JP3148731B2 - スライド軸受 - Google Patents

スライド軸受

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JP3148731B2
JP3148731B2 JP03027299A JP3027299A JP3148731B2 JP 3148731 B2 JP3148731 B2 JP 3148731B2 JP 03027299 A JP03027299 A JP 03027299A JP 3027299 A JP3027299 A JP 3027299A JP 3148731 B2 JP3148731 B2 JP 3148731B2
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愛樹 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば電磁制御
弁のスプール等のシャフト支持に適用されるスライド軸
受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来のスライド軸受を有する電
磁制御弁を示す断面図、図11は図10のスライド軸受
取付部の拡大断面図である。図において、1は電磁制御
弁のスリーブであり、このスリーブ1は、作動油供給系
統に接続される供給ポート2と出力ポート3,4および
ドレンポート5,6を有している。7はスリーブ1内を
摺動するスプール、8はスプール7の一端に同軸上に連
結されたシャフトであり、このシャフト8は非磁性体か
らなっている。9,10はシャフト8を軸方向へ摺動自
在に支持する左右のスライド軸受、11,12はそれら
のスライド軸受9,10を嵌合保持している左右のコア
であり、その左側のコア11は前記左側のスライド軸受
9を嵌合保持させた貫通孔11aを有する貫通円筒状に
形成され、前記右側のコア12は前記右側のスライド軸
受10を嵌合保持させた嵌合孔12aを有する有底円筒
状に形成されており、これら左右のコア11,12は磁
性体からなっている。
【0003】13は前記シャフト8の中間部外周に一体
的に嵌着されて左右のスライド軸受9,10間に位置す
る磁性体からなるプランジャ、14は左右のコア11,
12の外周面に跨って配置されたソレノイド、15はソ
レノイド14の外周域を覆うカバー部材、16aは前記
プランジャ13の左端に設けられたゴム製の緩衝材、1
6bは前記右側のコア12の嵌合孔12aの内底部に設
けられたゴム製の緩衝材、17は前記スプール7を一方
向に付勢するスプリングであり、前記ソレノイド14の
励磁により前記スプール7が前記スプリング17に抗し
て作動するようになっている。
【0004】ここで、前記左右のスライド軸受9,10
の詳細構造について説明すると、その左側のスライド軸
受9を示す図11において、18はコア11の貫通孔1
1aに嵌着された磁性体(金属)からなる外輪、19は
その外輪18の内部に嵌装された非磁性体からなるリテ
ーナ、20はそのリテーナ19に保持されて所定範囲軸
方向に転動可能で回転する複数のボールであり、これら
のボール20によって前記シャフト8が軸方向へ摺動可
能に支持されている。したがって、従来のスライド軸受
9,10は外輪18とリテーナ19とボール20とを一
体的にユニット化した構成となっている。
【0005】次に動作について説明する。図10に示す
ように、スプール7が出力ポート3,4を遮断した状態
において、ソレノイド14が励磁されると、前記スプー
ル7がスプリング17に抗して図中左方向に移動し、そ
の移動限界点ではプランジャ13左端の緩衝材16aが
外輪18の端面に当接することにより、その緩衝材16
aで前記プランジャ13と前記外輪18との衝撃音が吸
収される。また、スプール7がスプリング17の付勢力
によって図中右方向に移動した時、その移動限界点では
シャフト8の右側が緩衝材16b端面に当接することに
より、前記シャフト8との衝撃音が吸収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のスライド軸受は
以上のように構成されているので、磁性体からなる外輪
18が必要であり、また、その外輪18とプランジャ1
