JP3220533B2 - 直流型気体放電表示装置 - Google Patents

直流型気体放電表示装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気体放電を利用した平面
型表示装置において、放電電流制限用の抵抗体を設け、
輝度の向上と表示の均一性を実現した直流型気体放電表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】気体放電表示装置は平面型表示装置とし
て携帯型コンピュータなどの情報端末に利用され、その
鮮明な表示や広い視野角によって応用分野を拡大してい
る。近年ではさらにテレビジョンの大型化に伴って、テ
レビセットの奥行きを大幅に薄型化するものとして、気
体放電表示装置が注目されており、輝度および寿命の向
上が要望されている。
【0003】これらの要望に応えるものとして、従来は
特開昭 60-253131号公報に示されているような抵抗付き
のメモリ駆動方式の直流型気体放電表示装置があった。
その構造を図4を参考に説明する。図4において従来の
メモリ駆動方式の直流型気体放電表示装置は、背面ガラ
ス13に形成された第1の電極線14と、表面ガラス1
1に形成された第2の電極線12とが互いに直交する配
置で隔壁20をはさんで対向し、その交点に多数の放電
セル21がマトリクス状に形成されている。組み合わせ
たガラス板はその周囲を低融点ガラスなどで封止され、
内部に希ガスを主体とした放電ガスが封入されている。
また背面ガラス側には電極体18が設置され、同じく背
面ガラス上に設置された抵抗体22によって第1の電極
線14と電気的に接続されている。背面ガラス上の電極
体18以外の部分、すなわち電極線14と抵抗体22は
絶縁層23で覆われており、電極体18と第2の電極線
12とによって一対の放電電極を構成している。したが
って第2の電極線12または電極体18が放電電極の陽
極あるいは陰極となり、第1の電極線14は電極体18
に対して陽極母線あるいは陰極母線として機能する。各
放電セル21の背面ガラス側、すなわち絶縁層23の上
には蛍光体19が塗布されている。一方、表面ガラス1
1の第2の電極線12以外の部分は透明であり、放電セ
ル21を通して蛍光体19の表面を観察できるようにな
っている。第1の電極線14、第2の電極線12、電極
体18、抵抗体22、蛍光体19および隔壁20はガラ
ス板の上に厚膜印刷技術を用いて形成されており、極め
て安価に製造することができる。
【0004】以上のように構成された直流型気体放電表
示装置は、いわゆるメモリ駆動によって1本の陽極母線
に属する多数の放電セルで同時に表示放電を行い、実用
上、十分な輝度を得ている。メモリ駆動の場合、放電電
流を各セルに均等に分配する手段が必要になるが、抵抗
体22はこの目的のために設けられたもので、放電電流
を安定化するとともに、各セルに流れる放電電流を均一
化する働きを有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来のメ
モリ駆動の直流型気体放電表示装置では、抵抗体22の
厚み、形状や、電極体の位置等のばらつきによって、抵
抗値にばらつきが生じ、それが原因になって放電セルの
中に輝度の低いものが生じる。一般に放電セル程度の大
きさの抵抗を厚膜印刷技術によって多数形成すると、そ
の形状の変化から抵抗値が±30%以上ばらつく。放電セ
ルに流れる電流はこの抵抗値のばらつきをほぼそのまま
反映し、抵抗値と同様に±30%以上のばらつきを示す。
したがって、従来の抵抗体ではセル毎に輝度のばらつき
が生じ、輝度むらのある表示となってしまうという課題
があった。
【0006】本発明はこのような課題を解決するためな
されたもので、メモリ駆動方式の特徴である高輝度で、
かつ輝度むらのない直流型気体放電表示装置を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
本発明は、第1の基板上に第1の電極線の群を形成し、
前記第1の電極線をスルーホールを有する第1の絶縁層
で覆い、前記第1の絶縁層上に前記第1の電極線と平行
に抵抗線を形成し、前記抵抗線に複数の電極体を形成し
て、前記電極体と前記第1の電極線とが前記抵抗線を介
して接続されるように構成すると共に、第2の基板上に
は第2の電極線の群を形成し、前記第1の基板と前記第
2の基板とを前記電極体と前記第2の電極線とが対向す
るように、前記第1の基板もしくは前記第2の基板上に
形成された隔壁で保持したものである。
【0008】
【作用】この構成により、第1の電極線、抵抗体、電極
体を絶縁層により立体的に形成させることで各線幅を太
くして、各パターン精度と加工精度を緩和させることに
より抵抗値のばらつきを抑制し、輝度の均一性のよい直
流型気体放電表示装置を実現できる。
【0009】
【実施例】次に本発明の実施例を図1を参照しながら説
明する。図1は本発明の直流型気体放電表示装置の一部
分を示す破断図、図2は図1に示すパネルの断面図(切
断面C−C’)である。
【0010】図1において厚膜印刷技術によって表面ガ
ラス11には第2の電極線12が形成され、背面ガラス
