JP3342438B2 - Pcb含有電気絶縁油の処理方法およびその処理装置 - Google Patents

Pcb含有電気絶縁油の処理方法およびその処理装置

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JP3342438B2
JP3342438B2 JP13952599A JP13952599A JP3342438B2 JP 3342438 B2 JP3342438 B2 JP 3342438B2 JP 13952599 A JP13952599 A JP 13952599A JP 13952599 A JP13952599 A JP 13952599A JP 3342438 B2 JP3342438 B2 JP 3342438B2
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oil
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PCBを含有する
電気絶縁油を処理する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】PCBやダイオキシン類等のハロゲン化
有機化合物を焼却して処理しようとすると、周辺環境に
悪影響を与えてしまう虞がある。このため、例えば、高
温高圧水中にハロゲン化有機化合物およびスラリ状の炭
酸ナトリウム等の触媒を添加し、当該水中に酸素ガス等
の酸化剤を供給することにより当該ハロゲン化有機化合
物を分解して無害化処理する方法が提案されている(例
えば、米国特許第 5746926号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PCB
を含有する電気絶縁油を上述した方法で工業的に処理し
ようとすると、処理コストが非常に高くついてしまい、
実用化することが困難であった。
【0004】このようなことから、本発明は、PCB含
有電気絶縁油を工業的に低コストで確実に処理すること
ができる方法およびその装置を提供することを目的とし
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ための、本発明によるPCB含有電気絶縁油の処理方法
は、PCB含有電気絶縁油を水中で酸素を供給して30
0〜350℃の温度で加熱処理して油分を分解すると共
にPCBを当該水に移行させることを特徴とする。
【0006】前述した課題を解決するための、本発明に
よるPCB含有電気絶縁油の処理方法は、PCB含有電
気絶縁油を水中で酸素を供給して300〜350℃の温
度で加熱処理して油分を分解すると共にPCBを当該水
に移行させた後、当該水と炭酸ナトリウムとを酸素を供
給して350〜400℃で加熱処理して上記PCBを分
解することを特徴とする。
【0007】前述した課題を解決するための、本発明に
よるPCB含有電気絶縁油の処理装置は、PCB含有電
気絶縁油を水中で酸素を供給して300〜350℃の温
度で加熱処理して油分を分解すると共にPCBを当該水
に移行させる電気絶縁油分解手段を備えてなることを特
徴とする。
【0008】前述した課題を解決するための、本発明に
よるPCB含有電気絶縁油の処理装置は、PCB含有電
気絶縁油を水中で酸素を供給して300〜350℃の温
度で加熱処理して油分を分解すると共にPCBを当該水
に移行させる電気絶縁油分解手段と、前記電気絶縁油分
解手段からの前記水と炭酸ナトリウムとを酸素を供給し
350〜400℃で加熱処理して前記PCBを分解す
るPCB分解手段とを備えてなることを特徴とする。
【0009】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記電気絶縁油分解手段が内部を高温高圧状
態で維持できる油分解反応容器と、前記油分解反応容器
に前記PCB含有電気絶縁油を供給するPCB含有電気
絶縁油供給手段と、前記油分解反応容器に水を供給する
水供給手段と、前記油分解反応容器内に供給された前記
PCB含有電気絶縁油を300〜350℃の温度で燃焼
させる燃焼手段とを備えてなることを特徴とする。
【0010】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記燃焼手段が前記反応容器内に酸素を供給
する酸素供給手段と、前記反応容器内に油を供給する油
供給手段とを備えてなることを特徴とする。
【0011】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記油供給手段が前記反応容器に前記PCB
