JP3355112B2 - コンクリート補強用鋼繊維 - Google Patents
コンクリート補強用鋼繊維Info
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Description
強度および靱性を補強する目的で混入される、主として
吹付コンクリートに用いられるコンクリート補強用鋼繊
維に関するものである。
ートの中に鋼繊維を混入し均一に分散させた鋼繊維補強
コンクリート(以下、「SFRC」という)は、鋼繊維
を混入しない通常のコンクリートに比べたひび割れ抵抗
性ならびに引張り強度および剪断強度などが大きく、更
に、ひび割れ発生後のコンクリートの靱性も大きいこと
から、従来土木分野でトンネル巻立用、NATM工法に
よるトンネルの1次覆工吹付コンクリート、および、道
路の法面吹付コンクリートなどで多用されてきた。
直径10〜13cmの筒状ノズルの先から高圧の圧搾空
気によりSFRCを吹き付ける関係上、ノズルが閉塞し
ないように直径0.4〜0.6mm、長さ20〜30m
mと短い鋼繊維が用いられ、コンクリート1m3 当たり
容積百分率で1%程度(重量で約80kg)の鋼繊維が
混入される。更に、吹付SFRCに用いられる粗骨材
は、鋼繊維長さの約半分の粒径のものを使用するとSF
RCの性能が最も発揮されることから、粗骨材の最大寸
法は10〜15mmの細かい砂利や砕石が使用される。
は、補強効果を高めるために鋼繊維1本当たりの引張強
度が高いこと、コンクリート中に混入して練り混ぜると
きに曲がったり折損しないように適度の硬さがあるこ
と、コンクリートとの付着が良いこと、および、コンク
リートに混入して練り混ぜるときにファイバーボールと
称する塊が生じず分散性が良いことなどがあり、鋼繊維
に用いられる材質や製造法に応じて種々の形状および寸
法などが考案されている。鋼繊維を製造する方法として
代表的なものは、以下の通りである。 (1)厚さ0.5mm程度の冷延薄鋼板を回転刃により
細く剪断加工する薄板剪断法(特開昭52−29689
号公報、特開昭57−176362号公報)。(以下、
「先行技術1」という)。 (2)冷延、引抜きされた丸鋼線を所定の長さに切断す
る鋼線切断法(特開昭60−195043号公報、特開
昭60−235751号公報、特開平4−310553
号公報)(以下、「先行技術2」という)。
鋼繊維は、それぞれ製造法、繊維長さ、鋼繊維の原材料
となる素材の材質の違いによる特有の性質を有してお
り、SFRCとした場合、その強度特性および変形性能
がかなり異なることが判明している。これら性質の差
は、鋼繊維が外力を受けたとき、鋼繊維とコンクリート
との付着特性が直接の支配的要因となり、鋼繊維が外力
を受けたとき鋼繊維が切断しない範囲で、鋼繊維とコン
クリートとの付着強度をより高めるために鋼繊維の形状
について種々の工夫がなされている。この方法として、
以下(a)〜(c)に示すものがある。 (a)鋼繊維の軸線に沿って断面を異形形状に加工した
もの。 (b)鋼張力薄鋼板を細く剪断加工する際に凹凸の付い
たダイスを用いて軸線を波形の異形部に加工したもの。 (c)鋼繊維の端部を折り曲げ加工して端部でのアンカ
ー作用により引き抜け抵抗性を高めたもの。
点は、SFRCに外力が作用した場合、鋼繊維の引張強
度とコンクリートとの付着強度とのバランスがとれてお
り、鋼繊維が破断することなく高い付着強度を維持しな
がらコンクリートに作用する外力を分担してコンクリー
トが破壊しにくく、且つ粘り強くなるような鋼繊維の材
質および形状を定めることにある。従来は、鋼繊維長さ
が30mm前後の短い鋼繊維については、これまで豊富
な実施工例などを通して最適な形状が経験的に定められ
てきた。また、用いられるコンクリートの強度も設計基
準強度で210〜240kgf/cm2 と低いこともあ
り、SFRC性能については何ら問題は生じていなかっ
た。ところが、近年はSFRCの用途が多様化し、超大
口径トンネルなどに用いられるコンクリート強度が50
0〜600kgf/cm2 と従来考えられなかった高強
