JP3234894B2 - 非定常流速の測定方法および装置 - Google Patents

非定常流速の測定方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非定常流における流体
の速度を測定する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】速度測定は各種の産業プロセスを最適化
するのに重要である。このような連続的な定常流の流速
を測定するため方法は既に数多く提案されている。例え
ばフロート、時間をおいた写真、レーザー速度計、或い
はスピンナーなどを用いる直接法、流体内の動圧の測定
値や流動中の流体の密度の測定値などを用いる間接法、
または熱線或いはフィルムを使用する方法などを挙げる
ことができる。
【0003】連続的な定常流として流れる非粘性の非圧
縮性流体に対する動圧測定に基づく速度測定方法では、
ベルヌイの式を積分して次の形で利用している。
【0004】 P+ρgz+ρU2/2=一定 (1) (但し、Pは流体内の局所静圧、ρは流体の局所密度、
gは重力加速度、zは高さ、Uは速度係数)
【0005】気体に対しては、ρgzの変動は零と考え
られる。入口圧力即ち全圧力Pi は次の形で表現され
る。
【0006】 Pi =P+ρU2/2 (2)
【0007】従って速度係数は、入口圧力Pと静圧P
との差をとることによって次のように得られる。
【0008】 U={2(Pi −P)/ρ}1/2 (3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非定常
流では速度測定の操作が特に困難である。定常的で且つ
連続的に流れる流体に利用されていた種々の速度測定方
法は、非定常流の流体には適用不可能である。
【0010】特に、上に概説した動圧の測定を基礎とす
る速度測定は非定常流には使用できない。前記ベルヌイ
の式(1) は、後述するように非定常流の流体力学方程式
においては特に速度の時間微分が含まれるため、応用で
きないのである。
【0011】このため、非定常流にある流体速度を測定
するのに従来から通常利用されている方法は、事実上、
熱線風速計またはドップラ効果レーザー速度計を応用し
たものであった。しかしながら、高価で、困難で、複雑
であるこれらの技術を使用することは容易ではなく、特
にこれらは産業現場で使用するには適していない。
【0012】従って本発明の目的は、従来技術のこれら
の欠陥を除去することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、この目
的は、以下の工程、すなわち i)流体の加速度が零となる複数の瞬間を検出する第1
工程、 ii)加速度零の各瞬間における流速の測定値を確定す
る第2工程、及び iii)加速度零の各瞬間で測定される圧力値に基づき
前記第2工程で得られた流速値を加速度零の各瞬間相互
間で補正する第3工程 を備えた非定常流速の測定方法において、第2工程では
流体の流れ方向に離れた二位置における静圧を同時に測
定し、第3工程ではこれら静圧間の圧力差を時間積分す
ることにより加速度零の各瞬間相互間における流速の変
化分を特定し、この時間積分で得られた流速の変化分を
加速度零の各瞬間において第2工程で得られる流速値に
加算することにより解決される。
【0014】本発明はまた、上述の方法を実施するため
の装置も提供する。すなわち、本発明による非定常流速
の測定装置は、流体の加速度が零となる複数の瞬間を検
出する手段と、加速度零の各瞬間における流速の測定値
を確定する手段と、加速度零の各瞬間で測定される圧力
値に基づいて前記流速の値を加速度零の各瞬間相互間で
補正する補正手段と、該流速値を出力する手段とを備
え、特に補正手段は、流体の流れ方向に離れた二位置に
おける静圧を同時に測定する手段と、これら静圧間の圧
力差を時間積分することにより加速度零の各瞬間相互間
における流速の変化分を特定する手段と、この時間積分
で得られた流速の変化分を加速度零の各瞬間において得
られる流速値に加算する手段とを備えている。
【0015】
【作用】以下に、本発明を実施する特別な態様の説明に
先立って、本発明の速度測定の重要な特徴を説明する。
【0016】非定常流の流体力学の方程式は、圧力勾配
