JP3171237U - 水電解ガス混合燃料の生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩基性電解液における水電解で生成された水電解ガスと気体化石燃料とを混合することにより水電解ガス混合燃料を生成する装置を提供する。【解決手段】有機化合物の液体を内部に収容する混合槽11と、混合槽に対し水電解ガスを気泡状で供給する水電解ガス供給手段12と、混合槽に対し気体化石燃料を気泡状で供給する化石燃料供給手段13と、混合槽における水電解ガスと気体化石燃料との混合により生成された水電解ガス混合燃料を燃料使用装置へ排出する水電解ガス混合燃料排出手段14とを有する。水電解ガスと気体化石燃料の気泡が容易に通過できない程度の複数の細孔が形成され、混合槽内部の液体に浸漬され外周面が混合槽内壁に接近した状態で水平方向に設置された複数の仕切板51、52、53が取付けられた昇降可能な昇降可動部15と、水電解ガス及び/又は気体化石燃料の混合槽への供給を制御する制御手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、塩基性電解液を用いた水電解によって得られる水電解ガスと液化天然ガスや液化石油ガス等の気体化石燃料とを混合することにより得られる水電解ガス混合燃料の生成装置に関する。
塩基性である水酸化カリウム(KOH)水溶液中で、水(HO)が電離し、水酸化物イオンOHと水素イオンHとが生じることは周知の事実である。ここで、水酸化物イオンOHはカソード(陰極)側からアノード(陽極)側に向けて移動するイオンであるとの意味でアニオンとも称され、水素イオンHはその反対にアノード(陽極)側からカソード(陰極)側に移動するイオンであるためカチオンとも称される。この水素イオンHは、混在する水分子HOと共有結合を生じ「オキソニウムイオン(H3)」となる。このことは水と水素イオンとが混在する環境下、つまり水電解槽の内部では多くは共有結合により「オキソニウムイオン(H3)」として存在することを意味する。このように水電解によって水素−酸素ガスとも呼ばれる水電解ガスを発生させる装置は従来から多数開示されている。本考案は塩基性電解液における水電解によって得られる水電解ガスを用いるものである。
水と化石燃料を特殊な状態で混合して燃焼させる先行技術として、特許文献1は、水を水蒸気として霧状の化石燃料と混合させるもので、混合された燃料を供給するためのパイプを連結した水化石燃料燃焼装置を開示している。このパイプでは、水蒸気用マニホールドに水蒸気を通すための通路を形成し、この水蒸気通路には霧状の灯油を導入するように構成される。また、このような水蒸気マニホールドには第1および第2のノズル支持管が形成される。水蒸気マニホールドの先方にはガス用マニホールドが取り付けられ、そしてブラウンガスを噴射するための第1ガスノズルおよび第2ガスノズルを設けて、水化石燃料燃焼装置を開示している。この先行文献に係る燃焼装置は、霧化した灯油に対して水蒸気を混合し、ガス用マニホールドにおいてブラウンガスと混合することにより適正な燃焼を実現しようとするものである。
特許文献2は、水・化石燃料混合エマルジョン液の燃焼方法および燃焼装置を開示している。この文献は、水・化石燃料混合エマルジョン液に対してマイクロ波(極超短波)を照射して昇温・気化させる。このように昇温・気化された水・化石燃料混合ガスをバーナーに供給して燃焼させるものである。なお、このバーナーにはブラウンガス燃焼によって高温化された高熱ガスを供給することが好ましく、その結果2000℃前後の高温を得ることができることを開示している。
特許文献3は、ブラウンガスを安全かつ確実に燃焼させるブラウンガス燃焼用バーナーを開示する。そしてこのバーナーには、ブラウンガス流入口およびガス噴射口とが連通しているバーナーボディを形成し、バーナーボディのブラウンガス流動路内部に少なくとも1個以上の逆火防止手段を設けることにより安全性を高める構成を開示している。これら各先行文献は、いずれも水を水蒸気としあるいは水から得られるブラウンガスを燃料に添加することにより得られる気体を燃焼させようとするもので、霧状その他の複合燃料をバーナー等の燃焼手段に導いて燃焼させる方法又は装置を開示するものである。
特許文献4は、液体状揮発性有機化合物を内部に収納した混合槽にブラウンガスを供給し、液体状揮発性有機化合物から気化した気体状有機化合物とブラウンガスとを混合化する装置において、混合槽内部にブラウンガス気泡を通過させない口径の通気用細孔を形成した隔壁部を備え、当該隔壁部下側表面において独立気泡の集合体を形成させ、この独立気泡集合体に更にブラウンガス気泡を供給して吸着、成長させることにより混合化ブラウンガスを製造する装置及び製造方法を開示するものである。この発明においては、混合槽内の液体状揮発性有機化合物から気化した気体状有機化合物とブラウンガスとを混合化するものであり、また混合槽内部に設けられる隔壁部は可動構造ではなく、ブラウンガス、可燃性有機化合物ガス等の混合槽への供給を停止および開始させる手段も開示されず本考案とはその構成において全く異なるものである。
特開2002−5414号公報
特開平10−267260号公報
特開2003−207107号公報
特開2005−320416号公報
本考案の課題は、塩基性電解液における水電解で生成された水電解ガスと気体化石燃料とを混合することにより水電解ガス混合燃料を生成する装置を提供することである。考案者らは、水電解ガスと気体化石燃料を混合する装置について種々研究を重ねた結果、二酸化炭素の排出量が低減されると共に原料となる気体化石燃料の消費量の大幅な低減が可能で、強力な火力が持続的に得られる燃料を生成できる装置を開発するに至ったものである。
