JP3240313B2 - 高粘度液体を微粒子化する方法およびそのための装置 - Google Patents

高粘度液体を微粒子化する方法およびそのための装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高粘度液体を噴霧して
微粒子化する方法に関する。より具体的には粘度が10
0〜10000cpの高粘度液体を一流体ノズルの噴霧装
置を用いて微粒子化する方法に関する。また本発明は粘
度が100〜10000cpの高粘度液体を微粒子化する
ための一流体ノズルの噴霧装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】低粘度液体を噴霧してエアロゾル化する
ことはしばしば行われ、その噴霧技法は例えばスプレー
・コーティング、燃料噴射、スプレー・ドライニング、
薬液噴霧、スプレー・ぺインティングその他の多くの応
用分野においてすでに確立されている。
【0003】しかしながらその粘度が100〜1000
0cpのような高粘度液体についてこれを噴霧して微粒子
化するにはこうした低粘度液体の噴霧技法をそのまま適
応することができず、従って高粘度液体の噴霧にはこれ
までいろいろな方法が提案されている。これらの方法に
は、1)加熱や溶剤添加によってその液体粘度をすくな
くとも100cpのオーダーまで低粘度化する方法、2)
1流体ノズルを用いた場合において給液に百気圧以上の
高圧をかける方法、3)2流体ノズルまたは3流体ノズ
ルにより気体を併用して噴霧する方法があった。
【0004】しかしながら、これらの方法のいずれにも
次のような問題点が存在していた。すなわち、1)加熱
する方法は熱感受性物質には適用することができず、ま
た、溶剤を添加する方法は脱溶剤の後処理が必要であっ
て工程上きわめて繁雑なものとなること、2)高圧をか
ける方法は適用範囲がかなり限定され、しかして安全上
に問題があること、および3)2流体ノズルまたは3流
体ノズルにより気体を併用する方法は最も一般的でこれ
までも広く利用されている方法ではあるが、気体の供給
位置がノズル部一ヵ所に限定されるため操作や装置構造
の都合上適用できない場合が多く、また気体の圧力が比
較的高いためにスプレー・コーティング等を目的として
高粘度液体を噴霧する場合、微粒子化された液体が広範
囲に飛散するなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、加熱や溶剤の
添加をすることなく、高圧を適用することもなく、また
2流体ノズルもしくは3流体ノズルを用いることもなく
高粘度液体を噴霧化する新しい技術的手段の解明が求め
られている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した課
題を解決するために鋭意研究の結果、粘度が100〜1
0000cpの高粘度液体と気体とを、先端にスプレーノ
ズルが設けられた管路内でこの高粘度液体は管壁に沿っ
て環状流で流れ、気体は低圧で管路の中央部を流れる条
件のもとでこの高粘性液体と気体との定常的な気液二相
流が形成されるように上記の管路に導入し、高粘度液体
をスプレーノズルから噴霧して微粒子化することによっ
て達成することができることを見いだして本発明を完成
させた。
【0007】すなわち本発明は、先端部にスプレーノズ
ルが設けられた管路にスプレーノズルから十分の距離を
へだてた任意の位置において粘度100〜10000cp
の高粘度液体と気体とを導入して、高粘度液体は管壁に
沿って環状流で流れ、気体は低圧で管路の中央部を流れ
る定常的な気液二相流を形成させ、スプレーノズルで高
粘度液体を気体とともに噴霧して微粒子化する方法に関
する。
【0008】またこの発明は高粘度液体を微粒子化する
ための、先端部にスプレーノズルが設けられた管路と、
スプレーノズルから十分の距離をへだてて任意の位置の
管路に設けられた高粘度液体導入部および気体導入部
と、管路に導入された高粘度液体は管壁に沿ってスプレ
ーノズルに向かって環状流で流れ、管路に導入された気
体は管路の中央部をスプレーノズルに向かって流れる定
常的な気液二相流を形成させるための高粘度液体と気体
とを管路に圧入のための手段とを備えた高粘度液体の噴
霧装置にも関する。
【0009】本発明にあっては、先端部にスプレーノズ
ルが設けられた管路に十分の距離をへだてた任意の位置
において高粘度液体が導入されるものであるが、その十
分な距離とは導入される高粘度液体の粘度、表面張力お
よび量、導入される気体の圧力および量、ならびに管路
の管径によっても相違するが、管路に導入された高粘度
液体が定常的な気液二相流を形成するのに必要な距離を