13には第1の電極線14が形成されている。第1の電
極線14は第1の絶縁層15で覆われ、さらに第1の絶
縁層15上には第1の電極線14と平行に抵抗線16が
形成され、さらに抵抗線16は第2の絶縁層17で覆わ
れている。第1、第2の絶縁層には図2にその断面を示
すようなスルーホールが形成され、第2の絶縁層17の
スルーホール部に設けられた電極体18は抵抗線16の
2つの部分によって電極線14と接続されている。ま
た、第2の絶縁層17上には電極体18の部分を除いて
蛍光体19が形成されている。第2の絶縁層のスルーホ
ール、すなわち電極体18は第1の絶縁層に等間隔に設
けたスルーホールのほぼ中間に位置している。
【0011】表面ガラスと背面ガラスとの間には隔壁2
0が形成され第1の電極線14と第2の電極線12が直
交し、かつ第2の電極線12と電極体18が対向するよ
うに組合わせて放電セル21が形成され、周囲を低融点
ガラスで封止した上、内部にキセノンを主体とするガス
が封入されている。
【0012】次にその動作を説明する。図1において第
2の電極線12に負の走査パルスを、第1の電極線14
に正の電圧を印加すると、その交点にある放電セル21
に表示放電が生じる。この正の電圧を書き込みパルスと
呼ぶ。書き込みパルスを走査パルスに同期して次々に第
1の電極線14に印加していくことで、表示装置全体に
配置された放電セル21に表示放電が起り任意のパター
ンが発光して表示装置として機能する。カラー表示は、
放電ガスとしてたとえばキセノンを主体とするガスを用
い、キセノンの発する紫外線によって蛍光体を発光させ
ることによって実現する。このような直流型気体放電表
示装置は一般にメモリ機能を持つので、高い輝度の表示
を得ることができる。その原理は次に述べるようなもの
である。ある放電セルに一旦書き込みパルス(電圧Vw)を
印加して放電を開始させると、荷電粒子が放電セル内に
残留する効果によって、前記書込み電圧を取り去った後
でも一定期間(通常は数マイクロ秒)は当初の書込み電
圧より低い電圧(Vm)で放電を再開できる。したがって、
この一定期間内にVm程度の電圧をパルスを続けて印加す
ると、連続的な表示発光を得ることができ、輝度が向上
する。この方法によると 100 cd/m2以上の表示輝度が得
られ、TV表示装置として必要な値を満足する。また、
補助陽極24は陰極との間にあらかじめ放電を起こして
おき、放電セル21の放電開始を容易にしている。
【0013】次に本発明に係わる抵抗線の配設形状につ
いて説明する。図1において、本発明による直流型気体
放電表示装置では第1の電極線14の上に抵抗線16を
重ねて配置することにより、平面内に電極線、抵抗線を
配置した場合に比べて、各線幅を太く形成することがで
き抵抗値の精度が飛躍的に向上する。さらに抵抗線16
を各放電セル毎に分割するのではなく、直線状に連続し
て形成するため抵抗線は線幅についてのみ精度を確保す
ればよく、厚みがもっともばらつく抵抗線の端の影響も
受けないので、結果的に抵抗値のばらつきが抑制され
る。実験によれば±10%以内の抵抗値のばらつきを持
った気体放電表示装置を容易に製造することができた。
【0014】さらにこのような抵抗線の構成方法では、
抵抗値精度を確保するための電極体18の位置精度も大
幅に緩和することができる。図3は電極体18が電極線
14の方向へずれた場合の抵抗値の変化を数値計算によ
って求めたものである。図3(a) に示すように、第1の
絶縁層15に設けたスルーホールと電極体18との距離
を1とし、そのずれをgとしたとき、ずれgによる抵抗
値の変化を示したのが図3 (b) である。この結果によ
るとずれが 0.1 (10%に相当) のとき、抵抗値の変化
は1%以下であり、本実施例による抵抗線の配設形状が
抵抗値のばらつきを低減するのに有利であることがわか
る。
【0015】なお、蛍光体19が十分厚い場合には第2
の絶縁層17は省略することができる。さらに抵抗体表
面にある程度の導電性があれば電極体18を省略しても
よい。
【0016】また、本発明は、図1に示した気体放電表
示装置に限らず、たとえばネオン系のガスを用いて気体
放電の発光色をそのまま外部へ取り出すものや、補助陽
極のないものにも応用できる。
【0017】また、抵抗線および電極線、電極体等の製
造方法については、厚膜印刷による方法を例に説明した
が、これらの形成方法としては蒸着、スパッタリングな
どを、パターンニング方法としてはホトリソグラフおよ
びエッチング、リフトオフ、サンドブラストなどによっ
てもよい。
【0018】抵抗材料としてはRuO2 、ニクロム合
金、酸化スズ、Ta2N、Cr−SiO、ITO、炭素など
があげられ、これらを選択的に用いることができる。実
験によれば RuO2 を用いるのが現状では最もよい。
【0019】電極体18の材料としてはAu、Pd、A
g、Al、Ni、Cu 等、またはこれらの合金を用いる。
厚膜印刷ではAu が最もよかった。
【0020】さらに本実施例では表面ガラス11に形成
した第2の電極線12を陰極、背面ガラス13に形成し
た第1の電極線14を陽極母線として使用したが、逆に
表面ガラス11に形成する第2の電極線12を陽極、背
面ガラス13に形成した第1の電極線14を陰極母線と
