JP3337984B2 - アスファルト組成物 - Google Patents

アスファルト組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアスファルト組成物
に関し、詳しくは組成物の均一性が保持され、しかも諸
特性に優れ、道路用舗装材を始めとして屋根材、床材及
び壁材等として有用なアスファルト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】道路用
舗装材としてのアスファルト組成物については、多くの
改善提案がなされており、例えば耐流動性を高めた舗装
用アスファルト組成物を製造する方法の一例として、砕
石、石粉等の骨材と共に軟化点の低い石油アスファル
ト、軟化点の高いアスファルト、アスファルトピッチ、
天然アスファルト等のアスファルト成分を適宜混合し、
夏期の高温時における舗装道路の変形を抑制する工夫が
なされている。
【0003】また、寒冷地のアスファルト舗装では、ア
スファルト軟化点の低いものが選択されるが、施工時に
アスファルト成分が骨材、特に砕石等の粗骨材と分離
し、いわゆる施工時の「ダレ現象」が生じるため、この
対策が必要になってくる。つまり、この場合のアスファ
ルト組成物は、砕石、砂、石粉等の骨材とアスファルト
成分とを混合、溶融したものであるが、これをダンプカ
ー等に積載し、施工現場に輸送する間、さらに施工を実
施する間、流動性の高いアスファルト成分や石粉等の細
骨材がダンプカーの底部、あるいは施工面の下部に流
れ、そこに溜り、ダンプカーからのアスファルト組成物
の排出に支障をきたしたり、施工面の上部に砕石等の粗
骨材が多くなり、舗装の質を下げてしまう。これをいわ
ゆる「ダレ現象」と称し、これを防ぐために、アスファ
ルト組成物の組成や石粉(微粉)の検討、砕石等の粗骨
材とアスファルト成分との接着性等の検討がなされてい
る。
【0004】このように、道路舗装用アスファルト組成
物においては、加熱混合溶融処理時やその後の運搬、舗
装施工時に組成物の均一性が保持され、施工も容易とな
ることが要求されている。また、舗装施工後の諸特性が
優れていることが要望されている。
【0005】一方、屋根材、床材及び壁材等に用いられ
るアスファルト組成物の場合、添加される着色材やその
他の添加物とアスファルト成分との馴染みを増し、組成
物の均一性が保持され、製品となった組成物の可撓性が
広い温度範囲で良好に保たれる等の改善が要求されてい
る。
【0006】このことをさらに詳細に説明すると、道路
用舗装材や屋根材、床材、壁材に用いられるアスファル
ト組成物には、次のことが要求又は要望されている。
【0007】(1)道路用舗装材では、アスファルト組
成物を調製する際の溶融状態において、長時間にわたり
アスファルト成分が骨材、特に砕石等の粗骨材から分
離、沈降することなく、組成物の均一性が維持され、取
り扱いが容易なことが要望されている。
【0008】(2)近年需要の高まった排水性アスファ
ルト舗装において、使用する砕石等の骨材として粗なも
のが選ばれ、道路表面にたまる水が舗装面を通過して排
水されていく。このため舗装体全体は粗になるが、骨材
同士はアスファルト成分によってしっかり固着されなけ
ればならない。さもないと、舗装表面から骨材が脱落し
ていくことになる。つまり、アスファルト成分が強固な
接着機能を保持し、しかも可撓性を持たなければならな
い。
【0009】(3)屋根材、床材及び壁材は、着色材
(天然石粒、人工色粒、着色樹脂粒、その他)と増量剤
及び物理特性保持のための石粉や砂とアスファルト成分
(一般アスファルト、脱色アスファルトあるいはこれら
に類似した樹脂状物)の混合物であるが、特に可撓性に
対する経年変化が問題となる。これは、アスファルト組
成物内でのアスファルト成分と各種添加物との密着性が
年月と共に低下することによるもので、低沸点のアスフ
ァルト成分が徐々に失われること等によるものと考えら
れる。
【0010】このような要求又は要望を充足する一つの
手段として、道路用舗装材としてのアスファルト組成物
に、木材の粉末や紙粉等のセルロース繊維状物等を添加
する方法が提案されているが、この方法においては、一
定の評価は得られているものの、未だ上記要求又は要望
