JP3290921B2 - 空気調質方法およびその装置 - Google Patents

空気調質方法およびその装置

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JP3290921B2 JP13030297A JP13030297A JP3290921B2 JP 3290921 B2 JP3290921 B2 JP 3290921B2 JP 13030297 A JP13030297 A JP 13030297A JP 13030297 A JP13030297 A JP 13030297A JP 3290921 B2 JP3290921 B2 JP 3290921B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、循環ポンプを用い
て空気中にシャワー状または霧状に噴射した水等の液体
の運動エネルギーにより、その空気を移送すると共に、
この液体により空気に対して浄化、加熱、冷却、溶質あ
るいは薬剤の添加などの操作を行い、空気の清浄度、湿
度、温度などの質的な調整をも行う空気調和のための空
気調質方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から一般的に用いられている空気調
和機は、冷却コイルによる空気の冷却および該冷却に伴
う除湿、加熱コイルによる加熱、空気フィルターによる
浄化、送風機による搬送など、空気の冷却および除湿、
加熱、浄化、搬送等の機能をそれぞれ別々な機器に負担
させ、それらにより総合的に空気調和を実現するもので
ある。
【0003】また、従来から、空気調和機の一部として
水シャワー式の加湿装置が用いられているが、この加湿
装置も、送風機によって吸引した空気を空気加熱器によ
って加熱し、この空気に水を噴霧して必要な湿度を得る
ものであって、空気調和機の一部の機能を負担させるた
めに用いられるものである。このため、通常、空気調和
機は容積が大きく、稼動のためのエネルギー消費量が必
要以上に大きく、その設置費用も大きいものになってい
る。
【0004】一方、加湿器には、水を沸騰させて得られ
る蒸気を吹き出す方式や、超音波などの機械的な力によ
って水を微細な粒子にして吹き出す方式がとられている
が、それらの問題点としては下記の事項があげられる。 1、蒸気を吹き出す方式では、約100℃の生の蒸気が
吹き出されるために温度と熱量の点で危険性があり、微
細な水粒子を吹き出す方式では、水の微粒子に含まれる
不純物が飛散して室内を汚染する。 2、吹き出された蒸気や水粒子は、常温の空気に触れて
すぐには全てが気化せず、微細な水滴となって浮遊し、
この状態で物体に触れると濡れを生じる。さらに、これ
が継続すると漏水事故の原因となる。 3、水滴噴霧の場合には、水滴が空気中の熱を奪って気
化するために、常に空気の温度を低下させる。 4、無制限に加湿が実行されるので、過加湿による事故
の危険性があり、これを防ぐために信頼性の高い高価な
湿度調節の制御系が必要となる。 5、加湿のみが実行され、浄化、温度調節等の機能は他
に依存している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の基本的な技術
的課題は、上述した従来の空気調質に関連する技術の問
題点を解消し、シャワー状または霧状に噴射した水の運
動エネルギーおよび位置のエネルギーを利用して空気を
移送すると共に、上記水に対する浄化、加熱、冷却、溶
質あるいは薬剤の添加などの操作により、上記空気の清
浄度、湿度、温度等の質的な調整を行い、もって、各種
機能をそれぞれ別々な機器に負担させることなく、簡単
な構成および少ないエネルギー消費により空気調和の目
的に資することにある。
【0006】本発明の他の技術的課題は、上記噴射する
水粒子のエネルギーによって空気を移送し、すなわち送
風機を用いることなく空気を循環させ、これにより、送
風機の設置およびその稼動コストを不要にするばかりで
なく、送風機による騒音の問題をも考慮する必要をなく