することもできる。このとき、電極体18は陰極として
動作するAl、Ni、LaB6等のボライド、あるいは
La1-xSrxCoO3等の酸化物導電体で形成する。
【0021】以上説明したような構成により、本発明実
施例の直流型気体放電表示装置は、従来困難であった抵
抗値のばらつきの抑制を容易に実現することができる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明は、電極母線と抵抗
線とを絶縁層を挟んで立体的に配置するため加工精度が
緩和され、量産性を損うことなくばらつきの小さい抵抗
を形成でき、これまで実用されていなかった安定したメ
モリ動作をもつ高輝度の直流型気体放電表示装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の直流型気体放電表示装置の構成の一部
破断図
【図2】実施例の直流型気体放電表示装置の切断面C−
C’の断面図
【図3】(a)実施例の電極体18の位置精度と抵抗値
との関係を説明する要部断面図 (b)抵抗値の特性図
【図4】従来の直流型気体放電表示装置の一部破断図
【符号の説明】
11 表面ガラス(第2の基板) 12 第2の電極線 13 背面ガラス(第1の基板) 14 第1の電極線 15 第1の絶縁層 16 抵抗線 17 第2の絶縁層 18 電極体 19 蛍光体 20 隔壁 21 放電セル 22 抵抗体 23 絶縁層 24 補助陽極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 一夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (72)発明者 宮川 宇太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (72)発明者 小杉 直貴 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (72)発明者 坂井 徹男 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (72)発明者 後沢 瑞芳 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (72)発明者 本山 靖 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本 放送協会放送技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−152137(JP,A) 特開 昭60−193235(JP,A) 特開 平3−179638(JP,A) 特開 平4−272635(JP,A) 特開 平6−150833(JP,A) 特開 平6−150834(JP,A) 実開 昭55−114954(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 17/49

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板上に第1の電極線の群を形成
    し、前記第1の電極線をスルーホールを有する第1の絶
    縁層で覆い、前記第1の絶縁層上に前記第1の電極線と
    平行に抵抗線を形成し、前記抵抗線に複数の電極体を形
    成して、前記電極体と前記第1の電極線とが前記抵抗線
    を介して接続されるように構成すると共に、第2の基板
    上には第2の電極線の群を形成し、前記第1の基板と前
    記第2の基板とを前記電極体と前記第2の電極線とが対
    向するように、前記第1の基板もしくは前記第2の基板
    上に形成された隔壁で保持したことを特徴とする直流型
    気体放電表示装置。
  2. 【請求項2】 電極体を抵抗線の一部で兼用することを
    特徴とする請求項1記載の直流型気体放電表示装置。
  3. 【請求項3】 抵抗線を複数のスルーホールを有する第
    2の絶縁層で覆い、前記第2の絶縁層のスルーホールを
    通じて露出させた抵抗線部に電極体を形成させたことを
    特徴とする請求項1記載の直流型気体放電表示装置。
  4. 【請求項4】 第2の電極線が陰極であり、第1の電極
    線に抵抗線を介して接続される電極体が陽極であること
    を特徴とする請求項1記載の直流型気体放電表示装置。
  5. 【請求項5】 第2の電極線が陽極であり、第1の電極
    線に抵抗線を介して接続される電極体が陰極であること
    を特徴とする請求項1記載の直流型気体放電表示装置。
  6. 【請求項6】 隔壁を第1の基板と第2の基板の両基板
    に形成したことを特徴とする請求項1記載の直流型気体
    放電表示装置。
  7. 【請求項7】 抵抗線をRuO2を主成分とする材料で
    形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5ま
    たは6記載の直流型気体放電表示装置。
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