JP3237476B2 - 二流体噴射制御装置および二流体噴射装置 - Google Patents

二流体噴射制御装置および二流体噴射装置

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JP3237476B2
JP3237476B2 JP19315295A JP19315295A JP3237476B2 JP 3237476 B2 JP3237476 B2 JP 3237476B2 JP 19315295 A JP19315295 A JP 19315295A JP 19315295 A JP19315295 A JP 19315295A JP 3237476 B2 JP3237476 B2 JP 3237476B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの燃焼室
内に燃料と不活性流体とを層状に噴射させるための二流
体噴射制御装置および二流体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンは、ピストンにより
圧縮された空気中に液体燃料(軽油)を噴射させて、同
燃料を圧縮熱で着火し燃焼させて動力を得るエンジンで
ある。このため、ディーゼルエンジンは、高い熱効率を
有するものの、噴射した燃料がシリンダ内で空気と混合
し着火燃焼する際に、混合した燃料が圧縮熱によって一
気に着火燃焼(初期燃焼)するので、NOX (窒素酸化
物)が排出されやすく、また燃焼中に混合した燃料が拡
散燃焼するために、煤,PM(パティキュレート・マタ
ー:粒子状物質)なども排出されやすいという、不利な
点がある。
【0003】そこで、燃料噴射ノズルを用いて、燃料と
共に不活性流体としての水を燃焼室内へ噴射させる二流
体噴射装置が提案されている。この装置は、燃料圧によ
りノズルニードル(針弁)が開弁されて燃料が噴孔から
燃焼室へ噴射された直後に、同噴孔から水を燃焼室へ噴
射させる構造が採用してある。
【0004】このように燃料と共に水が燃焼室内に噴射
されると、火炎温度が低下して、NOx の発生が抑制さ
れる。また水の発散現象により、噴霧燃料と空気との混
合が促進されて、煤,PMの低減に寄与する働きをなす
拡散燃焼を促進されるようになる。
【0005】ところが、この噴射の仕方だと、水の噴射
量は、燃料噴射ノズル内の残量燃料圧と水圧との圧力差
により変化するので、必要な水噴射量を確保することは
困難である。
【0006】そこで、近時、特開平5−164009号
公報に開示されているような、初期燃料噴射、水、主燃
料噴射という具合に、燃料と水と燃料とを層状に噴射さ
せる二流体噴射装置が提案されている。
【0007】これは、燃料噴射ポンプ(燃料供給手段)
の噴射作動休止期間中に、水を燃料通路に所定量、進入
(圧送)させておき、この水を燃料噴射ポンプにより圧
送された燃料と共に燃焼室内へ噴射させることで行われ
る。
【0008】具体的には、図4に示されるような燃料噴
射装置が採用されている。同装置を説明すれば、図中1
は、シリンダ毎にディーゼルエンジンのシリンダヘッド
10に取り付けられた燃料噴射ノズルである。
【0009】この燃料噴射ノズル1の本体1a(ノズル
ボディに相当)は、上下部に配置してあるノズルホルダ
2とノズル体3とを、同ノズル体3を覆うように設けた
リテニングナット4で結合して構成してある。
【0010】ノズル体3の内部には、ノズルニードル5
(針弁)が上下方向に摺動自在に嵌挿されている。この
ノズルニードル5が、ノズルホルダ2内に収容したスプ
リング6の弾性力によって、下方向(閉弁方向)に付勢
してある。
【0011】この付勢によって、ノズルニードル5の下
端(先端部)に形成されている円錐面5aの先端部分
を、ニードル収容室7の下端に形成してある弁座8に密
接させている(閉弁)。なお、スプリング6はノズルホ
ルダ2の上端部に螺挿されたアジャストスクリュウ6a
で支持してある。
【0012】弁座8は、ノズル体3の下端から燃焼室9
(シリンダヘッド10の下面とピストン10aの上面と
で囲まれる部分)へ突出している半球状の突起部11内
と連通している。突起部11を構成する周壁には、燃焼
室9に開口する複数の噴孔12が設けてある。
【0013】弁座8の直上には、ノズルニードル5の外
周面に沿って環状の燃料溜まり室13が形成されてい
る。この燃料溜まり室13が、ノズルホルダ2およびノ
ズル体3に設けてあるフィードホール14(燃料通路)
