JP3149832B2 - 半導体スイッチ回路 - Google Patents

半導体スイッチ回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体スイッチ回
路に関し、半導体FETを用いて構成される高周波用の
半導体スイッチ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体スイッチ回路は、例えば、
高周波用として半導体FETを用いて構成される。この
ような高周波用スイッチ回路の従来の構成例を、図3〜
図10を参照して以下に説明する。
【0003】まず、図3はスイッチ回路の従来例1であ
り、スルーFET(T1)とシャントFET(T2)、
及びそれぞれのFETのゲート電極G1、G2に接続さ
れた抵抗素子R1、R2で構成されている。コントロー
ル信号Vc、
【0004】
【数1】
【0005】によりスルーFET(T1)がOFF時に
シャントFET(T2)はONとなり、このFETを介
して出力端子OUTを接地する。一方、スルーFET
(T1)がON時には、シャントFET(T2)がOF
Fとなり、電力の漏洩を抑制する。なお、上記の信号
【0006】
【数2】
【0007】はコントロール信号Vcの反転信号を表
す。
【0008】以下、OFF時のシャントFETについて
考える。入力信号の電位をVin・sin(ωt)として、Vou
t は以下の式(1)により得られる。 Vout =Vin・sin(ωt) …(1)
【0009】ここでCgd≒Cgsと仮定し、Rg>>1/
(ωCgs)とすると、入力信号の半分の振幅の信号がシ
ャント抵抗のゲート端子G2に誘起される。コントロー
ル信号の電位をVcとするとG2の電位は下記の式
(2)で表される。 Vg2=Vc+(Vin・sin(ωt))/2 …(2)
【0010】従って、シャントFET(T2)のゲート
端子G2とドレインおよびソース間の電位差は、G2−
OUT間およびG2−GND(接地)間の電位差である
から、下記の関係式(3)が成立する。 Vg2−Vout =Vc−(Vin・sin(ωt))/2 Vg2−Vgnd =Vg2=Vc+(Vin・sin(ωt))/2 …(3)
【0011】図4には、横軸に時間をとり縦軸に各点の
電位をプロットしたグラフを示す。ここで電位Vcは負
である。
【0012】ここでゲート耐圧をBgd(=BVgs)とす
ると、FETに電流が流れないためのOFF条件は、下
記で表される。 BVgd≦Vgd≦Vth かつ BVgd≦Vgs≦Vth …(4) この式(4)は下記の式(5)となる。 BVgd≦Vc−Vin/2 かつ Vc−Vin/2≦Vth …(5) つまり式(5)は式(6)となる。 Vin≦2(Vc−BVgd) かつ Vin≦2(Vth−Vc) …(6)
【0013】BVgdが通常−20V程度と十分に低く、
余裕があると考えられるので、入力振幅Vinは下記の式
(7)のように制限される。 Vin≦2(Vth−Vc) …(7)
【0014】上記のVinがこの範囲を越えると、Vgsが
Vthを越え、FETがONして電流が流れ、出力波形に
歪みを生じる。通常はVth=−1V、Vc=−3V程度
と考えられるため、Vin≦4Vが波形歪み、電力漏洩を
生じない限界である。
【0015】次に図5は、従来例2であり、シャントF
ETを2個のFET(T21、T22)のシリーズ接続
に置き換えた場合の構成例である。また、それぞれのゲ
ート端子に接続される抵抗素子は、同一の抵抗値とす
る。このときシャントFET(T21、T22)は、同
一のCgd≒Cgsを持つとすると、図6の様な波形とな
る。
【0016】図6の波形は式(8)となる。 Vout =Vin・sin(ωt) Vg21 =Vc+(Vin・sin(ωt))・3/4 Vn1=(Vin・sin(ωt))/2 Vg22 =Vc+(Vin・sin(ωt))/4 …(8)
【0017】つまり、シャントFET(T21、T2
2)のゲートとドレイン、ソース間の電位差は下記式
(9)の関係となる。 Vg21 −Vout =Vc−(Vin・sin(ωt))/4 Vg21 −Vn1=Vc+(Vin・sin(ωt))/4 Vg22 −Vn1=Vc−(Vin・sin(ωt))/4 Vg22 −Vgnd =Vc+(Vin・sin(ωt))/4 …(9)
【0018】本従来例2は、従来例1と同様にFETに
電流が流れないための条件(4)から下記となり、入力