3との衝撃音を吸収するための緩衝材16aあるいは外
輪18とプランジャ13との対向面に空隙を設けるため
の部材をも必要とするため、部品点数が多くなってコス
ト高になると共に、外輪18とリテーナ19との組付け
も面倒でその組付作業性が悪いという課題があった。特
に、リテーナ19に径方向外側からボールを入れた後、
そのボールが落ちないように、外輪18を取付ける必要
があり、特殊な治具、方法を必要としていた。
【0007】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、従来の外輪および緩衝材を不要化
できて部品点数が減少し、コスト低減が図れると共に、
シャフトの軸方向移動時におけるリテーナとボールの摩
擦抵抗を小さくできて、組立て、特にボールの取付けが
容易なスライド軸受を得ることを目的とする。
【0008】また、この発明は、ボールをリテーナに対
して容易に保持させることができるスライド軸受を得る
ことを目的とする。さらに、この発明は、機器へのリテ
ーナ組付け前にボールをリテーナに仮保持させておき、
機器へのリテーナ組付け後のリテーナの所定位置にボー
ルを移行保持させることができるスライド軸受を得るこ
とを目的とする。さらに、この発明は、ボールをリテー
ナに確実に保持させることができるスライド軸受を得る
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係るスライド
軸受は、円筒状のリテーナと、このリテーナに保持され
たボールとを備え、前記リテーナに嵌挿されたシャフト
を前記ボールで軸方向へ移動可能に支持するスライド軸
受において、弾性を有する樹脂で円筒状に形成されたリ
テーナと、このリテーナに設けられて円周方向に離間
し、前記ボールが嵌め込まれて該ボールを弾性的に保持
する複数のボール保持部と、該ボール保持部に連続して
前記リテーナの軸方向に設けられ、前記ボール保持部か
ら移行された前記ボールを軸方向へ転動自在に支持する
スリットとを備えたものである。
【0010】この発明に係るスライド軸受のボール保持
部は、ボールが圧入されることにより弾性変形して該ボ
ールを保持するようになっているものである。
【0011】この発明に係るスライド軸受のボール保持
部は、該ボール保持部に圧入されたボールで押し拡げら
れて弾性変形し、弾性復元力で前記ボールを保持する第
1突起と、この第1突起で保持されたボールを当接させ
て該ボールがスリットに移行するのを規制する弾性変形
可能な第2突起とからなり、前記第1突起で保持された
ボールを更に圧入することで該ボールが前記第2突起を
乗り越えてスリットに移行するようになっているもので
ある。
【0012】この発明に係るスライド軸受のボール保持
部は、ボールの直径よりも小径で且つ拡径方向に弾性変
形可能な部位からなっているものである。この発明に係
るスライド軸受は、円筒状のリテーナと、このリテーナ
に保持されたボールとを備え、前記ボールにより、前記
リテーナに嵌挿されたシャフトを支持するスライド軸受
であって、前記リテーナは、該リテーナのみで保持可能
な第1の保持位置と、前記リテーナ及び前記シャフトに
より保持する第2の保持位置とを有し、前記ボールに所
定量の力を加えることにより、前記第1の保持位置から
前記第2の保持位置に移動可能としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1によるスライド軸受を備えた電磁制御弁を
示す断面図、図2は図1のスライド軸受取付部分の拡大
断面図、図3(a)は図1および図2中のリテーナを示
す断面図、図3(b)は図3(a)の左端面図、図3
(c)は図3(a)の右端面図であり、図10および図
11と同一または相当部分には同一符号を付して重複説
明を省略する。図において、21はシャフト8の両端側
を軸方向へ摺動自在に支持する左右のスライド軸受9,
10のリテーナであり、このリテーナ21は弾性を有す
るナイロン等の樹脂で円筒状に形成され、軸方向一端に
フランジ21aを有している。
【0014】22は前記フランジ21aの端面に開口し
て前記リテーナ21の周方向に等間隔で離間すう複数の
ボール嵌挿孔であり、これらのボール嵌挿孔22はリテ
ーナ21の内径側が切欠開放された切欠円形孔からなっ