を介して、外部に在る燃料噴射ポンプ、例えば電子制御
式の燃料噴射ポンプ15(燃料供給手段)の吐出部に接
続してある。
【0014】この燃料噴射ポンプ15は、ディーゼルエ
ンジンの出力でカム16を駆動して、プランジャ17を
往復動させることにより、燃料タンク内(図示しない)
の燃料を所定の噴射時期に吐出させようにしてある。ま
た燃料噴射ポンプ15には、例えばプランジャ17の周
囲に在るコントロールスリーブ19、このコントロール
スリーブ19と噛合うラック20、このラック20を駆
動するアクチュエータ21(ラック20を図示しないピ
ニオンが付いたモータで駆動する装置等の装置)を有し
てなるプレストローク可変機構22が在り、ディーゼル
エンジンの運転状態に応じて噴射時間(噴射量)、噴射
時期、噴射圧力を変えられるようにしてある。
【0015】燃料溜まり室13の上側には、ノズルニー
ドル5の外周面に沿って環状の水溜まり室24が形成さ
れている。この水溜まり室24はフィードホール14の
上流側と連通している。
【0016】この水溜まり室24は、ノズルホルダ2お
よびノズル体3に設けてあるフィードホール25(水通
路)を介して、外部に在る水供給ポンプ26(不活性流
体供給手段)の吐出部に接続してある。なお、27はフ
ィードホール25の途中に設けられた逆流防止用の逆止
弁を示す。
【0017】水供給ポンプ26は、例えば燃料噴射ポン
プ15と同じ容量型ポンプであり、カムタイミングによ
り燃料噴射ポンプ15の噴射作動休止期間中にノズルニ
ードル5の開弁圧よりも低い圧力で、水貯留部内(図示
しない)の水を吐出させる設定にしてある。むろん、水
供給ポンプ26も、同様のプレストローク機構22aに
よって、ディーゼルエンジンの運転状態に応じて、水の
噴射量が変わる機能を有している。
【0018】なお、水供給ポンプ26では、燃料噴射ポ
ンプ15と区別するために、同一部分には語尾に「a」
を付した番号を用いてある。燃料側・水供給側のアクチ
ュエータ21,21aは、制御部30を構成する燃料噴
射用のECU31、水供給用のECU32(いずれもマ
イクロコンピュータおよびその周辺回路を有してなる)
に接続してある。なお、ECU31,32の相互は接続
されていて、ECU31,32の相互間で信号の授受が
なされるようにしてある。
【0019】そして、これらECU31,32の指令に
より、燃料ポンプ15の噴射作動休止期間を利用して、
水をフィードホール14に進入させ、燃料と水と燃料と
を層状に燃焼室9内へ噴射させるようにしてある。
【0020】すなわち、燃料と水と燃料とが層状に燃焼
室9内に噴射されるまでの行程を説明すれば、燃料噴射
ノズル1は、燃料の噴射を終えた直後では、図5(a)
に示されるように燃料が燃料溜まり室13とフィードホ
ール14との全体に充満している。
【0021】水供給ポンプ26は、燃料噴射ポンプ15
の噴射作動休止期間中、噴射作動(圧送)が行われ、水
がノズルニードル5の開弁圧より低い圧力で吐出され
る。ここで、燃料噴射ポンプ15から燃料溜まり室13
までの燃料ラインは、基端側が逆止弁28によって燃料
戻りが可能であるから、水供給ポンプ26からの水は、
フィードホール25、逆止弁27、水溜まり室24を通
じて、図5(b)に示されるように燃料側のフィードホ
ール14に進入する。
【0022】これにより、燃料溜まり室13は燃料が充
満、同燃料域から上方のフィードホール14の部分は水
噴射に必要な水量の水が充満、さらに同水域から上方の
フィードホール14は燃料が充満されるようになる(燃
料と水と燃料の層状)。
【0023】燃料噴射ポンプ15が噴射作動に入り、燃
料圧が上昇し始めると、フィードホール25(水通路)
の逆止弁27が閉弁し、さらに燃料圧が上昇しノズルニ
ードル5の開弁圧に達すると、開く噴孔12からは、燃
料溜まり室13内の燃料(初期燃料)、フィードホール
14内の水、残存の燃料噴射の燃料が、順次、すなわち
図6に示されるように層状をなして噴射され、必要な水
噴射量が確保される。
【0024】そして、最初に噴射された燃料で、着火燃
焼(初期燃焼)が行われ、つぎに噴射される水で同燃焼
の火炎温度を低下させる。ついで、つぎに噴射される燃
料が、水の発散現象を受けて燃焼室9内の空気と混合し
ながら燃焼して、NOX の発生が抑制されるとともに、
煤,PMの低減に寄与する拡散燃焼が促進されるように
なる。
【0025】ところで、従来、こうした二流体噴射装置
は、エンジンの運転状態に応じて、燃料噴射ポンプ1