含有電気絶縁油を供給する前記PCB含有電気絶縁油
給手段であることを特徴とする。
【0012】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記油分解反応容器から送出された前記水を
貯蔵すると共に、当該水の一部を前記水供給手段に還流
させて当該水に含有されるPCBの濃度を高めるPCB
濃縮手段を前記電気絶縁油分解手段に設けたことを特徴
とする。
【0013】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記PCB分解手段が内部を高温高圧状態で
維持できるPCB分解反応容器と、PCBを含有する水
を前記PCB分解反応容器に供給するPCB含有水供給
手段と、前記PCB分解反応容器内に水酸化ナトリウム
の水溶を供給する水酸化ナトリウム供給手段と、前記
PCB分解反応容器内を350〜400℃の温度で燃焼
させる燃焼手段とを備えてなることを特徴とする。
【0014】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記燃焼手段が前記反応容器内に酸素を供給
する酸素供給手段と、前記反応容器内に油を供給する油
供給手段とを備えてなることを特徴とする。
【0015】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記油供給手段が前記反応容器に前記PCB
含有電気絶縁油を供給するPCB含有電気絶縁油供給手
段であることを特徴とする。
【0016】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記PCB分解反応容器から水と共に送出さ
れる炭酸ナトリウムを当該水から分離して当該PCB
解反応容器内に戻す炭酸ナトリウム循環手段を前記PC
分解手段に設けたことを特徴とする。
【0017】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記PCB分解反応容器の側壁下方側にエジ
ェクタを介して前記PCB含有水供給手段を連結し、当
PCB含有水供給手段と当該エジェクタとの間に前記
水酸化ナトリウム供給手段を連結したことを特徴とす
る。
【0018】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記PCB分解反応容器の側壁下方側にエジ
ェクタを介して前記PCB含有水供給手段を連結し、当
該エジェクタの絞り部に備えた拡径部に前記油供給手段
を連結したことを特徴とする。
【0019】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記PCB分解反応容器の側壁下方側にエジ
ェクタを介して前記PCB含有水供給手段を連結し、前
記炭酸ナトリウム循環手段の炭酸ナトリウム送出口側を
当該エジェクタの吸引室に連結したことを特徴とする。
【0020】上述したPCB含有電気絶縁油の処理装置
において、前記PCB分解反応容器の側壁側に水の送出
口を設けたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明によるPCB含有電気絶縁
の処理方法およびその処理装置をPCBを低濃度含有
する電気絶縁油の処理に適用する場合の実施の形態を図
1を用いて説明する。なお、図1は、その装置の全体概
略構成図である。
【0022】 [構成] <全体> 本実施の形態のPCB含有電気絶縁油の処理装置は、図
1に示すように、低濃度のPCB含有油1と水3とを3
00〜350℃の温度で加熱処理して油分を分解すると
共にPCB2を当該水3に移行させる電気絶縁油分解手
段である油分解装置10と、油分解装置10からの前記
水3と炭酸ナトリウム8とを350〜400℃で加熱処
理してPCB2を分解するPCB分解手段であるPCB
分解装置20とを備えてなっている。
【0023】<油分解装置10> 前記油分解装置10は、内部を高温高圧状態で維持でき
る油分解反応容器11と、油分解反応容器11にPCB
含有油1を供給するPCB含有電気絶縁油供給手段を構
成するPCB含有油タンク12aや給油ポンプ12b等
と、油分解反応容器11に水3を供給する水供給手段を
構成する貯水タンク13aや給水ポンプ13b等と、油
分解反応容器11内に供給されたPCB含有1を30
0〜350℃の温度で燃焼させるために当該油分解反応
容器11内に酸素5を供給する酸素供給手段を構成する
酸素ボンベ14a等および油分解反応容器11内に燃焼
油4を供給する油供給手段を構成する燃焼油タンク25
aや給油ポンプ25b等(後述するPCB分解装置20
