JP3260491B2 - 豆乳タンパク質高分子画分または豆乳ペプチドを含むカルシウム吸収促進組成物 - Google Patents

豆乳タンパク質高分子画分または豆乳ペプチドを含むカルシウム吸収促進組成物

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JP3260491B2 JP16277993A JP16277993A JP3260491B2 JP 3260491 B2 JP3260491 B2 JP 3260491B2 JP 16277993 A JP16277993 A JP 16277993A JP 16277993 A JP16277993 A JP 16277993A JP 3260491 B2 JP3260491 B2 JP 3260491B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨粗鬆症の予防に用い
ることのできる、カルシウム吸収促進組成物に関する。
さらに詳細には、本発明は、豆乳タンパク質高分子画分
または豆乳ペプチドを含み、カルシウム吸収を促進する
作用を有する、食品および医薬品として有用な組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】骨粗鬆症は、その病態である単位容積あ
たりの骨量の減少から、腰椎圧迫骨折や大腿骨頸部など
を引き起こしやすい。これらの骨折は、老人が「寝たき
り」となる主要な原因となっている。また、女性は閉経
によるエストロゲン分泌の低下から、閉経後骨量が急激
に減少し、骨粗鬆症になりやすい。さらに、骨粗鬆症の
治療は非常に難しく、減少した骨量を上げることは容易
ではない。したがって、骨粗鬆症はその予防が重要であ
り、そのためには若いときに骨量を高めておくこと、お
よび閉経後の急速な骨量減少を抑制することが必要であ
る。
【0003】骨粗鬆症の予防のためには、食事からの十
分なカルシウム摂取と適度な運動が重要であり、この目
的のために、これまでに様々なカルシウム供給源が開発
されてきた。しかし、腸管におけるカルシウム吸収は、
カルシウム塩の形態や共存する他の食品成分の影響を受
けることが知られており、カルシウム吸収機構の研究お
よびカルシウム吸収を促進する食品成分の開発が求めら
れている。
【0004】最近、豆乳がカルシウム吸収を促進し、骨
代謝を改善しうることが見いだされた(特願平第4−2
03453号)。しかしながら、豆乳中のいずれの成分
によって骨代謝の改善効果が得られるかは依然として不
明である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから本発明
は、豆乳中のカルシウム吸収促進作用を有する成分を解
明し、豆乳よりさらに効果的なカルシウム吸収促進組成
物を提供することを目的とする。さらに本発明は、骨粗
鬆症の予防に有用であり、食品または医薬品に使用しう
る組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カルシウ
ム代謝に影響を及ぼす因子に関して鋭意研究した結果、
豆乳タンパク質高分子画分ならびに豆乳ペプチドがカル
シウム吸収促進作用を有することを見い出し、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、成分として豆
乳タンパク質高分子画分または豆乳ペプチドを含む、カ
ルシウム吸収促進作用を有する組成物を提供する。
【0007】本発明の組成物に用いられる豆乳タンパク
質高分子画分は、以下のようにして調製することができ
る。まず、大豆をアルカリ性条件下で煮沸し、次にアル
カリ性条件下で破砕して、豆乳を製造する。出発材料と