請求項1に記載の考案は、図1、図2に示すように、アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物から選ばれた液体Lを内部に収容し、供給される気泡状の水電解ガスと気体化石燃料との混合を繰り返し実行する混合槽11と、前記混合槽に対し塩基性電解液を用いた水電解により生成された水電解ガスを気泡状で供給する水電解ガス供給手段12と、前記混合槽に対し気体化石燃料を気泡状で供給する化石燃料供給手段13と、前記水電解ガスと気体化石燃料との混合が繰り返し実行され生成された水電解ガス混合燃料を燃料使用装置60へ排出する水電解ガス混合燃料排出手段14と、を有する水電解ガス混合燃料の生成装置において、前記水電解ガスと気体化石燃料の気泡が容易に通過できない程度の複数の細孔が形成された仕切板であって、前記混合槽内部に収容された液体Lに浸漬され、かつ当該仕切板の外周面が混合槽内壁に接近した状態で水平方向に設置された複数の仕切板51、52、53が取付けられた昇降可能な可動構造に構成された昇降可動部15と、前記水電解ガス及び/又は気体化石燃料の混合槽への供給の停止又は開始、供給量、所定成分比を制御する制御手段20と、を備えた水電解ガス混合燃料の生成装置であることを特徴とする。
請求項2に記載の考案は前記アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物の液体Lがガソリン、エタノール、メチルアルコール、ジメチルエーテルから選ばれた液体のいずれかである水電解ガス混合燃料の生成装置であり、請求項3に記載の考案は前記気体化石燃料が液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)、石炭乾留ガスから選ばれた気体化石燃料のいずれかである水電解ガス混合燃料の生成装置であることを特徴とする。また請求項4に記載の考案は、前記水電解ガス混合燃料の生成装置により生成される水電解ガス混合燃料が前記アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物の液体Lから気化するガスを含む水電解ガス混合燃料の生成装置であることを特徴とする。
請求項5に記載の考案は、前記昇降可動部15に取付けられた仕切板51、52、53が3段に形成され、最下段の仕切板51が厚さ0.5〜2.5mm、好ましくは1〜2mm程度で細孔径が0.5〜3.5mm、好ましくは1〜3mm程度であるステンレス製であり、その上段側の仕切板52、53が細孔径が0.2〜1.5mm、好ましくは0.3〜1mm程度の平板状のメッシュ構造体である水電解ガス混合燃料の生成装置であることを特徴とする。また、仕切板51、52、53を樹脂製とすることができ、樹脂製仕切板を厚さ10〜15mm程度で細孔径を3〜10mm程度とすることができる。なお、仕切板に形成される細孔の形状を上方に向けてテーパー状とすることもできる。
請求項6に記載の考案は、前記制御手段20が、前記水電解ガスと気体化石燃料の気泡が前記仕切板の下面側に多数集合して上方層への移動が停滞する、又は気泡が当該細孔を通過し上方層へ移動することにより生じる前記仕切板が取付けられた昇降可動部15の上昇又は下降の変位を検知して、水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給の停止又は開始(再開)を制御する、水電解ガス混合燃料の生成装置であることを特徴とする。
請求項7に記載の考案は、前記制御手段20が、混合槽11の内圧の変化を検知して、水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給の停止又は開始(再開)を制御する水電解ガス混合燃料の生成装置であり、請求項8に記載の考案は、前記制御手段20が、混合槽の内圧が気体化石燃料の混合槽内への供給停止条件として設定された圧力と同一圧に達したことを検知して水電解ガスの混合槽内への供給を停止し、混合槽の内圧が当該設定圧より低下したことを検知して水電解ガスの混合槽内への供給を開始(再開)するように制御する、水電解ガス混合燃料の生成装置であることを特徴とする。
請求項9に記載の考案は、図3に示すように、前記水電解ガス供給手段12に対し供給される水電解ガスの発生装置30が、底部側に電解液導入口31を有し、頂部側に電解液と生成ガスの混在物を取り出すための取出し口35を有する電解槽であって、該電解槽内の底部側に配設された陽極板32と、前記電解槽内の頂部側に配設された陰極板33と、前記陽極板から前記陰極板へ向かう方向にアルカリ電解液を旋回流動させながら通流させるための電気的接続のない電解液旋回通流手段34とを備えた水電解ガス生成用電解槽300と、前記電解槽の上端の取出し口35から取り出される水電解ガスと電解液の混在物を導入して、水電解ガスのガス成分と電解液との気液分離を行い当該ガス成分を外部に取り出し、電解液成分を残留せしめるための水電解ガス−電解液分離槽301と、前記分離槽に残留せしめられた電解液を強制冷却するための電解液強制冷却手段302と、当該電解液を前記電解槽側に環流させる電解液循環手段303と、からなる水電解ガス発生装置である水電解ガス混合燃料の生成装置であることを特徴とする。
請求項10に記載の考案は、図4に示すように、前記電解槽300内の前記陽極板32と陰極板33との間に配設された電解液旋回通流手段34が、所要枚数の金属板34−1〜nであってそれぞれの中心から外周側に外れて点対称に穿孔された2乃至6個の通流開口47を有し、これら通流開口を所定角度ずつ順次変位させて配設することにより旋回流動を伴いながら電解液を通流させる構造である、水電解ガス混合燃料の生成装置であることを特徴とする。
本考案に係る水電解ガス混合燃料は、塩基性電解液を用いた水電解により生成された水電解ガスと気体化石燃料を気泡状で導入し、アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物から選ばれた液体Lを内部に収容した混合槽11において、前記導入された水電解ガスと気体化石燃料とが均一混合されるように混合を繰り返し実行し、前記水電解ガスと気体化石燃料の気泡が容易に通過できない程度の複数の細孔が形成された仕切板であって、前記混合槽内部に収容された液体Lに浸漬され、かつ当該仕切板の外周面が混合槽内壁に接近した状態で水平方向に設置された複数の仕切板51、52、53が取付けられた昇降可能な可動構造に構成された昇降可動部15を備え、前記水電解ガスと気体化石燃料の気泡が前記仕切板の下面側に多数集合して上方層への移動が停滞する、又は気泡が当該細孔を通過し上方層へ移動することにより生じる前記仕切板が取付けられた昇降可動部15の上昇又は下降の変位を検知して、水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給の停止又は開始(再開)、供給量、所定成分比を制御して、前記水電解ガスと気体化石燃料との混合を繰り返し実行することにより生成される。