5、水供給ポンプ26の作動をそれぞれ制御して、必要
な水噴射量、燃料噴射を確保している。
【0026】この制御装置は、燃料噴射用のECU3
1、水供給用のECU32で構成される制御部30に、
エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ34
とアクセル開度を検出するアクセル開度センサ35(い
ずれもエンジンの負荷を検出する手段を構成するセン
サ)を接続してなる。
【0027】そして、各ECU31,32が、エンジン
回転数センサ34、アクセル開度センサ35で検出され
たエンジン負荷による各マップの読込みにより、要求さ
れる燃料噴射量、水噴射量となる燃料噴射ポンプ15の
ラック位置、水供給ポンプ26のラック位置を決定し
て、それぞれ独立して燃料噴射ポンプ15、水供給ポン
プ26を作動させていた。
【0028】具体的には、水供給用のECU32には、
図8に示されるようなエンジンの負荷に応じた水供給ポ
ンプ26のラック位置を示すマップが設定してある。ま
た燃料供給用のECU31には、図7に示されるような
上記水供給ポンプ26のラック位置相当分が足された燃
料噴射ポンプ15のラック位置を示すマップが設定して
ある。
【0029】そして、水供給用のECU32が、図10
で示されるフローチャートのステップS1〜S3のよう
に、図8のマップを用いて、要求される水量となるラッ
ク位置を決定し、さらに同ラック位置にしたがいアクチ
ュエータ21aを駆動して、燃料噴射ポンプ15の噴射
作動休止期間中に、要求される水量を水側のフィードホ
ール25から燃料側のフィードホール14へ進入させ
る。
【0030】また燃料噴射用のECU31が、図9で示
されるフローチャートのステップS1〜S3のように、
図7のマップを用いて、要求される燃料量となるラック
位置を決定し、さらに同ラック位置にしたがいアクチュ
エータ21を駆動して、燃料噴射ポンプ15の噴射時期
に、要求されている燃料噴射量および水量を燃料側のフ
ィードホール14から燃焼室9内へ噴射させていた。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】水供給ポンプ26にお
いては、例えば信号系の故障などの不具合が起きること
がある。このような場合、多くは水供給ポンプ26が、
要求される水量の制御信号(ラック位置)の通りに作動
せず、要求される水量が水供給ポンプ26から燃料噴射
ノズル1へ供給されなくなる。
【0032】つまり、水供給ポンプ26からは指示値相
当の水量が吐出されなくなる。ところで、エンジンは、
水噴射が行われなくとも、エンジンの運転状態に応じた
燃料噴射量が所定時期に燃焼室9内へ噴射されることに
より、良好な燃焼は行われなくとも、安定して稼働す
る。
【0033】ところが、上述した燃料噴射ポンプ15、
水供給ポンプ26が独立して並行に進む燃料・水・燃料
の層状噴射制御だと、このような場合、燃料噴射ポンプ
15から、図7のマップの要求水量と要求燃料量とを加
えた量の燃料を、フィードホール14を通じて、燃焼室
9内へ噴射させる。
【0034】つまり、噴射されるはずの水量分が、燃料
に置き換わって、燃料噴射ポンプ15は燃料の噴射動作
が続けられる。このようになると、要求される燃料量よ
りも、多い燃料が過剰にエンジンに供給される、いわゆ
る過噴射の状態が起きる。
【0035】これでは、良好な燃焼が確保されなくなる
ので、安定したエンジンの稼働が維持できなくなるおそ
れがある。本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、どのようなときでもエン
ジンの運転状態に応じた所定の燃料量をエンジンに供給
できる二流体噴射制御装置および二流体噴射装置を提供
することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、上記目的を達成するために、エンジンの運転状態に
応じて不活性流体要求量を設定し、この不活性流体要求
量に基づき不活性流体供給手段の作動を制御する不活性
流体制御手段と、この不活性流体供給手段により実際に
燃料通路へ流入した不活性流体量を検出する実不活性流
体供給量検出手段と、エンジンの運転状態に応じて仮燃
料噴射量を設定する仮燃料噴射量設定手段と、実不活性
流体供給量検出手段により検出された実不活性流体量
仮燃料噴射量設定手段により設定された仮燃料噴射量
を合わせた量を実燃料噴射量として設定するとともに、