しては、豆乳の市販品を用いてもよい。次に、豆乳をN
TU−3250−C1R(日東電工株式会社製;公称分
画分子量6000(タンパク))等の分子量分画用の膜
を用いて分別した後、乾燥して粉末化することにより豆
乳タンパク質高分子画分を調製することができる。乾燥
は、凍結乾燥の他、真空乾燥、噴霧乾燥法など、いずれ
の方法によって行ってもよい。
【0008】本発明の組成物に用いられる豆乳ペプチド
は、豆乳をプロテアーゼで処理した後、凍結乾燥等によ
り粉末化して得られる。使用する酵素はタンパク分解酵
素であり、特に、アスペルギルス属およびバチルス属の
微生物が産生するエンド型、エキソ型プロテアーゼを用
いることができる。なお、これらの酵素として、市販の
プロテアーゼも使用可能である。
【0009】このタンパク分解酵素を使っての処理条件
としては、酵素量0.01〜0.1重量%、好ましく
は、0.015〜0.02重量%であり、処理温度は4
0〜70℃、好ましくは50〜60℃であり、処理時間
は30〜120分間、好ましくは60分前後であり、そ
して、pH域(安定)は、pH5.0〜9.0、好まし
くはpH6.0〜8.0で行われる。
【0010】さらに、酵素の失活条件としては、処理温
度は100〜150℃、好ましくは120〜145℃で
あり、処理時間は3〜60秒である。
【0011】次に、得られた溶液を凍結乾燥による方法
あるいは、真空乾燥法、噴霧乾燥法により粉末化する。
【0012】組成物中の豆乳タンパク質高分子画分の濃
度は、好ましくはタンパク源の5%〜80%であり、よ
り好ましくは20〜40%であり、最も好ましくは30
%である。また、豆乳ペプチドの濃度は、好ましくはタ
ンパク源の5%〜25%であり、最も好ましくは10%
である。組成物中の他の成分としては、水、塩類、他の
タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミンおよびミネラル
等を含むこともできる。また、本発明の組成物を医薬品
として用いる場合には、澱粉または乳糖等の賦形剤を含
むこともできる。
【0013】本発明の特徴は、本発明の組成物を飼料と
して飼育した骨粗鬆症モデル実験動物を用いた実験によ
って明らかにされた。後述する実施例に示すように、卵
巣摘出術を施したラットを低カルシウム食で飼育した
後、カゼインのみをタンパク源とするカゼイン食(C
群)、タンパク源の3割を豆乳粉末に置き換えた豆乳食
(SBM群)、タンパク源の3割を豆乳粉末高分子画分
に置き換えた豆乳高分子食(HSBM群)、1割を豆乳
ペプチドに置き換えた豆乳ペプチドI食(SBMPI
群)、および0.4割を豆乳ペプチドに置き換えた豆乳
ペプチドII食(SBMPII群)で飼育した。所定期間飼
育した後、解剖して、骨密度、大腿骨の骨破断力、骨破
断エネルギー、およびカルシウム吸収の差異を測定した
ところ、以下の事実が明らかになった。
【0014】大腿骨破断力および破断エネルギーについ
ては、豆乳高分子食(HSBM)群、および豆乳ペプチ
ドI食(SBMPI)群、豆乳ペプチドII食(SBMPII
群)は、カゼイン食(C)群および豆乳食(SBM)群
と比較して、有意に増強、あるいは、高値傾向を示し
た。また、海綿骨主体の脛骨近位1/3および皮質骨主体
の脛骨骨幹部の骨密度、ならびに海綿骨主体の腰椎骨密
度については、HSBM群、SBMPI群、SBMPII
群ともC群に対して有意な高値を示した。海綿骨主体の
脛骨近位1/3および皮質骨主体の脛骨骨幹部の骨密度、
ならびに海綿骨主体の腰椎骨密度については、SBMP
I群は、SBM群に対して高値傾向を示した。海綿骨主
体の腰椎骨密度については、HSBM群、SBMPI群
は、SBM群に対して高値傾向を示した。
