JP3352013B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP3352013B2
JP3352013B2 JP03611298A JP3611298A JP3352013B2 JP 3352013 B2 JP3352013 B2 JP 3352013B2 JP 03611298 A JP03611298 A JP 03611298A JP 3611298 A JP3611298 A JP 3611298A JP 3352013 B2 JP3352013 B2 JP 3352013B2
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和光 岩村
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操縦安定性を高め
つつ軽量化しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】例え
ば乗用車用のラジアルタイヤにあっては、カーカスにレ
ーヨン、ポリエステル、ナイロンなどの有機繊維コード
を使用することが多い。これらの有機繊維コードは、互
いに平行に配列されるとともに各ゴム材料と好適に接着
しうるよう配合されたトッピングゴムに被覆されたゴム
引きプライとして成形され、タイヤの製造に供される。
【0003】このようなゴム引きプライは、有機繊維コ
ードが占める重量よりもトッピングゴムが占める重量の
方が大きい。したがって、タイヤを軽量化するに際して
は、如何にしてこのトッピングゴムを薄くできるかが重
要となってくる。
【0004】ここで、本発明者らは同じ強度となるよう
に、ポリエステルコードを用いたゴム引きプライと、ス
チールコードを用いたゴム引きプライとを試作し、この
ときのコード、ゴムの各重量を測定したところ、表1に
示すような結果を得た。なお、ポリエステルコードのプ
ライは、繊度1650dtexで5cm当たりの打ち込み
本数(以下、単に「エンズ」ということがある。)が5
1とし、スチールコードは1×1×0.25であり、6
6エンズとした。
【0005】
【表1】
【0006】表1に示すように、各プライを同じ強度と
した場合には、ポリエステルコードからなるプライの方
が軽量であったが、コードだけの重量に着目した場合に
はスチールコードの方が軽量であることが判明した。し
たがって、スチールコードを採用しつつトッピングゴム
の量を減じることがタイヤ重量を軽量化するのに役立
つ。
【0007】他方、タイヤの製造時に問題となるのはタ
イヤは加硫時のカーカスの膨張変形に伴うコードのスト
レッチ(伸縮性)であり、カーカスコードにはこのよう
なストレッチを見込む必要がある。
【0008】従来のスチールコードでは、加硫時のスト
レッチを確保するために細い素線の複数本を撚り合わせ
ることが行われていたが、このようなコードは重量当た
りのコストが高く、また撚り合わせることによりコード
径が太くなり、おのずとこれを被覆するトッピングゴム
の量も増大してタイヤ重量を増加させる原因となる。
【0009】本発明は以上のような問題点に鑑み案出さ
れたもので、カーカスプライに線径Dが0.15〜0.
5mmで、しかもその伸び率Sの範囲を規制した単線のス
チールコードを用いることを基本として、カーカスプラ
イの加硫時のストレッチをも確保しつつタイヤ重量を軽
量化できしかも操縦安定性を向上しうる空気入りタイヤ
を提供することを目的としている。
【0010】なお単線のスチールコードをくせ付けして
タイヤ補強部材に用いる技術としては、例えば特開平1
−229704号公報、特開平1−234807号公報
及び特開平4−281081号公報などが提案されては
いるが、これらはいずれもラジアルタイヤのベルトに用
いられるものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウ
ォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカス
と、トレッド部の内方かつ前記カーカスの外側に配置さ
れるベルト層とを具えた空気入りタイヤであって、前記
カーカスは、単線のスチールコードを引き揃えてゴム付
けしたカーカスプライを有し、かつ前記スチールコード
は線径Dを0.15〜0.5mmとし、しかも初期状態か
ら伸長される前記スチールコードの伸び曲線が変曲する
変曲点までの次式で表される伸び率Sが1%以上かつ5
%以下としたことを特徴としている。 S={(L0−LS)/LS}×100 L0:変曲点での長さ LS:初期長さ
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。図1、2において、本実施形態の
空気入りタイヤは、トレッド部2からサイドウォール部
3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6
と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6のタイヤ半