本考案に係る水電解ガス混合燃料は、水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給の停止又は開始(再開)の制御が混合槽の内圧変化の検知により行なわれることにより生成され、また水電解ガスの混合槽内への供給停止の制御が混合槽の内圧が気体化石燃料の混合槽内への供給停止条件として設定された混合槽の内圧と同一に達したことを検知して行なわれ、水電解ガスの混合槽内への供給開始(再開)の制御が混合槽の内圧が当該設定内圧より低下したことを検知して行なわれることにより生成される。
本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置によれば、塩基性電解液における水電解によって得られる水電解ガスと気体化石燃料とが混合槽11の底部に加圧して導入され、混合槽内部に収容されたアルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物から選ばれた液体の存在下において、気泡状の水電解ガスと原料となる気体化石燃料との混合が繰り返し実行されることにより水電解ガス混合燃料が生成される。前記水電解ガスと気体化石燃料は気泡状で混合槽11に導入され、これらの気泡が容易に通過できない程度の細孔が多数形成された仕切板51、52、53の下面側において混合、集合を実行する。この仕切板は混合槽内を昇降可能な可動構造に構成された昇降可動部15に一体として取付けられており、混合槽内部に収容された液体に浸漬されかつその外周面が混合槽内壁に接近した状態で水平方向に配設されている。
本考案においては、仕切板には水電解ガスと気体化石燃料の気泡が容易に通過できない程度の細孔が多数形成されているため、混合槽11の底部に加圧導入されたこれらの気泡が仕切板の下面側に多数集合して集合体を形成し上方層への移動が停滞することにより前記混合槽の内圧が高くなるため当該仕切板が取付けられた昇降可動部15は上昇する。当該気泡集合体が破壊され気泡が仕切板の細孔を通過し上方層に移動するに連れて、昇降可動部15は降下する。このような昇降可動部15の上昇又は下降の変位をタッチセンサ等により検知して、あるいは混合槽の内圧の変化を圧力センサにより検知して、昇降可動部15が上昇した場合または混合槽内が高圧となった場合には、水電解ガス発生装置の電源をOFFにして水電解ガスの供給を停止し、絞り弁を閉じて気体化石燃料の混合槽内への供給を停止するように構成されている。
このような構成により、本考案により生成された水電解ガス混合燃料を従来の液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)等を燃焼させる暖房用バーナーにより燃焼させた場合、LPGのみの燃焼と同等の熱量を得るためのLPGの消費量は約40%程度で足り、大幅に低減されることが確認されている。また、一定条件下において水電解ガスの供給も停止されるので水電解ガス発生装置を稼働させるための電力消費量も低減されることになる。このようにして生成され排出手段14から取り出される水電解ガス混合燃料はほぼ完全燃焼が得られるように改質されている。
上述のように水電解ガスと気体化石燃料とを混合することにより、燃焼効率が大幅に改善され、所要熱量を得るために必要となる化石燃料消費量の大幅低減を可能にする。また、上述の塩基性電解液における水電解によって得られる水電解ガスに関しては、本出願人に係る特願2008−277756により開示する発明の名称「水電解ガス発生装置」によって生成される水電解ガスを有利に利用することができる。当該水電解ガス発生装置によれば、水電解ガスを効率よく持続的に発生させて前記水電解ガス供給手段12を介して混合槽11内へ加圧導入することができる。この水電解ガスは基本的に水の電解によって発生するものであるから量的並びに経済的に極めて有利な素材であることは明らかである。
廉価かつ豊富な素材である水の電解によって得られる水電解ガスを利用することにより、気体状の炭化水素その他炭素含有物質の燃焼効率を向上させることができる。気体化石燃料に水電解ガスを混合することにより水電解ガス混合燃料が生成され、熱量増大効果を発揮することはエネルギー資源の有効利用の観点からも有利である。
本考案により取り出された水電解ガス混合燃料によれば、上述のように強力な燃焼反応が可能となる。また、本考案においては水電解ガス混合燃料に前記混合槽内部に収容されたアルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物の液体から気化するガスを含有するためさらに強力で活発な燃焼反応が可能となる。かかる燃焼反応を利用する用途は、単なる加熱装置・暖房機等のバーナーに限られるものではなく、広義の燃焼装置、例えば内燃機関、ガスタービン、ジェットエンジン等多くの熱機関における気体燃料として使用することができ、これら各種熱機関等の燃料としての利用にも可能性がある。
本考案によれば、水電解ガスと適宜種の気体化石燃料とを混合することにより気体化石燃料の燃焼反応が活発になり強力な火力が得られる。その結果、同一の熱量を得る際に、大気中の酸素を使用する在来の燃焼方法に比して本来の気体化石燃料単独の消費量が約60%低減される。そのため同一熱量を得る燃焼時の所要空気量も減少するため熱効率が向上し、発生する二酸化炭素の排出量も比例して低減される。当然ながら、埋蔵量が有限である化石燃料の節減・有効利用に加えて地球温暖化対策としても有効である。また、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)の排出量も大幅に低減されるため環境対策としても極めて有効である。
本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置の概略断面図(A)及び図AのA−A断面図(B)である。 本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置及び関連する周辺装置を示すブロック図である。 本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置に使用される水電解ガスの発生装置の基本的構成例を示すブロック図である。 図3に示した水電解ガス発生装置の電解槽の構成例を示す図である。 図3に示した水電解ガス発生装置の電解槽に使用される金属板群を構成する単体円板の構成例を示す図である。 本考案によって得られる水電解ガス混合燃料の性能を確認するための実証装置全体の配置状態を撮影した写真である。 本考案によって得られる水電解ガス混合燃料の性能を確認するための実証装置中の特に燃焼バーナーから発生する火炎の状態を撮影した写真である。