【0015】さらに、腸管からのカルシウム吸収率につ
いても、HSBM群、SBMPI群、SBMPII群とも
C群に対して高値傾向を示し、また、HSBM群、SB
MPI群、SBMPII群ともSBM群に対して、有意な
高値、あるいは高値傾向を示した。
【0016】以上のことから、本発明の組成物は、腸管
におけるカルシウム吸収を促進する作用を有しており、
骨密度および骨強度を増加させることから、骨粗鬆症の
予防に有用であることが期待される。
【0017】本発明の組成物は、食品に使用して、日常
の食生活において適量を摂取することができる。特に大
豆製品は、高齢者にも味・食感ともに好まれていること
から、食生活に豆乳の成分を含む食品を取り入れること
は比較的容易であり、その有効性は実際的であると考え
られる。
【0018】摂取量に関しては特に制限はないが、栄養
のバランスを考慮の上、他の食品と適宜組み合わせて摂
取することが好ましい。また、飼料中に添加することに
よって、家畜等の動物に与え、栄養改善を図ることもで
きる。本発明の組成物は、さらに、骨粗鬆症の予防に有
効な医薬品成分としても用いることができる。
【0019】以下に、実施例によって、本発明をさらに
詳細に説明する。
【0020】
【実施例】
(実験方法) 1.豆乳タンパク質高分子画分の調製 丸大豆を沸騰している1%炭酸水素ナトリウム水溶液中
に投入し、6分間加熱した。得られた熱処理大豆を90
℃以上に加熱した0.1%炭酸水素ナトリウム水溶液を
注ぎながら摩砕した。この大豆摩砕液を80℃以上に加
熱して、200メッシュの振動篩で粕分を分離し、豆乳
を得た。
【0021】この豆乳を、分子量分画用膜(NTU−3
250−C1R、日東電工株式会社製)を用い、透過
液、濃縮液を得た。この濃縮液を凍結乾燥し粉末化を行
い、目的とする豆乳タンパク質高分子画分を得た。
【0022】2.豆乳ペプチドの調製 前述した豆乳に、あらかじめ水に溶かしたタンパク分解
酵素、サモアーゼY10(大和化成株式会社製)を、
0.02重量%になるように添加し、温度55℃±2℃
で60分間、pH7.5〜8.0の処理条件下で該豆乳
を加水分解して低分子化させた。その後加水分解された
豆乳液中の酵素を失活させるために、145℃で5秒間
加熱処理をした。この溶液を凍結乾燥して、目的とする
豆乳ペプチドを得た。
【0023】3. 実験動物および飼育条件 実験動物には、体重約150gの6週齢SD系雌ラット
31匹を使用した。動物には卵巣摘出術を施し、低Ca
食(0.01% Ca、0.3% P)で29日間飼育し
た後、4群に分けた。タンパク源として従来用いられて
いるカゼインのみをタンパク源とするカゼイン食(C
群)、タンパク源の3割を豆乳粉末に置き換えた豆乳食
(SBM群)、タンパク源の3割を豆乳粉末高分子画分
に置き換えた豆乳高分子食(HSBM群)、1割を豆乳
ペプチドに置き換えた豆乳ペプチドI食(SBMPI
群)、および0.4割を豆乳ペプチドに置き換えた豆乳
ペプチドII食(SBMPII群)で28日間飼育した。こ
れらの飼料はいずれも、CaCO3をCa源とし、0.3
%のCa、0.3%のPおよび8%のNを含む。表1に
試験食に用いた豆乳粉末、豆乳タンパク質高分子画分、
および豆乳ペプチドの組成を、表2に試験食の組成をそ
れぞれ示す。飼料は、脱イオン・蒸留水とともに自由摂
取させた。なお、飼育は個別ケージ(15×25×1
9.5cm)を用い、室温23±1℃、湿度50±5
%、12時間毎の明暗サイクル(7:00a.m.〜7:0
0p.m. 7:00p.m.〜7:00a.m.)の環境で行
った。
【0024】
【表1】
【表2】 4. 血清生化学検査 動物は、解剖前夜7:00から絶食させ(7:00p.m.
