JP3149218B2 - 測温内視鏡 - Google Patents

測温内視鏡

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JP3149218B2
JP3149218B2 JP26005491A JP26005491A JP3149218B2 JP 3149218 B2 JP3149218 B2 JP 3149218B2 JP 26005491 A JP26005491 A JP 26005491A JP 26005491 A JP26005491 A JP 26005491A JP 3149218 B2 JP3149218 B2 JP 3149218B2
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千成 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被測定部の温度分布
などを非接触で測定することができる測温内視鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の測温内視鏡においては、被測定部
から放射される赤外線を伝達するための赤外ファイバや
赤外像伝達ファイババンドルなど(以下「赤外ファイバ
等」という)を、内視鏡挿入部内に単に挿通する構成を
とっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】被測定部の温度分布
は、赤外ファイバ等の基端部に接続されたサーモグラフ
ィ装置等によって、赤外線エネルギを電気信号に変換処
理して最終的に検出される。
【0004】ところが、赤外ファイバ等には吸収があっ
て、赤外ファイバ等自身からも赤外線エネルギが放射さ
れている。そのため、サーモグラフィ装置等に入射する
赤外線エネルギは、被測定部から放射されたものだけで
なく、赤外ファイバ等自身から放射されたものも含まれ
ている。
【0005】したがって、赤外ファイバ等が配置された
内視鏡挿入部内の温度が変化すると、赤外ファイバ等の
温度が変化して、サーモグラフィ装置等に入射する赤外
線エネルギが変化し、検出温度が変わってしまう。
【0006】そのため、測温内視鏡を、装置内部や人体
内など被測定部に挿入して温度分布を測定する場合、測
定部の温度が変化していないのにもかかわらず、測定温
度が変化して温度測定の誤差となる。特に、80℃以下
の低温領域においては大きな誤差が発生する。
【0007】以下、その誤差の程度について検討するこ
とにする。表面反射の無い黒体から放射される分光放射
発散度はプランクの式によって計算される。
【0008】 M(TB ,λ)=c1 [exp(c2 /λTB )−1]-1λ-5 ここで、 M(TB ,λ): 黒体の単位表面積から単位時間に放
出されるエネルギの単位波長あたりの大きさ[W・cm
-2・μm-1] λ : 波長 [μm] TB : 黒体の温度 [K] c1 ,c2 : 第1、第2の放射定数 光源と赤外線検出器の間に、減衰系であるファイバが入
った場合、ファイバの透過率、放射率及び反射率をτ、
ε及びρとすると、赤外線検出器に入射する赤外線エネ
ルギUは、ファイバを透過してきたエネルギと、ファイ
バ自身から放射されたエネルギ及びファイバ端面から反
射して来るエネルギの和に比例する。
【0009】 U=K{τM(TB ,λ)+εM(TF ,λ)+ρM(TR.T ,λ)} ここで、 K : 比例定数 TF : ファイバの温度 TR.T : 測定環境の温度 したがって、ファイバの温度が変化すると測定温度も変
化する。
【0010】図2は、ファイバの温度変化による測定温
度変化を計測した結果を表わしたグラフである。計測方
法は、放射率1で表面反射の影響が無い黒体炉を、コン
トローラによって温度コントロールし、この黒体炉の温
度を測温内視鏡によって計測した。
【0011】測温内視鏡の赤外像伝達ファイババンドル
は、その周囲の温度を、20℃〜50℃まで温度変化さ
せ、これによる赤外像伝達ファイババンドルの温度変化
に対する黒体炉の温度を計測した。
【0012】この結果、例えば赤外像伝達ファイババン
