JP3237596B2 - 熱間押出製管法による継目無金属管の製造方法 - Google Patents

熱間押出製管法による継目無金属管の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユジーン・セジュ
ルネ法に代表される熱間押出製管法による継目無金属管
の製造方法に係わり、より詳しくは外径の寸法精度に優
れた熱間押出のままで製品とされる継目無金属管の高能
率な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のユジーン・セジュルネ法に代表さ
れる熱間押出製管法によって製造される継目無金属管の
寸法は、外径がダイスのベアリング部内径、内径がマン
ドレルの外径によって決定される。ここで、ダイスとマ
ンドレルは、通常、SKD61などに代表される熱間工
具鋼製のものが用いられる。
【0003】しかし、実際に押出成形されたままの継目
無金属管の外径と内径は、主として素材である中空ビッ
レト内の温度の不均一または中空ビレット間の温度のば
らつき、および工具であるダイスとマンドレルの押出加
工中における径変化に起因して管の軸長方向および管毎
にばらつくのみならず、せん断起因の割れ疵などが多発
することがある。
【0004】このため、従来から種々の対策が講じられ
ており、例えば、特開昭60−68110号公報、同5
9−4916号公報および特開平1−218715号公
報などに示されるような方法が提案されている。
【0005】すなわち、特開昭60−68110号公報
に示される方法は、ダイスの出側に寸法測定手段と圧下
ロールスタンドを配置し、寸法測定手段で検出された外
径と目標外径との偏差に基づいて圧下ロールスタンドで
押出成形された管を圧延することによって管軸長方向の
外径のばらつきをなくす方法である。
【0006】また、特開昭59−4916号公報に示さ
れる方法は、基本の押出速度モードを加工前の中空ビッ
レトの実測温度に基づいて予め定めた温度補正パターン
に従って補正し、この補正後の押出速度モードで押出成
形することによって割れ疵の発生を抑制する方法であ
る。
【0007】さらに、特開平1−218715号公報に
示される方法は、中空ビッレトの素材条件(寸法と温
度)と押出比に応じた押出速度の各種パターンを予め設
定しておき、これらのパターンに基づいて製管プレスの
ラム移動距離に応じたパターン制御を行うことによって
押出管トップ部の周方向偏肉と管軸長方向の寸法のばら
つき、並びに割れ疵の発生を抑制する方法である。
【0008】しかし、上記いずれの方法も、より高能率
な生産を行うために、押出比Rを40以上に設定して押
出成形すると、押出成形された管の軸長方向の寸法ばら
つき、なかでも外径ばらつきが大きくなり、外径の変動
許容範囲が例えば目標外径の±0.5%以内、すなわち
最大外径と最小外径の径差が1%以内であることが要求
されるような押出成形のままで製品とされる継目無金属
管を工業的に製造することができないという問題があっ
た。
【0009】なお、上記の押出比Rは、通常、コンテナ
内径をIDC 、マンドレル外径をODM 、ダイスのベア
リング部内径をIDD (単位は、いずれも「mm」)と
したとき、下式で定義される値である。
【0010】 R=(IDC 2−ODM 2)/(IDD 2−ODM 2)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実状
に鑑みてなされたもので、その課題は上記の式で定義さ
れる押出比Rを40以上にして押出成形した場合でも、
管の軸長方向の外径ばらつき範囲が目標外径の±0.5
%以内、すなわち最大外径と最小外径の径差が1%以内
である継目無金属管を確実に製造することができる方法
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の熱
間押出製管法による継目無金属管の製造方法にある。
【0013】SKD61に代表される熱間工具鋼製のダ
イスを用いた熱間押出製管法によって継目無金属管を押
出成形するに当たり、押出比Rを40以上に設定すると