〜9:00a.m.)、エーテル麻酔下で下大動脈より採
血し、遠心分離(2500rpm、15分)により血清
を採取した。その後、Caは原子吸光法(島津AA−6
40−12型原子吸光光度計)、Pは Fiske-SubbaRow
法、タンパクはビュレット法により測定した。また、鉄
(Fe)は比色法により測定した。さらに、総コレステ
ロール、HDL−コレステロールおよびトリグリセライ
ド(TG)は酵素法により測定した。
【0025】5. 腰椎および脛骨の骨密度の測定 解剖時に腰椎および左右脛骨を採取し、周囲軟部組織を
除去した。摘出骨はそれぞれ、二重X線骨密度測定装置
(DEXA装置:Hologic社製QDR−1000)を用
いて骨密度を測定した。この装置は、本来ヒトの腰椎お
よび大腿骨の骨密度の測定のために開発されたものであ
る。ラットをはじめとする小動物の骨密度はヒトに比べ
て極めて低いので、本実施例においては、このDEXA
装置のX線発生装置に小動物用のコリメーターを取り付
け、ビームを絞り、さらにラットモード(rat mo
de, Version 2.0 software:
Ultra High Resolution Sca
n Mode)を使用して、スキャン幅を狭くし、スキ
ャン数を多くして時間をかけて測定することによって、
腰椎および左右脛骨の骨密度を測定した。なお、腰椎骨
密度として、第4・第5腰椎を測定に供し、その合計を
腰椎骨密度として解析した。また、脛骨は全体を測定し
たのち、海綿骨主体の近位部、および皮質骨主体の骨幹
部に分割して解析を行った。
【0026】 6. 大腿骨破断特性、骨重量および灰分量の測定 解剖時に左右大腿骨を採取し、周囲軟部組織を除去後、
新鮮骨重量を測定した。次に、破断特性測定装置(飯尾
電気製 DYN−1255)を用いて、支点間距離1c
m、プランジャースピード 100mm/m、ロードレ
ンジ 50kg、チャートスピード 120cm/mの
条件下で大腿骨骨幹部中央(皮質骨)を破断し、破断力
および破断エネルギーを求めた。この破断した大腿骨
は、さらに98℃の乾燥器中で24時間乾燥させ、乾燥
重量を求めた。ついで、550〜600℃のマッフル中
で灰化し恒量を得て灰化重量とした。その後、1N硝酸
に溶解し、左右大腿骨中Ca含量およびP含量を血清同
様の方法により測定した。
【0027】 7. Ca、P出納およびクレアチニン排泄量 飼育期間中、試験食開始直前の2日間(低Ca食による
飼育期間の最終2日間)代謝ケージに入れ、24時間尿
および糞を採取した(代謝ケージI)。なお、尿はCa
が沈澱するのを防ぐために、6N塩酸1mlをあらかじ
め採尿瓶にいれ、塩酸酸性の条件で採取した。さらに試
験食開始後、第2日、第3日目(代謝ケージII)、第1
3日、第14日目(代謝ケージIII)、および解剖直前
の第26日、第27日目(代謝ケージIV)に代謝ケージ
に入れ、24時間尿および糞を2日間採取した。採取し
た24時間尿は、直ちに遠心分離(2500rpm.1
5min.)し、その上清を用いて、血清同様の方法で
尿中CaおよびP排泄量を測定した。さらに、尿中クレ
アチニン(Cr)排泄量の測定をFolin−Wo法に
より行った。また、糞は異物を除去後、550〜600
℃のマッフル中で灰化(約20時間)後、1N硝酸に溶
解し、糞中CaおよびP排泄量を血清同様の方法で測定
した。なお、各出納実験に用いた試料のCa含量の実測
値は、低Ca食:0.012%、カゼイン食(C):0.