云う。この距離は、例えば内径10.9mmの管路に粘度
2000cpの液体を0.8kg/cm2Gの圧力で、また気体
を1.7kg/cm2Gの圧力で導入する場合には19cm以上
の距離を、また例えば内径10.9mmの管路に粘度40
00cpの液体を1.0kg/cm2Gの圧力で、また気体を
2.0kg/cm2Gの圧力で導入する場合には12cm以上を
必要とするが、この距離は上記したように管径と高粘度
液体の粘度と導入気体の圧力の如何によって変動する値
であるので、あらかじめ実験的手法によって決定するこ
とができる。
【0010】スプレーノズルは管路の管径が絞られて開
口部となりノズル室内の中心部に空洞(即ち、気体の空
間)が形成され維持される形状の一流体ノズルであれば
よい。かかる形状のスプレーノズルによって管路を環状
流として運ばれてきた高粘度液体は流路が狭められスプ
レーノズルの開口部に至りノズル室内の中心部の空洞を
流れる気体によって噴霧して微粒子化されることになる
のである。
【0011】本発明で噴霧して微粒子化される高粘度液
体には、エポキシ樹脂、フェノールアルデヒド初期縮合
物、シリコン、ポリアミド酸、ポリビニルアルコールな
どの高分子物質またはその前駆体、テルペンレジン、オ
レオレジンなどの香料材料、トコフェリルレチノエー
ト、トコフェリルアセテートなどの医薬物質、グリセリ
ン、デキストリン、水あめなどの高粘度化学物質、ター
ル、重油などの高粘度石油留分であって、噴霧して微粒
子化する際にその粘度が100〜10000cpの範囲の
高粘度物質があげられる。
【0012】また本発明で使用される気体としては、噴
霧して微粒子化される高粘度物質とは不活性の気体であ
れば如何なるものも用いてよいが、この際に場合によっ
ては可燃性または支燃性であってはならない(但し高粘
度液体を燃料などに用いる場合に支燃性であってもよい
ことは勿論である)し、また環境への配慮の必要である
ことは当然である。そしてこれらの気体の具体例には圧
縮空気、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガス、プロパン
ガス、ブタンガスなどを使用することができる。
【0013】この高粘度液体はその先端にスプレーノズ
ルを備えた管路に0.2〜3.0kg/cm2Gの圧力で、ま
た気体は0.5〜4.5kg/cm2Gの圧力で導入される。
【0014】管路はその内径が9.4〜18.4mmの管体
から構成され高粘度液体及び気体の導入点から高粘度液
体と気体の粘度、圧力、導入量によって決定される距離
だけ高粘度液体が流動した後でこの高粘度液体が管壁に
沿って環状流で流れる定常的な気液二相流を形成する。
【0015】本発明の装置には管路の途中に必要によっ
て加熱装置を設けることもできる。かかる加熱装置によ
って導入された高粘度液体の粘度を低下させることがで
き噴霧された高粘度液体を一層微粒子化することができ
る。さらにまた管路内の高粘度液体の粘度を一定に保つ
ために管路全体を温水ジャケットとかテープヒーターに
よって保温することもできる。
【0016】添付の図面は、本発明を実施するための装
置を概略的に示したものである。図面において高粘性液
体は供給タンク1からポンプ3を経て管路に液体流とし
て供給される。管路の途中で気体が導入され、液体流と
気体流とは気液−環状流としてレリーフバルブ8を経て
スプレーノズル7に至り、スプレーノズル7から高粘度
液体は噴霧される。図中、2は圧力計、4は流量計、5
は温度計、6はサイトグラスである。このサイトグラス
によって高粘性液体の流動状態を目視することができ
る。上記したように本発明を実施するための装置はその
構成がきわめて簡素なものであるにも拘わらず、条件の
適切な設定によって高粘度液体を噴霧化しうるというき
わめて著しい効果を奏するものである。
【0017】本発明によれば容易に高粘度液体を微粒子
化することができるので、スプレー・コーティング、殊
に微粒子や軽量物質へのコーティング、スプレー・ドラ
イニング、スプレー・ペインティング、マイクロカプセ
ル化などの分野で利用することができるほか、高粘度液
体燃料のバーナーとしても利用することができる。
【0018】つぎに本発明を実施例によって具体的に説
明する。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕外径17.3mm、内径10.9mm、長さ25
60mmのステンレス製のパイプを用意し、その先端部を
絞って内径1.0mmの開口部を作りこれをスプレーノズ
ルとした。このパイプの他端を定量ポンプに連結しフィ
ードタンクから供給される90wt%グリセリン水溶液