と速度の時間および空間微分とを使用して以下のように
表わされる。
【0017】
【数1】
【0018】この数1の方程式(4)を空間的に積分す
ることによって、圧力を速度の容積積分および時間に関
するその微分の容積積分として記述できることがわか
る。
【0019】本発明者らは、このようにして速度の時間
積分および空間積分の性質を利用することにより、圧力
測定に基づいて非定常流の瞬時局所流速を測定すること
が可能であることを見出した。
【0020】この積分特性は流体力学の一般定理、すな
わち流速モーメントの定理、運動エネルギー定理、ポテ
ンシャル流に対するベルヌイの第2定理、などの内の一
つによって得ることができる。
【0021】定常流とは対照的に、方程式(4) 中に速度
の時間微分が存在することは、速度と圧力との間の瞬時
的および局所的な関係を得ることが不可能であることを
示しており、従って更に時間積分が必要であることを示
している。
【0022】これに基づいて本発明者らは、前述のよう
に以下の工程、すなわち i)流体の加速度∂V/∂tが零となる瞬間を検出する
工程と、 ii)加速度が零の瞬間における流体速度の測定値を確
定する工程と、 iii)二つの静圧間の差をデジタル積分して加速度零
の瞬間同士の間の速度変化を測定する工程、とを備えた
本発明の測定法を提案するものである。
【0023】本発明のその他の特徴、目的、および利点
は、限定を意図しない例示のための添付図面を参照した
以下の詳細な説明によって一層明瞭となろう。
【0024】
【実施例】第1実施例の全般的な説明 圧力センサによって非定常流速を測定する装置の第1実
施例として、本発明者らは添付の図1に示すような障害
物10を用いたものを提案するものであり、この障害物は
流れの中に置かれ(この障害物は例えばピトー管に類似
している)、障害物上に位置する複数の圧力タップ14、1
6 および18を有している。
【0025】障害物が設置されている領域の流れ速度を
(t)とすると、障害物上の或る点での圧力Pは次式
の形の法則を満足する。
【0026】 ∂φ/∂t+V2/2+P/ρ=一定 (5)
【0027】ここで、φは速度ポテンシャルを、またV
は前記点における速度を示し、これら2つの大きさは障
害物の外側の速度V0(t) に比例し、対応する比例定数
は障害物上の前記点の位置のみに依存する。式(5) を同
一の瞬間に二点M1 とM2 とに適用すると、次の形の方
程式が得られる。
【0028】 a(dV0/dt) +b(V0 2/2) + (P1 −P2)/ρ=0 (6)
【0029】ここで、aとbとは流体力学の通常の方法
を用いて定常流で測定または計算できる二つの定数であ
る。従って、理論上、微分方程式(6) をデジタル積分す
ることによりP1 −P2 の測定値からV0(t)を得ること
が可能である。圧力差測定値P1 −P2 がマイクロコン
ピュータシステムによって入手できる場合、このシステ
ムのマイクロプロセッサは、これらデータを得るように
デジタル積分を実行するべくプログラム可能である。
【0030】しかしながら、微分方程式(6) のデジタル
積分は、Vとして得られた値を定期的にリセットしない
と誤差値を導く恐れのあるデジタル誤差を発生する。こ
の目的のために、本発明者らは、方程式(6) では加速度
の値V0 '(t) が零の瞬間に速度値 V0(t)を与えている
という事実を利用することを提案するものである。更に
詳しく、この対応する瞬間はP1 −P2 の測定値から直
接観察でき、それによってV0(t)をデジタル積分するプ
ロセスと無関係に前記の瞬間における速度V0を計算す
ることが可能となる。
【0031】図1に示すように、これは、非定常流の流
体速度V0(t)の方向と平行に延びる障害物10の中に円筒
領域12を設け、これに静圧タップ14と16とを距離Lの間
隔をあけてタップ間の圧力差がρL(dV0/dt) となるよ
うにすることによって達成することができる。これらの
圧力タップの間では方程式(6) を次式(7) のように表す
ことができる。
【0032】 (dV0/dt) + (P1 −P2)/ρL=0 (7)
【0033】通常の場合は、静圧タップ14と16とを障害
物10の円筒部分に貫通する小孔によって形成して夫々圧
