JP3247548B2 - シートベルト装置用スリップアンカー - Google Patents

シートベルト装置用スリップアンカー

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JP3247548B2
JP3247548B2 JP15514194A JP15514194A JP3247548B2 JP 3247548 B2 JP3247548 B2 JP 3247548B2 JP 15514194 A JP15514194 A JP 15514194A JP 15514194 A JP15514194 A JP 15514194A JP 3247548 B2 JP3247548 B2 JP 3247548B2
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    • B60—VEHICLES IN GENERAL
    • B60R—VEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00—Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/18—Anchoring devices
    • B60R22/24—Anchoring devices secured to the side, door, or roof of the vehicle

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシートベルト装置用スリ
ップアンカーに係り、特に車体のピラー上部等に固定さ
れ、シートベルト装置の巻取装置から引き出されたウェ
ビングを摺動自在に乗員の装着し易い方向に案内するシ
ートベルト装置用スリップアンカーに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、自動車座席等に装備され
ているシートベルト装置は、衝突時に生じる加速度や衝
撃力による乗員の急激な移動を拘束し、乗員の身体の安
全を図る安全装置である。この種のシートベルト装置
は、乗員を拘束するウェビング(以下、本明細書では日
本工業規格に規定されているような幅50mm程度の通
常の繊維材料からなる織りベルトをウェビングと呼
ぶ。)と、このウェビングをバネ力により巻回して内部
に引き込むとともに、衝突により衝撃が作用した時にの
みウェビングの引き出しをロックして乗員の移動を拘束
するリトラクタ(以下、ELR:Emergency Locking Re
tractorと記す。)と、ウェビングを乗員の身体にフィ
ットするように装着させるために適正な位置に設置され
たバックル装置、バックル装置とウェビングとの接続部
品であるタング、ボルト等の固定部材によりウェビング
を車両の所定位置に固定するアンカー等から構成されて
いる。
【0003】このうちアンカーには、ラップベルト(腰
ベルト)のウェビングの端部を車体の床近傍に定着する
ための定着アンカーと、車体のピラー上部位置等に取付
ボルト等で取り付けられ、この取付ボルトに関して所定
方向に向けて揺動できるように設置されたスリップアン
カーとがある。このスリップアンカーは、シートベルト
装置通常装着時には、乗員のほぼ側方位置のピラー内等
に設置されているELRから前記ピラーに沿って上方に
向けて引き出されたウェビングの向きを下方に向け、肩
ベルトとして乗員胸部の前方位置に掛け渡されるように
案内する。また、シートベルト装置非装着時には巻き取
り収納されるウェビングをELRへ向けて案内するよう
に機能する。
【0004】一方、衝突時には、引き出しがロックされ
た肩ウェビングが前方に移動する乗員を拘束して受けと
めるときの支持点として、肩ウェビングからの作用力を
負担する。このためスリップアンカーは滑らかにウェビ
ングを進退自在に案内できるガイド部を有するととも
に、衝突時の作用力に耐えられるように車体フレーム等
に取着される固定部を有し、かつ荷重作用時に部材自体
が変形しない構造形状とする必要がある。
【0005】図9(a)、(b)は従来のスリップアン
カーの一例を示したもので、スリップアンカー50は所