294%、豆乳食(SBM):0.310%、豆乳粉末
高分子食(HSBM):0.307%、豆乳ペプチドI食
(SBMPI):0.307%、豆乳ペプチドII食(S
BMPII):0.308%であった。また、P含量の実
測値は、低Ca食:0.297%、カゼイン食(C):
0.309%、豆乳食(SBM):0.318%、豆乳粉
末高分子食(HSBM):0.302%、豆乳ペプチドI
食(SBMPI):0.302%、豆乳ペプチドII食
(SBMPII):0.311%であった。これらの値を
用いて、CaおよびP出納を計算した。
【0028】6. 統計処理 それぞれのパラメーターの各データの有意差検定はt−
testを用いた。
【0029】(結果)1日あたりの体重増加量、飼料採
取量および飼料効率を表3に示す。体重増加量において
は、HSBM群はC群に比べて有意な高値(P<0.0
1)を示し、SBMPI群およびSBMPII群は高値傾
向を示した。また、HSBM群およびSBMPI群は、
SBM群に対して高値傾向を示した。
【0030】一方、飼料摂取量においては、各群間に差
は見られなかった。また、飼料効率においては、HSB
M群はC群に対して有意な高値(P<0.01)を示
し、HSBM群、SBMPI群はSBM群に比べ高値傾
向を示した。
【0031】
【表3】 血清総タンパク質レベル、Ca、PおよびFeレベル
は、表4−1に示すように各群間に有意な差はみられ
ず、いずれも正常範囲内であった。さらに、表4−2に
示すように、総コレステロールレベルにおいて、HSB
M群、SBMPI群はC群およびSBM群に比べ低値傾
向を示した。また、SBMPII群はC群に比べ低値傾向
を示した。
【0032】TGレベルにおいては、SBMPI群、S
BMPII群ともC群に比べて低値傾向を示したが、いず
れもSBM群に比べて差はなかった。
【0033】
【表4】 図1に海綿骨主体の腰椎骨密度を示す。HSBM群、S
BMPI群、SBMPII群のいずれもC群に比べ有意な
高値を示した(P<0.01、P<0.01、P<0.0
5)。また、HSBM群、SBMPI群は、SBM群に
比べ高値傾向を示した。図2に示すように、腰椎と同様
に海綿骨主体の脛骨近位部の骨密度においても、C群に
比べHSBM群、SBMPI群、SBMPII群のいずれ
も有意な高値(P<0.001、P<0.01、P<0.
05)を示した。また、SBMPI群は、SBM群に比
べ高値傾向を示した。さらに、図3に示すように、皮質
骨主体の脛骨骨幹部においても、C群に比べHSBM
群、SBMPI群、SBMPII群のいずれも有意な高値
(P<0.001、P<0.05、P<0.01)を示し
た。また、SBMPI群は、SBM群に比べ高値傾向を
示した。
【0034】大腿骨破断特性試験の結果を図4および図
5に示す。破断力(図4)においては、C群に比べHS
BM群、SBMPI群とも有意な高値(P<0.01、P
<0.001)を示し、SBMPII群は高値傾向を示し
た。また、SBM群と比べ、SBMPI群は有意な高値
(P<0.05)を示し、HSBM群は、高値傾向を示
した。
【0035】大腿骨破断エネルギーにおいても、C群に
比べHSBM群、SBMPI群とも有意な高値(P<0.
05、P<0.01)を示し、SBMPII群は高値傾向
を示した。また、SBM群に比べHSBM群、SBMP
I群は高値傾向を示した。
【0036】表5に大腿骨の新鮮重量、乾燥重量、およ
び灰化重量を示す。新鮮重量、乾燥重量のいずれにおい
ても、C群およびSBM群に比べ、HSBM群およびS
BMPI群は高値傾向を示した。また、灰化重量におい
ては、C群に比べHSBM群、SBMPI群とも有意な
高値(P<0.01、P<0.05)を示し、HSBM
群、SBMPI群は、SBM群に比べ高値傾向を示し
た。なお、SBMPII群については、新鮮重量、乾燥重
量、灰化重量のいずれにおいても差がみられなかった。
【0037】
【表5】 表6に大腿骨中CaおよびP含量を示す。大腿骨中Ca
含量およびP含量のいずれにおいても、C群に比べ、H
SBM群、SBMPI群とも有意な高値(P<0.00
1、P<0.001)を示した。SBMPII群について
も高値傾向あるいは有意な高値(P<0.05)を示し
た。
【0038】
【表6】 図6に、腸管からのカルシウム吸収率を示す。腸管から
のカルシウム吸収率においては、HSBM群、SBMP
I群、SBMPII群のいずれも、C群およびSBM群に
比べ、試験食開始直後より有意な高値または高値傾向を
示し、試験食による飼育期間中、すべてのフェーズにお