ドルの温度が20℃と50℃の時の測定温度を比較する
と、黒体温度80℃では約3℃、黒体温度40℃では約
6℃の差がある。これは精密な温度測定を必要とする場
合には、非常に重大な問題である。
【0013】この問題を解決するために、赤外ファイバ
等自体の温度を計測するための熱電対やサーミスタなど
の温度検出器を付設して校正を行うことが検討されてい
る。しかし、そのような温度検知器は接触式のため、赤
外ファイバ等の利点の一つである可撓性を損ねたり、折
れを発生させる原因となる。また、赤外ファイバ等の長
手方向に沿った温度分布がある場合には、多数の温度検
知器を付設しなければならない等の問題がある。
【0014】そこで本発明は、赤外ファイバ等自体に温
度変化が発生しないようにして、正確で安定した温度測
定を行うことができる測温内視鏡を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の測温内視鏡は、被測定部から放射される赤
外線を伝達するための赤外線伝達手段を内視鏡挿入部内
に挿通した測温内視鏡において、上記内視鏡挿入部内に
外部から気体を送り込むための送気手段と、上記内視鏡
挿入部内から外部に気体を排出するための排気路とを設
けたことを特徴とする。
【0016】なお、上記内視鏡挿入部内に気体を放出す
るための導入気体放出口と、上記内視鏡挿入部内から排
出するための気体を上記排気路にとり入れる排気とり入
れ口とを、一方は上記内視鏡挿入部の先端付近に設け、
他方は上記内視鏡挿入部の基端付近に設けてもよい。
【0017】また、上記内視鏡挿入部内に一定温度の気
体を送り込むための定温気体供給手段を上記送気手段に
併設してもよく、上記内視鏡挿入部内に送り込まれる気
体の温度を複数の異なる温度に設定するための温度設定
手段を設けて、上記気体の温度を複数種類の異なる温度
に設定することによって上記赤外線伝達手段を複数の異
なる温度にして、その各々の温度において上記被測定部
から放射される赤外線の測定を行うことができるように
してもよい。
【0018】
【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図1にお
いて、1は、装置類の内部又は体腔内等に挿入される内
視鏡挿入部であり、可撓管2によって気密に外装されて
いる。
【0019】内視鏡挿入部1内には、赤外像を伝達する
ことができる赤外像伝達ファイババンドル3が挿通され
ている。後述するサーモグラフィ装置20の赤外線検出
器として波長3〜5.5μmの中赤外線を検知するイン
ジウム・アンチモン検出器を用いた場合、その波長範囲
で損失が少ないように、赤外像伝達ファイババンドル3
としては硫化砒素などのカルコゲナイドファイバやフッ
化物ファイバを用いるとよい。
【0020】内視鏡挿入部1の先端部1aには、被測定
部100の赤外線を赤外像伝達ファイババンドル3の入
射端面3aに結像するように、赤外用対物レンズ5が前
方に向けて配置されている。また、内視鏡挿入部1の基
端部よりさらに外方に形成された内視鏡接眼部6には、
赤外像伝達ファイババンドル3の出射端面3bに対向し
て赤外用接眼レンズ8が配置されている。
【0021】これら赤外用対物レンズ5及び赤外用接眼
レンズ8も検知波長範囲を透過する、カルコゲナイドガ
ラス、フッ化物ガラス、ジンクセレン、ゲルマニウム又
はシリコンなどの赤外線透過材料により形成されてい
る。
【0022】なお、内視鏡挿入部1内には、可視像を伝
達するための可視像伝達ファイババンドルが併設されて
いて、被測定部100の可視像を内視鏡接眼部6側で観
察できるようになっているが、その図示は省略されてい
る。
【0023】赤外用接眼レンズ8には、サーモグラフィ
装置20が接続されている。21は、赤外用接眼レンズ
8によって結像された赤外像を検知して電気信号に変換
する赤外線検出器を内蔵した赤外カメラであり、赤外カ
メラ21から出力された検知信号は変換ユニット22で
画像処理され、ディスプレイ23に被測定部100の赤
外像が表示される。
【0024】内視鏡の外部には、さらに、一定温度の気
体を発生するための定温気体発生器10と、その定温気
体発生器10で発生した定温気体を内視鏡挿入部1内に