力計に接続してもよい。
【0034】図1に示すシステムは、好ましくは入口点
での動圧に感度をもつ圧力タップ18を有している。この
入口圧力タップ18は、障害物の先端(好ましくは半球状
キャップで構成)の入口点において貫通すると共に圧力
計に接続された小孔によって形成することができる。
【0035】このような状況の下で、本発明の方法は、
本質的に以下の工程、すなわち i)タップ14と16とで測定された二つの静圧P1 とP2
とが等しいことを検出することにより流体の加速度が零
となる瞬間を検出する第1工程と、 ii)タップ18によって測定された入口圧力とタップ14
によって測定された静圧P1 とに基づいて、次式 V={2(PIMPACT−P1)/ρ}1/2 (8) を用いて加速度が零の瞬間における流体速度の測定値を
確定する第2工程と、 iii)前記式(6) をデジタル積分して加速度が零の瞬
間同士の間の速度変化を測定する第3工程、とからなる
ものである。
【0036】第3工程iii)において、方程式(7) を
直接に積分することもでき、通常はこのほうが方程式
(6) を積分するよりも当然ながら処理が速く、と言うの
は各瞬間においてV0 2を演算する必要がないからであ
る。
【0037】第2実施例の全般的な説明 図1に示すように入口点に動圧に対する感度をもつ圧力
タップを設けることは有利である。しかしながら、例え
ば内部流れに対しては他のやり方で実施することもで
き、図2のA、B、およびC図に示すように、流路断面
積を狭くすることにより速度変化を生じさせてもよい。
【0038】図2のA図は、先端に集束する第1部分22
をもつ整形されたダクト20を示しており、この第1部分
は円筒状の第2部分24で終端している。円筒状部分24に
は二つの静圧タップ25と26とが圧力P1 とP2 とを測定
するために配置されており、第1部分22には別の圧力タ
ップが圧力P3 を測定するために配置されている。
【0039】図2のB図は、狭隘部32を有する別のダ
クト30を示している。一定断面積の円筒部分34に配置さ
れた二つの静圧タップ35と36は圧力P1 とP2 を測定す
るものであり、狭隘部32に設置された第3の静圧タップ
37は圧力P3 を測定するものである。
【0040】図2のC図は、狭隘部42を有する別のダク
ト40を示している。狭隘部42に配置された二つの静圧タ
ップ45と46は圧力P1 とP2 を測定し、ダクト40の太い
部分に配置された第3の静圧タップ47は、圧力P3 を測
定する。
【0041】図2のA、B、又はC図に示すシステムの
一つを用いて、以下の工程、即ち i)前記タップ25と26、35と36、または45と46によって
測定された静圧P1 とP2 とが等しくなる時点を検出
し、流体の加速度が零となる瞬間を検出する工程と、 ii)例えば35と37、または45と47のような対応するタ
ップ同士で測定された圧力差P1 −P3 に基づいて、次
式 V={2(P1 −P3)/ρ}1/2 (9) を用いて加速度が零の瞬間における流体速度の測定値を
確定する工程と、 iii)圧力差P1 −P2 を積分することにより加速度
が零の瞬間同士の間の速度変化を測定する工程、とによ
って問題の流体速度を測定することが可能である。
【0042】従って、定常流において静圧または全圧力
を測定するための装置に使用されるあらゆる形状寸法
は、本発明の方法において、加速度が零のときに瞬時的
に定常ベルヌイ定理が成り立つことから、実時間での1
方向パルス流の非定常流速を得るのに使用することがで
きる。これは、この使用装置が乱流剥離を起こさないと
言うことを前提としており、従って形状が流線形化され
ていない形状(例えば内部流れのためのダイアフラム)
は除外される。
【0043】上述の実施例においては、流体の加速度が
零となる瞬間を二つの静圧タップでの測定値が等しいこ
とを検知して検出している。これは、流速を演算するこ
とにより加速度が零となる瞬間を検出するようにしても
よい。
【0044】第1の特別な実施例 本発明者らは、添付の図3に示すような三つの圧力タッ
プが取り付けられたピトー管形式の障害物を有する第1
測定システムを製作した。この測定システムの幾何学的
特性はピトー管のための ISO標準3966-1977(F)を満足す