この実燃料噴射量に基づき燃料を供給する燃料供給手段
の作動を制御する実燃料制御手段とを有して、二流体噴
射制御装置を構成したことにある。
【0037】請求項2に記載の発明は、さらに不活性流
体要求量と実不活性流体量との違う状態が所定時間経過
したかの計時により故障か否かを判定する手段と、故障
と判定したときその旨を報知する報知手段とを有する構
成としたことにある。
【0038】請求項3に記載の発明は、上記目的を達成
するために、所定時期毎に噴射作動して燃料を圧送する
燃料供給手段と、この燃料供給手段の噴射作動休止期間
中に不活性流体を圧送する不活性流体供給手段と、ノズ
ルボディ内に摺動自在に嵌挿され、閉弁方向に付勢され
てなる針弁、この針弁の先端部近傍に同針弁の外周面に
沿って形成された燃料溜まり室、燃料供給手段からの燃
料を燃料溜まり室へ導く燃料通路、不活性流体供給手段
からの不活性流体を針弁の開弁圧よりも低い圧力で燃料
通路の上流側へ導く水通路を備えてなり、燃料供給手段
により圧送された燃料とともに水通路を介して燃料通路
に供給された不活性流体をエンジンの燃焼室内へ噴射可
能とする燃料噴射ノズルと、エンジンの運転状態に応じ
て不活性流体要求量を設定し、この不活性流体要求量に
基づき不活性流体供給手段の作動を制御する不活性流体
制御手段と、この不活性流体供給手段により実際に燃料
通路へ流入した不活性流体量を検出する実不活性流体供
給量検出手段と、エンジンの運転状態に応じて仮燃料噴
射量を設定する仮燃料噴射量設定手段と、実不活性流体
供給量検出手段により検出された実不活性流体量仮燃
料噴射量設定手段により設定された仮燃料噴射量とを合
わせた量を実燃料噴射量として設定するとともに、この
実燃料噴射量に基づき燃料供給手段の作動を制御する実
燃料制御手段とを有して、二流体噴射装置を構成したこ
とにある。
【0039】請求項1に記載した発明によると、不活性
流体供給手段の作動は、エンジンの運転状態に応じて設
定された不活性流体要求量にしたがって制御される。こ
のとき、実不活性流体供給量検出手段によって、実際に
燃料通路へ流入した実不活性流体量が検出される。
【0040】一方、燃料供給手段の作動は、エンジンの
運転状態に応じて設定された仮燃料噴射量に、実際に燃
料通路へ流入した実不活性流体量を合わせて得た実燃料
噴射量にしたがって制御される。
【0041】これにより、燃料供給手段からは、不活性
流体量に関わらず、常に適正な燃料量が供給されるよう
になる。それ故、たとえ不活性流体供給手段が不活性流
体要求量に相当する不活性流体の供給が行えなくなった
としても、燃料が過剰に供給されたり、逆に不足したり
することはない。
【0042】請求項2に記載した発明によると、不活性
流体の供給が行えなくなると、故障と判定して、その旨
が報知される
【0043】請求項3に記載した発明によると、不活性
流体供給手段は、エンジンの運転状態に応じて設定され
た不活性流体要求量にしたがって制御され、燃料供給手
段の噴射作動休止期間中に不活性流体が燃料噴射ノズル
の燃料通路へ、水通路を通じて供給される、このとき、
実不活性流体供給量検出手段によって、実際に燃料通路
へ流入した不活性流体量は検出される。
【0044】一方、燃料供給手段からは、所定時期毎、
エンジンの運転状態に応じて設定された仮燃料噴射量
に、実際に燃料通路へ流入した実不活性流体量を合わせ
得た実燃料噴射量が、燃料噴射ノズルの燃料通路へ供
給される。
【0045】つまり、燃料供給手段から圧送された燃料
とともに、燃料通路に進入した不活性流体が、エンジン
の燃焼室へ噴射される。これにより、不活性流体要求量
に関わらず、常に燃料供給手段からは適正な燃料量が供
給されるようになり、たとえ不活性流体供給手段が不活
性流体要求量に相当する不活性流体の供給が行えなくな
ったとしても、燃料が過剰に供給されたり、逆に不足し
たりすることはない。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の二流体噴射制御装
置、二流体噴射装置を図1ないし図3に示す一実施形態
にもとづいて説明する。但し、図1ないし図3におい
て、先の「従来の技術」の項で説明した燃料噴射装置の
各部と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略
し、この項では異なる部位(発明の要部)について説明
することにする。
【0047】すなわち、本実施形態の二流体噴射制御装