振幅Vinの制限は2倍に緩和される。 Vin≦4(Vth−Vc) …(10) 上記の関係において、Vth=−1V、Vc=−3V程度
と考えると、Vin≦8Vが、波形歪み、電力漏洩を生じ
ない限界である。
【0019】図7は従来例3であり、シャントFETを
2個のFET(T21、T22)のシリーズ接続に置き
換え、さらに各々のゲート端子G21とOUT端子、ゲ
ート端子G22と接地間に、それぞれの間を高周波的に
短絡するための大容量のキャパシタC1、C2を設けて
いる。キャパシタC1、C2の容量がFETのゲート容
量に比べて十分大きいと仮定して、Vg21 −Vout とV
g22 −Vgnd は常にVcに等しい。この場合の各節点の
波形を図8に示す。以下N1の電位Vn1について考え
る。入力電位が正に振れた場合、Vout と同じ振幅でV
g21 は振れ、N1の電位Vn1との差がVthを越えると、
T21はONとなり、T21を通して流れる電流により
N1は充電される。従ってVn1は、Vg21 +Vthで同様
に上昇する。
【0020】次に入力電位がピークレベルから下降に転
じると、T21はOFFし、Vn1はT21のCgsとT2
2のCgdの比で決まる速度で下降する。さらに入力電位
が負に振れた場合、Vn1は下降を続け、T22のゲート
端子G22の電位Vg22(=Vc)とVn1の差がVthを越
えると、今度はT22がONとなる。T22を通して接
地から流れる電流によりN1は充電され、Vn1はVc+
Vthより下がることはない。
【0021】従って、図8から解るようにVg21 −Vou
t 、Vg21 −Vn1、Vg22 −Vn1、Vg22 −Vgnd は下
記式(11)で表される。 Vg21 −Vout =Vc Vth−Vin≦Vg21 −Vn1≦Vth Vth−Vin≦Vg22 −Vn1≦Vth Vg22 −Vgnd =Vc …(11)
【0022】さらに、FETに電流が流れないためのO
FF条件(4)から下記式(12)の関係となる。 BVgd≦Vth−Vin …(12)
【0023】ここでVinはVcに依存せず、BVgdのみ
に依存する。Vth=−1V、BVgd=−20V程度とす
るとVin≦19Vが波形歪み、電力漏洩を生じない限界
となり、従来例1、2に比べてはるかに大きい。
【0024】図9は、従来例4(1994年電子情報通
信学会春季大会予稿集2−624に掲載)であり、シャ
ントFET(T2)は1個であり、そのゲート端子G2
とOUT端子の間にダイオードD1と、高周波的に短絡
するための大容量のフォワードキャパシタC1を直列
(間の節点をN1とする)に設けている。C1の容量が
FETのゲート容量に比べて十分大きいとして、Vn1−
Vout は常にVcに等しい。この場合の各節点の波形を
図10に示す。Vn1はVout と同じ振幅で振れ、Vg2は
その半分の振幅で振れる。ただしVn1がVg2−Vf(ダ
イオードのフォワード電圧)よりも低くなるとダイオー
ドがONして、G2から電流が流れVg2が引き下げられ
る。この結果下記式(13)となる。 Vout =Vin・sin(ωt) Vn1=Vc+Vin・sin(ωt) Vg2=Vc−Vin/2+Vf+(Vin・sin(ωt))/2 …(13)
【0025】つまり、T2のゲートとドレインおよびソ
ース間の電位差は、式(14)となる。 Vg2−Vout =Vc−Vin/2+Vf−(Vin・sin(ωt))/2 Vg2−Vgnd =Vc−Vin/2+Vf+(Vin・sin(ωt))/2 …(14)
【0026】FETに電流が流れないためのOFF条件
(4)は、式(15)となる。 BVgd≦Vc−Vin+Vf …(15) さらに、 Vin≦Vc+Vf−BVgd …(16) から、Vf=1V、Vc=−3V、BVgd=−20V程
度と考えると、Vin≦18Vが波形歪み、電力漏洩を生
じない限界となり、従来例3と同程度となる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術による回路では、従来例1、2の場合
は、波形歪みの起こる限界の入力振幅がやや小さい。従
来例2、3の場合は、FETが2個必要となりチップ面
積が大きくなってしまう。また従来例3、4の場合に
は、大容量のキャパシタが必要となりやはりチップ面積
が大きくなってしまう欠点がある。
【0028】本発明は、回路構成が単純で且つ入力信号
の振幅の拡大化を可能とした半導体スイッチ回路を提供
することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の半導体スイッチ回路は、半導
体FETを用いて高周波用スイッチ回路に構成される半
導体スイッチ回路において、入力端子と出力端子間に設
けられたスルーFET(T1)と、出力端子と接地間に
設けられたシャントFET(T2)と、シャントFET
(T2)のゲート端子とコントロール信号端子との間に
接続された抵抗器(R2)と、シャントFET(T2)
のゲート端子からコントロール信号端子方向が順方向に
抵抗器(R2)と並列に接続されたダイオード(D1)
とを有して構成され、回路構成が単純で且つ入力信号の
振幅を拡大化したことを特徴としている。
【0030】また、上記の半導体スイッチ回路は、さら
に、スルーFET(T1)のゲート端子とこのスルーF
ETのコントロール信号端子(Vc)間に抵抗器(R
1)が設けられるとよい。
【0031】請求項3記載の発明の半導体スイッチ回路
において、上記のシャントFET(T2)のゲート端子
(G2)へ印加される電圧(Vg2)は、所定値を越え
るとダイオード(D1)がONしてゲート端子(G2)
からコントロール信号端子(Vc)に流れ引き下げら
れ、波形歪み、電力漏洩を生じ難くし、且つ入力振幅の
限界を広げたことを特徴とする。
【0032】さらに、上記のスルーFETとシャントF
ETのそれぞれのコントロール信号には、相互に極性反
転信号が用いられるとよい。
【0033】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明に
よる半導体スイッチ回路の実施の形態を詳細に説明す
る。図1および図2を参照すると本発明の半導体スイッ
チ回路の一実施形態が示されている。
【0034】図1は、本発明の実施の形態について説明
するための図である。本実施形態の半導体スイッチ回路
は、入力端子INおよび出力端子OUT間に設けられた
スルーFET(T1)、出力端子OUTと接地間に設け
られたシャントFET(T2)、コントロール信号Vc
の信号端子とシャントFET(T2)のゲート端子G2
との間に直列に設けられた抵抗器R2、コントロール信
【0035】
【数3】
【0036】の信号端子とスルーFET(T1)のゲー
ト端子G1との間に直列に設けられた抵抗器R1、およ
び抵抗器R2と並列、且つシャントFET(T2)から
端子Vc方向を順方向として接続されたダイオードD1
を有して構成される。なお、コントロール信号
【0037】
【数4】
【0038】はコントロール信号Vcの極性反転信号で
ある。
【0039】図1の半導体スイッチ回路の回路構成にお
いて、用いられているシャントFET(T2)は1個で
あり、そのゲート端子G2とコントロール信号Vc端子
との間にダイオードD1を抵抗器R2と並列に接続して
いる点に特徴がある。
【0040】上記構成の半導体スイッチ回路の各節点の
波形を図2に示す。従来例1と同様にVg2はVout の半
分の振幅で振れようとするが、Vc+Vfを越えるとダ
イオードがONして、G2から電流がVcに流れVg2が
引き下げられる。この結果式(17)となる。 Vout =Vin・sin(ωt) Vg2 =Vc−Vin/2+Vf+(Vin・sin(ωt))/2 …(17)
【0041】つまり、T2のゲートとドレイン、ゲート
とソース間の電位差は、式(18)で表される。 Vg2−Vout =Vc−Vin/2+Vf−(Vin・sin(ωt))/2 Vg2−Vgnd =Vc−Vin/2+Vf+(Vin・sin(ωt))/2 …(18)
【0042】FETに電流が流れないためのOFF条件
式(4)は、式(19)となる。 BVgd≦Vc−Vin+Vf …(19) 下記の式(20)から Vin≦Vc+Vf−BVgd …(20) Vf=1V、Vc=−3V、BVgd=−20V程度と考
えると、Vin≦18Vが波形歪み、電力漏洩を生じない
限界となり、従来例4と同じである。
【0043】また本実施形態では大容量のキャパシタが
不要なため、従来例に比べてチップ面積は小さくてす
む。
【0044】尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施
の一例である。但し、これに限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施
が可能である。