てボール20を挿入可能な径に形成されている。
【0015】23はリテーナ21に設けられて該リテー
ナ21の周方向に等間隔で離間する複数のスリットであ
り、これらのスリット23は前記ボール嵌挿孔22のそ
れぞれに一連に接続して該ボール嵌挿孔22からリテー
ナ21の軸方向全長に延びている。かかるスリット23
は、ボール20をリテーナ21の軸方向に転動自在に支
持・案内するスリット幅に形成されている。
【0016】24は前記スリット23に軸方向一端部に
設けられてリテーナ21のフランジ21a近傍に位置す
るボール保持部であり、このボール保持部24は、前記
ボール嵌挿孔22から圧入されたボール20を弾性的に
仮保持するもので、前記スリット23の壁面に設けられ
て相対方向に突出する第1突起25a,25bと、これ
らの第1突起25a,25bの近傍で同じく前記スリッ
ト23の壁面に設けられて相対方向に突出する第2突起
26a,26bとからなっている。
【0017】ここで、前記第1突起25a,25bはボ
ール20の直径よりも幅狭の対向間隔(対向幅)に設定
され、それらの第1突起25a,25bに比して前記第
2突起26a,26bはスリット23からの突出長が長
くなっている。従って、第2突起26a,26bは第1
突起25a,25bよりも対向間隔が更に幅狭く設定さ
れている。かかる第1突起25a,25bおよび第2突
起26a,26bは、それぞれの対向間隔(対向幅)を
拡げる方向へ弾性変形可能にリテーナ21と一体に形成
されている。
【0018】図1において、11bは左側コア11の貫
通孔11aに設けられた大径段部であり、この大径側段
部11bは前記貫通孔11aに嵌合させたスライド軸受
9のリテーナ21のフランジ21aを当接させるもので
ある。11cは前記貫通孔11aにおけるリテーナ嵌合
部の奥部に設けられた小径段部であり、この小径段部1
1cは前記リテーナ21の先端を当接させるものであ
る。また、ボール20の直径よりも幅狭の隙間でもかま
わない。図1,図2において、12bは右側コア12の
嵌合孔12aの略中間部に設けられた大径段部であり、
この大径段部12bは前記嵌合孔12aに嵌合させたス
ライド軸受10のリテーナ21のフランジ21aを当接
させるものである。また、ボール20の直径よりも幅狭
の隙間でもかまわない。12cは前記嵌合孔12aの奥
部に設けられた小径段部であり、この小径段部12cは
前記スライド軸受10のリテーナ21の先端を当接させ
るものである。図3,図4において、27はリテーナ2
1の内周面における各ボール嵌挿孔22の相互間および
各スリット23の相互間に一連に形成されて軸方向に延
びる凹溝である。
【0019】次に、上述のように樹脂製のリテーナ21
とボール20とからなるスライド軸受9,10の組立て
について説明する。図4はリテーナ21に対するボール
20の組付行程を示すもので、図4(a)はリテーナ2
1に対するボール20の圧入初期の状態を示す断面図、
図4(b)は図4(a)の左端面図、図4(c)はボー
ル20を仮保持した状態のリテーナ21を示す断面図、
図4(d)は図4(c)の左端面図である。まず、ボー
ル20をリテーナ21のボール嵌挿孔22からボール保
持部24の第1突起25a,25b間に圧入することに
より、それらの第1突起25a,25bで前記ボール2
0を弾性的に仮保持させる。すなわち、リテーナ21の
ボール嵌挿孔22から第1突起25a,25b間にボー
ル20を圧入(図4(a),(b)参照)すると、この
ボール20で前記第1突起25a,25bが押し拡げら
れ、該第1突起25a,25b間に前記ボール20が介
入してくることにより、該ボール20は前記第1突起2
5a,25bの弾性復元力でホールドされる。なお、第
1突起25a,25b間に介入してきたボール20は、
スリット23の壁面からの突出長が第1突起25a,2
5bよりも長い第2突起26a,26bに当接(図4
(c),(d)参照)することにより、前記ボール20
は第1突起25a,25b間に確実に保持される。ここ
で、望むべくは、リテーナ21にボール20が保持され
た状態で、輸送可能な程度の保持力があればよい。
【0020】このようにしてリテーナ21にボール20
が組付けられることにより、第1突起25a,25b間