るものである。この標準は実施例として選ばれたもので
ある。
【0045】更に詳細に説明すると、図3は図1の例と
類似した障害物50を示しており、この障害物50は、非定
常流と平行に延びる一定断面積の円筒状の第1部分を有
し、非定常流と交差して延びる第2部分54によってその
後端部53に至っている。円筒状の第1部分52の先端は先
細となっていて軸心対称の凸型外囲をなしている。円筒
状部分52と54とは好ましくは同一の直径dを有する。
【0046】両部分52と54とを継ぐ遷移部分55は平均半
径3dの円の1/4の形状をしている。第1静圧タップ
1 は円筒状部分52の先端56から或る距離を置いて設け
られている。静圧P1 のための第1圧力タップ51は、通
常は先端56から距離8dの所に設けられる。
【0047】静圧P2 のための第2静圧タップ57は円筒
状部分52の第1タップから下流の位置に設けられてい
る。第2静圧タップ57は、典型的には第1タップ51から
100mmの位置に配置される。第2タップ57は好ましく
は第2部分54の軸から距離8dの個所に配置される。
【0048】第3圧力タップ58は、入口圧力に感度を有
するように軸上で先端56の前端部に形成されている。第
1差圧センサc1は圧力タップ51と58との間に設けられ
ている。これは圧力差PIMPACT−P1 を示す信号を生じ
る。第2差圧センサc2は圧力タップ51と57との間に設
けられている。これは圧力P1 −P2 に相当する信号を
生じる。別の方式として、これらの差圧は前記各圧力タ
ップに感度を有する三つの絶対圧力センサを使用して得
ることもできる。
【0049】センサc1とセンサc2の両者に接続され
た圧力P1 のための圧力タップ51は二重にされており、
それによってc1への流体接続長がc2による測定に影
響を与えず、またその逆も同様となるようになってい
る。圧力センサc1とc2は前置増幅器を介して以下の
機能を行うマイクロコンピュータ即ち小型電子インター
フェースに接続されている。
【0050】このマイクロコンピュータの機能は、圧力
(PIMPACT−P1)と (P1-P2)を得ること;流速の計
算;および速度に比例するアナログ信号の出力;であ
る。
【0051】前述の図3に示した測定システムは、 (P
1 −P2)=0の各瞬間(即ち速度の各極限値のとき)に
おけるベルヌイの定理(定常流の定理)、すなわち(10)
式のP1 +ρv2/2=PIMPACT、従って(8) 式のv=
{2(PIMPACT−P1)/ρ}1/2を利用している。これに
より、速度計算プロセスへの取り込みと、速度の各極限
値で速度をリセットすることとの両方を可能にしてい
る。
【0052】個々の期間に変換するに当たって、この演
算は、 vn+1 =vn +Δt (P1 −P2)/ρL (11) となり、ここで (P1-P2)=0の場合は、(8) 式から v={2(PIMPACT−P1)/ρ}1/2 となる。
【0053】この特別な演算スケジュールは実施例とし
て選んだものである。演算の精度を上げるためには別の
数値積分法を選ぶことも可能である。
【0054】この演算プロセスのフローチャートを図4
に示す。図4において、初期化ステップ60の後に、マイ
クロコンピュータ即ち電子インターフェースはステップ
61で圧力差P1-P2 とPIMPACT−P1 の取込みを進め
る。
【0055】ステップ61には前述の第1工程i)に対応
する試験ステップ62が続いており、このステップ62内で
マイクロコンピュータ即ち電子インターフェースが圧力
1とP2 とが等しいか否かを検出する。
【0056】圧力P1 とP2 とが等しい場合、試験ステ
ップ62は速度演算を開始するステップ(工程ii)に引
き継がれ、そこではまた速度が方程式(8) に基づいてそ
の夫々の極限値にリセットされる。ステップ63がこのス
テップに対応する。
【0057】試験ステップ62で否定的な結果が出ると、
その次には方程式(11)に基づく積分ステップ64が控えて
いる。ステップ64は前述の工程iii)に相当する。速
度はステップ65内で表示される。
【0058】最近の電子計算機(PC型マイクロコンピ
ュータ)の演算速度はこの種の演算をリアルタイムで実
行可能である。微小時間Δt(1/5000秒)の間にシステ
ムは圧力測定値を入手して対応する流体速度を演算し、