した空気調質方法およびその装置を提供することにあ
る。
【0007】本発明の他の技術的課題は、水の粒子を空
気と接触させることによって空気を飽和湿度の近くまで
加湿することができ、しかも、上記水に対して予め加
熱、冷却等の操作を行うだけで、調質空気の湿度、温度
等の質的な調整を同時に行うことができる空気調質方法
およびその装置を提供することにある。また、本発明の
他の技術的課題は、空気中に噴射する水の粒子の吸着力
によって空気を洗浄し、空気中の塵埃、煙、花粉などの
固形物ばかりでなく、臭気等の水溶性ガスをも除去でき
るようにした空気調質方法およびその装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の空気調質方法は、内部にシャワー室を形成す
る筒状容器の上部から、該シャワー室の上部に導入した
空気中に、シャワー室下底の水受け内の水を循環ポンプ
によりシャワー状または霧状に噴射し、この水の運動エ
ネルギーおよび位置のエネルギーによって、上記シャワ
ー室内の空気を下方に随伴させると共に、上記水に対し
て予め浄化、加熱、冷却、または溶質若しくは薬剤の添
加の操作を行い、シャワー室下部から導出する調質空気
の清浄度、湿度、温度等の質的な調整を行うことを特徴
とするものである。
【0009】また、上記課題を解決するための本発明の
空気調質装置は、内部にシャワー室を形成する筒状容器
の上部に、空気導入口を開口させると共に、該空気導入
口から導入した空気中にシャワー室下底の水受け内の水
を循環ポンプを介して下方に向けシャワー状または霧状
に噴射するノズルを設け、上記筒状容器の下方には、上
記水の運動エネルギーおよび位置のエネルギーによって
下方に随伴せしめられた空気を導出する空気導出口を設
け、上記水に対して、浄化、加熱、冷却、または溶質若
しくは薬剤の添加の操作を行い、それにより空気導出口
から導出する調質空気の清浄度、湿度、温度等の質的な
調整を行うための操作手段を付設したことを特徴とする
ものである。
【0010】上記空気調質装置においては、操作手段と
して、循環ポンプを備えた外部管路に、循環する水を加
熱または冷却する加熱・冷却器を設け、この加熱・冷却
器に温度調節器を付設し、筒状容器の空気導入口および
空気導出口に設けた温度センサにより検出される空気温
度に基づいて、その温度調節器による加熱・冷却量を制
御するすることができる。また、上記操作手段として
は、循環ポンプを備えた外部管路に、シャワー室に噴射
されたときに空気との間で吸湿あるいは放湿するところ
の塩を循環水に溶解させる溶解槽を設けることもでき
る。
【0011】上記構成を有する空気調質方法およびその
装置においては、循環ポンプにより水受け内の水をノズ
ルに圧送し、空気導入口からシャワー室に導入された空
気中にシャワー状または霧状に噴射すると、この水の運
動エネルギーおよび位置のエネルギーによって、シャワ
ー室内の空気が下方に随伴せしめられ、シャワー室下底
まで水滴が落下する間の蒸発により加湿された空気が、
空気導出口から空気調質しようとする部屋その他の空間
に送出される。その際、水に対して予め浄化、加熱、冷
却、または溶質若しくは薬剤の添加の操作を行うことに
より、空気導出口から送出する調質空気の清浄度、湿
度、温度等の質的な調整を行うことができる。
【0012】従って、シャワー状または霧状に噴射した
水のエネルギーを利用して加湿空気を移送すると同時
に、上記水に対する浄化、加熱、冷却などの操作により
空気の質的な調整を行う、という簡単な構成および少な
いエネルギー消費により、空気調和の目的を達成するこ
とができ、特に、空気の移送に送風機を用いないので、
送風機の設置およびその稼動コストを不要にするばかり
でなく、送風機による騒音の問題を考慮する必要もな
い。また、水の粒子が空気と接することにより空気を飽
和湿度の近くまで加湿することができ、この場合に、循
環ポンプによって水に与えられたエネルギーは、主とし
て送風に供されるが、残りの部分は熱に転化する。しか
し、これは水の気化熱として加湿に寄与するので、エネ
ルギーの損失は基本的に生じない。