定板厚の鋼板を打ち抜いて成形された鋼板プレート51
と、この鋼板プレート51の一部を心材として樹脂モー
ルド成形により形成された樹脂ガイド部53とから構成
されている。鋼板プレート51は取付孔51aの形成さ
れた取付部と、ガイド孔52の形成されたガイド部とか
ら一体的に構成されている。樹脂ガイド部53は長孔形
状のガイド孔52に挿通されたウェビングWが滑らかに
摺動して案内されるようにウェビング接触部が略円弧状
となるような樹脂断面形に成形されている(図9(b)
参照)。また、ガイド孔52の両端部には逃げ部52a
が形成されており、ウェビングWがスリップアンカーに
沿って案内される際に、ねじれたり、ウェビング端部が
反り返るのが防止される。なお、美観、安全面を考慮し
てボルト頭部が樹脂製カバーCにより覆われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図9(a)
に示したタイプのスリップアンカーでは樹脂成形時に心
材である鋼板鋼板プレート51を金型内の所定位置にあ
らかじめ埋設しておき、樹脂成形するインサート成形等
により製造される。このために作用する力は鋼板プレー
ト51と樹脂とに滑らかに分散することが好ましい。と
ころが、鋼板プレートの変形剛性が小さいと、事故時等
に急激な作用力がかかった際に鋼板プレートが変形し、
樹脂被覆が鋼板プレートの変形に追従できずに割れてし
まうという問題がある。
【0007】これに対し、プレートの変形剛性を高める
ためにプレートの板厚を増やすことも可能である。しか
し、板厚が大きくなると、素材の打ち抜き間隔を十分あ
けなくてはならず、板取りに無駄が発生し、素材の板厚
を上げたこととあいまって部品コストが増してしてしま
うという問題がある。また、自動車部品は、車両全体の
重量を押えるために、軽量化を図ることが重要な課題で
ある。これに反し、前述のスリップアンカーでは、変性
剛性を上げるためにプレート寸法を大きくする必要があ
り、この結果部品重量が増し、自動車部品としての欠点
につながる。
【0008】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、車内に取り付けた際に、コ
ンパクトで衝突時の作用力に対する変形剛性が大きく、
また製造コストを低くできるシートベルト装置用スリッ
プアンカーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は固定部材により車体の一部に揺動可能に取
着され、打ち抜き加工によりウェビング挿通開口が形成
された鋼板プレートを心材として、少なくとも前記ウェ
ビング挿通開口位置に樹脂被覆を施したウェビング摺動
案内部を有するシートベルト装置用スリップアンカーに
おいて、前記鋼板プレートは、ウェビング挿通開口の前
記打ち抜き加工により形成されたせん断切口の破断面が
フランジ外側縁に位置するように、前記打ち抜き側から
バーリング加工が施され、該開口に挿通されるウェビン
グが接触する側の開口縁にフランジが形成されるととも
に、該フランジが形成された開口縁側部分の鋼板プレー
トに補剛曲げ加工が施されたことを特徴とする。
【0010】
【0011】 前記前記鋼板プレートは、前記固定部材
を挿通可能な取付孔が形成され、該取付孔に装着される
リング状の樹脂軸受部材が前記鋼板プレートの一部を覆
う樹脂被覆にブリッジを介して連結されて形成されるこ
とが好ましい。
【0012】前記樹脂被覆は、前記鋼板プレートの側面
部分の少なくとも一部が露出するように鋼板プレートに
被覆されることが好ましい。
【0013】
【作用】 本発明によれば、前記鋼板プレートは、ウェ
ビング挿通開口の前記打ち抜き加工により形成されたせ
ん断切口の破断面がフランジ外側縁に位置するように、
前記打ち抜き側からバーリング加工が施され、該開口に
挿通されるウェビングが接触する側の開口縁にフランジ
が形成されるとともに、該フランジが形成された開口縁
側部分の鋼板プレートに補剛曲げ加工が施されたことに
より、前記ウェビングの挿通時に前記フランジの開口縁
の弱部を圧縮応力状態に置くことで、部材強度を確保で
き、またウェビングが引き出される際に作用する力に対