次に、添付図を参照しつつ本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置について開示する。図1(A)は本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置を説明するための概略断面図であり、図1(B)は図1(A)のA−A矢視断面図である。図2は、本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置及び関連する周辺装置を示すブロック図である。本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置10は、図に示されるように、アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物から選ばれた液体Lを内部に収容し、底部から導入される気泡状の水電解ガスと気体化石燃料との混合を繰り返し実行する混合槽11、この混合槽に対し塩基性電解液を用いた水電解により生成された水電解ガスを供給する水電解ガス供給手段12、混合槽に対し気体化石燃料を供給する化石燃料供給手段13、前記水電解ガスと気体化石燃料との混合が繰り返し実行され生成された水電解ガス混合燃料を燃料使用装置60へ排出する水電解ガス混合燃料排出手段14、とにより構成されている。
水電解ガス混合燃料の生成装置10には、後述する水電解ガスを生成する水電解ガス発生手段としての水電解装置30と、液化石油ガス等の気体化石燃料を供給する装置としての液化石油ガス等のガスボンベ40が接続されている。生成された水電解ガス混合燃料ガスは燃焼用バーナーその他燃料使用装置60に供給される。また、水電解ガス及び/又は気体化石燃料の混合槽への供給の停止又は開始、供給量、所定成分比の制御や本考案に係る装置の各構成要素全体の動作を制御する制御手段20が設けられている。
混合槽11内部には、混合槽内を昇降可能な可動構造に構成された昇降可動部15が配設されており、昇降可動部15には、外周面外枠部16の上端面に周面端部が離脱可能に配置された吊下げ部54、吊下げ部54とステンレス製の4本の連結棒57により固定された仕切板53、仕切板53と連結棒56により固定された仕切板52、仕切板52と連結棒55により固定された仕切板51が固定して一体に取付けられている。混合槽の内圧の変化により前記昇降可動部15が上昇、下降動作を実行するために、吊下げ部54の上面と上面外枠部17との間に5〜10mm程度の隙間Sを形成している。
吊下げ部54は、水電解ガス混合燃料を水電解ガス混合燃料排出手段14に導くための開口部58を中央部に形成した円形平板状に構成されている。なお、本実施例では円筒状の混合槽11を使用しているので、吊下げ部54並びに後述する仕切板51、52、53を円形平板状としているが、吊下げ部並びに仕切板の形状は円形平板状に限定されるものではなく、当該混合槽の形状に合わせてこれらの形状を五角形、六角形、七角形のような多角形状とすることができる。当該混合槽11の形状を各種多角形状とすることができることは勿論である。
昇降可動部15に取付けられている仕切板51、52、53は、水電解ガスと気体化石燃料の気泡が容易に通過できない程度の複数の細孔が形成され、混合槽内部に収容された液体に浸漬され、かつ当該仕切板の外周面が混合槽内壁に接近した状態で、水平方向に設置されている。最下段の仕切板51は、厚さ0.5〜2.5mm、好ましくは1〜2mm程度で、細孔径が0.5〜3.5mm、好ましくは1〜3mm程度であり、材質はステンレス製又は樹脂製とすることができる。その上方の仕切板52、53は、細孔径が0.2〜1.5mm、好ましくは0.3〜1mm程度のステンレス製又は樹脂製の平板状のメッシュ構造体とすることができる。また、仕切板51、52、53を樹脂製とする場合には、仕切板を厚さ10〜15mm程度で細孔径を3〜10mm程度とすることができ、仕切板に形成される細孔の形状を上方に向けてテーパー状とすることもできる。
このように多数の細孔を形成した仕切板を複数段に設置したのは、水電解ガスと気体化石燃料との間の確実かつ均一な混合を確保するために導入する気泡状の水電解ガスと気体化石燃料の滞留時間や圧力を調節しようとするものである。本実施例では、昇降可動部15に取付ける仕切板を3段に形成しているが、仕切板の数はこれに限定されるものではなく、形成される細孔の口径や密度に応じて1段以上の複数段とすることができる。本実施例では、昇降可動部の可動構造を、吊下げ部54の外周端面が外周外枠部16の上端部に離脱可能に配置することにしているが、吊下げ部54と仕切板53とを連結固定する連結棒57の仕切板53との連結部を、下端部をストッパーとし仕切板の連結棒挿入部を昇降動作が可能なように大きく開口する構造とすることもできる。
また、昇降可動部15に取付けられた各仕切板51、52、53同士の間隔を、本装置に使用する気体化石燃料や水電解ガス混合燃料の生成条件に応じて調節可能であるように構成することができる。この間隔調整は、予め用意された各種長さの連結棒を所望間隔になる長さの連結棒とする、あるいは各仕切板を連結する連結棒をネジにより取り付けネジ調整により所望間隔になるように所定長さに設定することにより行なうことができる。仕切板に形成される細孔の口径や密度、並びに各仕切板の間隔、配置は、槽内に充填されるアルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の液体の種類、粘度、容量、温度等をはじめ、気体化石燃料の種類、供給量、装置の規模、水電解ガス混合燃料の発生量等を勘案して所望の混合速度ならびに収量が得られるように調節することができる。