のものと兼ねている。)と、油分解反応容器11内に水
酸化ナトリウム6の水溶液を供給して当該容器11内の
pHを調整するpH調整手段を構成する水酸化ナトリウ
ム水溶液タンク23aや供給ポンプ23b等(後述する
PCB分解装置20のものと兼ねている。)と、油分解
反応容器11内に供給する前記貯水タンク13aからの
水3と油分解反応容器11内から送出された水3との間
で熱交換させる熱交換器16と、この油分解反応容器1
1内から熱交換器16を介して送出された前記水3を一
旦貯蔵して大気圧下に開放すると共に当該水3の一部を
前記貯水タンク13aに還流させて当該水3中のPCB
2の濃度を高めるPCB濃縮手段を構成する濃縮タンク
17aや循環ポンプ17b等とを備えてなっている。な
お、図1中、19は供給ヘッダである。
【0024】<PCB分解装置20> 前記PCB分解装置20は、内部を高温高圧状態で維持
できるPCB分解反応容器21と、油分解装置10の濃
縮タンク17a内の前記水3をPCB分解反応容器21
内に供給するPCB含有水供給手段である給水ポンプ2
2等と、PCB分解反応容器21内に水酸化ナトリウム
6の水溶液を供給して当該PCB分解反応容器21内に
炭酸ナトリウム8を存在させる水酸化ナトリウム供給手
段である水酸化ナトリウム水溶液タンク23aや供給ポ
ンプ23bと、PCB分解反応容器21内を350〜4
00℃の温度で燃焼させるために当該PCB分解反応容
器21内に酸素5を供給する酸素供給手段を構成する酸
素ボンベ14a等(前述した油分解装置10のものと兼
ねている。)およびPCB分解反応容器21内に燃焼油
4を供給する油供給手段を構成する燃焼油タンク25a
や給油ポンプ25b等と、PCB分解反応容器21から
水3と共に送出される炭酸ナトリウム8を当該水3から
分離して当該PCB分解反応容器21内に戻す炭酸ナト
リウム循環手段を構成するサイクロンセパレータ28等
と、PCB分解反応容器21からサイクロンセパレータ
28を介して送出された水3とPCB分解反応容器21
内に供給する前記油分解装置10の濃縮タンク17aか
らの水3との間で熱交換させる熱交換器26と、PCB
分解反応容器21からサイクロンセパレータ28や熱交
換器26を介して送出された前記水3中を貯溜して大気
圧下に開放する処理水タンク27とを備えてなってい
る。なお、図1中、29は供給ヘッダである。
【0025】[作用・効果] <油分解装置10> 給水ポンプ13bを作動して貯水タンク13a内の水3
を油分解反応容器11内に供給して当該容器11内を水
3で満たした後、給油ポンプ25bを作動して燃焼油タ
ンク25a内から燃焼油4を油分解反応容器11内に供
給すると共に、酸素ボンベ14aから油分解反応容器1
1内に酸素5を供給することにより、油分解反応容器1
1内を水中燃焼させて内部温度を300〜350℃に加
熱する。油分解反応容器11内が300〜350℃にな
ったら、給油ポンプ25bを停止して燃焼油4の供給を
停止する一方、給油ポンプ12bを作動してPCB含有
油タンク12aからPCB含有油1を油分解反応容器1
1内に供給すると、当該PCB含有油1のうち、油分は
燃焼して分解し、水3および二酸化炭素7が生成する一
方、PCB2は燃焼分解することなく水3に移行する。
【0026】このとき、生成した二酸化炭素7により水
3のpHが低下することを抑えるため、水酸化ナトリウ
ム水溶液タンク23a内の水酸化ナトリウム6の水溶液
を油分解反応容器11内に適宜供給して水3のpHを中
性付近に保つようにする。
【0027】ここで、オートクレーブを使用して300
〜380℃に加熱した水(溶解した水酸化ナトリウムお
よび固体の炭酸ナトリウムを含有する。(pH8))中
でのPCBおよび電気絶縁油の分解速度を図2に示す。
図2からわかるように、油の分解速度は、PCBの38
0℃での分解速度に比べて、380℃で約8〜9倍速
く、300℃で約3倍速い。よって、PCB含有油1を
300〜350℃で加熱処理すれば、PCB2を分解さ
せることなく油分を燃焼分解させることができる。ここ
での反応機構は、下記に示す通りである。
【0028】[化1] C1934+27.5O2 ⇔19CO2 +17H2 O (1) CO2 +H2 O⇔17H2 CO3 (2) H2 CO3 +NaOH⇔NaHCO3 +H2 O (3)
【0029】また、常温の水中でのpHと炭酸イオンの
存在割合とを図3に示す。図3からわかるように、pH
が中性付近だと、CO2 は、その大部分がNaHCO3
になり、極く一部がH2 CO3 となっている。
【0030】なお、PCB含有油1は、通常1000p
pm以下のPCB2および電気絶縁油からなっており、