でボール20を保持し、且つ、該ボール20が第1突起
25a,25b間からスリット23に移行するのを第2
突起26a,26bで規制されたリテーナ21はスライ
ド軸受9,10の単品として使用に供せられる。その使
用に際してのリテーナ21は図1中の左右のコア11,
12に組付けられ、その組付行程を図5に示す。
【0021】図5(a)はボール保持部24にボール2
0を保持させたままのリテーナ21をコア12に組付け
た状態を示す断面図、図5(b)は図5(a)中のボー
ル20をボール保持部24からスリット23に移行させ
た状態を示す断面図である。ずなわち、コア12に対す
るリテーナ21の組付けに際しては、まず、上述のよう
にボール20をボール保持部24に保持させた状態のま
まのリテーナ21を、図5(a)に示すように、コア1
2の嵌合孔12aに嵌め込んで該嵌合孔12aの大径段
部12bに前記リテーナ21のフランジ21aを、且
つ、前記嵌合孔12aの小径段部12cに前記リテーナ
21の先端をそれぞれ当接させる。また、ボール20の
直径よりも幅狭の隙間でもかまわない(当接させること
が全てではない)。
【0022】このようにしてコア12にリテーナ21を
組付けた後に、ボール保持部24の第1突起25a,2
5b間に弾性保持されている図5(a)状態のボール2
0をスリット23の方向に更に押し込む。これにより、
ボール20に所定方向で所定量以上の力を加えることに
より前記ボール20は、第2突起26a,26bを押し
拡げて該第2突起26a,26b間を通過し、図5
(b)に示すようにスリット23に移行し、該スリット
23では前記ボール20がリテーナ21と軸8との間で
軸方向へ転動自在に保持・案内される。
【0023】以上は、図1中の右側コア12にスライド
軸受10のリテーナ21を組付ける場合であるが、これ
と同じ要領で図1中の左側コア11にもスライド軸受9
のリテーナ21が組付けられる。
【0024】このようにして、図1中の左右コア11,
12のそれぞれにリテーナ21を組付け、該組付け後に
それぞれのリテーナ21のボール保持部24からスリッ
ト23に移行させたボール20によって、図1に示すよ
うに、シャフト8の両端側が軸方向へ摺動可能に支持さ
れるものである。ここで、前記スリット23に移行して
いるボール20は、シャフト8と左右のコア11,12
の内壁面とに接した状態でシャフト8の軸方向移動によ
り前記スリット23に沿って転動するが、コア11,1
2の小径段部11c,12cにリテーナ21の先端がそ
れぞれ当接していることにより、ボール20がスリット
23から外れるようなことはない。また、ボール20の
直径よりも幅狭の隙間でもかまわない(当接させなくて
もボールが外れることはない)。
【0025】次に動作について説明する。ソレノイド1
4の励磁および励磁解除によってシャフト8が軸方向に
移動し、その移動時にはボール20がスリット23に沿
って軸方向に転動することにより、シャフト8とボール
20との摩擦抵抗が小さくなり、このため、シャフト8
を円滑に移動させることができる。また、シャフト8の
軸方向移動によって、プランジャ13が左右スライド軸
受9,10の何れかのリテーナ21のフランジ21aと
衝突するが、そのフランジ21aを含むリテーナ21の
全体が弾性を有する樹脂で一体形成されていることによ
り、前記プランジャ13と前記フランジ21aとの衝突
音を該フランジ21aで吸収することができる。
【0026】以上説明した実施の形態1によれば、樹脂
製のリテーナ21とボール20だけでスライド軸受9,
10を構成でき、しかも、ボール保持部24にボール2
0を弾性的に保持させておくだけで、スライド軸受9,
10単品として、輸送可能とでき、また、スライド軸受
9,10単品として使用でき、このため、図10,図1
1に示した従来の外輪18を不要化できると共に、弾性
を有する樹脂製のリテーナ21はプランジャ13の衝突
音を吸収する緩衝性を有するので、従来のような緩衝材
16a,16bをも格別に必要とせず、このため、部品
点数が従来のスライド軸受に比して減少し、コスト低減
が図れるという効果がある。
【0027】実施の形態2.上記実施の形態1では、ス
リット23の軸方向一端側に第1突起25a,25bを