混合槽11には、アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物から選ばれた液体Lが、最上段の仕切板53を超える程度まで充填されている。ここで、アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物の液体としては、例えば、ガソリン、エタノール、メチルアルコール、ジメチルエーテル、灯油等を使用することができる。化石燃料供給手段13から供給する気体化石燃料としては、液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)、石炭乾留ガス等を使用することができる。
また、本考案に係る装置により生成される水電解ガス混合燃料には、混合槽に収容されるアルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物から選ばれた液体から気化するガスを含有させることができ、この気化ガスを水電解ガス混合燃料の燃焼補助剤として使用することにより、さらに強力で活発な燃焼反応を可能とする。この場合、混合槽に収容される液体Lを適宜補充する必要がある。
水電解ガス供給手段12および化石燃料供給手段13から混合槽に導入される水電解ガスおよび気体化石燃料は、混合槽内に充填されたアルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物から選ばれた液体の液圧に対向して加圧導入する必要があり、0.05〜0.2MPa、好ましくは0.08〜0.15MPa程度の加圧注入が行われる。また、水電解ガス供給手段12および化石燃料供給手段13には逆止弁102、103が配設されており、この逆止弁は前記混合槽内に充填された液体が混合槽から水電解ガス発生供給装置30、ガスボンベ等の気体化石燃料供給装置40へ逆流することを防止し、特に混合槽内が高圧となった場合に逆流を確実に阻止するものである。
本考案に係る装置は水電解ガス及び/又は気体化石燃料の混合槽への供給の停止又は開始、供給量、所定成分比等を制御する制御手段20を備えている(図2参照)。制御手段20は、水電解ガスと気体化石燃料の気泡が仕切板の下面側に多数集合して気泡集合体を形成し上方層への移動が停滞することにより生じる仕切板が取付けられた昇降可動部15の上昇の変位を、タッチセンサ等により検知して、水電解ガス発生装置30、気体化石燃料供給装置40から水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給を停止するように制御する。一方、気泡集合体が破壊され気泡が当該細孔を通過し上方層へ移動することにより生じる昇降可動部15の下降の変位を検知して、水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給を開始または再開始(再開)するように制御する。
また、前記制御手段20は、前記気泡が上方層への移動が停滞する、又は上方層へ移動することにより生じる、混合槽の内圧の変化を圧力センサにより検知して、水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給を停止又は開始(再開)するように制御することができる。前記制御手段20は、混合槽の内圧が気体化石燃料の混合槽内への供給停止条件として予め設定された圧力と同一圧に達したことを検知した場合に水電解ガスの混合槽内への供給を停止するように制御し、混合槽の内圧が当該設定圧より低下したことを検知した場合に水電解ガスの混合槽内への供給を開始(再開)するように制御することができる。
ここで、水電解ガスの混合槽内への供給停止/開始(再開)にあたっては、後述する水電解ガス発生装置の起動電源の0N/OFF切り替え制御により行なわれ、気体化石燃料の混合槽内への供給停止/開始(再開)にあたっては、液化石油ガス等のガスボンベ40に絞り弁を配設し当該絞り弁の開閉制御により行なわれる。なお、これら各構成要素全体の動作を制御する制御装置が設けられるが、当業者には既存の制御技術により容易に構成可能な範囲であるため詳細については省略する。
図3は、本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置に使用される水電解ガスを発生させるための水電解ガス発生装置の基本構成例を示すブロック図であり、図4は水電解ガス発生装置の水電解ガス生成用電解槽の構成例を示す図である。本考案において使用される水電解ガス発生装置30は、図に示すように、水電解ガス生成用電解槽300、水電解ガス−電解液分離槽301、電解液強制冷却手段302および電解液循環手段303から構成される。電解液循環系統303には不純物濾過のためのラインフィルター38や系内電解液の抜き取りを行う際の電解液排出口39等も図示部位ないし同種装置の構成例にならって適宜配設しておくことが望ましい。
電解槽300は、電解槽の底部に電解液導入口31、電解槽の底部側に陽極板32、上部側に陰極板33を備え、両電極の中間には電解液旋回通流手段34としての所要枚数の金属板34−1〜nが所定間隔で配設されている。陽極および陰極にはステンレス304又はステンレス316を使用することができる。金属板群34のそれぞれは、後述するように両電極やその他の部位にも電気的に接続されておらず、各種プラスチックを成形した筒状絶縁体37によって固定支持されている。また個々の金属板同士も電気的に接続されていないが、陽極と陰極との間に満たされている電解液層によって陽極側から陰極側にかけて必然的に形成される電位傾度に応じた電位差に相当する電位となっており、介在する電解液の旋回流動作用が均質となるように作用する。
本考案においては、電解液循環装置による電解液の強制循環並びに旋回通流手段としての金属板群による電解液の旋回流動によって、電解槽内の温度上昇を抑制することが可能であるので、金属板群を固定支持する外枠体を塩化ビニール等のプラスチック製とすることができる。これにより電解槽の製造コストを大幅に低減できる。また、電解槽の外部は絶縁体により包囲されており、そのため漏電が回避される。金属板34−1〜n個々の間隔は、例えば相互間の電位差が1.8〔V〕となるように設定すると都合がよい。このような陽極を経て所要枚数の金属板群34から陰極までの間を電解液が旋回流動してゆく過程において水電解が行われ、水電解ガスが発生する。そして、この金属板を多数配設することにより、電解槽から水電解ガスを加速させつつ大量に発生させることができる。この水電解ガスと電解液の混在物は上方の取出し口35から取り出される。