置、二流体噴射装置は、燃料の運転状態に応じた仮の燃
料噴射量を設定し、この仮燃料噴射量を、実際にフィー
ドホール14(燃料通路に相当)に流入した水量に基づ
き補正して、実際の燃料噴射量、すなわち実燃料噴射量
を求め、この実燃料噴射量に基づき燃料噴射ポンプ15
(燃料供給手段に相当)の作動を制御するようにした
点、さらには水供給ポンプ26(不活性流体供給手段に
相当)が故障したことを報知する手段を設けた点で異な
る。
【0048】なお、二流体噴射制御装置、二流体噴射装
置の違いは、後者が燃料噴射ノズル1、燃料噴射ポンプ
15、水供給ポンプ26、制御部30を有して構成され
るシシテム装置であるのに対し、前者がその種々の制御
機能が設定されている制御部30で構成される制御装置
である点に在る。
【0049】前者の点について説明すれば、水供給用の
ECU32(不活性流体制御手段に相当)には、図2中
の中段に示すエンジンの負荷に応じた要求水量を表すマ
ップAが設定されている。
【0050】またECU32には、水供給ポンプ26に
設けたラック20aのストローク量を検知するラックス
トロークセンサ37(実不活性流体供給量検出手段に相
当)が接続されている。
【0051】このECU32には、エンジン回転数セン
サ34(エンジン回転数検出手段に相当)から検出され
るエンジン回転数、アクセル開度センサ35(エンジン
負荷検出手段に相当)から検出されるエンジン負荷から
水噴射の要求量を求め、マップAを用いて、その検出し
たエンジン負荷のときの要求水量に相当するラック位置
Rwwを読込み、同値を要求水量値と定める機能が設定
されている。
【0052】さらにECU32には、ラックストローク
センサ37からの出力信号によって、実際に水供給ポン
プ26から燃料噴射ノズル1のフィードホール14へ供
給された水量に相当するラック位置ΔRwwistを検
出する機能が設定されている。
【0053】加えてECU32には、水噴射可能なエン
ジン負荷の領域であるか否かをマップAから判断する機
能、同領域のときのみアクチュエータ21aをラック位
置Rwwにしたがって作動させる機能が設定され、水噴
射可能なエンジン負荷の領域のみ、水供給ポンプ26を
作動させるようにしてある。
【0054】燃料用のECU31(実燃料制御手段、仮
燃料噴射量設定手段に相当)には、図2の上段に示すエ
ンジン負荷に応じた要求燃料量を表すマップBが設定さ
れている。
【0055】またECU31には、エンジン回転数セン
サ34から検出されるエンジン回転数,アクセル開度セ
ンサ35から検出されるエンジン負荷から要求燃料量を
求め、マップBを用いて、その検出したエンジン負荷の
ときの要求燃料量に相当するラック位置Rwfを読込
み、同値を仮燃料噴射量(燃料だけ)と定める機能が設
定されている(仮燃料噴射量設定手段に相当)。
【0056】さらにECU31には、実際に供給された
水量に相当する水供給ポンプ26のラック位置Rwwi
stを燃料噴射ポンプ15のラック位置相当ΔRwfに
変換する機能と、仮燃料噴射量のラック位置Rwfに上
記ラック位置ΔRwfを合わせて、実燃料噴射量(水+
燃料)に相当するラック位置を求める機能(実燃料制御
手段に相当)が設定されている。この機能により、仮燃
料噴射量(燃料だけ)を、図2の下段に示すマップCの
ように補正して、実燃料噴射量(水+燃料)を得るよう
にしている。
【0057】加えてECU31には、この得られた実燃
料噴射量に相当するラック位置にしたがって、アクチュ
エータ21を作動させる機能(実燃料制御手段に相当)
が設定されている。
【0058】これらECU31,ECU32の機能によ
り、水噴射可能なエンジン負荷の領域でのみ、水・燃料
・水の層状噴射を行わせるようにしてある。また後者の
前者の点について説明すれば、制御部30を構成するE
CU31,32のうちの一方、例えば水供給用のECU
32には、報知手段として例えばアラーム30が接続さ
れている。なお、このアラーム30は、例えば自動車の
運転席回りに配置してある。
【0059】このECU32には、燃料・水・燃料の層
状噴射が行われる領域のとき、要求水量に相当するラッ
ク位置Rwwと実水量に相当する水供給ポンプ26のラ
ック位置Rwwistとが等しいか違うかを対比する機
能、ならびにこの違う状態が所定時間経過したか計時す
る機能が設定されている。
【0060】この機能によって、水供給ポンプ26が、
要求される水量の制御信号(ラック位置)の通りに作動