【0013】さらに、上記空気調質方法および装置にお
いては、水の粒子を空気と接触させることによって空気
を飽和湿度の近くまで加湿することができるが、空気の
相対湿度が100%に達すればそれ以上の加湿は不可能
となる。このため、加湿の過剰による水漏れ事故等には
本質的に安全性が高く、湿度の制御系を単純化すること
ができる。しかも、上記加湿は空気から気化熱を奪うの
で、温度を重視すれば空気の冷却ができ、冷房器として
機能させることができ、特に、循環水を冷却器を用いて
冷却すれば、この効果が高められる。また、シャワー室
において空気中に噴射する水の粒子の吸着力により空気
が洗浄されるので、空気中の塵埃、煙、花粉などの固形
物ばかりでなく、臭気等の水溶性ガスも除去される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る空気調質装
置の基本構成をもつ第1実施例を示すものである。この
空気調質装置は、内部にシャワー室2を形成する円筒状
の容器1の上部に空気導入口3を開口させると共に、該
容器1の下方に空気を導出する空気導出口4を設けてい
る。空気導出口4には、必要に応じて水滴エリミネータ
ー5を設けることができる。これらの空気導入口3およ
び空気導出口4は、適宜ダクト等を通して空気調質しよ
うとする部屋その他の空間に接続されるものである。上
記筒状容器1の上部には、空気導入口3から導入した空
気中に下方に向けてシャワー状または霧状に水を噴射す
るノズル6を設けると共に、このノズル6から噴射され
る噴霧の周囲におけるシャワー室2の内壁に、該噴射に
より空気導入口3からの空気を吸引できるようにするた
めの狭窄部8を設けている。シャワー室2は、空気導入
口3から空気導出口4に向けて空気が滑らかに流通でき
るようにするため、上記狭窄部8の部分はともかくとし
て、その断面を略均一にしている。
【0015】また、上記筒状容器1の下方におけるシャ
ワー室2の下底には、ノズル6から噴射した噴霧で水粒
子として落下したものを受ける水受け9を設け、この水
受け9にはそこに流下した水を循環使用するための排水
口10を設け、さらに、補給水口11と排水のためのオ
ーバーブロー口12を設けて、それらに水位と水質を維
持する役割をもたせている。なお、上記の補給水口11
やオーバーブロー口12は、以下に説明する外部管路1
3に設置してもよい。また、上記水受け9内には、必要
に応じて、シャワー室上部から滴下する水滴の滴下音を
消すための緩衝材を収容しておくこともできる。
【0016】上記排水口10からノズル6に至る外部管
路13には、フィルター15と循環ポンプ16を順次配
設している。上記フィルター15は、シャワー室2内に
おいて微細な水滴が空気から吸着除去した異物を捕捉
し、ノズル6の目詰まりを防ぐものであるが、上記フィ
ルター15を比較的大きな異物の捕捉に適合させ、上記
循環ポンプ16とノズル6との間の管路に、ノズル6の
目詰まりを防止するためのフィルターを別設することも
できる。また、上記循環ポンプ16は、シャワー室下底
の水受け9内に流下した水をノズル6に圧送し、循環さ
せるためのものである。
【0017】上記構成を有する空気調質装置において
は、循環ポンプ16を駆動し、水受け9内の水を排水口
10からフィルター15を通してノズル6に圧送し、筒
状容器1の上部の空気導入口3からシャワー室2に導入
された空気中に、該ノズル6からシャワー状または霧状
に噴射すると、この水の運動エネルギーおよび位置のエ
ネルギーによって、シャワー室2内の空気が下方に随伴
せしめられ、シャワー室下底まで水滴が落下する間の蒸
発により空気が加湿されて、その加湿空気が空気導出口
4から適宜ダクト等を通して空気調質しようとする部屋
その他の空間に送出される。この場合に、水の粒子を空
気と接触させるので、空気を飽和湿度の近くまで加湿す
ることができるが、空気の相対湿度が100%に達すれ
ばそれ以上の加湿は不可能となる。このため、湿度の制
御系を設けるにしてもそれを単純化することができる。
【0018】上記循環ポンプ16の駆動によって水に与
