JP3206609B2 - 高純度Baβ−ジケトン錯体の製造方法 - Google Patents
高純度Baβ−ジケトン錯体の製造方法Info
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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- C07C49/92—Ketonic chelates
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Description
ケトン錯体の製造方法、さらに詳細には気相反応法によ
るフッ化物光ファイバの製造に好適に用いられるBaの
高純度揮発原料の製造方法に関するものである。
ァイバを得ることを目指し、フッ化物光ファイバの研究
が、従来より溶融法を主体として行われている。溶融法
は、ガラス融液を鋳型に流し、鋳込みを行い、プリフォ
ーム(母材)を作製する方法であるが、鋳型の大きさに
制限を受けるため、プリフォームの大型化すなわち光フ
ァイバの長尺化ができない欠点がある。また、溶融法に
おけるガラス融液の鋳込み操作には高純度化プロセスが
ないために、プリフォーム作製工程において、損失要因
の1つに挙げられるFe,Co,Ni,Cu等の遷移金
属不純物の低減が出来ない欠点がある。
して、金属のβ−ジケトン錯体を出発物質とする気相合
成法が提案されている(特願昭63−49797)。こ
の方法では金属のβ−ジケトン錯体を加熱気化させ、気
相でフッ素化することでフッ化物ガラスを合成する。こ
のため、ガラス構成金属元素からなるβ−ジケトン錯体
の蒸気圧よりも遷移金属不純物の蒸気圧が十分に高けれ
ば、原料の気化過程で分離除去することができる。しか
し、一般的に遷移金属のβ−ジケトン錯体はBaβ−ジ
ケトン錯体にくらべ気化性が高く、分離は困難である。
そこで、高純度Baβ−ジケトン錯体の製造方法として
Ba(OH)2 を出発物質とし、これと1,1,1,
2,2,3,3,−heptafluoro−7,7−
dimethyl−4,6−octanedione(
fod)を反応させて、Ba(fod)2 錯体を生成
し、昇華で高純度化を行っている〔J.Zhao et
al:Appl.Phys.Lett.53(18)
号,(1988)1750〜1752頁〕。しかしなが
ら、この方法では、市販の高純度のBa(OH)2 でも
1ppm以上の遷移金属不純物を含んでいるため、これ
とfodによりBa(fod)2 錯体を生成し昇華で高
純度化を行なっても、フッ化物光ファイバ用原料として
要求されている遷移金属不純物1ppb以下の高純度化
は困難であるという欠点がある。
欠点を解決した高純度なBaのβ−ジケトン錯体の製造
方法を提供することにある。
ジケトン錯体の製造方法は、Ba化合物の水溶液を出発
物質とする下記構造式(I)で表されるBaβ−ジケト
ン錯体の製造方法において、pH=2.5〜10に調節
したBaを含む水溶液にジエチルアンモニウムジエチル
ジチオカルバメートと四塩化炭素抽出系、またはpH=
4〜11に調節したBaを含む水溶液にジエチルジチオ
カルバミン酸ナトリウムと四塩化炭素抽出系を用いて遷
移金属不純物を抽出する抽出工程、水酸化ナトリウムを
添加して水酸化バリウムを生成する沈殿工程、β−ジケ
トンを添加し、Baβ−ジケトン錯体を生成する錯化工
程、生成したBaβ−ジケトン錯体を昇華により精製す
る昇華工程よりなることを前記解決手段とした。
たはアルキル基の水素の一部または全部をフッ素に置換
したものである。)
る工程が、抽出、再結晶、昇華により行われるため遷移
金属不純物を含まない高純度のBaβ−ジケトン錯体を
製造することができる。
おけるβ−ジケトン錯体のR1 およびR2 はアルキル
基、フッ素を含むアルキル基であり、例えば−C(CH
3 )3 ,−CF3 ,−C2 F5 ,−C3F7 などである。
本発明における出発物質のBa化合物の水溶液はBaC
l2 ,BaCl2 ・2H2 O,BaBr2 ・2H2 O,
Ba(CH3 COO)2 ,Ba(NO3 )2 のうちのい
ずれか1種または2種以上の混合物を使用することがで
きる。本発明における遷移金属不純物の抽出工程におい
て使用されるキレート試薬はジチオカルバメート化合物
である。このキレート試薬は有機溶媒とともに使用でき
る。ジチオカルバメート化合物は下記化学式(II) で表
される。
H5 )2 を表す。)