径方向外側に配されたベルト層7とを具えた乗用車用ラ
ジアルタイヤを例示している。
【0013】前記カーカス6は、カーカスコードをタイ
ヤ赤道Cに対して75゜〜90゜の角度で配列した1枚
以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成され
ているものを示す。このカーカスプライ6は、トレッド
部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビード
コア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのびて
前記ビードコア5の廻りで折り返される折返し部6bと
を有する。
【0014】なおカーカス6の本体部6aと折返し部6
bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外
側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックス8が
配され、ビード部4を補強している。
【0015】前記ベルト層7は、コードをタイヤ赤道に
対して15〜40°の小角度で傾けて配列した少なくと
も2枚、本例では内、外2枚のベルトプライ7A、7B
を前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成
している。前記ベルト層のコードは、本例ではスチール
コードが採用されているが、アラミド、レーヨン等の高
弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いうる。
【0016】そして、本発明では、前記カーカスプライ
6Aは、単線のスチールコード9を引き揃えてゴム付け
することにより形成されており、かつ前記スチールコー
ド9は線径Dを0.15〜0.5mmとし、しかも初期状
態から伸長される前記スチールコード9の伸び曲線が変
曲する変曲点までの次式で表される伸び率Sが1%以
上かつ5%以下としたことを特徴の一つとしている。 S={(L0−LS)/LS}×100 … L0:変曲点での長さ(mm) LS:初期長さ(mm)
【0017】このようにカーカスプライ6Aは、線径D
を0.15〜0.5mmとした単線のスチールコード9か
ら形成することによって、従来複数の素線を撚り合わせ
コードに比してコード径を減じることが可能となり、ト
ッピングゴムの被覆量を減らしうる。またこのような単
線のスチールコード9は、有機繊維コードに比べて伸び
が少ないため、タイヤの剛性が高まり操縦安定性が向上
する。
【0018】なお前記単線のスチールコード9の線径D
が0.15mmを下回ると、カーカスプライ6Aの強度を
確保するために打ち込み本数を増しても満足のゆく強度
が得られない傾向があり、逆に0.5mmを超えるとカー
カスプライ6Aの剛性を低下させるためにエンズを少な
くとするとコード配列が疎となり、バルジといったタイ
ヤ成形不良が生じ易くなる。かかる観点より、前記単線
のスチールコード9の線径Dは、0.2〜0.5mm、よ
り好ましくは0.2〜0.4mmとするのが望ましい。
【0019】さらに本発明では、単線のスチールコード
9の伸び率Sを1〜5%の範囲に限定しており、単線の
スチールコード9にこのような伸び率Sを与えるため
に、例えば図2に示すようにコード9に波状または螺旋
状のくせ付けを施すことが好ましい。なお、このような
くせ付けは、波状の波長L、振幅hなどを種々定めうる
が、本例では単線のスチールコード9の伸び率Sが所定
の範囲を満たすように構成することによって、加硫時に
必要のストレッチを確保することができ、タイヤの成形
精度を向上しうる。
【0020】前記伸び曲線は、図3に示すように、縦軸
に1ピッチの波付部分の単線のスチールコード9に作用
する応力(引張)を、横軸に単線のスチールコード9の
初期状態(無負荷)から伸長される前記スチールコード
の初期長さL0からの長さをとった座標系で表すことが
でき、本発明では該曲線が変曲する変曲点までの上記式
で表される伸び率Sを規制するものである。
【0021】本実施形態のように波状のくせ付けされた
単線のスチールコード9は、引張荷重が与えられると先
ずこのくせ付けを真っ直ぐに伸ばして元に戻そうとする
変形をなし、このときくせ付けされた単線のスチールコ
ード9は小さな応力で大きく伸びる。そして、このくせ
付けが真っ直ぐに伸びきると、今度は単線のスチールコ
ード9自身がヤング率に基づき弾性伸びを開始する。こ
のときの変形は前記の場合の伸びに比べゆっくりと行わ
れる。このように荷重に対する伸びの差が伸び曲線に変
曲点Pとなって現れる。
【0022】そして本発明では、上記式で表されるこ
の変曲点までの伸び率Sが1〜5%であることが必要で
ある。この伸び率Sが1%未満であると、加硫時のスト
レッチが不足し、成形後、サイドウォール部3などが凹
むデントなどのタイヤ加硫不良が生じるなどタイヤの成
形精度を低下させる。しかし、伸び率Sが逆に5%を超
えてしまうと、加硫時のストレッチではコードが十分に