しての変形剛性を高め、外力作用部分の断面係数を増加
させることができる。また、前記ウェビング摺動案内部
のウェビングの接触面積を大きくでき、前記鋼板プレー
トに作用する力が局所的に作用するのを防止できる。
【0014】
【0015】
【0016】 さらに、前記鋼板プレートが、前記固定
部材を挿通可能な取付孔が形成され、該取付孔に装着さ
れるリング状の樹脂軸受部材が前記鋼板プレートの一部
を覆う樹脂被覆にブリッジを介して連結されて形成され
たので、部品点数を減らせるとともに、組み込み工数を
減らせ、部品コストダウンを図れる。
【0017】加えて、前記樹脂被覆を、前記鋼板プレー
トの側面部分の少なくとも一部が露出するように被覆す
ることで、樹脂割れの原因となる応力集中を緩和でき、
これにより樹脂割れを防止できるとともに、使用樹脂量
を減らすことができ、コスト削減になる。
【0018】
【実施例】以下本発明によるシートベルト装置用スリッ
プアンカーの一実施例を図1乃至図3を参照して説明す
る。図1はスリップアンカー1の全体を示しており、こ
のスリップアンカー1は図2、図3に示したように心材
となる鋼板プレート10のほぼ全面を覆うように樹脂被
覆20を施した樹脂一体成形品で、その部位を機能に基
づいて分けて名称を付けると、アンカー固定部1Aと、
ウェビング案内部1Bとに分けることができる。
【0019】アンカー固定部1Aはスリップアンカー1
を車体フレームの一部である台座部分(図示せず)に固
定するための部位で、図1はその中央位置に形成された
取付孔2に嵌挿された取付ボルト(図示せず)介して取
付ボルト回りに揺動可能に支持された状態を示したもの
である。一方、ウェビング案内部1Bは、掛け渡された
ウェビングWの向きを変え、所定方向にウェビングWを
案内するための部位で、ウェビングWが挿通されるウェ
ビング挿通口3が形成されている。図1はウェビング挿
通口3にウェビングWが挿通された状態が模式的に示さ
れている。
【0020】鋼板プレート10は図2に示したように、
平板鋼板を打ち抜いた後、所定の曲げ加工、フランジ加
工が施されたプレス部品である。本実施例では使用鋼板
材料として機械構造用炭素鋼鋼材(JIS G405
1)の機械強度S55C、板厚t=3.2mmのものが
使用されている。同図に示したように鋼板プレート10
の上部中央位置には取付ボルト(図示せず)を挿通可能
な取付孔2aが形成され、その下側の幅広部分11には
ウェビングWを挿通するための開口12が形成されてい
る。この開口12は本実施例では図2及び図5(a)、
(b)に示したように高さ約10mm、約幅60mmの
横長孔で、開口両端部12aは斜め上向きをなして直径
約10mmに丸み付けされている。さらに開口縁全体に
わたり、バーリング加工によりフランジ付けされてい
る。このフランジ13部分は、フランジ張り出し方向が
ウェビング引き出し方向に一致し、フランジ高さはほぼ
鋼板プレート10の板厚程度に設定されている。また、
フランジ13のウェビングが挿通する側の面13aは図
5(c)に拡大して示したように所定の曲率をなす円弧
状に丸面取りされている。これによりフランジ13部分
が心材として樹脂被覆20と一体成形された際に鋼板と
樹脂との間の応力伝達を滑らかにすることができる。な
お、この丸面取りは1個の円弧で構成する必要はなく、
滑らかな丸みを帯びた曲面であれば、足りることは言う
までもない。なお、鋼板プレート10の表面には樹脂カ
バーC取付用の係止孔14が2箇所設けられており、こ
の係止孔14に樹脂カバーCに形成されている係止爪
(図示せず)を係止させることで樹脂カバーCをワンタ
ッチでスリップアンカー1に取り付けることができる。
【0021】鋼板プレートの塑性加工において、バーリ
ング加工と同時に図5(a)、(b)に示したように側
面視して全体が略「く」字形となるように矢印A方向か
らの曲げ加工が施されている。さらに開口12の下側プ
レート15部分には矢印B1、B2の両側からの曲げ加
工が施されている。矢印A方向からの曲げ加工により、
鋼板プレート10は図5(a)、(b)、図6に示した
ようにプレート取付面10aとの折れ角αとしてα=2
5°程度になるように曲げ加工される。これによりスリ