流速に比例したアナログ信号を出力する。
【0059】図3に示す測定システムは、自動車エンジ
ンの吸気中にパルス流を形成する非定常流の速度の測定
を可能とするものである。結果として得られた測定値は
熱線式風速計で得られたものと比較して完全に満足すべ
きものであり、80Hzまでのパルス周波数について試験さ
れた。流れの非常に速い変動割合は限界としては現れな
い。
【0060】得られた結果は図5に示す通りであり、こ
こでUPT(非定常ピトー管)と表示された実線が本発
明のシステムを使用して得られた測定曲線、HWAと表
示された破線が従来の熱線式風速計による方法を使用し
て得られた測定曲線を示している。図示の曲線の平均速
度誤差は1.75%、流量の平均過少見積りは0.5%
である。
【0061】第2の特別な実施例 本発明者らは、単一の流速方向と平行に延びる平板壁上
に配置された二つの静圧タップのみを有する第2測定シ
ステムを製作した。
【0062】一般的に言うと、流れが平行となる円筒状
の部分が得られなかったり、或いはまた十分な精度で測
定できるような圧力差P1-P2 を得るには係る部分が短
すぎたりするというような場合が生じることがある。こ
のような場合には、加速度零は二つの静圧の比較ではな
く速度の演算によって検出される。
【0063】この第2の特別な実施例において、本発明
者らは運動エネルギー定理、即ち次の数2で示される方
程式(12)を使用することも提案する。
【0064】
【数2】
【0065】方程式(12)で、PvσとPvD は、夫々Σ
に亘る速度によって生じた力、およびDにおいて摩擦に
よって消耗される力であり、この後者は零と見做すこと
ができる(図6参照)。
【0066】成型ダクト70と領域Dに入ってくる流れ
は、図6に示すようにダクトの外側境界部Σ0 が静止流
体中にあって大気圧と等しい圧力P0 にある場合である
と考えることができる。
【0067】流れと平行に延在するダクト70の壁71上の
静圧タップ73の一つで測定された静圧をPで表し、また
ダクトの入口72がそこでの圧力損失が小さくなるように
十分に流線形化されているものとする。このような場合
では、次式 αρL(∂v/∂t)=(P−P0)+ρv2/2 (13) が得られる。ここでαは次の数3で示される式(14)によ
って表される。
【0068】
【数3】
【0069】数3で示される式(14)のαは、以下に説明
する要領で一度だけ計算された速度分布の特性係数であ
る。v+ はデイメンションなしの速度である。
【0070】方程式(13)は方程式(7) と同様に供給速度
に対する初期値を必要とし、その数値積分は各種の誤差
(概算誤差、測定誤差、等々)のために時間と共にドリ
フトする可能性がある。前述したように、これらの問題
は、全圧力タップ74を流れの中に置き、加速度が零のと
きにベルヌイの定理を応用することによって解決され
る。
【0071】方程式(13)を解くにはダクト入口の寸法形
状に関係する係数αの知識も必要とするが、これは一度
だけ測定すればよい。これは各種の要領で行うことがで
き、例えば、比較キャリブレーションによる方法、或い
は周期Tを有する周期的な流速を直接評価して行う方法
などがある。
【0072】速度差v(n+kT)−v(n) が零であれば、α
の見積り値は良好である。そうでないときには、αを適
当な値になるように増加または減少する(これは1に非
常に近い)。
【0073】更に詳細に説明すれば、図7は入口72が拡
がっている流線形ダクト70を示している。その壁71上に
ダクトの入口から距離Lを置いて配置され且つセンサc
1に接続された静圧タップ73が静圧Pを測定する。
【0074】センサc2に接続された第2の圧力タップ
74はダクトの中央に設置され、入口圧力即ち全圧力P
IMPACTを測定する。
【0075】この測定方法のアルゴリズムの構成は前述
した第1実施例と同様である。
【0076】従って、この速度測定法は本質的に次の工
程、即ち a)次の方程式(15)n+1=v−(Δt/αρL)(P−P+ρ(v/2) (15)を積分することによって零加速の瞬間における速度の変
化を確定する工程と、 b)上述の演算結果を観察することにより、即ち vn+1=v (16) の瞬間をモニタすることにより流体加速度が零である瞬