図5は、電解槽300内の陽極と陰極との間に所要枚数、例えば10枚前後から100枚以上が所定間隔で配設される金属板群34を構成する単一体の実施例を示すものである。なお、この金属板の形状は本実施例では図5のように円形であるが、五角形、六角形、七角形、・・・のような多角形であってもよい。円板として形成された本実施例では、中心点Cから点対称となる位置に穴あけ加工された4個の電解液通過開口47が形成されている。また、本実施例では円形の金属板を使用しているので、これら金属板群を固定支持する外枠体を円筒状としているが、この金属板群を固定支持する外枠体の形状は円筒状に限定されるものではなく、金属板の形状を五角形、六角形、七角形のような多角形に形成する場合は、当該金属板の形状に合わせて多角形の筒状体とすることができる。
前記単一体に形成される電解液通過開口47は、陽極側から陰極側に向けて水電解ガスと電解液を通流させるものであり、このような金属円板を組み立て固定するにあたっては、開口47が所定角度、例えば図5の〔1〕〜〔6〕のように15度ずつ順次変位するように位置決めを行う。その結果、陽極に隣接する金属板の開口に対してその上側に所定間隔をもって配設される次段金属板の開口は、例えば反時計方向に15度変位され、その上の金属板の開口はさらに15度のような適宜角度で順次変位されながら所要枚数、数十枚から百数十枚程度の中から選ばれた適宜枚数の金属板が、筒状絶縁体により固定支持される。なお、開口の変位角度は15度に限定されるものではない。
陽極板と陰極板との間に印加される直流電圧は中間に介在せしめられる金属板群の枚数によって異なるが、個々の金属板間の電位差が概ね1.8〔V〕となるように選定することが望ましい。なお、これら金属板のそれぞれに対応する開口47に着目すると、陽極側から陰極側にかけても所定角度、例えば15度ずつ次第に変位し、通過電解液がスパイラル状となるように整列されることになる。このように開口が所定角度ずつ順次変位するように配置された金属板群の内部を陽極から陰極の方向に流動する電解液は、金属板群の配設枚数と変位角によって決まる流動路に従って、旋回を伴いながら上昇流を形成することになる。その結果、電解液は規則的な撹拌を受けながら流動するため電解反応が促進され、水電解ガスの生成収率の向上が期待できる。
なお、このような金属板の開口は、電解反応の進行に伴って発生する水電解ガスの上昇を促進する効果をも発揮するため、4〜6個程度設けると都合がよい。また、電解槽300の上端には新たな電解液を補充するためにバルブ付きの電解液補給口36を配設している。この電解液補給口の取り付けは、他の部位、例えば下端の電解液導入口31に接続される配管に分岐バルブを接続しておき、この分岐バルブを介して補充するように構成してもよい。
電解槽300から取り出された水電解ガスと電解液との混在物が底部側の導入口41から導入される。導入口41には、分離槽301の底部から槽内に突き出していて、多数の微細孔を設け、あるいは多孔質物質で形成された吐出口を形成して、これを介して水電解ガスと電解液との混在物が槽内に放出される。このように構成することにより、ガス成分通過の際の抵抗と電解液通過の抵抗とが異なる結果ガス成分の分散が促進され、良好な気液分離が促進される。このように気液分離された水電解ガスのガス成分は分離槽の上端に配設されたガス取出し口45から配管を通って前記水電解ガス供給手段12を介して混合槽11内へ加圧導入される。
このような気液分離の結果、分離槽内に残留する電解液は、分離槽底部に配設されている電解液取出し口42から取り出され、一部は電解液強制冷却装置302に移送されて適宜温度となるように冷却され、その後分離槽の底部に配設された冷却電解液取り入れ口43を経て分離槽内に戻される。この場合、電解槽内における電解液温度は、外気温度や発生ガス収量等により異なるが、概ね18℃ないし25℃程度とすることが望ましい。作用温度に関しては、低く過ぎれば反応が不安定となり、反対に高すぎれば電解反応効率の低下を招くため、上述のような温度範囲に維持することが望ましい。
電解液強制冷却装置302に移送されなかった残余の電解液は、電解液循環装置303により電解槽に循環せしめられる。この場合、電解液を電解液強制冷却装置に如何なる割合で移送するか、電解槽に直接還流させるかに関しては、運転環境、例えば外気温度、電解液の温度、稼働時間等を考慮して所要制御装置を援用することにより最適の増減調節を実施することが望ましい。このような構成は、図3に示すように分離槽底部に電解液取出し口を1個配設し、パイプの途中で電解液強制冷却装置への移送と電解槽へ循環する流路に分岐するように構成した場合に適用される。
なお、分離槽底部に別途電解槽循環用として電解液取出し口を別に配設し、分離槽内に残留する適宜温度に冷却された電解液を当該電解液取出し口から電解液循環ポンプにより電解槽に循環させ、一方、別途設けられた取出し口から取り出された電解液は、電解液強制冷却装置に独立して備えられた循環ポンプ44により冷却電解液取り入れ口を経て分離槽に循環させるように構成してもよい。
このように構成された水電解ガス発生装置は、効率よく持続的に水電解ガスを発生させ、生成された水電解ガスは分離槽の上端に配設されたガス取出し口45から水電解ガス供給手段12を介して混合槽11内へ加圧導入される。水電解ガス発生装置30、ガスボンベ40から加圧導入される水電解ガスおよび気体化石燃料は、多数の気泡状で混合槽内に供給され、これらの気泡が先ず最下段の仕切板51の下面側に多数集合して気泡集合体を形成し混合が継続して実行される。所定時間が経過すると当該気泡集合体は破壊され微細気泡となり、仕切板51に形成された細孔を通過して仕切板52の下面側に気泡が集合し混合を実行する。その後当該気泡集合体が破壊され微細気泡となり、同様にして仕切板53の下面側に集合して混合を実行する。このように集合、混合を繰り返し実行することにより水電解ガス混合燃料が生成され、水電解ガス混合燃料排出手段14から燃料使用装置60に供給される。