ップアンカー取付時にはオフセット量dだけウェビング
Wをスリップアンカー端面から離すことができ(図6参
照)、ウェビングWが引き出されたり、巻き戻されたり
する際に、ウェビングWが車体の一部に接触してウェビ
ングWの表面が汚れたりするのを防止することができ
る。
【0022】また、矢印B1、B2の両面側からの補剛
曲げ加工によりプレート下部15を所定の形状に折り曲
げ、ウェビングWからの作用力に対してプレート下部1
5の断面係数を増やすことができる。これにより開口1
2の周縁に形成されたフランジ13の効果とあいまって
鋼板プレート10の変形剛性を高めることができる。鋼
板プレート10の折り曲げ方向、角度は図5(a)に示
されたものに限定されないことは言うまでもなく、同図
(d)、(e)に示したような曲げ形状としても断面係
数増加が図れる。また、開口12の周縁のフランジ13
は図2では全周に形成されているが、ウェビング摺動案
内面側のプレート下部15側の開口縁部分のみでも良
い。
【0023】ここで、ウェビングWからスリップアンカ
ー1に外力が入力(作用)された場合のプレートのウェ
ビング挿通口3のフランジ部分13の強度特性について
簡単に説明する。本発明によるスリップアンカーのウェ
ビング挿通口3はバーリングによりフランジ付けされて
いる。これによりウェビング引き出し方向に対する変形
剛性が向上し、またウェビングWが摺動する際の接触面
積が大きくなる。これにより使用する鋼板プレート10
の板厚を厚くすることなく、鋼板プレート10の変形抵
抗性を高めることができる。
【0024】ところで、本発明によるスリップアンカー
では、図2に示したプレートをプレス打ち抜き加工(せ
ん断加工)により得ている。このとき孔あけ加工により
生じるせん断切り口の破断面(せん断すべりによるせん
断面の後端に発生する割れにより結晶粒が粗く現れた
面)位置に引張力が作用すると、この破断面近傍の強度
が局所的に低下することが実験的に確認された。そこ
で、本発明では、せん断切り口の破断面が開口12のフ
ランジ部分13のウェビング挿通側と反対側にくるよう
に、ブランクのポンチを当てる面を考慮してバーリング
加工を行っている。
【0025】すなわち、荷重作用方向との関係から説明
すると、乗員がシートベルト装置を通常の状態で装着し
ている場合の、ウェビングからスリップアンカーへ入力
される作用力の方向は、模式的に図5(a)の矢印F方
向で表せる。また、衝突時等の衝撃作用時には同図に示
したプレートの折れ曲げ角度よりに僅かに角度が変える
が、概ね矢印Fの方向に近い角度で作用力がかかること
が確認されている。そこで、図5(a)の矢印F方向に
対して同図に示したフランジ13の外側縁に破断面が位
置するようにした。これにより荷重が作用するほとんど
の方向に対して破断面を圧縮応力下に置くことができ、
バーリングによりフランジ付けした部位での強度低下を
防止することができるようにした。
【0026】スリップアンカーの樹脂被覆部分の構成に
ついて図3、図4及び図6を参照して説明する。樹脂被
覆20は図3に示したように鋼板プレート10を心材と
して、鋼板プレート10のほぼ全面を覆うようにして行
われている。本実施例では、被覆樹脂材料として熱可塑
性樹脂であるポリアセタール(POM)が使用されてい
る。ポリアセタールは機械的強度が高く、クリープ変形
性が小さい上、摩擦係数が小さいので、ウェビング摺動
案内部を備えたスリップアンカーの被覆樹脂として好適
である。その他の材料として、ポリアミド樹脂(P
A)、高密度ポリエチレン等も適しており、機械的強度
の他、耐摩耗性等に富んだ種々の材料を使用することが
できる。
【0027】樹脂被覆断面形状としては、図6に示した
ようにウェビングWが摺動して向きを変えるように大き
な曲率半径の摺動案内面21が形成されている。さら
に、図6から明かなように鋼板プレート10の開口12
まわりのフランジ13およびプレート下部15の補剛曲
げ加工部分が樹脂被覆20の心材となるように配置され
ている。また、使用樹脂材料の節約、部品軽量化のため
に、ウェビング摺動案内面21と反対に位置し、ウェビ
ングWからの作用力が直接作用しないような部分には、