を充分に満足させるものではない。
【0011】従って、本発明の目的は、組成物の均一性
が保持され、しかも諸特性に優れ、道路用舗装材を始め
として屋根材、床材及び壁材等として有用なアスファル
ト組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、検討の結
果、アスファルト組成物に、樹脂がラミネート又はコー
トされている紙を粉砕した紙粉砕物を添加することによ
って、上記目的が達成し得ることを知見した。
【0013】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、樹脂がラミネート又はコートされている紙を粉砕し
た紙粉砕物を添加したことを特徴とするアスファルト組
成物を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における樹脂がラミネート又はコートされている
紙(以下、ラミネート又はコート紙という)とは、代表
的には、牛乳や酒類等の飲料の容器として使用される紙
製品、クラフト紙等の防湿紙等が挙げられる。これら
は、未使用品に限らず、使用済の回収品、あるいはこれ
らラミネート紙等を製造する過程で不良品化したもので
も用いることができる。
【0015】本発明においては、これらラミネート又は
コート紙は粉砕して紙粉砕物として用いる必要があり、
粉砕する手段については特に限定されないが、紙のセル
ロース繊維をあまり微細化しない程度に小さく、またア
スファルト成分との混合性が良好に維持される程度の大
きさの範囲にする必要がある。この大きさは、原料とす
る紙の質によっても左右される。一例を挙げれば、乳製
品用のラミネート紙の場合、衝撃式粉砕機を用い、比較
的回転数を上げて粉砕し、紙繊維長を0.3〜3.0m
mに粉砕するのが好ましい。
【0016】また、紙をラミネート又はコートする樹脂
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げら
れ、これらを単独で又は2種以上を混合して用いられる
が、特に好ましいのはポリエチレン、ポリプロピレンで
ある。これらのラミネートもしくはコートされた樹脂
は、紙の粉砕につれて、ほぼ同じ大きさに粉砕され、し
かも紙と樹脂とは、付着した状態に保たれていることが
重要である。
【0017】本発明でいうアスファルト組成物とは、道
路用舗装材用においては、アスファルト成分と骨材等を
混合したものである。また、骨材としては石粉等の細骨
材と砕石等の粗骨材が組み合わせて用いられる。
【0018】ここでいうアスファルト成分とは、石油ア
スファルト、アスファルトタイト、アスファルトピッチ
あるいはこれらの混合物、さらには再生アスファルト等
を指し、また脱色アスファルトあるいはこれらに類似し
た樹脂状物、さらにはポリエチレン、ポリプロピレンを
一部分解重合して、高分子量を若干低下させた改質ポリ
エチレンやポリプロピレンを包含する。
【0019】また屋根材、床材および壁材として用いら
れるアスファルト組成物は、アスファルト成分と着色材
やその他の添加物とを混合したものである。屋根材を例
として説明すると、屋根材は着色材が重要であり、天然
の着色岩石粉も用いられるが、色やアスファルト組成物
全体の特性からみて、北米では着色顆粒品の使用が一般
である。着色顆粒品は、カオリンの粒に、希望する無機
顔料〔酸化チタン(白)、亜鉛フェライト(黄)、ベン
ガラ(赤、紫)、酸化クロム(緑色)等〕を加熱下でケ
イ酸ナトリウムと共に溶融させ、まぶして着色顆粒品を
作る。これをケイ砂等を共にアスファルトに加えて混練
し、着色アスファルト組成物を調製する。
【0020】道路用舗装材の場合には、アスファルト成
分はアスファルト組成物中に5〜8重量%含有されるの
が好ましい。また、屋根材の場合、可撓性を維持するた
めに、アスファルト成分をアスファルト組成物中に20
重量%程度含有することが望ましい。床材の場合はアス
ファルト成分は屋根材よりもよりも幾分少なくすること
が望ましい。
【0021】上記紙粉砕物のアスファルト組成物への添
加量は、アスファルト成分との比で考えるのが効果的で
あるが、紙粉砕物の種類及びアスファルト成分の種類に
よって最適の範囲は異なるが、紙粉砕物:アスファルト
成分の比は3〜20:100(重量比)であることが好