ともに、製管プレスのラム速度をV(mm/s)とした
とき、下記の式を満たす条件で押出しを行うことを特
徴とする熱間押出製管法による継目無金属管の製造方
法。
【0014】 8000≦R×V≦10000 ・・・・ ここで、R=(IDC 2−ODM 2)/(IDD 2−ODM 2) ただし、 IDC :コンテナ内径(mm) ODM :マンドレル外径(mm) IDD :ダイスのベアリング部内径(mm)
【0015】
【発明の実施の形態】上記の本発明は、以下に述べる知
見に基づいてなされた。
【0016】押出成形されたままの管の寸法(外径と内
径)が管軸長方向でばらつくのは、素材である中空ビッ
レト内の温度の不均一または中空ビレット間の温度のば
らつき、および工具であるダイスとマンドレルの押出加
工中における径変化に起因して生じることは前述したと
おりである。
【0017】そして、寸法ばらつきのうちの外径ばらつ
きは、主として図1に示すダイスのベアリング部分Bの
内径IDD が、熱膨張と摩耗、さらにはベアリング部分
Bに対するアプローチ部分Aのダイス材料自体の塑性変
形流入により、その押出加工中に変化するために発生す
る。
【0018】ところが、押出比Rを40以上に設定した
場合、ベアリング部分Bへのアプローチ部分Aの塑性変
形流入が著しく顕著になり、製管プレスのラム速度Vが
適切でないと、ベアリング部分Bの内径IDD の変化が
大きくなりすぎ、外径の変動許容範囲が目標外径の±
0.5%以内、すなわち最大外径と最小外径の径差が1
%以内である管が得られないことが判明した。
【0019】ここで、ダイスのベアリング部分Bの内径
IDD が大きくなりすぎないようにするには、ダイスと
して、上記SKD61に代表される熱間工具鋼に比べて
熱膨張率が小さく、かつ耐摩耗性に優れ、しかも変形抵
抗が大きくてアプローチ部分Aの塑性変形量の少ない高
ニッケル系合金製のダイスを用いればよいが、高ニッケ
ル系合金製のダイスは、SKD61に代表される熱間工
具鋼製のダイスに比べて著しく高価で工具費が嵩み、製
品管の製造コストの上昇を招くので採用しがたい。
【0020】そこで、本発明者は、押出比Rを40以上
に設定して押出成形した場合における製管プレスのラム
速度VがSKD61に代表される熱間工具鋼製のダイス
のベアリング部分Bの内径IDD の変化挙動に及ぼす影
響と、その内径IDD の変化挙動が押出成形された管の
外径ばらつきに及ぼす影響を詳細に調べるために、次の
実験を行った。
【0021】すなわち、種々の寸法のSUS304製の
中空ビッレトを用い、上記の押出比Rを変えて種々の寸
法の管に押出成形するに当たり、製管プレスのラム速度
V(mm/s)を変化させた上で押出中のラム速度Vを
一定に制御して製管を行った。
【0022】そして、押出成形に供したSKD61製の
ダイスのベアリング部分Bの内径IDD の使用前後の径
差△IDD を調べる一方、得られた押出管の軸長方向の
外径を連続的に測定し、その最大値と最小値との径差△
ODP を調べ、径差△IDDと△ODP 、径差△IDD
と押出比Rおよびラム速度Vとの相関関係の有無を調べ
た。
【0023】その結果、径差△IDD と△ODP との間
には相関関係があり、径差△IDDが±0.2mm超に
なると径差△ODP が目標外径の1%超になり、径差△
IDD が±0.2mm以下の場合に限って径差△ODP
が目標外径の1%以内になることが判明した。
【0024】また、径差△IDD と押出比Rおよびラム
速度Vとの間にも相関関係があり、押出比Rが40以上
の領域では、押出比Rとラム速度Vの積値が8000未
満の場合に径差△IDD が−0.2mm超になり、押出
比Rとラム速度Vの積値が10000超の場合に径差△
IDD が+0.2mm超になることが判明した。
【0025】図2は、径差△IDD と押出比Rおよびラ
ム速度Vとの相関関係を示す図で、横軸に押出比R、縦
軸に製管プレスのラム速度Vを採って示し、上記の径差
△IDD が±0.2mm超で、径差△ODP が目標外径
の±1%超であった場合を×印、径差△IDD が±0.