えられたエネルギーは、主として空気の移送に供される
が、残りの部分は熱に転化する。しかし、これは水の気
化熱として加湿に寄与するので、エネルギーの損失は基
本的に生じない。また、出口空気の温度は入口空気の湿
球温度に向かって低下するが、循環ポンプ16のエネル
ギーによってその低下は抑制される。しかし、上記加湿
は空気から気化熱を奪うので、条件によっては冷房器と
して機能させることができる。
【0019】上記シャワー室2における加湿によって、
ノズルから噴射した水は蒸発し、水受け9内の水位は次
第に低下するが、この場合には、水受け9に設けた水位
計等により上記水位を検知し、補給水口11から補給水
を補給すればよい。補給水を過剰に補給すれば、過剰分
は劣化した循環水をオーバーブロー口12からブローと
し排出するので水質の維持が計られる。また、シャワー
室2において空気中に噴射する水の粒子の吸着力により
空気が洗浄されるので、空気中の塵埃、煙、花粉などの
固形物ばかりでなく、臭気等の水溶性ガスも空気中から
除去される。除去された異物は、外部管路13のフィル
ター15によって捕捉され、あるいはオーバーブロー口
12からブローと共に系外に排出される。
【0020】このように、ノズル6から噴射した水のエ
ネルギーを利用して、シャワー室2の加湿空気を移送す
ることができ、それと同時に、以下に説明するように、
上記水に対する加熱、冷却などの操作手段を付設するこ
とにより、空気の質的な調整を行うことができる。この
操作手段は、水に対して浄化、加熱、冷却、または溶質
若しくは薬剤の添加等の操作を行うもので、これによ
り、空気導出口4から導出する調質空気の清浄度、湿
度、温度等の質的な調整を行うことができる。そして、
これらは、簡単な構成および少ないエネルギー消費によ
り行うことができ、特に、空気の移送に送風機を用いな
いので、送風機の設置およびその稼動コストが不要であ
るばかりでなく、送風機による騒音の問題もない。
【0021】図2に示す第2実施例は、上記操作手段と
して、循環ポンプ16の下流における外部管路13に加
熱器21を設け、循環する水を加熱するようにした場合
を示すものである。この加熱器21による加熱量の制御
は、空気導入口3の近辺に設けた温度センサ22により
検出される入口空気の温度Taiと、空気導出口4の近辺
に設けた温度センサ23により検出される出口空気の温
度Taoに基づき、温度調節器24によって行われる。
【0022】いま、Tao=Tai とすれば、加熱量はす
べて空気側の潜熱となり、空気に温度変化を与えること
なく、より多くの加湿ができるようになる。また、Tao
=Tai+△T とすれば、△Tの大きさに応じて加湿量
の増大が図られ、より大きな加湿負荷を充足することが
できる。しかも、この場合には同時に温度の上昇を伴う
ので、暖房負荷も充足される。一般に空調では、加湿負
荷と暖房負荷は共存するので、この場合の温度上昇は損
失とはならない。このような加熱器21の設置によっ
て、シャワー室2における加湿量の増大を計ることがで
き、かつ空気温度を調節することが可能となる。また、
上記加熱器に代えて、循環水を冷却する冷却器を用いれ
ば、同様にして冷房効果が高められる。なお、この第2
実施例のその他の構成及び作用は、第1実施例の場合と
実質的に変わるところがないので、図中の同一または相
当部分に同一の符号を付して、それらの説明を省略す
る。
【0023】図3に示す本発明の第3実施例は、前記操
作手段として、外部管路13における循環ポンプ16の
上流側に塩の溶解槽26を設け、循環水を塩の飽和溶液
とする場合を示している。溶解槽26には、結晶塩が溶
解可能に収容され、ここで溶解した塩の飽和溶液は、そ
れがシャワー室2に噴射されたとき、それに接する空気
に対して吸湿あるいは放湿をして、温度にあまり影響さ
れない塩の種類に応じた固有の相対湿度になるように作
用する。例えば、KClでは約85%RHであり、Na
Clでは約75%RH、Mg(NO3)2 では約52%R
H、MgCl2では約33%RH、LiClでは約10