設け、該第1突起25a,25bの近接位置に第2突起
26a,26bを設け、第1突起25a,25bの対向
間の間隔幅を第2突起26a,26bの間隔幅よりも狭
くしたが、前記第1突起25a,25bと第2突起26
a,26bはそれぞれの対向間の間隔幅を同じくしてス
リット23に沿った軸方向に離間させて形成し、それら
の第1突起25a,25bと第2突起26a,26bと
の間でボール20を保持させるようにしてもよく、この
場合も上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0028】実施の形態3.図6はこの発明の実施の形
態3によるスライド軸受の正面図、図7は図6のA−A
線断面図であり、図において、28はリテーナ21のフ
ランジ21a側でボール嵌挿孔22に連続してスリット
23の壁面に形成された円弧面部であり、この円弧面部
28はボール20の直径よりも小径で且つ拡径方向に弾
性変形可能な部位としてリテーナ21に一体形成されて
いる。29は前記円弧面部28におけるボール嵌挿孔2
2との反対側の端部に設けられた突起であり、この突起
29は、前記ボール嵌挿孔22から前記円弧面部28に
圧入されたボール20を当接させるためのものである。
すなわち、この実施の形態3では、前記円弧面部28
と、1つの円弧面部28に対して1つの突起29とから
ボール保持部24を構成したものである。
【0029】図8はこの実施の形態3によるスライド軸
受の組立工程を示す断面図であり、図において、30は
軸受組立用の治具、31はその治具30に設けられた複
数のピン孔であり、該ピン孔31はリテーナ21のボー
ル嵌挿孔22と同数のものとなっている。32は前記ピ
ン孔31に摺動自在に挿入されたプッシュピンであり、
このプッシュピン32は、リテーナ21のスリット23
のスリット幅よりも若干大径のものが用いられる。
【0030】次に、上記治具30を用いてボール20を
リテーナ21に組付け、且つ、そのリテーナ21をコア
11に組付ける場合について説明する。まず、リテーナ
21のボール嵌挿孔22からボール保持部24の円弧面
部28にボール20を圧入保持させる。その圧入後に、
図8(a)に示すように、リテーナ21のボール嵌挿孔
22に治具30のプッシュピン32を嵌合し、この状態
のリテーナ21を図8(b)に示すようにコア11内に
嵌合した後、前記プッシュピン32を押し込むと、該プ
ッシュピン32で前記円弧面部28のボール20が押し
込まれ、該ボール20が突起29を弾性変形させて該突
起29を乗り越えることにより、ボール保持部24のボ
ール20がスリット23に移行し、且つ、リテーナ21
がコア11に組付けセットされる。その組付けセット後
には、図8(c)に示すように治具30が取り外され
る。従って、この実施の形態3によるスライド軸受の場
合も上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0031】実施の形態4.図9はこの発明の実施の形
態4によるスライド軸受を示す側面図である。図におい
て、28a,28bはリテーナ21のスリット23の対
向面に形成された円弧面部であり、これらの円弧面部2
8a,28bは、ボール20の直径よりも小径で且つ拡
径方向に弾性変形可能な部位としてリテーナ21に一体
形成されているものである。22aはボール嵌挿孔22
の内周面に形成されたテーパー面であり、このテーパー
面22aは、前記円弧面部28a,28bから前記ボー
ル嵌挿孔22に向って漸次径大となるように形成され、
ボール嵌挿孔22のフランジ21a側の端面での開口径
はボール20の直径より大径となっている。29aは前
記テーパー面22aの小径端側に設けられた突起であ
り、この突起29aは、前記円弧面部28a,28bに
保持されたボール20がボール嵌挿孔22から抜け出す
のを防止するためのもので、弾性変形可能に形成されて
いる。すなわち、この実施の形態4では、前記円弧面部
28a,28bと前記突起29aとによってボール保持
部24を形成したものである。
【0032】次に、リテーナ21に対するボール20の
組付けについて説明する。リテーナ21のボール嵌挿孔
22にボール20を嵌め込んで押し込むと、該ボール2
0で突起29aが弾性変形させられることにより、ボー