2mm以下で、径差△ODP が目標外径の±1%以内で
あった場合を○印で示してある。
【0026】図2からわかるように、押出比Rが40以
上の領域では、ダイスのベアリング部分Bの内径IDD
の使用前後の径差△IDD が±0.2mm以下で、押出
管の径差△ODP が目標外径の±1%以下になるのは、
押出比Rとラム速度Vの積値が8000以上、1000
0以下の場合であることがわかる。
【0027】従って、本発明においては、押出比Rを4
0以上に設定した場合、その押出条件を、「8000≦
R×V≦10000」と定めた。
【0028】このように、その押出条件を、式「800
0≦R×V≦10000」を満たす範囲内に設定した上
で、その押出加工中の製管プレスのラム速度Vを、例え
ば前述した特開平1−218715号公報中に示される
ような制御手段を用いて一定に保持して押出を行うと、
ダイスのベアリング部分Bの内径IDD が±0.2mm
以下に保たれ、最大外径と最小外径との径差△ODP が
目標外径の±1%以内である管が得られる。
【0029】
【実施例】SKD61製のダイスがセットされた製管プ
レスを用い、種々の寸法のSUS304製の中空ビッレ
トを対象に、表1に示す条件で製管を行った。
【0030】そして、得られた押出管の外径を管軸長方
向に連続的に測定し、その最大外径と最小外径との径差
△ODP を求めた。また、押出に供したダイスの使用前
後のベアリング部分Bの内径IDD を測定し、使用前後
の径差△IDD を調べた。
【0031】これらの結果を、製管条件と併せて表1に
示した。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の方法に従って押出比Rとラム速度Vの積値が800
0〜10000の範囲内におさまるラム速度Vで押出を
行った場合(試番2、6、10および14)には、押出
比Rが40以上であるにも拘らず、いずれの場合もダイ
スのベアリング部分Bの内径IDD の使用前後の径変化
量が±0.2mm以下に保たれ、最大外径と最小外径と
の径差△ODP が目標外径の±1%以内である管が得ら
れた。
【0034】これに対し、押出比Rとラム速度Vの積値
が8000〜10000の範囲を外れるラム速度Vで押
出を行った場合には、いずれの場合もダイスのベアリン
グ部分Bの内径IDD の使用前後の径変化量が±0.2
mm超になり、最大外径と最小外径との径差△ODP が
目標外径の±1%を超える管しか得られなかった。
【0035】なお、押出比Rが40未満の23.35で
ある参考例(試番16および17)については、押出比
Rとラム速度Vの積値が8000未満であるにも拘ら
ず、いずれの場合もダイスのベアリング部分Bの内径I
DD の使用前後の径変化量が±0.2mm以下に保た
れ、最大外径と最小外径との径差△ODP が目標外径の
±1%以内である管が得られた。
【0036】これは、押出比Rが40未満の場合には、
押出比Rが40以上の場合とは異なり、ラム速度Vの如
何にかかわらず、ダイスのベアリング部分Bの内径ID
D の使用前後の径変化量が±0.2mm以下に保たれ、
最大外径と最小外径との径差△ODP が目標外径の±1
%以内である管が得られることを意味している。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によれば、押出のままで最
大外径と最小外径との径差△ODP が目標外径の±1%
以内である管を、押出比Rを40以上に設定することに
より高能率に製造することができる。その結果、押出加
工ままのでありながら外径寸法精度に優れた製品管を安
価に提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイスを示す模式的従断面図である。
【図2】径差△IDD と押出比Rとラム速度Vが、ダイ
スのベアリング部分と押出管の管軸長方向の径変化に及
ぼす影響を示す図である。
【符号の説明】
A:アプローチ部分 B:ベアリング部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−192724(JP,A) 特開 昭59−4916(JP,A) 特開 昭60−68110(JP,A) 特開 平1−218715(JP,A) 特開 平7−185646(JP,A) 特開 平9−192724(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 31/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SKD61に代表される熱間工具鋼製のダ
    イスを用いた熱間押出製管法によって継目無金属管を押
    出成形するに当たり、押出比Rを40以上に設定すると
    ともに、製管プレスのラム速度をV(mm/s)とした
    とき、下記の式を満たす条件で押出しを行うことを特
    徴とする熱間押出製管法による継目無金属管の製造方
    法。 8000≦R×V≦10000 ・・・・ ここで、R=(IDC 2−ODM 2)/(IDD 2−ODM 2) ただし、 IDC :コンテナ内径(mm) ODM :マンドレル外径(mm) IDD :ダイスのベアリング部内径(mm)
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