%RHである。このため、この第3実施例によれば、入
口空気の湿度に応じて加湿あるいは除湿作用が行われ、
出口にはほぼ一定湿度の空気を得ることができる。すな
わち、調湿が行われることになる。
【0024】除湿作用が行われる場合には、溶液はシャ
ワー室2における水の吸収により体積が増加し、その分
はブローとしてオーバーブロー口12から排出され、そ
れにより溶解塩も排出される。このとき、溶液は希釈さ
れるが、同時に溶解槽26の結晶塩が溶解して飽和状態
が維持される。水質維持のための補給水の供給やブロー
が行われる場合も同様である。結晶塩の補給はいずれに
しても必要となるが、加湿よりも除湿の場合の方がそれ
だけより多く必要となる。この方式による調湿には、本
質的に自己制御性があり、外部からの湿度制御は特に必
要がない。また、塩の飽和溶液には殺菌作用があり、シ
ャワー室2における空気中への溶液の噴射は、空気浄化
の上でも有効である。なお、この実施例においても、前
記第2実施例と同様の加熱器21の利用は加湿量の増大
に有効である。このとき、相対湿度は変わらないが、絶
対湿度が増大することになる。
【0025】上記実施例において、溶解槽26において
用いる塩に代えて、循環水へ芳香性物質など、有効な揮
発性物質を添加すれば、単なる浄化以上の効果も期待で
き、この場合に、作用液体に水以外の液体を用いて加湿
の効果を調整することもできる。なお、その他の構成及
び作用は、第1および第2実施例の場合と実質的に変わ
るところがないので、図中の同一または相当部分に同一
の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0026】図4は、本発明に係る空気調質装置の第4
実施例を示している。この空気調質装置では、第3実施
例と同様に、外部管路13における循環ポンプ16の上
流側に塩の溶解槽26を設けると共に、さらにその上流
側に溶液濃縮器30を設けている。前記第3実施例に関
連して説明したように、溶解槽26を設けて除湿を主な
作用とした場合には、飽和塩溶液が吸湿によって希釈さ
れるので、塩の消耗が大きくなる。この第4実施例で
は、希釈された溶液を直ちに溶液濃縮器30に通して水
分を除き、飽和溶液に戻すようにしているので、上記希
釈を抑えることができる。
【0027】溶液濃縮器30は、フィルター15からの
管路が底部に接続された濃縮槽31に加熱器32を設け
ると共に、その濃縮槽31の上部に凝縮器33への入口
を、塩の溶解槽26に至る管路に熱交換器34を接続す
ることにより構成したものである。加熱器32で加熱さ
れた溶液は水分を濃縮槽31内の空気中に放出し、これ
は拡散によって凝縮器33に至り、凝縮器33において
はこれを冷却し、水分が凝縮水として系外に排出され
る。このとき、熱回収も併せて行われる。熱交換器34
は、熱を回収すると共に溶液の温度上昇を防ぐものであ
る。しかしながら、この熱回収は完全ではないために、
溶液の温度の上昇は避けられないが、これは流入空気に
よって冷却されるので、ある程度の値で平衡することに
なる。また、上記溶液濃縮器30は、その濃縮槽31の
上下に温度センサ35,36を設け、それらの温度セン
サの出力に基づいて加熱器32を制御する温度調節器3
7備えている。
【0028】溶液に溶解していた空気などが、この加熱
により気体となったときには、それは水分を搬送する役
割を果たすが、凝縮器33を出るときは相対湿度が10
0%となっている。すなわち、すべての水分を水として
捕捉することができず、これが大気中に放出される。こ
れは系外に放出するのが望ましいが、量的に無視できれ
ばその必要はない。なお、ここに発生する湿り空気をそ
のまま系外に放出できる場合には、凝縮器を用いなくて
もよいし、凝縮を考慮した温度上昇をしなくてもよい。
【0029】上記加熱器32によって発生する気体を湿
り空気とすれば、これは塩に固有の相対湿度となってい
る。これを凝縮器33で凝縮するためには、この湿り空
気の露点温度が凝縮器33の温度より高くなければなら
ない。従って、加熱器32の制御は湿り空気と凝縮器3