リブで補強された中空部22が形成されている。
【0028】また、本発明では部品点数を減らすため
に、従来、別部品として取り付けられていたショルダー
ベアリングを樹脂被覆と同時に成形している。ショルダ
ーベアリングは鋼板プレートのボルト取付孔にボルトと
の間に介在するように装着される座金形状の樹脂部品
で、スリップアンカーが固定ボルト回りに揺動する場合
の音消しと、部材の摩耗防止を目的として設けられてい
た。そこで、本発明では図3及び図4に示したように樹
脂被覆成形と同時にプレート取付孔の内周縁にリング状
のショルダーベアリング23を成形した。これにより部
品点数の削減、組立工数の減少を図ることができる。図
6に図示したようにショルダーベアリング23の被覆厚
は他の被覆部分に比べて薄くしてよい。また、ショルダ
ーベアリング23はプレート両面に数カ所ずつ同時に形
成されたブリッジ24により位置保持されている(図4
参照)。
【0029】樹脂被覆されたスリップアンカーのウェビ
ング挿通口3の形状等について図4を参照して説明す
る。ウェビング挿通口3の高さはウェビング厚さの約
1.9倍程度に設定されており、ウェビングが引き出さ
れる際に、ねじれてその一部が重なったり、反転しない
ようになっている。
【0030】また、出願人が既に開示したように、ウェ
ビング挿通口3の両側には略U字形をなした逃げ部25
が形成されている。また、この逃げ部25を形成するた
め、ウェビング挿通部分との逃げ部25との連絡部分に
樹脂突起27が形成されている。この樹脂突起27は僅
かに斜め上方に向いて形成されており、ウェビングWが
引き出される際に、ウェビング引き出し方向に対して左
右に振れてウェビング側端部がウェビング挿通口3の端
部壁に当接しそうになると、ウェビングを僅かに上方に
逃がすように作用する。これによりウェビング側端部が
樹脂面に当接して摩耗したり、繊維が毛羽立ったりする
ことが防止されるようになっている。なお、図4から明
らかなように鋼板プレート10の開口12の形状はこの
逃げ部25を考慮して決定されている。このため鋼板プ
レート10の開口12の形状は樹脂被覆部分20の形状
に応じて種々変更できる。その場合に鋼板プレート10
の変形剛性アップのために開口縁の全周あるいはウェビ
ング摺動側にバーリング加工によりフランジ13を形成
することが好ましい。
【0031】次に、本発明によるスリップアンカーの他
の実施例として鋼板プレート10の回りの樹脂被覆20
を一部行わないようにした例を図7及び図8を参照して
説明する。図1等に示したスリップアンカー1では、鋼
板プレート10のほぼ全周にわたり、樹脂被覆20を施
し、鋼板プレート10と樹脂被覆20とが作用力に対し
て一体的に挙動できる構造とした。ところが、荷重が作
用していない場合でも温度変化の繰り返し作用等により
鋼板は僅かに伸縮する。この変形挙動に対し、使用した
樹脂が変形追従できないような場合には、応力集中個所
で樹脂割れが発生してしまうおそれがある。そこで、樹
脂被覆20を行う際に、鋼板プレート10の側面部分に
は樹脂被覆を行わないようにしたのが、図7に示したス
リップアンカー1である。同図に示したように樹脂被覆
20の断面形状は、ウェビング挿通口3近傍では図1に
示した形状と同じであるが、鋼板プレート10の側面部
分17が露出するように樹脂28を鋼板プレート10の
両面から挟んだような構造としている。
【0032】したがって、この実施例によるスリップア
ンカー1では、図8(a)に端面を示したように鋼板プ
レート10の側面17が見える。この結果、図8(b)
に示したように側面29の全体を覆ったスリップアンカ
ーよりも使用樹脂量を減らすことができるとともに、樹
脂割れによる製品劣化を防止することができるという利
点を有する。なお、鋼板プレート10の側面部分に樹脂
被覆を行わない範囲は、図8(a)に示したような鋼板
プレートの側面全部でなくても、樹脂割れを防止できる
程度に樹脂の応力集中を避けられる範囲であれば、部分
的なものでも良いことは言うまでもない。
【0033】以上の実施例の説明では、シートベルト装
置用スリップアンカーとして、特に車体のピラー位置に
固着されるいわゆるショルダアンカーに適用した例につ