【0045】
【発明の効果】以上の説明より明かなように、本発明の
半導体スイッチ回路は、シャントFETのゲート端子と
コントロール信号端子との間に抵抗とダイオードとを並
列に接続して構成される。本構成により、容量やFET
などの面積の大きな素子を付加することなく、波形歪
み、電力漏洩を生じなく、且つ入力振幅の限界を広げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体スイッチ回路の実施形態を示す
回路図である。
【図2】電位を縦軸に、時間を横軸にとった各節点にお
ける電位の波形図である。
【図3】従来例1を説明するための回路図である。
【図4】従来例1を説明するための図であって、電位を
縦軸に、時間を横軸にとった各節点における電位の波形
図である。
【図5】従来例2を説明するための回路図である。
【図6】従来例2を説明するための図であって、電位を
縦軸に、時間を横軸にとった各節点における電位の波形
図である。
【図7】従来例3を説明するための回路図である。
【図8】従来例3を説明するための図であって、電位を
縦軸に、時間を横軸にとった各節点における電位の波形
図である。
【図9】従来例4を説明するための回路図である。
【図10】従来例4を説明するための図であって、電位
を縦軸に、時間を横軸にとった各節点における電位の波
形図である。
【符号の説明】
IN 入力端子 OUT 出力端子 Vc コントロール信号の端子 V’c コントロール信号の反転信号の端子 T1 スルーFET T2、T21、T22 シャントFET R1、R2、R21、R22 抵抗器 C1、C2 キャパシタ G1、G2、G21、G22 ゲート端子 N1 節点 Vout 出力端子の電位 Vn1 節点N1の電位 Vg2、Vg21 、Vg22 ゲート端子の電位 Vgnd 接地電位
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−86899(JP,A) 特開 平8−213891(JP,A) 特開 平9−18315(JP,A) 特開 平10−336000(JP,A) 特開 平10−13204(JP,A) 特開 平9−214324(JP,A) 特開 平6−338777(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 17/00 - 17/70 H01P 1/10 - 1/195

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体FETを用いて高周波用スイッチ
    回路に構成される半導体スイッチ回路において、入力端子と出力端子間に設けられたスルーFET(T
    1)と、 出力端子と接地間に設けられたシャントFET(T2)
    と、 前記 シャントFET(T2)のゲート端子とコントロー
    ル信号端子との間に接続された抵抗器(R2)と、 前記シャントFET(T2)のゲート端子からコントロ
    ール信号端子方向が順方向に前記抵抗器(R2)と並列
    に接続されたダイオード(D1)とを有して構成され、 回路構成が単純で且つ入力信号の振幅を拡大化した こと
    を特徴とする半導体スイッチ回路。
  2. 【請求項2】 前記半導体スイッチ回路は、さらに、前
    記スルーFET(T1)のゲート端子と該スルーFET
    のコントロール信号端子(Vc)間に抵抗器(R1)
    設けられていることを特徴とする請求項記載の半導体
    スイッチ回路。
  3. 【請求項3】 前記シャントFET(T2)のゲート端
    子(G2)へ印加される電圧(Vg2)は、所定値を越
    えると前記ダイオード(D1)がONして前記ゲート端
    子(G2)から前記コントロール信号端子(Vc)に流
    れ引き下げられ、波形歪み、電力漏洩を生じ難くし、且
    つ入力振幅の限界を広げたことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の半導体スイッチ回路。
  4. 【請求項4】 前記スルーFETと前記シャントFET
    のそれぞれのコントロール信号は、相互に極性反転信号
    が用いられることを特徴とする請求項1から3の何れか
    1項に記載の半導体スイッチ回路。
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