ムジエチルジチオカルバメート(DDDC)−四塩化炭
素抽出系(pH=2.5〜10)およびジエチルジチオ
カルバミン酸ナトリウム(DDTC)−四塩化炭素抽出
系(pH=4〜11)で、Fe,Co,Ni,Cuの4
元素に対して99.9%以上の抽出率が得られ、結果と
して3桁の高純度化が可能となる。
残った水相に高純度のNaOH溶液を添加して、あるい
は水相を高純度のNaOH溶液の中に入れ、水酸化バリ
ウム沈殿を生成し、得られた沈殿物を不活性ガス雰囲気
中で温水に溶解、濾過して、炭酸バリウムを濾別し、濾
液を冷却し、再結晶によりBa(OH)2 ・8H2 Oを
析出させる。このようにして、炭酸バリウム、遷移金属
不純物の極めて少ないBa(OH)2 ・8H2 O結晶を
得ることができる。本発明における錯化工程はBa(O
H)2 ・8H2 O結晶と蒸留により精製したβ−ジケト
ンの両者をエタノール−水系に溶解することでBaβ−
ジケトン錯体を得ることができる。本発明における昇華
工程は前記錯化工程で得られたBaβ−ジケトン錯体を
160〜260℃で昇華精製することにより、遷移金属
不純物を分離した高純度のBaβ−ジケトン錯体を得る
ことができる。あるいは、前記錯化工程で得られたBa
β−ジケトン錯体中に含まれる遷移金属不純物を150
〜180℃で昇華除去することによっても高純度のBa
β−ジケトン錯体を得ることができる。
aの1,1,1,2,2−pentafluoro−
6,6−dimethyl−3,5−hexanedi
one(ppm)錯体の製造方法について以下に説明す
る。図1は本発明の製造方法の第1の実施例を説明する
図である。まず、ビーカにBaCl2 ・2H2 O 10
0gを秤量し、水溶液とした後、酢酸アンモニウムを加
えpH=2.5〜10とする。これに100mgのジエ
チルアンモニウムジエチルジチオカルバメート(DDD
C)を100mlの四塩化炭素に溶解した溶液20ml
を四塩化炭素50mlとともに加える。この際、pH=
2.5〜10の領域でFe,Co,Ni,Cuの4元素
に対して抽出率が99.9%以上となるため、この範囲
にpH調整するのが望ましい。その後、分液ロートに移
しかえ、5分間振とうする。振とう後、5分間静置し有
機相を捨てる。そして、水相に高純度の10%NaOH
水溶液100mlを添加し、沈殿物を生成する。得られ
た沈殿物を不活性ガス雰囲気内で温水に溶解し、メンブ
ランフィルターでBaCO3 を濾別し、濾液を冷却し、
Ba(OH)2 ・8H2 Oを再結晶で析出させる。この
再結晶操作を2回くり返し、高純度のBa(OH)2 ・
8H2 O結晶を得る。得られたBa(OH)2 ・8H2
Oを純水に溶解し、これと同量のエチルアルコールとp
pm 197gを加え、攪はんする。この操作によりp
pmとBa2+が反応しBa(ppm)2 結晶が析出す
る。Ba(ppm)2 を減圧下で石英皿上に置き、20
0〜260℃の温度で昇華させ、目的とするBa(pp
m)2 を得る。
方法および従来の製法で製造したBa(ppm)2 中の
遷移金属不純物濃度を示す。尚、遷移金属不純物は中性
子放射化分析法で定量した。
て、Ba(ppm)2 中のFe 10ppb未満、Co
0.01ppb、Ni 1.0ppb未満、Cu
0.1ppb未満の超高純度Ba(ppm)2 が製造で
きた。また昇華工程を経て生成したBa(ppm)2 お
よび未昇華のBa(ppm)2 の熱重量分析結果を図2
に示す。この結果から、従来より揮発性原料の高純度化
の方法として昇華法があり、これを用いた場合、Baβ
−ジケトン錯体は熱的安定性に問題があるものが多く、
昇華によって一部分解し、気化性が低下すると言われて
いるが、本発明では気化性については低下しない改善点
があることが認められる。また、出発物質としてBaC
l2 ,BaBr2 ・2H2 O,Ba(CH3 CO
O)2 ,Ba(NO3 )2 を用いても同様の効果が得ら
れた。
発物質とするBaの1,1,1,2,2,3,3−he
ptafluoro−7,7−dimethyl−4,
6−octanedione( fod)錯体の製造方法
について以下に説明する。図3は本発明の製造方法の第
2の実施例を説明する図である。まず、ビーカにBa
(CH3 COO)2 100gを秤量し、水溶液とした
後、酢酸アンモニウムを加えpH=4〜11とする。こ
れに100mgのジエチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム(DDTC)を100mlの純水に溶解した溶液20