ましい。この範囲より紙粉砕物が少ないと本発明の効果
が維持できず、多すぎてもアスファルト組成物の本来の
性質を阻害することとなる。道路用舗装材の場合の目安
として、紙のセルロース質がアスファルト成分に対し
て、4〜10:100(重量比)である場合に、本発明
の効果が最も良く発現される。
【0022】下記に示すような効果が発現する理由は詳
細には不明であるが、紙の繊維のみでなく、紙の繊維に
絡みついた形の樹脂の繊維状物が存在することによって
アスファルト組成物における諸成分(石粉、顔料その他
接着性付与のための添加剤等)相互の馴染みがよくな
り、アスファルト成分と紙及び紙に付着した形の樹脂の
間でマトリックスのようなものが形成され、そのことに
よって、道路用舗装材としてのアスファルト組成物の場
合、骨材、特に粗骨材とアスファルト成分との接着も良
好となり、溶融状態の輸送中、施工中の「ダレ」も防止
され、結果として舗装作業性も良好となり、また仕上後
の舗装面の特性も改善されるものと考えられる。
【0023】本発明のアスファルト組成物は、道路用舗
装材に限らず、上述のように屋根材、壁材及び床材やア
スファルトタイル等の様々な分野で使用することができ
る。
【0024】また、ラミネート又はコート紙として、ラ
ミネート紙等の製造工程で生じた不良品や使用済の回収
品を用いる場合には、省資源に貢献するばかりでなく、
コスト低減効果も非常に大きい。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって具体的に説
明する。
【0026】〔実施例1〕 (道路用舗装材)7号砕石120g、粗砂156g、着
色用酸化鉄16g、ストレートアスファルト16g及び
ラミネート紙(牛乳パック紙)粉砕物0.9gを混合機
に入れ、160℃まで加熱撹拌し、均一に混合した加熱
したものを成形器に入れ、圧力2kg/cm2 でつき固
め、アスファルト組成物(成形品)を調製した。この成
形品は円筒形状で、直径65mm、厚み18mmとし
た。
【0027】ここにおける混合状態と成形品の仕上がり
状態を評価し、その結果を表1に示した。なお、成形品
の仕上がり状態は目視により100点満点で行った。ま
た、得られた成形品を8mm径の棒の上に載せ(中心線
近くとし)、これを室温から徐々に加熱していくと、棒
のあたりから割れを生ずる。この割れ温度を表1に示
す。この割れが始まる温度が高いもの程、ダレが小さ
く、またアスファルト組成物の特性が良好である。
【0028】〔実施例2〕 (道路用舗装材)ラミネート紙粉砕物0.9gに代え
て、ラミネート紙粉砕物0.9gとストレートアスファ
ルト0.9gとを混合して得られた顆粒品を用いた以外
は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物(成形
品)を調製した。なお、ストレートアスファルトは単独
では15.1gを混合機に投入した。
【0029】ここにおける混合状態、成形品の仕上がり
状態及び割れを実施例1と同様に評価し、その結果を表
1に示した。
【0030】〔比較例1〕 (道路用舗装材)ラミネート紙粉砕物0.9gを用いな
い以外は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物
(成形品)を調製した。
【0031】ここにおける混合状態、成形品の仕上がり
状態及び割れを実施例1と同様に評価し、その結果を表
1に示した。
【0032】〔比較例2〕 (道路用舗装材)ラミネート紙粉砕物0.9gに代え
て、紙粉0.9gを用いた以外は、実施例1と同様にし
てアスファルト組成物(成形品)を調製した。この紙粉
は市販品で、新聞紙等を粉砕したものである。
【0033】ここにおける混合状態、成形品の仕上がり
状態及び割れを実施例1と同様に評価し、その結果を表
1に示した。
【0034】〔比較例3〕 (道路用舗装材)ラミネート紙粉砕物0.9gに代え
て、紙粉0.9gとストレートアスファルト0.9gと
を混合して得られた顆粒品を用いた以外は、実施例1と
同様にしてアスファルト組成物(成形品)を調製した。
なお、ストレートアスファルトは単独では15.1gを
混合機に投入した。
【0035】ここにおける混合状態、成形品の仕上り状