3との温度差を塩の種類によって定まる値以上にすれば
よい。ちなみに、MgCl2 の場合には、この温度差は
約21℃以上が必要となる。いま、この温度差を30℃
として凝縮器温度を24℃とすれば、水分が拡散ではな
く全て発生空気によって運ばれてきたとしても、この約
40%が凝縮水として捕捉できる。温度差を40℃とす
れば、同条件で約70%が捕捉できる。また、水分の拡
散条件のよい構造にすれば、この捕捉率はさらに高くな
る。
【0030】上記溶液濃縮器30に代えて、図5に構造
例を示すように、水分子の拡散をよくした溶液濃縮器4
0を用いることもできる。この溶液濃縮器40は、フィ
ルター15からの管路が底部に接続された濃縮槽41に
加熱器42を設けると共に、その濃縮槽41の中心にド
レンを排出する凝縮管43を立設し、塩の溶解槽26に
至る管路に熱交換器44を接続したものである。この溶
液濃縮器40には、前記濃縮槽30と同様な温度センサ
や温度調節器を設けることができる。なお、第4実施例
におけるその他の構成及び作用は、第3実施例の場合と
実質的に変わるところがないので、図中の同一または相
当部分に同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0031】以上に詳述した各実施例においては、フィ
ルター15として抗菌性物質により形成したものを使用
することができ、また、循環水への殺菌剤の添加、オゾ
ンの注入、紫外線の照射等を行うことによって、細菌、
ウィルスなどの除去効果も期待することができる。
【0032】次に、ノズル6から噴射する霧の粒子の大
きさと効率および落下距離について考察する。ノズルか
ら下方に噴射された霧の粒子は運動エネルギーと位置の
エネルギーを持つが、周囲の空気との摩擦抵抗によって
これを失い、減速して一定の速度すなわち終速度に達
し、その後は重力のみによってこの速度で落下する。た
だし、シャワー室内の空気は一様に下方に移動するの
で、この終速度は周囲空気との相対速度として定まるも
のである。従って、外部から観察する絶対速度は、静止
空気中で定まる終速度と空気の速度との和の速度にな
る。
【0033】上記霧粒子の落下の過程で、この霧粒子が
空気に対してなす仕事Wは、 W=mvi 2/2+mgh−mvf 2/2 となる。ここに、m=粒子の質量、g=重力の加速度、
i =初速度、h=落下距離、vf =終速度、である。
上式において、初速度と落下距離を一定とすれば、終速
度を小さくすることによってのみ、この仕事量を大きく
することができる。終速度は、この粒子の形状を球形と
すれば、その直径の平方根に比例し、 vf =√kgD (ここに、k=定数、D=粒子の直
径) と表される。従って、粒子の直径を小さくすれば、終速
度を小さくすることができる。
【0034】また、限られた落下距離において終速度に
到達するためには、粒子の速度は急速に低下しなければ
ならない。粒子の運動方程式は、 dv/dt=g−R/m (ここに、R=空気の抵抗
力) と表現される。空気の抵抗力Rは、 R=cv22 (ここに、c=定数) と表現され、また質量mは直径の3乗に比例するので、 R/m=pv2 /D (ここに、p=定数) となり、そのため、粒子の運動方程式は、 dv/dt=g−pv2 /D となる。すなわち、粒子の直径が小さければ小さいほど
その速度は急速に低下する。
【0035】以上から噴霧粒子を小さくすることによっ
て効率を高め、かつ必要落下距離を短くすることができ
る。しかしながら、粒子をより細分化するためにはその
ためのエネルギーがより必要とされ、かつ微細な粒子で
は水滴エリミネーターによる捕獲の段階で困難性が生じ
るので、実用上は適切な大きさに留めることが必要にな
る。いま、粒子の直径を0.1mmとすれば、終速度は相
対速度で約1.5m/s となり、空気の速度を3m/s とす
れば、この絶対速度は4.5m/s となる。さらに、粒子
の初速度を15m/s とすれば、ほぼ終速度に達する距離
は空気によって運ばれる距離を加えて約1m となる。
【0036】
【発明の効果】以上に詳述した本発明の方法及び装置に