度となり、且つ、SFRCとしたときに高靱性となる性
能が求められるようになってきた。このように、高強度
および高靱性SFRCとなる薄板剪断法による鋼繊維の
最適形状などについては殆ど検討がなされていなかっ
た。
60〜100kgf/mm2 、長さが30mm前後の薄
板剪断法により作られる鋼繊維では、次に示す鋼繊維の
異形部とコンクリートとの付着特性を表す指標である支
圧面積係数を0.005〜0.015の範囲に設定した
波形の異形部を鋼繊維の全長に渡って配すれば、SFR
Cに外力が作用した場合、鋼繊維が破断することなく高
い付着強度を維持しながら引き抜けることで外力に抵抗
することが判明している。
支圧面積)/(1ピッチの長さ×鋼繊維の周長) ここで、支圧面積係数とは、波形の異形部と未加工の軸
線部とからなる1ピッチ長さの鋼繊維表面積当たりの支
圧面積(=鋼繊維の幅×波形の異形部の山の高さ)の比
率を表すものである。
度が設計基準強度で210〜240kgf/cm2 と通
常のコンクリート強度に対応したものであり、コンクリ
ート強度が500kgf/cm2 以上の高強度SFRC
に外力が作用した場合、鋼繊維とコンクリートとの付着
強度が上昇することもあり、従来の薄板剪断法による鋼
繊維では、鋼繊維が破断して結果としてSFRCの靱性
が大きく低下する現象が生じてきた。そして、長さ30
mm前後の鋼繊維を用いた高強度の吹付用SFRCが外
力を受けたとき、薄板剪断法により外力に抵抗するため
の検討はこれまでなされていなかった。
解決することができる、吹付コンクリートに用いられる
コンクリート補強用鋼繊維を提供することにある。
高張力薄鋼板を細く剪断加工して製造されるコンクリー
ト補強用鋼繊維において、前記鋼繊維は、20〜30m
mの長さを有し、0.6〜0.8mmの幅を有し、60
〜100kgf/mm2の引張強度を有し、10〜25
%の伸びを有しており、前記鋼繊維には、その全長に渡
って波形に加工した異形部が所定間隔をあけて設けられ
ており、鋼繊維を適用するコンクリートの圧縮強度が5
00kgf/cm 2 以上の高強度コンクリートであるこ
とに特徴を有するものである。
の引張強度を鋼線切断法(先行技術2)による鋼繊維の
ように100kgf/mm2 以上と高いものにして鋼繊
維が破断しないようにする方法と、鋼繊維の原材料であ
る高張力薄鋼板の材質や鋼繊維の軸線部に加工する波形
の異形部の個数などで制御する方法とがある。
料である高張力薄鋼板のコストアップの要因となり、
又、引張強度が100kgf/mm2 以上となると鋼板
の硬度が従来の薄鋼板より大きくなり回転刃による剪断
加工が困難となることから、課題の解決は、原材料であ
る高張力薄鋼板の材質および鋼繊維の最適な形状を定め
る方法の方が、鋼繊維を大量に安価に製造できる好まし
い方法となる。
0kgf/cm2 となると従来の鋼繊維が破断する主な
原因の1つは、コンクリートが高強度になるとひび割れ
が発生した場合、コンクリート内部に蓄積された大きな
歪エネルギーが一挙に解放されるため、鋼繊維がこれに
耐えきれずに各個撃破的に破断することにある。このた
め、鋼繊維の材質を従来の薄鋼板よりはるかに伸びの良
い材質に変え、ひび割れが生じたときの大きな解放エネ
ルギーをひび割れ面に位置する鋼繊維の伸びにより一旦
吸収して和らげることにより弱め、更に鋼繊維の軸線部
に加工した異形部とコンクリートとの付着強度および鋼
繊維の伸びの両方で外力に抵抗することにより、SFR
Cとしての強度および靱性を高める方法が考えられる。
伸びの異なる薄鋼板9種類を用いて鋼繊維を多数試作
し、これを用いて図1に示すような高強度のモルタル試
験体9に鋼繊維8を1本の埋込み長さを鋼繊維の全長の
半分として埋込み、これを引張試験機にて引抜く鋼繊維
引抜き試験を実施し、鋼繊維1本当たりが有する吸収エ
ネルギーの比較を行った。
Pと鋼繊維がモルタルマトリクスから抜け出してくる滑
り出し変位曲線との関係を模式的に示したグラフであ
る。ハッチで囲った部分の面積が鋼繊維1本当たりの吸