いて説明したが、ウェビングをバックル装置に連結固定
するためのタングに本発明による構造を適用し、タング
部材の機械的性質の向上及び製造コストダウンを図るこ
とも当然可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、心材として使用する鋼板プレートに所定の塑
性加工を施すだけで部材の断面係数を増加させ、荷重作
用時の変形剛性を増加でき、このため使用鋼材の材料サ
イズ、樹脂使用量等を押さえたコンパクトな製品を作り
出すことができ、使用感が向上するとともに、部品製造
コストを大幅に下げることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシートベルト装置用スリップアン
カーの一実施例を示した斜視図。
【図2】図1に示したスリップアンカーの心材として使
用される鋼板プレートの形状の一例を示した斜視図。
【図3】図2に示した鋼板プレートに施される樹脂被覆
の状態を示した部分断面図。
【図4】図1に示したスリップアンカーの正面図。
【図5】図2に示した鋼板プレートのVa−Va断面線での
断面図、Vb−Vb断端面線での端面図、及び鋼板プレート
の補剛曲げ加工形状の変形例を示した断面図。
【図6】図3のVI−VI断面線で示したスリップアンカー
の断面図。
【図7】スリップアンカーの他の実施例を示した斜視
図。
【図8】図7のVIIIa−VIIIa端面線で示したスリップア
ンカーの端面図、図4のVIIIb−VIIIb端面線で示したス
リップアンカーの端面図。
【図9】従来のシートベルト装置用スリップアンカーの
一例を示した説明図。
【符号の説明】
1 スリップアンカー 3 ウェビング挿通口 10 鋼板プレート 12 開口 13 フランジ 15 プレート下部 20 樹脂被覆 23 ショルダーベアリング 21 摺動案内面 27 樹脂突起 C 樹脂カバー W ウェビング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−77409(JP,U) 実開 昭63−24063(JP,U) 実開 平2−120272(JP,U) 実開 平4−130568(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 22/12 - 22/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定部材により車体の一部に揺動可能に取
    着され、打ち抜き加工によりウェビング挿通開口が形成
    された鋼板プレートを心材として、少なくとも前記ウェ
    ビング挿通開口位置に樹脂被覆を施したウェビング摺動
    案内部を有するシートベルト装置用スリップアンカーに
    おいて、 前記鋼板プレートは、ウェビング挿通開口の前記打ち抜
    き加工により形成されたせん断切口の破断面がフランジ
    外側縁に位置するように、前記打ち抜き側からバーリン
    グ加工が施され、該開口に挿通されるウェビングが接触
    する側の開口縁にフランジが形成されるとともに、該フ
    ランジが形成された開口縁側部分の鋼板プレートに補剛
    曲げ加工が施されたことを特徴とするシートベルト装置
    用スリップアンカー。
  2. 【請求項2】前記鋼板プレートは、前記固定部材を挿通
    可能な取付孔が形成され、該取付孔に装着されるリング
    状の樹脂軸受部材が前記鋼板プレートの一部を覆う樹脂
    被覆にブリッジを介して連結されて形成されたことを特
    徴とする請求項1記載のシートベルト装置用スリップア
    ンカー。
  3. 【請求項3】前記樹脂被覆は、前記鋼板プレートの側面
    部分の少なくとも一部が露出するように被覆されたこと
    を特徴とする請求項1記載のシートベルト装置用スリッ
    プアンカー。
JP15514194A 1994-06-14 1994-06-14 シートベルト装置用スリップアンカー Expired - Lifetime JP3247548B2 (ja)

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