(液温20℃、粘度200cp、表面張力62dyn/cm)
をポンプを通じて圧力0.3kg/cm2G、流速0.02m
/secでこのパイプに供給した。一方パイプの定量ポン
プ連結部から1410mm下流にガス導入口を設けここか
ら窒素ガスを圧力1.0kg/cm2G、流速2.0m/secで
供給した。グリセリン水溶液はガス導入口から750mm
下流において乱れのない環状流をなすことが認められ、
そしてスプレーノズルからグリセリン水溶液は真っすぐ
に噴霧され安定した均一な微粒子が得られた。
【0020】〔実施例2〕実施例1に記載した装置を用
い粘度標準液(液温25℃、粘度1000cp、表面張力
52dyn/cm)を微粒子化した。すなわちこの粘度標準
液を圧力0.5kg/cm2G、流速0.04m/secで、また
窒素ガスを圧力1.4kg/cm2G、流速3.2m/secで供
給した。粘度標準液はガス導入口から240mmの下流に
おいて乱れのない環状流をなすことが認められた。粘度
標準液はスプレーノズルの先端より真っすぐ噴霧され安
定した均一な微粒子が得られた。
【0021】〔実施例3〕実施例1に記載した装置を用
いトコフェリルレチノエート(液温85℃、粘度200
0cp、表面張力63dyn/cm)を微粒子化した。すなわ
ちこのトコフェリルレチノエートを圧力0.8kg/cm
2G、流速0.07m/secで、また窒素ガスを圧力1.7
kg/cm2G、流速5.1m/secで供給した。トコフェリ
ルレチノエートはガス導入口から190mmの下流におい
て乱れのない環状流をなすことが認められた。トコフェ
リルレチノエートはスプレーノズルの先端より真っすぐ
噴霧され安定した均一な微粒子が得られた。
【0022】〔実施例4〕実施例1に記載した装置を用
いトコフェリルレチノエート(液温78℃、粘度400
0cp、表面張力60dyn/cm)を微粒子化した。すなわ
ちこのトコフェリルレチノエートを圧力1.0kg/cm
2G、流速0.10m/secで、また窒素ガスを圧力2.0
kg/cm2G、流速6.3m/secで供給した。トコフェリ
ルレチノエートはガス導入口から120mmの下流におい
て乱れのない環状流をなすことが認められた。トコフェ
リルレチノエートはスプレーノズルの先端より真っすぐ
噴霧され安定した均一な微粒子が得られた。
【0023】〔比較例1〕実施例2の操作を繰り返すが
粘度標準液および窒素ガスはそれぞれ圧力1.6kg/cm2
G、流速0.21m/sec、および圧力1.9kg/cm2G、
流速0.01m/secで供給した。この供給条件では粘度
標準液流は気泡流を作り、スプレーノズルに至りノズル
の先端から液柱状に落下し、微粒子化しなかった。
【0024】〔比較例2〕実施例3の操作を繰り返すが
トコフェリルレチノエートおよび窒素ガスはそれぞれ圧
力2.0kg/cm2G、流速0.45m/sec、および圧力
2.8kg/cm2G、流速0.33m/secで供給した。この
供給条件ではトコフェリルレチノエートは間欠流を作
り、スプレーノズルに至りノズルの先端から不均一な微
粒子または液柱状で放出され、微粒子化は断続的にしか
行われなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置を概略的に示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 7/00 - 7/32 B05D 1/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部にスプレーノズルが設けられた管
    路にスプレーノズルから十分の距離をへだてた任意の位
    置において粘度100〜10000cpの高粘度液体と気
    体とを導入して、高粘度液体は管壁に沿って環状流で流
    れ、気体は管路の中央部を流れる定常的な気液二相流を
    形成させ、スプレーノズルで高粘度液体を低圧の気体と
    ともに噴霧して微粒子化する方法。
  2. 【請求項2】 先端部にスプレーノズルが設けられた管
    路と、スプレーノズルから十分の距離をへだてて任意の
    位置の管路に設けられた高粘度液体導入部および気体導
    入部と、管路に導入された高粘度液体は管壁に沿ってス
    プレーノズルに向かって環状流で流れ、管路に導入され
    た気体は管路の中央部をスプレーノズルに向かって流れ
    る定常的な気液二相流を形成させるための高粘度液体と
    低圧の気体とを管路に圧入するための手段とを備えた高
    粘度液体の噴霧装置。
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