間を検出する工程と、 c)vn+1=vのときに次の式(17)、即ち v={2(PIMPACT−P)/ρ}1/2 (17) を利用して速度の値をリセットする工程、とを有してい
る。
【0077】流線形化された入口72を有する図7に示し
た円管70で行った実地試験では、直径56mm、長さL=
70mm(外側大気と圧力センサ73との間の距離)の前記
円管を自動車エンジンの吸入システムの上流端に設置し
たが、この試験では正確な管内速度の測定が可能である
ことが確認された。
【0078】モーメント流の定理を使用した変形実施例 モーメント流れの定理を利用した別の実施例を以下に説
明する。
【0079】添付の図8に略示したように、直径d(断
面積S)の円筒状ダクト内に流れを発生させ、この円筒
には距離Lを隔てて二つの静圧タップP1 とP2 を取り
つける。領域Dは閉鎖面Σを有する容積で、このΣは圧
力タップP1 とP2 が位置する二つの断面積S部分で長
さが限定されている。
【0080】ダクト内の流れに対して従来通りの近似を
行い、またこの場合についてモーメント流れの定理を応
用すると(軸上に投影して)、次の式が得られる。
【0081】
【数4】
【0082】ここでqm は質量流速で、外部の力Fext
の和として表される粘性力はしばしば省略可能である。
【0083】定常状態にあってはこの方程式は次のよう
になる。
【0084】
【数5】
【0085】ここで、β1 とβ2 とは速度分布を特徴付
ける係数で、Uq はダクトの軸に沿った速度である。
【0086】初めに面積Sに亘って、次に長さLに亘っ
て第1項を積分すると次の式が得られる。
【0087】ρLS(dUq/dt)+ρ(Uq 2/2)(β12)
S= (P1-P2)S
【0088】ここで流量 dUq/dtの変動は速度分布に無
関係である。速度分布が確立されているとするとβ1
β2 に等しい。従って流量は圧力差 (P1-P2)の関数と
して求めることができる。
【0089】従って、この測定方法は次のように実施す
ることができる。 i)流体の加速度が零の瞬間、即ちセンサP1 とP2
で検出された圧力が等しい瞬間を検出し、 ii)加速度が零の瞬間に流体速度を前述のようにベル
ヌイの定理を基礎として測定し、 iii)加速度零の瞬間同士の間の速度変化を、以下の
式 ρLS(dUq/dt) = (P1-P2)S を数値積分して測定する。
【0090】本発明は前述した実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の精神の中に入るすべての変形に及ぶ
ものである。
【0091】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の測定方法
は、工業設備において、設備の低価格性、単純性と信頼
性との組み合わせで高いパルス化流量レートで非定常流
の流速を監視することを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による三つの圧力タップを
取り付けたピトー管型障害物の略図である。
【図2】A、BおよびC図は別の実施例の夫々の障害物
形状を示す略図である。
【図3】第1実施例による三つの圧力タップを有するピ
トー管型障害物の更に詳細な説明図である。
【図4】第1実施例で実行される測定方法のフローチャ
ート図である。
【図5】第1実施例を実施して得られた測定結果を示す
線図である。
【図6】本発明の別の実施例に係る障害物を示す略図で
ある。
【図7】本発明の更に別の実施例に係る障害物を示す略
図である。
【図8】変形実施例のダクトを示す略図である。
【符号の説明】
10,50:障害物、 14,16,25,26,35,36,51,57,7
3:静圧タップ、 18,22,58,74;入口圧力タップ、 30,40,70:ダクト、 32,42:狭隘部、 37,47:第3静圧タップ、 72: ダクト入口、 c1,c2:圧力センサ。
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Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の加速度が零となる複数の瞬間を検
    出する第1工程、加速度零の各瞬間における流速の測定