しているか否かを判定、すなわち水供給ポンプ26が故
障しているか否かを判定するようにしてある。
【0061】むろん、この故障の判定は他の手段を用い
ても構わない。さらにECU32には、故障と判定した
とき、アラーム37をオンさせる機能が設定されてい
て、アラーム37を通じて、運転者などにその旨を報知
させるようにしてある。
【0062】なお、燃料噴射用のECU31には、水噴
射ができない領域と判定されたとき、仮燃料噴射量に相
当するラック位置Rwfを、そのまま実燃料噴射量に相
当するラック位置に置き換える機能が設定してある。
【0063】こうした機能で行われる二流体噴射装置の
制御が図3のフローチャートに示してある。つぎに、こ
のフローチャートに基づき、燃料・水・燃料の層状噴射
について説明する。
【0064】今、セルモータによる機関始動により、燃
料噴射ポンプ15および水供給ポンプ26が駆動され
て、ディーゼルエンジンが運転されたとする。このと
き、燃料噴射ポンプ15では、カム16の駆動により、
プランジャ17が往復動されて、燃料タンク内(図示し
ない)の燃料を所定の燃料噴射時期毎に吐出させる噴射
動作が行われる。また水供給ポンプ26では、カム16
aの駆動により、プランジャ17aが往復動される。
【0065】なお、燃料はノズルニードル5を開弁させ
る高圧力で供給され、水はそのノズルニードル5の開弁
圧より低い圧力で供給される。このとき、ECU31
は、ステップS1のように、エンジン回転数センサ3
4、アクセル開度センサ35から出力されるエンジン回
転数、アクセル開度を読込んで、エンジンの運転状態な
らびにエンジンの負荷を検出している。
【0066】ついで、ステップS2に至り、ECU31
は、燃料のみの噴射量を仮に設定していく(仮燃料噴射
量の決定)。これは、図2の上段に在るマップBから、
検出したエンジン負荷に相当するラック位置Rwfを読
込むことで行われる。
【0067】ついで、ステップS3に進み、今度はEC
U32により、ディーゼルエンジンが水噴射が可能な運
転状態であるか否かを判定していく。これは、図2の中
段に在るマップAから、検出したエンジン負荷が水噴射
領域内にあるか否かを判定することで行われる。
【0068】このとき、水噴射領域内であると判定され
ると、ステップS5に至る。すると、ECU32が水噴
射量を設定していく。これは、図2の中段に在るマップ
Aから、検出したエンジン負荷に相当するラック位置R
wfを読込むことで行われる。
【0069】ついで、ステップS6に至り、ECU32
は、ラック位置Rwfを指示する制御信号を、燃料噴射
ポンプ15の休止期間中に、水供給ポンプ26のアクチ
ュエータ21aに出力する。
【0070】すると、アクチェエータ21aは駆動さ
れ、指示された通りにラック21aをストローク動させ
る。これにより、水供給ポンプ26からは、燃料噴射ポ
ンプ15の休止期間中に、水噴射量に相当する水量が圧
送される。この水量が、フィードホール25を通じて、
図5(b)に示されるように燃料噴射ノズル1のフィー
ドホール14内に進入する。
【0071】このとき、ラックストロークセンサ37
は、ストロークしたラック20aの変位を検出してい
る。ついで、ステップS6′に至り、ECU32は、こ
の実際に噴射された水量、すなわち実水噴射量に相当す
るラック位置Rwwistを読取る。
【0072】これにより、実水噴射量を決定していく。
つぎのステップS7において、今度はECU31によ
り、実際の水噴射量(水だけ)に相当するラック位置R
wwistを燃料噴射ポンプ15のラック位置相当ΔR
wfに変換し、ステップS8で仮燃料噴射量(燃料だ
け)に相当するラック位置Rwfとを合わせる演算処理
が行われる。
【0073】これにより、水と燃料との双方が噴射され
る実際の噴射量、すなわち実燃料噴射量に相当するラッ
ク位置が設定される。つまり、実際の水噴射量に基づ
き、仮燃料噴射量は実燃料噴射量に補正されることとな
る。
【0074】ついで、ステップS9に進み、ECU31
は、この定められたラック位置にしたがって、燃料噴射
ポンプ15のアクチュエータ21を駆動していく。する
と、フィードホール14内において充満している水噴射
に必要な水量の水は、所定の燃料噴射時期毎に作動する
燃料ポンプ15で圧送された燃料と共に、燃料噴射ノズ
ル1からディーゼルエンジンの燃焼室9内へ噴射されて
いく。
【0075】これにより、燃料溜まり室13内の燃料、
フィードホール14内の水、残存の燃料噴射の燃料が、