図6は、本考案によって得られる水電解ガス混合燃料の性能を確認するための実証装置全体の配置状態を撮影した写真であり、図7はその実証装置中の特に燃焼バーナーから発生する火炎の状態を撮影した写真である。これらの写真は、埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷1544−1に居住する佐藤寿彦が撮影したものであり、撮影日は2008年1月18日である。図6及び図7において、左側から順に、火炎を吹き出す燃焼用バーナー60、水電解ガス混合燃料の生成装置10、水電解ガス発生装置30、制御装置20を示している。なお、ここで使用する化石燃料供給装置としてのLPGボンベ40は屋外に設置しているためにこれらの図には示されていない。
上述したような実証装置における水電解ガス混合燃料の生成装置の構成は、混合槽内部にガソリンを充填し、当該混合槽内に、吊下げ部及び3段の仕切板をステンレス製連結棒により固定して取付けられた可動構造に構成した昇降可動部を配設し、最下段の仕切板を厚さ1.5mm程度のステンレス製板に径が1.5mm程度の細孔を形成したものとし、その上方の仕切板をステンレス製のメッシュ構造体に径が0.5mm程度の細孔を形成したものとした。
このような構成の実証装置の混合槽の底部から水電解ガス発生装置により生成される水電解ガスと、設定圧を0.1MPa程度としたLPガスボンベからのLPガスとを供給して実験を試みた。ここで、水電解ガス発生装置では水酸化カリウム電解液を使用して水電解ガスを生成し、混合槽に導入される水電解ガスとLPGとはニードルバルブにより供給量の微細調節が可能であるように構成した。また、水電解ガス混合燃料ガスを燃焼させる付加装置としては、業務用暖房機器などに使用されるフルタエンネツ株式会社製の大型暖房機用のLPG燃焼バーナー、型式ELGU150を使用した。このバーナーのLPG定格消費量は約毎時2.4mである。
実験は、関東地方(埼玉県)に所在する、床面積約180m2、亜鉛メッキ鋼板葺き、平均天井高さ約5m、の実験棟において、上述したような構成の実証装置を運転し、設定温度20℃、1時間単位でそれぞれ数回の実験を行った。実証装置を作動させて、水電解ガスとLPガスの混合槽への供給を開始して約15分経過後に、水電解ガス発生装置の運転が停止して水電解ガスの導入が停止しLPガスの導入も停止したが、水電解ガス混合燃料ガスの燃焼状態に変化は見られなかった。それから約15分経過後に、水電解ガス発生装置の運転が再作動して水電解ガスの混合槽への導入が開始(再開)されLPガスの導入も開始(再開)された。この実験においてこのような停止、開始(再開)動作が間欠的に繰り返し行なわれた。
実験1:2008年1月18日、天候:曇り、外気温3.2℃、開始前室温2.5℃
実験2:2008年1月19日、天候:晴れ、外気温0.5℃、開始前室温−0.2℃
暖房機噴出し温度45度、設定室温20℃として各々1時間にわたり装置を運転した。
両実験共に、測定値;LPGの平均消費量0.71m3/hで、室温18.5〜20℃に上昇したことが確認できた。
この場合におけるLPG平均消費量0.71m3/hは、燃焼バーナーのLPG定格消費量の約40%にすぎない。また、かかる実験の間にわたり混合槽内に充填されているガソリンの量は液面計で確認して僅かに減少したに過ぎなかった。なお、実験に伴って水電解が行なわれているため、数kWhの電力と若干の補給水を要したものの、化石燃料の消費量低減割合からみれば僅少なものであることが確認された。
また、本考案によって得られる燃料の燃焼排気ガス中の二酸化炭素(CO2)の濃度は5.4%であり、A重油の10.7%、LPGの11.63%と比較して極めて低いことが確認された。本考案によって得られる燃料の燃焼排気ガス中の窒素酸化物(NOX)の濃度は39ppmであり、A重油の79ppmと比較して極めて低いことが確認された。本考案によって得られる燃料の燃焼温度は1,010℃であり、A重油の740℃と比較して高温であることが確認された。
本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置は、昇降可動部の上昇又は下降の変位あるいは混合槽の内圧の変化を検知して、水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給を停止するように制御されるので、本考案により生成された水電解ガス混合燃料を従来のLPG等を燃焼させる暖房用バーナーにより燃焼させた場合、LPGのみの燃焼と同等の熱量を得るためのLPGの消費量は約40%程度で足り、また一定条件下において水電解ガスの供給も停止されるので水電解ガス発生装置を稼働させるための電力消費量も低減される。
本考案に係る水電解ガス混合燃料の生成装置により生成される水電解ガス混合燃料は、元来の化石燃料自体の燃焼よりも強力な発熱が得られ、燃焼に伴う不純物もほとんど生じない。したがって、燃焼効率も大幅に向上するため、当然に化石燃料の消費量を低減することに繋がり、燃焼に伴う二酸化炭素排出量も大幅に低減されることになる。このような混成複合ガスは水電解によって得られるもので、初期設備投資を除けば水電解のための電力量が主たるコストであるから、その上昇分は僅少である。
また、通常のバーナーのような展開された部位での直接燃焼装置に限らず、液体燃料ないし気体燃料を密閉空間で爆発的に燃焼させる内燃機関、ジェットエンジンはもとより、液体、気体、固体燃料を使用する発電用その他大型ボイラ等においてそれぞれの燃料に添加供給ないし燃焼室等に噴射することにより従来よりも強力な出力を得ることが期待できる。換言すれば、従来よりも大幅に低減された燃料費によってより強力な熱エネルギー出力が得られることになり、大幅な費用節減が期待できる。したがって、大きな省エネルギー効果が得られ、反射的に二酸化炭素排出量も大幅に低減され、地球温暖化対策としても極めて大きな効果を発揮することが期待できる。また地球規模で埋蔵量が有限である化石燃料の有効利用につながり、各資源の利用期間を延長することも可能となる。
10 水電解ガス混合燃料生成装置
11 混合槽
12 水電解ガス供給手段
13 化石燃料供給手段
14 水電解ガス混合燃料排出手段
15 昇降可動部
16 外周面外枠部
17 上面外枠部
20 制御手段
30 水電解ガス発生装置(水電解装置)
31 電解液導入口
32 陽極板(陽極)
33 陰極板(陰極)
34 電解液旋回通流手段(金属板群)
34−1〜n 金属板
35 混在物取出し口
36 電解液補給口
37 筒状絶縁体