いて高値を示した。また、吸収量、蓄積量および蓄積率
のいずれにおいても同様の結果であった。
【0039】なお、尿中クレアチニン排泄量において
は、各群間に差はなく、いずれも正常範囲内であった。
【0040】さらに、タンパク源中の高分子画分の割合
を変化させて上述と同様の試験を行った。結果を次の表
7に示す。
【0041】
【表7】 (参考例)タンパク源の3割を豆乳ペプチドに置き換え
た豆乳ペプチド食(SBMPIII群)について、上述の
実施例と同様の試験を行った。対照としては、カゼイン
のみをタンパク源とするカゼイン食(C群)を用いた。
【0042】1日あたりの体重増加量、飼料採取量およ
び飼料効率については、SBMPIII群とC群の間に有
意差は見られなかった。
【0043】血清総タンパク質レベル、Ca、Pおよび
総コレステロールレベルは、SBMPIII群とC群の間
に有意な差は見られず、いずれも正常範囲内であった。
血清Feレベルについては、SBMPIII群はC群に比
べ有意な高値を示した(P<0.05)。
【0044】海綿骨主体の腰椎骨密度、海綿骨主体の脛
骨近位部の骨密度および皮質骨主体の脛骨骨幹部骨密度
については、SBMPIII群とC群の間に有意差は見ら
れなかった。
【0045】大腿骨破断力においては、SBMPIII群
はC群に比べ有意な低値(P<0.05)を示し、大腿
骨破断エネルギーにおいても、SBMPIII群はC群に
比べ有意な低値(P<0.05)を示した。
【0046】大腿骨の新鮮重量、乾燥重量、および灰化
重量のいずれにおいても、SBMPIII群とC群の間に
有意差は見られなかった。また、大腿骨中CaおよびP
含量についても、SBMPIII群とC群の間に有意差は
見られなかった。
【0047】腸管からのカルシウム吸収率においては、
SBMPIII群はC群に比べ、試験食開始直後(代謝ケ
ージII)に低値傾向を示したが、その後は高値傾向を示
した。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、海綿骨主体の腰椎骨密度を示す。
【図2】は、海綿骨主体の脛骨近位部骨密度を示す。
【図3】は、皮質骨主体の脛骨骨幹部骨密度を示す。
【図4】は、大腿骨破断力を示す。
【図5】は、大腿骨破断エネルギーを示す。
【図6】は、腸管からのカルシウム吸収率を示す。
【符号の説明】
C :カゼインのみを窒素源とした実験群 SBM :70%のカゼインおよび30%の豆乳粉末を窒
素源とした実験群 HSBM :70%のカゼインおよび30%の豆乳タンパク
質高分子画分を窒素源とした実験群 SBMPI:90%のカゼインおよび10%の豆乳ペプチド
を窒素源とした実験群 SBMPII:96%のカゼインおよび4%の豆乳ペプチド
を窒素源とした実験群 I、II、IIIおよびIVは、代謝ケージにおいて代謝を測定
した時期を示す。 I:試験食開始直前の2日間(低Ca食による飼育期間
の最終2日間) II:試験食開始後第2日および3日目 III:試験食開始後第13日および14日目 IV:試験食開始後第26日および27日目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 38/00 A61P 19/10 A61P 19/10 A61K 37/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/304 - 1/305 A23J 3/16 - 3/34 A61K 35/78 A61P 19/10 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンパク源の7%〜70%濃度の豆乳タン
    パク質高分子画分を含む、カルシウム吸収促進食品組成
    物。
  2. 【請求項2】 タンパク源の7%〜70%濃度の豆乳タン
    パク質高分子画分を含む、カルシウム吸収促進医薬組成
    物。
  3. 【請求項3】 タンパク源の5〜25%濃度の豆乳ペプチ
    ドを含む、カルシウム吸収促進食品組成物。
  4. 【請求項4】 タンパク源の5〜25%濃度の豆乳ペプチ
    ドを含む、カルシウム吸収促進医薬組成物。
JP16277993A 1993-06-30 1993-06-30 豆乳タンパク質高分子画分または豆乳ペプチドを含むカルシウム吸収促進組成物 Expired - Fee Related JP3260491B2 (ja)

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