一般的にPCB2が100ppm以下である場合が多
い。よって、PCB含有油1を上述したように処理すれ
ば、油分をCO2 およびH2 Oに分解することができ、
PCB2を水3に移行させることができる。
【0031】このように処理されてPCB2を含有する
と共に二酸化炭素7を溶存させた水3(300〜350
℃)は、熱交換器16を経由することにより、貯水タン
ク13aから油分解反応容器11内に供給される水3を
加熱してメーキャップ水とした後、濃縮タンク17内に
供給されて大気圧下に減圧され、溶存する二酸化炭素7
の大部分が大気中に放出されると共に、循環ポンプ17
bで当該水3(約100℃)の一部が貯水タンク13a
内に戻され、PCB含有油1の加熱処理に再び使用され
ることにより、含有するPCBの濃度が高められる。
【0032】<PCB分解装置20> 給水ポンプ22を作動して、PCB2の含有濃度を高め
られた濃縮タンク17a内の水3をPCB分解反応容器
21内に供給して当該容器21内を当該水3で満たした
後、給油ポンプ25bを作動して燃焼油タンク25a内
から燃焼油4をPCB分解反応容器21内に供給すると
共に、酸素ボンベ14aからPCB分解反応容器21内
に酸素5を供給することにより、PCB分解反応容器2
1内を水中燃焼させて内部温度を350〜400℃(好
ましくは380〜400℃)に加熱する一方、供給ポン
プ23bを作動して水酸化ナトリウム水溶液タンク23
a内の水酸化ナトリウム6の水溶液をPCB分解反応容
器21内に供給し、当該容器21内をpH8〜12に保
つ。
【0033】このようにしてPCB分解反応容器21内
に水酸化ナトリウム6を加えてpH8〜12に保ちなが
ら350〜400℃(好ましくは380〜400℃)に
加熱すると、燃焼油4と酸素5との燃焼反応に伴って生
成した二酸化炭素7が水酸化ナトリウム6と反応し、炭
酸ナトリウム8が当該水3中に固体粒子としてスラリ状
に生成し、PCB2の分解触媒として作用して、PCB
2が水と二酸化炭素と塩化ナトリウム(食塩)9とに分
解する。
【0034】すなわち、PCB分解反応容器21内で
は、前述した反応機構(1)〜(3)に加えて下記の反
応を生じる。
【0035】[化2] NaHCO3 +NaOH⇔NaCO3 +H2 O (4) C126 Cl4 +12.5O2 +2Na2 CO3 ⇔14CO2 +3H2 O+4NaCl (5)
【0036】ここで、水3をpH8〜12(好ましくは
pH10〜12)のアルカリ領域に設定すれば、前述の
図3からわかるように、CO2 は、その大部分がNa2
CO3 として存在し、極く一部がNaHCO3 として存
在するようになる。このNa2 CO3 は、図4からわか
るように、水中での溶解度が350℃以上になると急激
に低下してしまうため、350℃以上の水3中において
は活性な固体としてスラリ状で析出する。
【0037】よって、水3に水酸化ナトリウム6を加え
てpH8〜12に保ちながら350〜400℃(好まし
くは380〜400℃)に加熱する、すなわち、水3中
にNa2 CO3 を存在させながら350〜400℃(好
ましくは380〜400℃)に加熱すると、PCB2
は、O2 およびNa2 CO3 によりCO2 、H2 O、N
aClに分解されて完全に無害物となる。
【0038】なお、Na2 CO3 は、PCB分解反応容
器21内にNaOHをメーキャップすることにより、燃
焼油4の燃焼で生じたCO2 とNaOHが反応して生成
し、補充される。
【0039】このように処理されて食塩9および二酸化
炭素7を溶存させると共に炭酸ナトリウム8をスラリ状
で保持した水3(300〜350℃)は、PCB分解反
応容器21内からサイクロンセパレータ28を経由する
ことにより、炭酸ナトリウム8が取り除かれ、熱交換器
26を経由することにより、前記油分解装置10の濃縮
タンク17aからPCB分解反応容器21内に供給され
る水3を加熱した後、処理水タンク27内に供給されて
大気圧下に減圧され、溶存する二酸化炭素7の大部分が
大気中に放出される。
【0040】したがって、低濃度のPCB2を含有する
電気絶縁油であってもPCB2および電気絶縁油を効率
よく分解処理することができるので、工業的に低コスト
で確実に無害化処理することができる。
【0041】なお、本実施の形態では、油供給手段とし
て燃焼油タンク25aや給油ポンプ25b等を用いて燃
焼油4を供給するようにしたが、PCB含有油1の油分
の種類によっては、PCB含有油タンク12aや給油ポ
ンプ12b等のPCB含有電気絶縁油供給手段で油供給
手段を兼ねて、燃焼油4に代えてPCB含有油1を供給