38 ラインフィルター
39 電解液排出口
40 気体化石燃料供給装置(ガスボンベ)
41 導入口
42 電解液取出し口
43 冷却電解液取り入れ口
44 循環ポンプ
45 ガス取出し口
47 電解液通過開口(開口)
51、52、53 仕切板
54 吊下げ部
55、56、57 連結棒
58 開口部
60 燃料使用装置
102、103 逆止弁
300 水電解ガス生成用電解槽(電解槽)
301 水電解ガス−電解液分離槽(分離槽)
302 電解液強制冷却手段
303 電解液循環手段
C 中心点
L 液体
S 隙間

Claims (10)

  1. アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物から選ばれた液体を内部に収容し、供給される気泡状の水電解ガスと気体化石燃料との混合を繰り返し実行する混合槽と、前記混合槽に対し塩基性電解液を用いた水電解により生成された水電解ガスを気泡状で供給する水電解ガス供給手段と、前記混合槽に対し気体化石燃料を気泡状で供給する化石燃料供給手段と、前記水電解ガスと気体化石燃料との混合が繰り返し実行され生成された水電解ガス混合燃料を燃料使用装置へ排出する水電解ガス混合燃料排出手段と、を有する水電解ガス混合燃料の生成装置において、
    前記水電解ガスと気体化石燃料の気泡が容易に通過できない程度の複数の細孔が形成された仕切板であって、前記混合槽内部に収容された液体に浸漬され、かつ当該仕切板の外周面が混合槽内壁に接近した状態で水平方向に設置された複数の仕切板が取付けられた昇降可能な可動構造に構成された昇降可動部と、
    前記水電解ガス及び/又は気体化石燃料の混合槽への供給の停止又は開始、供給量、所定成分比を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする水電解ガス混合燃料の生成装置。
  2. 前記アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物の液体が、ガソリン、エタノール、メチルアルコール、ジメチルエーテルから選ばれた液体のいずれかである、ことを特徴とする請求項1に記載の水電解ガス混合燃料の生成装置。
  3. 前記気体化石燃料が液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)、石炭乾留ガスから選ばれた気体化石燃料のいずれかである、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の水電解ガス混合燃料の生成装置。
  4. 前記水電解ガス混合燃料の生成装置により生成される水電解ガス混合燃料が、前記アルカン系、アルコール系、エーテル系物質等の有機化合物の液体から気化するガスを含む、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水電解ガス混合燃料の生成装置。
  5. 前記昇降可動部に取付けられた仕切板が3段に形成され、最下段の仕切板が厚さ0.5〜2.5mmで細孔径が0.5〜3.5mmであるステンレス製であり、その上段側の仕切板が細孔径が0.2〜1.5mmの平板状のメッシュ構造体である、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水電解ガス混合燃料の生成装置。
  6. 前記制御手段が、前記水電解ガスと気体化石燃料の気泡が前記仕切板の下面側に多数集合して上方層への移動が停滞する、又は気泡が当該細孔を通過し上方層へ移動することにより生じる前記仕切板が取付けられた昇降可動部の上昇又は下降の変位を検知して、水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給の停止又は開始を制御する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水電解ガス混合燃料の生成装置。
  7. 前記制御手段が、混合槽の内圧の変化を検知して、水電解ガス及び気体化石燃料の混合槽内への供給の停止又は開始を制御する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水電解ガス混合燃料の生成装置。
  8. 前記制御手段が、混合槽の内圧が気体化石燃料の混合槽内への供給停止条件として設定された圧力と同一圧に達したことを検知して水電解ガスの混合槽内への供給を停止し、混合槽の内圧が当該設定圧より低下したことを検知して水電解ガスの混合槽内への供給を開始するように制御する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水電解ガス混合燃料の生成装置。
  9. 前記水電解ガス供給手段に対し供給される水電解ガスの発生装置が、底部側に電解液導入口を有し、頂部側に電解液と生成ガスの混在物を取り出すための取出し口を有する電解槽であって、該電解槽内の底部側に配設された陽極板と、前記電解槽内の頂部側に配設された陰極板と、前記陽極板から前記陰極板へ向かう方向にアルカリ電解液を旋回流動させながら通流させるための電気的接続のない電解液旋回通流手段とを備えた水電解ガス生成用電解槽と、前記電解槽の上端の取出し口から取り出される水電解ガスと電解液の混在物を導入して、水電解ガスのガス成分と電解液との気液分離を行い当該ガス成分を外部に取り出し、電解液成分を残留せしめるための水電解ガス−電解液分離槽と、前記分離槽に残留せしめられた電解液を強制冷却するための電解液強制冷却手段と、当該電解液を前記電解槽側に環流させる電解液循環手段と、からなる水電解ガス発生装置である、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の水電解ガス混合燃料の生成装置。
  10. 前記電解槽内の陽極板と陰極板との間に配設された電解液旋回通流手段が、所要枚数の金属板であってそれぞれの中心から外周側に外れて点対称に穿孔された2乃至6個の通流開口を有し、これら通流開口を所定角度ずつ順次変位させて配設することにより旋回流動を伴いながら電解液を通流させる構造である、ことを特徴とする請求項9に記載の水電解ガス混合燃料の生成装置。

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