ル20を突起29aを乗り越えて円弧面部28a,28
bに移行する。この場合、ボール20が突起29aを乗
り越え通過した時点で、該突起29aが弾性復元するこ
とにより、該突起29aは円弧面部28a,28bに移
行したボール20に当接して該ボール20がボール嵌挿
孔22から抜け出すのを防止する。従って、ボール20
は円弧面部28a,28bと突起29aとによって確実
に保持される。このようにしてボール20が組付けられ
たリテーナ21は、上記実施の形態1の場合と同様にコ
ア11,12に組付セットされるが、その組付セット後
に、前記円弧面部28a,28bで保持されたボール2
0を更に押し込むと、該ボール20で前記円弧面部28
a,28bが押し拡げられてスリット23に前記ボール
20が移行し、該ボール20は上記実施の形態1の場合
と同様にスリット23に沿って軸方向へ転動自在に保持
される。従って、この実施の形態4の場合も上記実施の
形態1と同様の効果が得られる。上記各実施の形態で
は、軸受時にボールが軸方向に転動可能なものについて
説明したが、その他、同方向に転動可能なもの、その場
で回動するのみのものであってもよい。また、上記各実
施の形態では、スライド軸受について説明したが、その
他、回転する軸を受ける軸受として用いることも可能で
ある。
【0033】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、弾性
を有する樹脂でリテーナを円筒状に形成し、該リテーナ
に設けられて円周方向に離間し、ボールが嵌め込まれて
該ボールを弾性的に保持する複数のボール保持部と、該
ボール保持部に連続して前記リテーナの軸方向に設けら
、前記ボール保持部から移行された前記ボールを軸方
向へ転動自在に支持するスリットとを備えるスライド軸
受を構成したので、樹脂性のリテーナとボールだけでス
ライド軸受を構成でき、従来のスライド軸受における外
輪を必要とせず、また、弾性を有する樹脂性のリテーナ
は、例えば電磁制御弁のシャフトと一体に移動するプラ
ンジャの衝突を干渉して該衝撃音を吸収するので、従来
のように緩衝材、あるいは前記シャフトと一体に移動す
るプランジャ対向面に空隙を設けるための部品を設ける
必要がなく、このため、部品点数が減少してコスト低減
が図れるという効果がある。
【0034】この発明によれば、リテーナのボール保持
部にボールを圧入することにより、前記ボール保持部が
弾性変形し該ボール保持部の弾性復元力によって前記ボ
ールが保持されるように構成したので、ボール保持部に
ボールを圧入するだけで該ボールを確実に保持させるこ
とができるという効果がある。
【0035】この発明によれば、ボール保持部に圧入さ
れたボールで押し拡げられて弾性変形し、弾性復元力で
前記ボールを保持する第1突起と、この第1突起で保持
されたボールを当接させて該ボールがスリットに移行す
るのを規制する弾性変形可能な第2突起とを前記ボール
保持部が備え、前記第1突起で保持されたボールを更に
圧入することで該ボールが前記第2突起を乗り越えてス
リットに移行するように構成したので、前記第1突起と
第2突起とでボールを確実に保持させることができ、こ
れにより、信頼性の高いスライド軸受の単品を得ること
ができるという効果がある。
【0036】この発明によれば、ボール保持部が、ボー
ルの直径よりも小径で且つ拡径方向に弾性変形可能な部
位からなる構成としたので、構成が簡単なスライド軸受
が得られるという効果がある。この発明によれば、円筒
状のリテーナと、このリテーナに保持されたボールとを
備え、前記ボールにより、前記リテーナに嵌挿されたシ
ャフトを支持するスライド軸受であって、前記リテーナ
は、該リテーナのみで保持可能な第1の保持位置と、
記リテーナ及び前記シャフトにより保持する第2の保持
位置とを有し、前記ボールに所定量の力を加えることに
より、前記第1の保持位置から前記第2の保持位置に移
動可能となるように構成したので、ボールをあらかじめ
リテーナに保持させておくことができ、ボールの組付け
作業が簡単、容易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるスライド軸受
を備えた電磁制御弁を示す断面図である。
【図2】 図1のスライド軸受取付部分の拡大断面図で