するようにすれば、より低コストで処理することができ
る。
【0042】また、本実施の形態では、水酸化ナトリウ
ム6の水溶液を油分解反応容器11内に供給して当該容
器11内を中性(pH8程度)に調整するようにした
が、油分解反応容器11内が中性〜弱酸性領域であって
も特に問題はなく、条件によっては水酸化ナトリウム6
を油分解反応容器11内に供給しなくてもよい。
【0043】また、PCB分解装置20においては、供
給ヘッダ29に代えて、図5に示すようにしてエジェク
タ39を適用するとさらに好ましい。
【0044】すなわち、図5に示すように、PCB分解
反応容器21の側壁下方側にエジェクタ39の先端側を
連結し、このエジェクタ39の基端側を前記給水ポンプ
22の送出口側に前記熱交換器26を介して連結し、水
酸化ナトリウム6の水溶液を供給する供給ポンプ23b
の送出口側をエジェクタ39の基端と上記熱交換器26
との間に連結し、サイクロンセパレータ28の炭酸ナト
リウム8の送出口側をエジェクタ39の吸引室に連結
し、PCB含有油1や燃焼油4を送給する給油ポンプ1
2b,25bの送出口側をエジェクタ39の絞り部に備
えた拡径部の高速流位置に連結するのである。なお、図
5中、14bは酸素供給ノズルである。
【0045】このため、給水ポンプ22で送給されてき
た熱交換器26からの水3および供給ポンプ23bから
の水酸化ナトリウム6の水溶液がエジェクタ39を介し
てPCB分解反応容器21内に高速度で供給されること
により、当該水3と水溶液とが均一に混合されると共
に、上記水3の流れに伴う剪断力により、給油ポンプ1
2b,25bからの前記油1,2が当該水3とまんべん
なく混合するので、PCB分解反応容器21内で反応が
均一に行われ、当該容器21内での部分的な発熱や温度
上昇等を防止することができる。
【0046】さらに、エジェクタ39の前記水3の流れ
に伴う吸引力により、サイクロンセパレータ28で分離
された炭酸ナトリウム8をPCB分解反応容器21内に
戻すので、当該炭酸ナトリウム8を循環させる高温高圧
対応の循環ポンプを設ける必要がなく、コストを低減す
ることができる。
【0047】ここで、図5に示すように、PCB分解反
応容器21からの水3等の送出口を当該容器21の側壁
に設ければ、当該水3等に溶解しなかった酸素5や二酸
化炭素7等のガスが当該容器21の頂部に滞留するよう
になるので(気相と液相との界面レベルは、滞留したガ
スの液相への溶解速度とガスの発生速度とが釣り合った
状態で一定に維持される。)、これらガスのサイクロン
セパレータ28や熱交換器26等への流入を防止するこ
とができ、伝熱効率や運転効率の低下を抑えることがで
きる。
【0048】なお、本実施の形態では、油分分解装置1
0とPCB分解装置20とをラインを介して連続させた
が、油分分解装置10とPCB分解装置20とをそれぞ
れ個別に独立させてもよい。
【0049】また、PCB含有油1中の油分のみを処理
しようとする場合には、油分分解装置10だけを用いて
もよい。
【0050】
【実施例】本発明によるPCB含有電気絶縁油の処理方
法およびその処理装置の効果を確認するため、以下のよ
うな試験を行った。
【0051】 [試験例1] 前述した実施の形態に基づいて、PCBを50ppm含
有する電気絶縁油を10ton/dayの規模で処理し
た。なお、電気絶縁油の分解処理時には水酸化ナトリウ
ムを添加した。そのときの各種データを図6に示す。
【0052】 [試験例2] 前述した実施の形態に基づいて、PCBを50ppm含
有する電気絶縁油を10ton/dayの規模で処理し
た。なお、電気絶縁油の分解処理時には水酸化ナトリウ
ムを添加しなかった。そのときの各種データを図7に示
す。
【0053】 [比較例] PCB含有電気絶縁油の油分の分解処理とPCBの分解
処理とを分けることなく一括して同時に行った。そのと
きの各種データを図8に示す。
【0054】 図6〜8からわかるように、比較例に比べ
て、その容積比が、試験例1の場合では約1/4とな
り、試験例2の場合では約1/5となるので、処理効率
が極めて高い。また、比較例に比べて、水酸化ナトリウ
ムの使用量が、試験例1の場合で約1/5となり、試験
例2の場合では約1/70となるので、処理にかかる薬
剤費が極めて低くなる。よって、工業的に低コストで処
理できることが確認された。
【0055】
【発明の効果】本発明によるPCB含有電気絶縁油の処
理方法は、PCB含有電気絶縁油を水中で酸素を供給し
300〜350℃の温度で加熱処理して油分を分解す
ると共にPCBを当該水に移行させるので、PCBを燃
焼させることなく油分のみを分解処理することができ、