収エネルギーに相当する。この吸収エネルギーが大きい
ほどSFRCとなしたときの吸収エネルギー、即ち靱性
(タフネス)が大きくなる。ここで、鋼繊維の抜け出し
が卓越しない11の曲線では、引抜き荷重が鋼繊維の破
断荷重SFPmaxを超えると鋼繊維が破断し、当然吸収
エネルギーは鋼繊維が付着抜け出しする場合の曲線10
に比べて小さくなる。また、付着抜け出しが卓越する場
合には、引抜き荷重−滑り出し変位曲線において図2に
示すようにモルタル内に埋め込まれた異形部の数だけの
山の部分が存在し、これが鋼繊維とモルタルマトリクス
との付着による抵抗に相当する。
では、モルタルの圧縮強度が600〜610kgf/c
m2 となるよう調合を行ない、モルタル試験体の大きさ
は、40×40×40mmの立方体とした。試験では、
鋼繊維が出ている面を端部拘束した後、外に出ている鋼
繊維の端部を最大能力500kgfの引張試験機のチャ
ックで挟み付け鋼繊維を上方に引き抜くことにより引抜
き荷重−滑り出し変位曲線を測定し、得られた曲線より
鋼繊維1本当たりの吸収エネルギーを計算した。
うに伸びが1.9〜35.4%の範囲内にある薄鋼板よ
り薄板剪断法により試作したもので、長さ30mm、波
形の異形部は付着抜け出しが卓越するように鋼繊維片側
にのみ3個を配し、残る片側は、引張試験機のチャック
で挟み込む関係上異形部を設けないストレートな形状と
した。また、試作鋼繊維は、異形部とモルタルマトリク
スとの付着による影響を同一条件とするため、異形部の
支圧面積係数を0.007前後、異形部から異形部まで
の1ピッチ長さを5mm、更に鋼繊維の材軸と直交する
断面での鋼繊維の周長が同じとなるよう鋼繊維の形状を
定めた。表1に示す試作鋼繊維のうち伸びが1.9%の
No. 1の鋼繊維が通常のコンクリート強度に対して適用
される従来品の材質に相当する。
引抜き試験の平均値から得られた吸収エネルギーと鋼繊
維の伸びとの関係を示したグラフである。縦軸は表1で
示すNo. 1の鋼繊維から得られた吸収エネルギーの平均
値で各試作鋼繊維の吸収エネルギーの平均値を除して無
次元化した吸収エネルギー比で表した。図3において、
●印:鋼繊維の伸びが本発明の範囲内にある場合に相当
するもの、○印:鋼繊維の伸びが本発明の範囲外にある
場合に相当するものを示す。図3から、伸びが10〜2
5%の範囲内にある鋼繊維の吸収エネルギーが、伸びが
これ以外の範囲にある鋼繊維の吸収エネルギーの約2〜
2.2倍と高い値を示すことが判明し、アイデアの確認
ができた。図3に示す結果は、図4に示す試験の結果得
られた伸びの異なる各領域での典型的な引抜き荷重−滑
り出し変位曲線で説明できる。図4において、12の曲
線は伸びが10%未満の鋼繊維に対するもの、13の曲
線は伸びが10から25%の範囲にある鋼繊維に対する
もの、14の曲線は伸びが25%を超えて大きい鋼繊維
に対するものである。伸びが10%未満の場合は、鋼繊
維が外力に対して抵抗する機構が殆ど鋼繊維の異形部と
マトリクスとの付着力に依存し、また、鋼繊維が一旦抜
け出し始めると伸びが小さい分、鋼繊維全体がずるずる
と抜け出し吸収エネルギーが小さい。また、伸びが25
%を超えて大きい場合は、伸びが大きいが故に異形部が
抜け出てくる前に鋼繊維がいわばゴムを引っ張ったよう
な深絞りの状態になって断面積が減少するため鋼繊維が
破断して吸収エネルギーが小さくなる。一方、伸びが1
0〜25%の範囲内にある鋼繊維は、異形部1個ごとに
鋼繊維の伸びによる抵抗分と異形部による付着力との両
方で外力に抵抗するため、図4に見られるように吸収エ
ネルギーが格段に大きくなる。
の結果なされたもので、薄板剪断法により製造される長
さ20〜30mmの吹付用鋼繊維において、鋼繊維の原
材料である高張力薄鋼板の材質のうち、伸びを10〜2
5%とすることにより、高強度SFRCとしたときも、
強度および靱性が共に優れた高性能な吹付用鋼繊維が得
られることを見出したものである。
全面に波形に加工した異形部を配した繊維長さ20〜3
0mm望ましくは30mm、鋼繊維の幅は0.6〜0.