よれば、シャワー状または霧状に噴射した水の運動エネ
ルギーおよび位置のエネルギーを利用して空気を移送す
ると共に、上記水に対する浄化、加熱、冷却、溶質ある
いは薬剤の添加などの操作により、上記空気の清浄度、
湿度、温度等の質的な調整を行い、もって、各種機能を
それぞれ別々な機器に負担させることなく、簡単な構成
および少ないエネルギー消費による空気調和を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調質装置の第1実施例の模式
的断面図である。
【図2】本発明に係る空気調質装置の第2実施例の模式
的断面図である。
【図3】本発明に係る空気調質装置の第3実施例の模式
的断面図である。
【図4】本発明に係る空気調質装置の第4実施例の模式
的断面図である。
【図5】上記第4実施例における凝縮器の他の構成例を
示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 筒状容器 2 シャワー室 3 空気導入口 4 空気導出口 6 ノズル 9 水受け 10 排水口 13 外部管路 16 循環ポンプ 21 加熱器 22,23 温度センサ 24 温度調節器 26 溶解槽
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−322230(JP,A) 特開 昭63−229152(JP,A) 特開 平5−223287(JP,A) 特開 平8−68550(JP,A) 特開 昭61−138039(JP,A) 特開 昭54−154144(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にシャワー室を形成する筒状容器の上
    部から、該シャワー室の上部に導入した空気中に、シャ
    ワー室下底の水受け内の水を循環ポンプによりシャワー
    状または霧状に噴射し、 この水の運動エネルギーおよび位置のエネルギーによっ
    て、上記シャワー室内の空気を下方に随伴させると共
    に、 上記水に対して予め浄化、加熱、冷却、または溶質若し
    くは薬剤の添加の操作を行い、シャワー室下部から導出
    する調質空気の清浄度、湿度、温度等の質的な調整を行
    う、ことを特徴とする空気調質方法。
  2. 【請求項2】内部にシャワー室を形成する筒状容器の上
    部に、空気導入口を開口させると共に、該空気導入口か
    ら導入した空気中にシャワー室下底の水受け内の水を循
    環ポンプを介して下方に向けシャワー状または霧状に噴
    射するノズルを設け、 上記筒状容器の下方には、上記水の運動エネルギーおよ
    び位置のエネルギーによって下方に随伴せしめられた空
    気を導出する空気導出口を設け、 上記水に対して、浄化、加熱、冷却、または溶質若しく
    は薬剤の添加の操作を行い、それにより空気導出口から
    導出する調質空気の清浄度、湿度、温度等の質的な調整
    を行うための操作手段を付設した、ことを特徴とする空
    気調質装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の装置において、 操作手段として、循環ポンプを備えた外部管路に、循環
    する水を加熱または冷却する加熱・冷却器を設け、この
    加熱・冷却器に、筒状容器の空気導入口および空気導出
    口に設けた温度センサにより検出される空気温度に基づ
    いて加熱・冷却量を制御する温度調節器を付設した、こ
    とを特徴とする空気調質装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の装置において、 操作手段として、循環ポンプを備えた外部管路に、シャ
    ワー室に噴射されたときに空気との間で吸湿あるいは放
    湿するところの塩を循環水に溶解させる溶解槽を設け
    た、ことを特徴とする空気調質装置。
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