工業的に低コストで確実に無害化処理することができ
る。
【0056】本発明によるPCB含有電気絶縁油の処理
方法は、PCB含有電気絶縁油を水中で酸素を供給して
300〜350℃の温度で加熱処理して油分を分解する
と共にPCBを当該水に移行させた後、当該水と炭酸ナ
トリウムとを酸素を供給して350〜400℃で加熱処
理して上記PCBを分解するので、PCBおよび電気絶
縁油を効率よく分解処理することができ、工業的に低コ
ストで確実に無害化処理することができる。
【0057】本発明によるPCB含有電気絶縁油の処理
装置は、PCB含有電気絶縁油を水中で酸素を供給して
300〜350℃の温度で加熱処理して油分を分解する
と共にPCBを当該水に移行させる電気絶縁油分解手段
を備えてなるので、PCBを燃焼させることなく油分の
みを分解処理することができ、工業的に低コストで確実
に無害化処理することができる。
【0058】本発明によるPCB含有電気絶縁油の処理
装置は、PCB含有電気絶縁油を水中で酸素を供給して
300〜350℃の温度で加熱処理して油分を分解する
と共にPCBを当該水に移行させる電気絶縁油分解手段
と、前記電気絶縁油分解手段からの前記水と炭酸ナトリ
ウムとを酸素を供給して350〜400℃で加熱処理し
て前記PCBを分解するPCB分解手段とを備えてなる
ので、PCBおよび電気絶縁油を効率よく分解処理する
ことができ、工業的に低コストで確実に無害化処理する
ことができる。
【0059】 また、前記電気絶縁油分解手段が内部を高
温高圧状態で維持できる油分解反応容器と、前記油分解
反応容器に前記PCB含有電気絶縁油を供給するPCB
含有電気絶縁油供給手段と、前記油分解反応容器に水を
供給する水供給手段と、前記油分解反応容器内に供給さ
れた前記PCB含有電気絶縁油を300〜350℃の温
度で燃焼させる燃焼手段とを備えてなるので、油分を完
全に分解処理しながらもPCBを水側に確実に移行させ
ることができる。
【0060】 また、前記燃焼手段が前記反応容器内に酸
素を供給する酸素供給手段と、前記反応容器内に油を供
給する油供給手段とを備えてなるので、高圧環境下の水
中でもPCB含有電気絶縁油の油分を確実に燃焼させる
ことができる。
【0061】 また、前記電気絶縁油供給手段が前記反応
容器に前記PCB含有電気絶縁油を供給する前記PCB
含有電気絶縁油供給手段であれば、処理にかかるコスト
や効率を向上させることができる。
【0062】 また、前記油分解反応容器から送出された
前記水を貯蔵すると共に、当該水の一部を前記水供給手
段に還流させて当該水に含有されるPCBの濃度を高め
PCB濃縮手段を前記電気絶縁油分解手段に設けたの
で、PCBを効率よく処理することが可能となる。
【0063】 また、前記PCB分解手段が内部を高温高
圧状態で維持できるPCB分解反応容器と、前記電気絶
縁油分解手段からの前記水を前記PCB分解反応容器に
供給するPCB含有水供給手段と、前記PCB分解反応
容器内に水酸化ナトリウムの水溶液を供給する水酸化ナ
トリウム供給手段と、前記PCB分解反応容器内を35
0〜400℃の温度で燃焼させる燃焼手段とを備えてな
るので、水側に移行したPCBを確実に分解処理するこ
とができる。
【0064】 また、前記燃焼手段が前記反応容器内に酸
素を供給する酸素供給手段と、前記反応容器内に油を供
給する油供給手段とを備えてなるので、高圧環境下の水
中でもPCBを確実に分解処理することができる。
【0065】 また、前記油供給手段が前記反応容器に前
PCB含有電気絶縁油を供給する前記PCB含有電気
絶縁油供給手段であれば、処理にかかるコストや効率を
向上させることができる。
【0066】 また、前記PCB分解反応容器から水と共
に送出される炭酸ナトリウムを当該水から分離して当該
PCB分解反応容器内に戻す炭酸ナトリウム循環手段を
前記PCB分解手段に設けたので、炭酸ナトリウムを無
駄なく使用することができ、処理にかかるコストを低減
することができる。
【0067】 また、前記PCB分解反応容器の側壁下方
側にエジェクタを介して前記PCB含有水供給手段を連
結し、当該PCB含有水供給手段と当該エジェクタとの
間に前記水酸化ナトリウム供給手段を連結すれば、PC
含有水と水酸化ナトリウムの水溶液とを均一に混合す
ることが確実にできるので、PCB分解反応容器内での
部分的な発熱や温度上昇を防止することができる。
【0068】 また、前記PCB分解反応容器の側壁下方
側にエジェクタを介して前記PCB含有水供給手段を連
結し、当該エジェクタの絞り部に備えた拡径部に前記油
供給手段を連結すれば、PCB含有水に油を均一に混合