態及び割れを実施例1と同様に評価し、その結果を表1
に示した。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示されるように、ラミネート紙(牛
乳パック)粉砕物を添加した実施例1〜2は、混合状態
及び成形品の仕上り状態が良好で、しかも割れ温度が高
い。これに対して、比較例1〜3は、割れ温度がいずれ
も低い。また、比較例1〜2は、成形品の仕上り状態に
劣り、比較例2は、混合状態も劣る。
【0038】〔実施例3〕 (屋根材)ケイ砂15重量部、着色顆粒20重量部、粗
砂48重量部、アスファルト20重量部、ラミネート紙
(牛乳パック)粉砕物3重量部を用いた以外は、実施例
1と同様にしてアスファルト組成物(成形品)を調製し
た。この成形品は直方体形状で、300×600mm、
厚さ18mmとした。
【0039】ここにおける混合状態を評価すると共に、
成形品の折り曲げ試験を行い、割れの発生する折り曲げ
回数を測定した。その結果を表2に示した。
【0040】〔実施例4〕 (屋根材)ラミネート紙粉砕物3重量部に代えて、ラミ
ネート紙又はコート紙の一種であるクラフト紙(防水紙
製用紙)粉砕物3重量部を用いた以外は、実施例3と同
様にしてアスファルト組成物(成形品)を調製した。
【0041】ここにおける混合状態及び折り曲げ回数を
実施例3と同様に評価し、その結果を表2に示した。
【0042】〔比較例4〕 (屋根材)ラミネート紙粉砕物3重量部を用いない以外
は、実施例3と同様にしてアスファルト組成物(成形
品)を調製した。
【0043】ここにおける混合状態及び折り曲げ回数を
実施例3と同様に評価し、その結果を表2に示した。
【0044】〔比較例5〕 (屋根材)ラミネート紙粉砕物3重量部に代えて、新聞
紙粉砕物3重量部を用いた以外は、実施例3と同様にし
てアスファルト組成物(成形品)を調製した。
【0045】ここにおける混合状態及び折り曲げ回数を
実施例3と同様に評価し、その結果を表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示されるように、ラミネート紙(牛
乳パック)粉砕物を添加した実施例3は、混合状態が良
好で、しかも折り曲げ回数も多い。また、実施例4は市
販の防水コート紙(ラミネート紙又はコート紙の一種で
あるが、紙繊維が若干密に調製された紙)粉砕物を添加
したものであり、ラミネート紙(牛乳パック)粉砕物を
添加した実施例4よりも性能は劣るが、後述する比較例
4及び5よりも優れる。これに対して、比較例4及び5
は、実施例3及び4に比べて折り曲げ回数が少ない。ま
た、比較例5は、混合状態も劣る。
【0048】
【発明の効果】樹脂をラミネート又はコートした紙を粉
砕した紙粉砕物を添加した本発明のアスファルト組成物
は、組成物の均一性が保持され、しかも諸特性に優れる
ため、道路用舗装材や屋根材、床材及び壁材等の用途に
好適に用いられる。特に、本発明のアスファルト組成物
を道路用舗装材として用いることによって、溶融状態に
おいて生ずる「ダレ」現象を好適に防止することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−81827(JP,A) 特開 昭61−76539(JP,A) 特開 昭51−37115(JP,A) 特開 昭49−48718(JP,A) 特公 昭46−37359(JP,B1) 特公 昭46−29160(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 E01C 7/26 E04D 11/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂がラミネート又はコートされている
    紙を粉砕した紙粉砕物を添加したことを特徴とするアス
    ファルト組成物。
  2. 【請求項2】 上記樹脂がポリエチレン、ポリプロピレ
    ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
    ンより選択された1種又はこれらの2種以上の混合物で
    ある請求項1記載のアスファルト組成物。
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