のびきらず、該スチールコードがくせ付けを残したまま
加硫成形されてしまうため、操縦安定性が著しく低下す
る傾向がある。好ましくは伸び率Sは2〜5%とする。
【0023】このように、本実施形態の単線のスチール
コード9は、加硫成形時のラジアルカーカスの膨張に伴
うストレッチを確保しつつ、この加硫後にはくせ付けを
真っ直ぐに伸ばしきるようにストレッチするものを例示
している。これによって高い次元でタイヤの成形精度と
操縦安定性とが両立できる。
【0024】なおスチールコード9には、例えば炭素含
有量が0.70〜0.90wt%の硬鋼線材やピアノ線材
などその他各種の鋼線を採用でき、またトッピングゴム
との接着性や耐防蝕性を向上するべくブラスメッキ、ブ
ロンズメッキ等のメッキを施すことが望ましい。
【0025】また上記実施形態では、カーカスが1枚の
カーカスプライで形成されたものを例示したが、これに
限定されることなく複数枚としても良い。また本実施形
態の単線のスチールコードは、波状以外にもスパイラル
状など三次元のくせ付けを施しても良く、さらに本発明
は特に乗用車用のラジアルタイヤとして好適に採用しう
る。
【0026】
【実施例】タイヤサイズが175/70R13でありか
つ表1に示す空気入りタイヤを試作し、加硫成形の容易
さ、バルジやデントの発生の有無(タイヤ加硫精度)、
タイヤ重量について評価した。
【0027】なお、実施例1、2、比較例1〜4は、い
ずれも単線のスチールコードからなる1枚のカーカスプ
ライからなるカーカスを具え、また従来例はポリエステ
ルコードからなる1枚のカーカスプライからなるカーカ
スを具えており、ベルト層その他の部材は同一のものを
使用している。
【0028】なお加硫成形の容易さ、バルジやデントの
発生の有無(タイヤ加硫精度)については、従来品を○
とする相対評価を行った。また、操縦安定性について
は、実車に供試タイヤを装着してテストコースを走行す
るとともに、ドライバーの官能により従来例を○とする
相対評価を行った(なお+は「良」を示す)。またタイ
ヤ重量については、従来品からの増減にて評価した。テ
ストの結果などを表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】テストの結果、実施例のタイヤは、タイヤ
重量を軽量化しつつ操縦安定性、タイヤの成形精度を向
上しうることが確認できた。なお、スチールコードの線
径Dが0.15mm未満である比較例1では、軽量化が可
能になるが操縦安定性が低下する。またスチールコード
の線径Dが0.50mmを超える比較例2では、タイヤ重
量の軽量化は望めない。また伸び率Sが小さい比較例3
では、加硫時のストレッチが十分に得られず、加硫が困
難でかつバルジ等の成形不良が生じていた。さらに、伸
び率Sが5%を超える比較例4では、加硫によりカーカ
スコードが十分に伸びきっておらず操縦安定性の向上が
期待できない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
では、線径Dを0.15〜0.5mmとした単線のスチー
ルコードから形成することによって、従来の撚り合わせ
コードに比してコード径を減じることができ、トッピン
グゴムの被覆量を減らしタイヤ重量を軽量化でき、また
有機繊維コードに比べて伸びが少ないため、タイヤの剛
性が高まり操縦安定性が向上する。
【0032】また単線のスチールコードの伸び率Sを1
〜5%の範囲に限定したことによって、加硫時のカーカ
スの膨張に必要なコードのストレッチを確保できタイヤ
の成形精度を高めつつ操縦安定性の低下をも抑制しう
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す空気入りタイヤの
断面図である。
【図2】スチールコードを例示する線図である。
【図3】コードの伸びと応力との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6A カーカスプライ 7 ベルト層 9 単線のスチールコード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 9/00 - 9/08 B29D 30/08 - 30/30 D07B 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至るカーカスと、トレッド部の内
    方かつ前記カーカスの外側に配置されるベルト層とを具
    えた空気入りタイヤであって、 前記カーカスは、単線のスチールコードを引き揃えてゴ
    ム付けしたカーカスプライを有し、かつ前記スチールコ
    ードは線径Dを0.15〜0.5mmとし、しかも初期状
    態から伸長される前記スチールコードの伸び曲線が変曲
    する変曲点までの次式で表される伸び率Sが1%以上か
    つ5%以下としたことを特徴とする空気入りタイヤ。 S={(L0−LS)/LS}×100 L0:変曲点での長さ LS:初期長さ
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