mlを四塩化炭素50mlとともに加える。この際、p
H=4〜11の領域でFe,Co,Ni,Cuの4元素
に対して抽出率が99.9%以上となるため、この範囲
にpH調整するのが望ましい。5分間振とう後、再結晶
操作でBa(OH)2 ・8H2 Oを生成する工程までは
実施例1と同様な方法で高純度Ba(OH)2 ・8H2
Oを生成する。そしてBa(OH)2 ・8H2 Oを純水
に溶解し、純水と同量のエチルアルコールとfod17
7gを加え、攪はんする。この操作によりfodとBa
2+が反応し、Ba(fod)2 結晶が析出する。Ba
(fod)2 を減圧下で石英製蒸発皿上に置き、160
〜220℃の温度で昇華させ、目的とするBa(fo
d)2 を得る。
方法および従来の製法で作製したBa(fod)2 中の
遷移金属不純物濃度を示す。遷移金属不純物は中性子放
射化分析法で定量した。
て、Ba(fod)2 中のFe 10ppb未満,Co
0.01ppb,Ni 1.0ppb未満,Cu
0.1ppb未満の超高純度Ba(fod)2 が製造で
きた。また、昇華工程を経て生成したBa(fod)2
および未昇華のBa(fod)2 の熱重量分析結果を図
4に示す。この結果から昇華工程を経ても、製造したB
a(fod)2 の気化性については低下せず、むしろ、
遷移金属不純物を除去する改善点があることが認められ
る。また、出発物質としてBaCl2 ,BaCl2 ・2
H2 O,BaBr2 ・2H2 O,Ba(NO3 )2 を用
いても同様の効果が得られた。
物質とするBaの1,1,1,5,5,6,6,6−o
ctafluorohexane−2,4−dione
(fhd)錯体の製造方法について以下に説明する。B
aBr2 ・2H2 O 100gを水溶液とした後、遷移
金属不純物を抽出し、高純度の10%NaOH水溶液を
用い、Ba(OH)2 ・8H2 O結晶を生成する工程は
実施例1と同様の製造方法で行った。得られたBa(O
H)2 ・8H2 Oを純水に溶解し、これと同量のエチル
アルコールとfhd 154gを加え攪はんする。この
操作により、fhdとBa2+が反応し、Ba(fhd)
2 結晶が析出する。Ba(fhd)2 を減圧下で石英皿
上に置き、150〜180℃で不純物を昇華除去し、残
ったBa(fhd)2 を最終の生成物とする。
方法および従来技術で作製したBa(fhd)2 中の遷
移金属不純物濃度を示す。遷移金属不純物は中性子放射
化分析法で定量した。
て、Ba(fhd)2 中のFe 10ppb未満,Co
0.01ppb,Ni 1.0ppb未満,Cu
0.1ppb未満の超高純度Ba(fhd)2 が製造で
きた。また、昇華工程を経て作製したBa(fhd)2
および昇華工程を経ないBa(fhd)2 の熱重量分析
結果を図5に示す。この結果から、昇華工程を経て生成
したBa(fhd)2 の気化性は昇華工程を経ないBa
(fhd)2 とほぼ同様あり、安定して気化し、しかも
不純物除去の点で改善されていることが認められる。ま
た、出発物質としてBaCl2 ,BaCl2 ・2H
2 O,Ba(CH3 COO)2 ,Ba(NO3 )2 を用
いても同様の効果が得られた。さらに、昇華工程におい
て、Ba(fhd)2 を200〜260℃の間で昇華精
製してBa(fhd)2 を製造しても同様の効果が得ら
れた。
を用いることにより従来は困難であった高純度かつ気化
性の高いBaのβ−ジケトン錯体の製造を可能にし、結
果として高純度Baβ−ジケトンの安定した供給ができ
る。よって、従来法に比べて高純度かつ組成の安定した
フッ化物ガラスをCVD法で製造することができる。
説明図である。
フである。
説明図である。
フである。
フである。
Claims (7)
- 【請求項1】 Ba化合物の水溶液を出発物質とする下
記構造式(I)で表されるBaβ−ジケトン錯体の製造
方法において、pH=2.5〜10に調節した Baを含む水溶液にジエ
チルアンモニウムジエチルジチオカルバメートと四塩化
炭素抽出系、またはpH=4〜11に調節したBaを含
む水溶液にジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムと四
塩化炭素抽出系を用いて遷移金属不純物を抽出する抽出
工程、 水酸化ナトリウムを添加して水酸化バリウムを生成する
沈殿工程、 β−ジケトンを添加し、Baβ−ジケトン錯体を生成す