    値を確定する第2工程、及び加速度零の各瞬間で測定さ
    れる圧力値に基づき前記第2工程で得られた流速値を加
    速度零の各瞬間相互間で補正する第3工程を備えた非定
    常流速の測定方法において、 第2工程では流体の流れ方向に離れた二位置における静
    圧を同時に測定し、第3工程ではこれら静圧間の圧力差
    を時間積分することにより加速度零の各瞬間相互間にお
    ける流速の変化分を特定し、この時間積分で得られた流
    速の変化分を加速度零の各瞬間において第2工程で得ら
    れる流速値に加算することを特徴とする非定常流速の測
    定方法。
  2. 【請求項2】 流体の加速度が零となる複数の瞬間を検
    出する前記第1工程を、現在の流速の演算によって実行
    することを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 流体の加速度が零となる複数の瞬間を検
    出する第1工程を二つの静圧タップから得られる情報の
    等しさを検出することにより実行することを特徴とする
    請求項1に記載の測定方法。
  4. 【請求項4】 前記第2工程において、次式 V={2(PIMPACT−P)/ρ}1/2 (8) (但し、Vは速度係数、Pは静圧、ρは流体の局所密
    度、PIMPACTは流体の入口全圧力) に基づいて加速度零の複数の瞬間の流速を確定すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の測定
    方法。
  5. 【請求項5】 前記第3工程において、次式 a(dV/dt)+b(V /2)+(P−P)/ρ=0 (6) (但し、aとbは使用システムの定数、Vは速度係
    数、PとPはシステムの二位置で同一の瞬間に測定
    した圧力、ρは流体の局所密度) を積分することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の測定方法。
  6. 【請求項6】 前記第3工程において、次式 (dV/dt)+(P−P)/ρL=0 (7) (但し、Vは速度係数、PとPはシステムの二位
    置で同一の瞬間に測定した圧力、Lは二つの測定位置間
    の距離、ρは流体の局所密度) を積分することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の測定方法。
  7. 【請求項7】 前記第3工程において、次式 αρL・∂v/∂t=(P−P)+ρv/2 (13) (但し、αは運動エネルギー係数、vは流速、ρは流体
    の局所密度、Lはダクトの開口と圧力Pを測定する静圧
    タップとの間の距離、Pは大気圧) を積分することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の測定方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項による方法
    を実行することにより流体の非定常流速を測定するため
    の装置であって、流体の加速度が零となる複数の瞬間を
    検出する手段と、加速度零の各瞬間における流速の測定
    値を確定する手段と、加速度零の各瞬間で測定される圧
    力値に基づいて前記流速の値を加速度零の各瞬間相互間
    で補正する補正手段と、該流速値を出力する手段とを備
    えたものにおいて、 前記補正手段は、流体の流れ方向に離れた二位置におけ
    る静圧を同時に測定する手段と、これら静圧間の圧力差
    を時間積分することにより加速度零の各瞬間相互間にお
    ける流速の変化分を特定する手段と、この時間積分で得
    られた流速の変化分を加速度零の各瞬間において得られ
    る流速値に加算する手段とを備えていることを特徴とす
    る非定常流速の測定装置。
  9. 【請求項9】 流体の加速度が零となる複数の瞬間を検
    出する手段が、流体の流れ方向に異なる位置に配置され
    た二つの静圧タップ(14, 16)と、これら静圧タップで測
    定された二位置における圧力が互いに等しくなる時をモ
    ニタする手段とを備えたことを特徴とする請求項8に記