することができるので、PCB分解反応容器内での部分
的な発熱や温度上昇を防止することができる。
【0069】 また、前記PCB分解反応容器の側壁下方
側にエジェクタを介して前記PCB含有水供給手段を連
結し、前記炭酸ナトリウム循環手段の炭酸ナトリウム送
出口側を当該エジェクタの吸引室に連結すれば、炭酸ナ
トリウム循環手段で分離された炭酸ナトリウムをPCB
含有水と共にPCB分解反応容器内に供給することがで
きるので、分離した炭酸ナトリウムを高圧環境下で循環
させる循環ポンプ等を炭酸ナトリウム循環手段に設ける
必要がなく、装置コストを低減することができる。
【0070】 また、前記PCB分解反応容器の側壁側に
前記水の送出口を設ければ、発生したガス類がPCB
解反応容器の上部に貯溜するようになるので、上記水と
共にPCB分解反応容器から送出されることを抑えるこ
とができ、伝熱効率や運転効率の低下を抑えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるPCB含有電気絶縁油の処理装置
をPCBを低濃度含有する電気絶縁油の処理に適用した
場合の実施の形態の全体概略構成図である。
【図2】PCBおよび電気絶縁油の分解速度を表すグラ
フである。
【図3】水中のpHと炭酸イオン種の存在割合を表すグ
ラフである。
【図4】炭酸ナトリウムの水に対する溶解度を表すグラ
フである。
【図5】本発明によるPCB含有電気絶縁油の処理装置
をPCBを低濃度含有する電気絶縁油の処理に適用した
場合の実施の形態の他の例の要部の抽出拡大図である。
【図6】試験例1の各種データを記した図である。
【図7】試験例2の各種データを記した図である。
【図8】比較例の各種データを記した図である。
【符号の説明】
1 PCB含有油 2 PCB 3 水 4 燃焼油 5 酸素 6 水酸化ナトリウム 7 二酸化炭素 8 炭酸ナトリウム 9 塩化ナトリウム(食塩) 10 油分解装置 11 油分解反応容器 12a PCB含有油タンク 12b 給油ポンプ 13a 貯水タンク 13b 給水ポンプ 14a 酸素ボンベ 14b 酸素供給ノズル 16 熱交換器 17a 濃縮タンク 17b 循環ポンプ 19 供給ヘッダ 20 PCB分解装置 21 PCB分解反応容器 22 給水ポンプ 23a 水酸化ナトリウム水溶液タンク 23b 供給ポンプ 25a 燃焼油タンク 25b 給油ポンプ 26 熱交換器 27 処理水タンク 28 サイクロンセパレータ 29 供給ヘッダ 39 エジェクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C10N 40:16 C10N 40:16 (72)発明者 畑野 敏幸 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社 長崎造船所内 (56)参考文献 特開 平8−141107(JP,A) 特開 平10−28951(JP,A) 特開 平11−639(JP,A) 特開2000−5594(JP,A) 特開2000−116814(JP,A) 特開 平11−90385(JP,A) 特開 平11−319773(JP,A) 特開 平11−197492(JP,A) 特開 平10−156174(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A62D 3/00 B01J 3/00 B01J 19/00 301 G10G 9/00 C10M 175/02

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PCB含有電気絶縁油を水中で酸素を供
    給して300〜350℃の温度で加熱処理して油分を分
    解すると共にPCBを当該水に移行させることを特徴と
    するPCB含有電気絶縁油の処理方法。
  2. 【請求項2】 PCB含有電気絶縁油を水中で酸素を供
    給して300〜350℃の温度で加熱処理して油分を分
    解すると共にPCBを当該水に移行させた後、当該水と
    炭酸ナトリウムとを酸素を供給して350〜400℃で
    加熱処理して上記PCBを分解することを特徴とするP
    CB含有電気絶縁油の処理方法。
  3. 【請求項3】 PCB含有電気絶縁油を水中で酸素を供
    給して300〜350℃の温度で加熱処理して油分を分
    解すると共にPCBを当該水に移行させる電気絶縁油分
    解手段を備えてなることを特徴とするPCB含有電気絶
    縁油の処理装置。
  4. 【請求項4】 PCB含有電気絶縁油を水中で酸素を供