る錯化工程、 生成したBaβ−ジケトン錯体を昇華により精製する昇
華工程よりなることを特徴とする高純度Baβ−ジケト
ン錯体の製造方法。 【化1】 (上記構造式(I)においてR1及びR2はアルキル基ま
たはアルキル基の水素の一部または全部をフッ素に置換
したものである。) - 【請求項2】 出発物質として用いるBa化合物が、B
aCl2,BaCl2・2H2O,BaBr2・2H2O,
Ba(CH3COO)2,Ba(NO3)2のうちいずれか
1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請
求項1に記載の高純度Baβ−ジケトン錯体の製造方
法。 - 【請求項3】 β−ジケトン錯体のR1およびR2が、−
C(CH3)3,−CF3,−C2F5、−C3F7のうちの
いずれかであることを特徴とする請求項1に記載の高純
度Baβ−ジケトン錯体の製造方法。 - 【請求項4】 前記沈殿工程が、抽出工程で残った水溶
液に高純度NaOH 溶液を添加して水酸化バリウム沈殿
物を生成し、生成した沈殿物を不活性ガス雰囲気中で温
水に溶解、濾過後、濾液を冷却し、水酸化バリウム[B
a(OH) 2 ・8H 2 O]を再結晶で析出させることを特
徴とする請求項1に記載の高純度Baβ−ジケトン錯体
の製造方法。 - 【請求項5】 前記錯化工程が、Ba(OH) 2 ・8H 2
Oと蒸留精製したβ−ジケトンの両者をエタノール−水
系に溶解し、Baβ−ジケトン錯体を生成することを特
徴とする請求項1に記載の高純度Baβ−ジケトン錯体
の製造方法。 - 【請求項6】 前記昇華工程が、Baβ−ジケトン錯体
を160〜260℃で昇華精製することを特徴とする請
求項1に記載の高純度Baβ−ジケトン錯体の製造方
法。 - 【請求項7】 前記昇華工程が、Baβ−ジケトン錯体
中に含まれる遷移金属不純物を150〜180℃で昇華
除去することを特徴とする請求項1に記載の高純度Ba
β−ジケトン錯体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04402292A JP3206609B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 高純度Baβ−ジケトン錯体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04402292A JP3206609B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 高純度Baβ−ジケトン錯体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05239067A JPH05239067A (ja) | 1993-09-17 |
| JP3206609B2 true JP3206609B2 (ja) | 2001-09-10 |
Family
ID=12680040
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04402292A Expired - Lifetime JP3206609B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 高純度Baβ−ジケトン錯体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3206609B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000026362A (ja) | 1998-07-10 | 2000-01-25 | Daicel Chem Ind Ltd | β−ジケト化合物のアルカリ土類金属塩の製造方法 |
-
1992
- 1992-02-28 JP JP04402292A patent/JP3206609B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| Appl.Phys.Lett.53(18),31 October 1988,pp1750−1752 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05239067A (ja) | 1993-09-17 |
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