順次、層状をなして噴射されて、着火燃焼の火炎温度を
低下させる、煤,PMの低減に寄与する拡散燃焼が促進
されるようになる。
【0076】なお、ステップS3において水噴射ができ
ない領域であると判定されたときは、仮燃料噴射量(燃
料だけ)に相当するラック位置Rwfが、そのまま実燃
料噴射量に相当するラック位置に定められて、燃料噴射
ポンプ15が制御される。
【0077】このように予め燃料のみの噴射量を仮燃料
噴射量を設定しておき、この仮燃料噴射量に、実際に増
加した水噴射量の水量分を合わせて、水+燃料量なる実
際の燃料噴射量を定めて、燃料噴射ポンプ15を制御す
る流体噴射制御装置、二流体噴射装置は、常にエンジン
の運転状態に応じて要求される燃料量がディーゼルエン
ジンの燃焼室9内へ噴射されるから、たとえ故障によ
り、水供給ポンプ26が、要求される水量の制御信号
(ラック位置)の通りに作動せず、要求される水量が水
供給ポンプ26から供給されなくなったとしても、燃料
が過剰に供給されたり、逆に不足したりすることはな
い。
【0078】またこのような水供給ポンプ26の故障
は、ステップS4で行われる水噴射量を指示するラック
位置Rwwと、実際に供給された水量相当のラック位置
Rwwistとが異なる状態がどれだけ続いていたかの
判定、ならびにステップS10で行われるアラームオン
によって周囲へ知らされる。
【0079】それ故、負担を強いるようなことなくエン
ジンを常に良好に稼働させることができる。しかも、水
供給ポンプ26の故障が発生したような場合には、報知
により、これに迅速に対応できる。
【0080】特にエンジン回転センサ34、アクセル開
度センサ35で構成されたエンジン負荷検出手段で得ら
れるエンジン負荷に応じて、要求される水噴射量(水だ
け)、仮燃料噴射量(燃料だけ)を設定する構造を採用
すると、容易に水噴射の要求量、仮燃料噴射量を設定す
ることができる。
【0081】なお、上述した一実施形態では、水供給ポ
ンプのラック位置を検出することにより、実際に水供給
ポンプから供給された水量を検出するようにしたが、こ
れに限らず、他の検出手段を用いてもよい。
【0082】また本発明をディーゼルエンジンに適用し
たが、これに限らず、他の内燃機関、例えば直接噴射式
ガソリンエンジンにも適用してもよい。むろん、水以外
の不活性流体を噴射するようにした二流体噴射装置に適
用してもよいことはもちろんである。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように請求項1、請求項3
に記載の発明によれば、どのようなときでも、常にエン
ジンの運転状態に応じた所定の燃料量をエンジンに供給
できる。
【0084】したがって、燃料供給手段からは、不活性
流体量に関わらず、常に適正な燃料量を供給でき、たと
え不活性流体供給手段が不活性流体要求量に相当する不
活性流体の供給が行えなくなったとしても、燃料が過剰
に供給された、逆に不足したりすることはない。請求項
に記載の発明によれば、さらに不活性流体の供給が行
えなくなると、故障と判定して、その旨が報知されるの
で、これに迅速に対応できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る二流体噴射制御装
置、二流体噴射装置を説明するための図。
【図2】同装置の制御部に設定されたマップを、仮燃料
噴射量から実燃料噴射量に補正される過程と共に示す線
図。
【図3】同装置の制御を説明するためのフローチャー
ト。
【図4】従来の二流体噴射装置を説明するための図。
【図5】(a)は、同装置の燃料噴射ノズルの燃料噴射
直後における燃料通路全体に燃料が充満されている状態
を示す図。(b)は、同燃料通路に燃料・水・燃料が層
状に充満されている状態を説明するための図。
【図6】同装置の燃料が噴射されたときの噴射特性を説
明するための線図。
【図7】同装置の燃料噴射ポンプの燃料噴射量を定めて
いるマップを示す線図。
【図8】同装置の水供給ポンプの水噴射量を定めている
マップを示す線図。
【図9】同装置の燃料噴射ポンプで行われていた、マッ
プに基づく燃料噴射量の設定を説明するためのフローチ
ャート。
【図10】同装置の水供給ポンプで行われていた、マッ
プに基づく水噴射量の設定を説明するためのフローチャ
ート。
【符号の説明】