送り込むための送気ポンプ11とが設けられている。な
お、定温気体発生器10は、ヒータによって空気を一定
温度に加熱するようなものであってもよい。
【0025】送気ポンプ11から送り出される定温気体
は、例えばシリコンチューブのような可撓性の高いチュ
ーブ12によって内視鏡挿入部1内部に導かれる。チュ
ーブ12先端の導入気体放出口12aは、内視鏡挿入部
1の先端部1aの内部に配置されていて、そこから定温
気体が内視鏡挿入部1内に放出されて充満する。
【0026】13は、内視鏡挿入部1内の気体を大気中
に排出するための排気路であり、内視鏡挿入部1内の気
体を排気路13にとり入れるための排気とり入れ口13
aは内視鏡挿入部1の基端部に設けられている。
【0027】したがって、定温気体は導入気体放出口1
2aから内視鏡挿入部1の先端内に入って、内視鏡挿入
部1を全長にわたって通過した後排気とり入れ口13a
から大気中に放出される。なお、放出された気体を再び
定温気体発生器10に戻して循環させるようにしてもよ
い。
【0028】このようにして、内視鏡挿入部1内は一定
温度に保たれ、それによって、内視鏡挿入部1内部に挿
通された赤外像伝達ファイババンドル3の温度が一定に
保たれる。
【0029】この測温内視鏡を使用する場合、内視鏡挿
入部1が挿入される環境温度が室温と数℃程度しか違わ
なければ、定温気体発生器10を用いる代わりに、室内
の空気を送気ポンプ11で内視鏡挿入部1内に送り込ん
でもよい。
【0030】逆に、環境温度が室温と数十℃相違して温
度変化が激しい場合には、内視鏡挿入部1内の温度を検
出する温度検出器15からの検出信号を気体温度コント
ローラ16に入力させ、この気体温度コントローラ16
で定温気体発生器10と送気ポンプ11の動作を制御し
て、内視鏡挿入部1内に送り込まれる気体の温度と流量
を制御する。
【0031】そのようにすることによって、測定にとっ
て悪環境下であっても、内視鏡挿入部1内の赤外像伝達
ファイババンドル3の温度を一定に保って、温度測定の
誤差を押さえることができる。
【0032】また、気体温度コントローラ16は、定温
気体発生器10の状態を制御して、内視鏡挿入部1内に
送り込まれる気体の温度を任意の温度に設定することが
でき、それによって、赤外像伝達ファイババンドル3を
複数種類の異なる一定温度に保って、その各々の状態で
被測定部100から放射される赤外線の測定を行うこと
ができる。そして、そのような測定を行うことによっ
て、被測定部100の放射率があらかじめわかっていな
くても、被測定部100の絶対温度を測定することがで
きる。これについて以下に説明をする。
【0033】表面反射のない黒体から放射される分光放
射発散度は、プランクの式によって計算される。
【0034】 M(TB ,λ)=c1 [exp(c2 /λTB )−1]-1λ-5 …(1) ここで、 M(TB ,λ): 黒体の単位表面から単位時間に放出
されるエネルギの単位波長あたりの大きさ[Wcm-2
μm-1] λ : 波長 [μm] TB : 黒体の温度 [K] c1 ,c2 : 第1、第2の放射定数。
【0035】赤外像伝達ファイババンドル3の透過率、
吸収率、反射率をそれぞれτ、α、ρとすると τ+α+ρ=1 である。またキルヒホッフの法則によりα=εが成り立
つので τ+ε+ρ=1…(2) となる。
【0036】赤外カメラ21に入射する赤外線エネルギ
Uは、赤外像伝達ファイババンドル3を透過してきたエ
ネルギと、赤外像伝達ファイババンドル3自身から放射
されるエネルギ及び、赤外像伝達ファイババンドル3端
面から反射して来るエネルギの和に比例する。
【0037】 U=K{τM(TB ,λ)+εM(TF ,λ)+ρM(TR.T ,λ)}…(3) ここで、 K : 比例定数 TF : 赤外像伝達ファイババンドル3の温度 TR.T : 測定環境の温度 したがって、赤外像伝達ファイババンドル3の温度が変
化すると測定温度も変化する。
【0038】被測定部100の温度分布を測定する場
合、赤外像伝達ファイババンドル3の温度が測定環境温
度になっている場合に赤外カメラ21に入射する赤外線
エネルギUR.Tは、(2)、(3)式より UR.T=K{τM(TB ,λ)+(1−τ)M(TR.T ,λ)}…(4)。