    給して300〜350℃の温度で加熱処理して油分を分
    解すると共にPCBを当該水に移行させる電気絶縁油分
    解手段と、 前記電気絶縁油分解手段からの前記水と炭酸ナトリウム
    とを酸素を供給して350〜400℃で加熱処理して前
    記PCBを分解するPCB分解手段とを備えてなること
    を特徴とするPCB含有電気絶縁油の処理装置。
  5. 【請求項5】 前記電気絶縁油分解手段が内部を高温高
    圧状態で維持できる油分解反応容器と、 前記油分解反応容器に前記PCB含有電気絶縁油を供給
    するPCB含有電気絶縁油供給手段と、 前記油分解反応容器に水を供給する水供給手段と、 前記油分解反応容器内に供給された前記PCB含有電気
    絶縁油を300〜350℃の温度で燃焼させる燃焼手段
    とを備えてなることを特徴とする請求項3または4に記
    載のPCB含有電気絶縁油の処理装置。
  6. 【請求項6】 前記燃焼手段が前記反応容器内に酸素を
    供給する酸素供給手段と、 前記反応容器内に油を供給する油供給手段とを備えてな
    ることを特徴とする請求項5に記載のPCB含有電気絶
    縁油の処理装置。
  7. 【請求項7】 前記油供給手段が前記反応容器に前記P
    CB含有電気絶縁油を供給する前記PCB含有電気絶縁
    油供給手段であることを特徴とする請求項6に記載のP
    CB含有電気絶縁油の処理装置。
  8. 【請求項8】 前記油分解反応容器から送出された前記
    水を貯蔵すると共に、当該水の一部を前記水供給手段に
    還流させて当該水に含有されるPCBの濃度を高めるP
    CB濃縮手段を前記電気絶縁油分解手段に設けたことを
    特徴とする請求項5から7のいずれかに記載のPCB含
    有電気絶縁油の処理装置。
  9. 【請求項9】 前記PCB分解手段が内部を高温高圧状
    態で維持できるPCB分解反応容器と、 PCBを含有する水を前記PCB分解反応容器に供給す
    るPCB含有水供給手段と、 前記PCB分解反応容器内に水酸化ナトリウムの水溶液
    を供給する水酸化ナトリウム供給手段と、 前記PCB分解反応容器内を350〜400℃の温度で
    燃焼させる燃焼手段とを備えてなることを特徴とする請
    求項4に記載のPCB含有電気絶縁油の処理装置。
  10. 【請求項10】 前記燃焼手段が前記反応容器内に酸素
    を供給する酸素供給手段と、 前記反応容器内に油を供給する油供給手段とを備えてな
    ることを特徴とする請求項9に記載のPCB含有電気絶
    縁油の処理装置。
  11. 【請求項11】 前記油供給手段が前記反応容器に前記
    PCB含有電気絶縁油を供給するPCB含有電気絶縁油
    供給手段であることを特徴とする請求項10に記載のP
    CB含有電気絶縁油の処理装置。
  12. 【請求項12】 前記PCB分解反応容器から水と共に
    送出される炭酸ナトリウムを当該水から分離して当該P
    CB分解反応容器内に戻す炭酸ナトリウム循環手段を前
    記PCB分解手段に設けたことを特徴とする請求項9か
    ら11のいずれかに記載のPCB含有電気絶縁油の処理
    装置。
  13. 【請求項13】 前記PCB分解反応容器の側壁下方側
    にエジェクタを介して前記PCB含有水供給手段を連結
    し、当該PCB含有水供給手段と当該エジェクタとの間
    に前記水酸化ナトリウム供給手段を連結したことを特徴
    とする請求項9から12のいずれかに記載のPCB含有
    電気絶縁油の処理装置。
  14. 【請求項14】 前記PCB分解反応容器の側壁下方側
    にエジェクタを介して前記PCB含有水供給手段を連結
    し、当該エジェクタの絞り部に備えた拡径部に前記油供
    給手段を連結したことを特徴とする請求項10または1
    1に記載のPCB含有電気絶縁油の処理装置。
  15. 【請求項15】 前記PCB分解反応容器の側壁下方側
    にエジェクタを介して前記PCB含有水供給手段を連結
    し、前記炭酸ナトリウム循環手段の炭酸ナトリウム送出
    口側を当該エジェクタの吸引室に連結したことを特徴と
    する請求項12に記載のPCB含有電気絶縁油の処理装
    置。
  16. 【請求項16】 前記PCB分解反応容器の側壁側に水
    の送出口を設けたことを特徴とする請求項9から15の
    いずれかに記載のPCB含有電気絶縁油の処理装置。
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