1…燃料噴射ノズル 1a…本体(ノズルボディ) 5…ノズルニードル(針弁) 9…燃焼室 10…シリンダヘッド 10a…ピストン 12…噴孔 13…燃料溜まり室 14…フィールドホール(燃料通路) 15…燃料供給ポンプ 16,16a…カム 17,17a…プランジャ 19,19a…コントロールスリーブ 20,20a…ラック 21,21a…アクチュエータ 22,22a…プレストローク可変機構 24…水溜まり室 25…フィードホール(水通路) 26…水供給ポンプ(不活性流体供給手段) 31…燃料噴射用のECU(実燃料制御手段、仮燃料噴
射量設定手段) 32…水供給用のECU(不活性流体制御手段) 34…エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手
段) 35…アクセル開度センサ(エンジン負荷検出手段) 37…ラックストロークセンサ(実不活性流体供給量検
出手段) 38…アラーム(報知手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−81743(JP,A) 特開 平5−164003(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 43/00 F02M 43/02 F02M 43/04 F02B 47/02 F02D 19/12 F02M 25/022

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの運転状態に応じて不活性流体
    要求量を設定し、この不活性流体要求量に基づき不活性
    流体供給手段の作動を制御する不活性流体制御手段と、 この不活性流体供給手段により実際に燃料通路へ流入し
    た不活性流体量を検出する実不活性流体供給量検出手段
    と、 前記エンジンの運転状態に応じて仮燃料噴射量を設定す
    る仮燃料噴射量設定手段と、 前記実不活性流体供給量検出手段により検出された実不
    活性流体量前記仮燃料噴射量設定手段により設定され
    た前記仮燃料噴射量とを合わせた量を実燃料噴射量とし
    て設定するとともに、この実燃料噴射量に基づき燃料を
    供給する燃料供給手段の作動を制御する実燃料制御手段
    とを具備したことを特徴とする二流体噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の二流体噴射制御装置に
    おいて、さらに、前記不活性流体要求量と前記実不活性流体量と
    の違う状態が所定時間経過したかの計時により故障か否
    かを判定する手段と、 故障と判定したときその旨を報知する報知手段と を具備
    する ことを特徴とする二流体噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 所定時期毎に噴射作動して燃料を圧送す
    る燃料供給手段と、 この燃料供給手段の噴射作動休止期間中に不活性流体を
    圧送する不活性流体供給手段と、 ノズルボディ内に摺動自在に嵌挿され、閉弁方向に付勢
    されてなる針弁、この針弁の先端部近傍に同針弁の外周
    面に沿って形成された燃料溜まり室、前記燃料供給手段
    からの燃料を前記燃料溜まり室へ導く燃料通路、前記不
    活性流体供給手段からの不活性流体を前記針弁の開弁圧
    よりも低い圧力で前記燃料通路の上流側へ導く水通路を
    備えてなり、前記燃料供給手段により圧送された燃料と
    ともに前記水通路を介して前記燃料通路に供給された不
    活性流体をエンジンの燃焼室内へ噴射可能とする燃料噴
    射ノズルと、 エンジンの運転状態に応じて不活性流体要求量を設定
    し、この不活性流体要求量に基づき不活性流体供給手段
    の作動を制御する不活性流体制御手段と、 この不活性流体供給手段により実際に前記燃料通路へ流
    入した不活性流体量を検出する実不活性流体供給量検出
    手段と、 前記エンジンの運転状態に応じて仮燃料噴射量を設定す
    る仮燃料噴射量設定手段と、 前記実不活性流体供給量検出手段により検出された実不
    活性流体量前記仮燃料噴射量設定手段により設定され
    た前記仮燃料噴射量とを合わせた量を実燃料噴射量とし
    て設定するとともに、この実燃料噴射量に基づき前記燃
    料供給手段の作動を制御する実燃料制御手段とを具備し
    たことを特徴とする二流体噴射装置。
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