【0039】赤外像伝達ファイババンドル3の温度をT
F2にした場合の赤外カメラ21に入射する赤外線エネル
ギUF2は、同様に UF2=K{τM(TB,λ)+εM(TF2,λ)+ρM(TR.T,λ)}…(5) となる。式(2)、(4)、(5)より UR.T−UF2=ε{M(TR.T ,λ)−M(TF2 ,λ)}…(6) となり、よって ε={M(TR.T ,λ)−M(TF2 ,λ)/(UR.T−UF2) ここで、M(TR.T ,λ)、M(TF2 ,λ)、UR.T、U
F2は求められるので、放射率εを知ることができる。
【0040】したがって、赤外像伝達ファイババンドル
3の温度をかえて測定することにより放射率がわかるの
で、被測定部100の放射率があらかじめわかっていな
くても、絶対温度を計測でき、未知の放射率の物体でも
正確な温度測定ができるという効果がある。
【0041】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、内視鏡挿入部1の内部の温度をよ
り一定にコントロールするために、チューブ12の途中
に適当な穴をいくつかあけておき、そこからも気体が出
るようにして、内視鏡挿入部1内の気体の分布をより均
一にすることも効果的であり、長さの異なるチューブを
複数本設けても良い。また、赤外像伝達ファイババンド
ル3に代えて赤外線伝達ファイバアレイなどを用いてス
キャンニングにより赤外像を形成するようにしてもよ
い。
【0042】
【発明の効果】本発明の測温内視鏡によれば、内視鏡挿
入部の内部にその外部から温度の安定した気体を送り込
んで、赤外像伝達ファイババンドルの温度を一定温度に
保持することができるので、環境温度変化の影響を受け
ずに正確な温度測定を行うことができる。
【0043】また、赤外像伝達ファイババンドルを複数
の異なる温度にして、その各々の温度において測定する
ことによって、被測定部の放射率があらかじめわかって
いなくても絶対温度を計測でき、未知の放射率の物体で
も正確な温度測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成図である。
【図2】環境温度変化による温度測定誤差の発生を説明
する実験結果を示す線図である。
【符号の説明】
1 内視鏡挿入部 3 赤外像伝達ファイババンドル 11 送気ポンプ 12 チューブ 13 排気路 100 被測定部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定部から放射される赤外線による像
    伝達するための赤外伝達手段を内視鏡挿入部内に挿通
    した測温内視鏡において、 上記内視鏡挿入部内に外部から気体を送り込むための送
    気手段と、上記内視鏡挿入部内から外部に気体を排出す
    るための排気路と、上記内視鏡挿入部内に送り込まれる
    気体の温度を複数の異なる温度に設定するための温度設
    定手段とが設けられ、上記気体の温度を複数種類の異な
    る温度に設定することによって上記赤外像伝達手段を複
    数の異なる温度にして、その各々の温度において上記被
    測定部から放射される赤外線の測定を行うことができる
    ようにしたことを特徴とする測温内視鏡。
  2. 【請求項2】上記内視鏡挿入部内に気体を放出するため
    の導入気体放出口と、上記内視鏡挿入部内から排出する
    ための気体を上記排気路にとり入れる排気とり入れ口と
    が、一方は上記内視鏡挿入部の先端付近に設けられ、他
    方は上記内視鏡挿入部の基端付近に設けられている請求
    項1記載の測温内視鏡。
  3. 【請求項3】 上記内視鏡挿入部の中間部分から内部に気
    体を放出するための中間放出口が複数箇所に設けられて
    いる請求項2記載の測温内視鏡。
  4. 【請求項4】 上記内視鏡挿入部内に一定温度の気体を送
    り込むための定温気体供給手段が上記送気手段に併設さ
    れている請求項1、2又は3記載の測温内視鏡。
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