ある。
【図3】 図3(a)は図1および図2中のリテーナを
示す断面図、図3(b)は図3(a)の左端面図、図3
(c)は図3(a)の右端面図である。
【図4】 図4(a)は図3のリテーナに対するボール
の圧入初期の状態を示す断面図、図4(b)は図4
(a)の左端面図、図4(c)はボールを仮保持した状
態のリテーナを示す断面図、図4(d)は図4(c)の
左端面図である。
【図5】 図5(a)はボール保持部にボールを保持さ
せたままのリテーナをコアに組付けた状態を示す断面
図、図5(b)は図5(a)中のボールをボール保持部
からスリットに移行させた状態を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3によるスライド軸受
の正面図である。
【図7】 図6のA−A線断面図である。
【図8】 この実施の形態3によるスライド軸受の組立
工程を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態4によるスライド軸受
を示す側面図である。
【図10】 従来のスライド軸受を有する電磁制御弁を
示す断面図である。
【図11】 図10のスライド軸受取付部の拡大断面図
である。
【符号の説明】
20 ボール、 21 リテーナ、23 スリット、2
4 ボール保持部、25a,25b 第1突起、26
a,26b 第2突起。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 29/04 F16K 31/06 305

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のリテーナと、このリテーナに保
    持されたボールとを備え、前記リテーナに嵌挿されたシ
    ャフトを前記ボールで軸方向へ移動可能に支持するスラ
    イド軸受において、弾性を有する樹脂で円筒状に形成さ
    れたリテーナと、このリテーナに設けられて円周方向に
    離間し、前記ボールが嵌め込まれて該ボールを弾性的に
    保持する複数のボール保持部と、該ボール保持部に連続
    して前記リテーナの軸方向に設けられ、前記ボール保持
    部から移行された前記ボールを軸方向へ転動自在に支持
    するスリットとを備えたことを特徴とするスライド軸
    受。
  2. 【請求項2】 ボール保持部は、ボールが圧入されるこ
    とにより弾性変形して該ボールを保持するようになって
    いることを特徴とする請求項1記載のスライド軸受。
  3. 【請求項3】 ボール保持部は、該ボール保持部に圧入
    されたボールで押し拡げられて弾性変形し、弾性復元力
    で前記ボールを保持する第1突起と、この第1突起で保
    持されたボールを当接させて該ボールがスリットに移行
    Sるのを規制する弾性変形可能な第2突起とからなり、
    前記第1突起で保持されたボールを更に圧入することで
    該ボールが前記第2突起を乗り越えてスリットに移行す
    るようになっていることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載のスライド軸受。
  4. 【請求項4】 ボール保持部は、ボールの直径よりも小
    径あるいは小さい幅で且つ拡径あるいは幅を拡げる方向
    に弾性変形可能な部位からなっていることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載のスライド軸受。
  5. 【請求項5】 円筒状のリテーナと、このリテーナに保
    持されたボールとを備え、前記ボールにより、前記リテ
    ーナに嵌挿されたシャフトを支持するスライド軸受であ
    って、前記リテーナは、該リテーナのみで保持可能な第
    1の保持位置と、前記リテーナ及び前記シャフトにより
    保持する第2の保持位置とを有し、前記ボールに所定量
    の力を加えることにより、前記第1の保持位置から前記
    第2の保持位置に移動可能としたことを特徴とするスラ
    イド軸受。
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