箇所は図示のように容器1外側のフ
ランジ状部7Cとし内部の断熱材に直接溶接の熱が加え
られない位置とした。
【0016】〔実施例2〕実施例1における、外容器7
を図6に示すように、直線状の切り離し端としたものを
使用し、かつ開口端にシリコン樹脂シートからなる滑り
板8を介挿した他は同様にして真空断熱製品を製作し
た。
【0017】〔比較例1〕実施例1と同大寸法の真空断
熱容器を、従来の内容器挿入法により製作した。即ち、
外壁を構成する外容器の内面に、金属箔と無機質繊維シ
ートとの交互積層体と無機繊維よりなる層をバインダー
により固めてボードとしてなる断熱材を配置固定し、そ
の内側に真空断熱製品の内壁を構成する内容器を挿入し
外容器と内容器の開口部を気密に溶接することにより真
空断熱容器を製作した。
【0018】〔比較例2〕実施例1と同大寸法の真空断
熱容器を、従来の圧密充填法により製作した。即ち、内
容器の外面に前記充填材を配設した後、周壁の一部を開
いた前記外容器を被せ、外容器外面から面圧を加えて前
記充填材を圧密し、さらに開口部を気密に溶接すること
により真空断熱容器を製作した。
【0019】次に実施例1、2及び比較例1、2につい
て断熱材2の充填に要する時間、真空処理後の大気圧に
よる内外壁の凹入変形の有無等を比べたところ、断熱材
充填時間については比較例2の圧密充填法が3時間要し
たのに対し実施例1及び2の場合は1時間で済み、2時
間の短縮が図れた。またこの発明の方法では外壁1A、
内壁1Bとなる内外容器3、7を前もって成形するた
め、容器製作のための時間が比較例2に比べ短縮され、
容器製作に係る時間が約2時間短縮された。また、二重
壁内を真空排気するに要する時間が、この発明の方法の
場合バインダーを全く使用していなため比較例1に比べ
1/4の処理時間で済んだ。また真空処理後の内外壁の
凹入変形は実施例及び比較例のいずれも見られなかっ
た。
【0020】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、内容器
圧入法による真空断熱製品の製造方法に比べ、積層体か
らなる断熱材を樹脂バインダーで固める必要がないの
で、そのための工程及びコストが不要となる。さらに、
真空に悪影響を与える樹脂バインダーを除去する時間も
不要となり、真空排気処理時間が1/4に短縮される効
果を有する。
【0021】また、圧密充填法に比べ、断熱材充填完了
に至る所要時間が、充填後に外容器溶接の工程が不要と
なるので1/3に短縮される。またこのため充填作業を
除く容器製作のための時間が2時間短縮される。さらに
溶接部の裏面に断熱材の無い状態で内外容器を溶接する
ので確実な溶接が可能となり真空リークのない信頼性に
富む溶接が可能となるなど種々の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の前提とする断熱製品(容器)の一例
を示す断面図である。
【図2】内壁となる容器状体を支持した状態を示す断面
図である。
【図3】内壁となる容器状体外面に断熱材を配置した状
態を示す断面図である。
【図4】外壁となる容器状体を外嵌する状態を示す断面
図である。
【図5】内外壁を構成する容器状体の開口部を溶接する
状態を示す断面図である。
【図6】他の実施例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1…断熱製品 1A…外壁 1B…内壁 1C…二重壁 2…断熱材 3…内容器 3A…内壁となる容器状体の開口縁 4…支持治具 5A…無機質繊維シート 5B…熱輻射率の小さい金属箔 5C…積層体 6…無機質繊維シート体 7…外容器 7A…外容器の開口縁 7B…滑らかに湾曲するカーブ 7C…フランジ状部 8…滑り板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 59/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外壁1Aと内壁1Bとの二重壁1よりな
    り、内壁1B側が高温側、外壁1A側が低温側となる二
    重壁1C内に断熱材2を挿入し二重壁1C内部を真空化
    してなる真空断熱製品1の製造方法において、内壁1B
    となる内容器3を該内容器3内面に隙間無く接する支持
    治具4上に被せて支持し、該内容器3の外面に無機質繊
    維シート5Aと熱輻射率の小さい金属箔5Bとを交互に
    積層した積層体5Cと無機質繊維ボード6との積層体か
    らなる断熱材2を配置し、次いで該断熱材2の厚さより
    小さい内径とされ、かつ嵌め込んだ時の圧縮率が真空に
    対する大気圧に略等しい圧縮率となるような内径の、外
    壁1Aとなる外容器7を、前記断熱材2を圧縮しながら
    強制的に外嵌し、完全に外嵌した状態で前記内容器3と
    外容器7のそれぞれの開口縁3Aと7Aとを気密に溶接
    することを特徴とする真空断熱製品の製造方法。
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