    載の測定装置。
  10. 【請求項10】 流体の加速度が零となる複数の瞬間を
    検出する手段が、前記演算された流速をモニタする手段
    を備えたことを特徴とする請求項8に記載の測定装置。
  11. 【請求項11】 流体の加速度が零となる複数の瞬間を
    検出する手段が、流体の流れ方向に異なる位置に配置さ
    れた三つの圧力タップを有するピトー管型の障害物を含
    むことを特徴とする請求項8または9に記載の測定装
    置。
  12. 【請求項12】 前記障害物における流れと平行な延在
    部分(51)に間隔をあけて配置された二つの静圧タップ(5
    1, 57)と、前記障害物先端の入口圧力タップ(58)と、二
    つの差圧センサ(c1, c2)または三つの絶対圧センサとを
    備えたことを特徴とする請求項11に記載の測定装置。
  13. 【請求項13】 加速度が零となる複数の瞬間に測定さ
    れた流速を確定する手段が、次式 V={2(PIMPACT−P)/ρ}1/2 (8) を利用し、また流速の変化分を特定する手段が、次式 (dV/dt)+(P−P)/ρL=0 (7) (但し、V及びVは速度係数、PIMPACTは流体
    の入口全圧力、P及びPはシステムの二位置で同一
    の瞬間に測定した圧力、ρは流体の局所密度、Lは二つ
    の測定位置間の距離) を利用するものであることを特徴とする請求項12に記
    載の測定装置。
  14. 【請求項14】 狭隘部と三つの圧力タップとを有する
    ダクトを備えたことを特徴とする請求項8または9に記
    載の測定装置。
  15. 【請求項15】 加速度零の複数の瞬間を検出する手段
    はダクトの一定断面積部分で距離を隔てて測定された前
    記二つの静圧が互いに等しくなる時を検出する手段を備
    え、加速度零の複数の瞬間における流速の測定値を確定
    する手段は前記二つの静圧の一方とダクトの断面積変化
    領域で測定された第3の圧力との圧力差を利用するもの
    であり、流速の変化分を特定する手段は前記二つの静圧
    間の圧力差を積分するものであることを特徴とする請求
    項14に記載の測定装置。
  16. 【請求項16】 前記二つの静圧をダクトの一定断面積
    部分で距離を隔てた二位置からとり、これに対して前記
    第3の圧力をダクトの拡開した開口からとっていること
    を特徴とする請求項15に記載の測定装置。
  17. 【請求項17】 前記二つの静圧をダクトの一定断面積
    部分で距離を隔てた二位置からとり、これに対して前記
    第3の圧力を前記ダクトの狭隘部からとっていることを
    特徴とする請求項15に記載の測定装置。
  18. 【請求項18】 前記二つの静圧をダクトの一定断面積
    部分の狭隘部で距離を隔てた二位置からとり、これに対
    して前記第3の圧力を前記狭隘部から距離を置いた位置
    で測定していることを特徴とする請求項16に記載の測
    定装置。
  19. 【請求項19】 流線形ダクト(70)と、該ダクトの壁上
    の静圧センサ(73)及び全圧力センサ(74)とを含むことを
    特徴とする請求項8または18に記載の測定装置。
  20. 【請求項20】 加速度零の複数の瞬間を検出する手段
    が前記演算された流速をモニタし、加速度零の複数の瞬
    間における流速を確定する手段が、次式 V={2(PIMPACT−P)/ρ}1/2 (17) を利用し、さらに加速度零の複数の瞬間同士の間の流速
    の変化分を特定する手段が、次式 vn+1=v−(Δt/αρL){P−P+ρ(v)/2} (15) (但し、αは運動エネルギー係数、ρは流体の局所密
    度、Lは静圧タップ(73)とダクト入口との間の距離、P
    は静圧、Pは大気圧、PIMPACTは全圧力、vは
    流速で、vは或る瞬間nにおける流速、vn+1は瞬
    間n+1における流速に対応し、Pは静圧である。) を利用するものであることを特徴とする請求項19に記
    載の測定装置。
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