8mm望ましくは0.7mm、の吹付コンクリート用鋼
繊維において、使用する鋼繊維の材質および形状に対す
る最適組合せを選定するにあたり、多数の鋼繊維供試品
を作り日本コンクリート工学協会「鋼繊維補強コンクリ
ート研究小委員会」による「繊維補強コンクリートの曲
げ強度及び曲げタフネス試験方法(案)」に基づくSF
RCの曲げ試験を多数実施した。その結果、支圧面積係
数が0.005〜0.015で、鋼繊維の付着引き抜け
が卓越する範囲で鋼繊維軸線部全面に波形の異形部1ピ
ッチ当たりの長さを5mmとした形状、および、鋼繊維
の材質を引張強度が60〜100kgf/mm2 、伸び
が10〜25%とすれば、コンクリート強度が500k
gf/cm2 以上のSFRCでもコンクリートとの高い
付着力を維持したまま鋼繊維が破断することがなく強度
および靱性に優れたSFRC特性が得られた。この結
果、SFRCの曲げ強度および曲げひび割れ後のSFR
Cのエネルギー吸収能力を表す指標である曲げ靱性係数
(タフネス)も大きくなり、上記範囲の鋼繊維とするこ
とにより高強度コンクリートでも鋼繊維の補強効果を最
も大ならしめるSFRCが得られることを見出したもの
である。
面を参照しながら説明する。図5は、この発明による薄
板剪断法による鋼繊維の材軸方向の断面図である。図面
に示すように、鋼繊維8は、軸線部1と波形に加工した
異形部2とからなっている。異形部2は、鋼繊維8の全
長lに渡り設けられ、直線部1と異形部2とは、異形部
2から隣りの異形部2までの1ピッチ長さqをもって、
交互に現れるようになっている。
gf/cm2 以上の高強度コンクリートに鋼繊維を混入
したときの、本発明による鋼繊維および従来品の薄鋼板
より製造した鋼繊維を用いた場合のSFRCの性能につ
いて示すものである。
鋼板の機械的性質、鋼繊維の寸法および鋼繊維1本に配
した異形部の総個数も併記した。表2に示すSFRC性
能試験では、横断面が10×10cm、長さ40cmの
直方体の小型はり曲げ試験体により曲げ強度、曲げ靱性
係数(タフネス)を、および、直径10cm、高さ20
cmの円柱体試験体により圧縮強度をそれぞれ求めた。
小型はり曲げ試験は、日本コンクリート工学協会で提案
されている2点集中載荷曲げ試験方法(支点間距離30
cm、載荷点間隔10cm)により行った。鋼繊維補強
コンクリートの配合は、水セメント比35%、細骨材率
60%、単位水量175kg/m3 、単位セメント量5
00kg/m3 、鋼繊維混入量79kg/m3 (容積百
分率で1.0%)で、用いた粗骨材の最大寸法は15m
mとした。SFRC打設後の試験体の養生は20℃標準
水中養生とし、材令28日で性能試験を実施した。
鋼繊維によるもの、配合No. 6〜10が比較のための鋼
繊維を用いた場合のものである。配合No. 1〜3は、薄
鋼板の材質、異形部の総個数を変えずに鋼繊維の幅を変
えたもの、配合No. 4、5は、鋼繊維の形状を一定とし
て薄鋼版の伸びを変えたものである。比較鋼繊維による
配合No. 6〜8は、鋼繊維の材質および異形部の総個数
を変えずに鋼繊維の幅を変えたものである。配合No. 9
は、薄鋼板の伸びが従来品より若干良い場合の鋼繊維、
配合No. 10は、鋼繊維の伸びが本発明より大きい鋼繊
維について示したものである。
圧縮強度が設計基準強度で500kgf/cm2 以上の
高強度コンクリートに対して、曲げひび割れ発生後は鋼
繊維が破断することなく高い付着強度を維持しているた
め、耐力の落ち込みの少ない割れたひび割れ抵抗性を示
し、SFRCの粘り強さを表す曲げ靱性係数は、本発明
品より伸びの小さい鋼繊維によるものに比べて最大で3
倍と高い性能を示した。
し伸びが2.1%と低い配合No. 6、7に示す比較のも
のは、ひび割れ発生時の大きな歪解放エネルギーに耐え
きれずに鋼繊維が各個撃破的に次々に破断し曲げ靱性係
数は低かった。
を3個とし、更に鋼繊維の幅を増した配合No. 8の鋼繊
維は、ひび割れ発生時に鋼繊維が破断することは無くな
ったが、コンクリートとの付着力が低下するために曲げ
強度は本発明品より低下し、曲げ靱性係数の上昇も小さ
かった。
配合No. 9によるものは、鋼繊維が破断することはない
が、本発明品に比べてひび割れ発生時の解放エネルギー
を鋼繊維の伸びで吸収する割合が低く曲げ靱性係数の上
昇分は本発明によるものより低かった。
を持つ鋼繊維を用いた配合No. 10では、ひび割れ発生
時に鋼繊維が破断することはないが、ひび割れ進展時に
鋼繊維が抜け出ようとする前に鋼繊維軸線部が深絞り状
態となり、断面積が減少して鋼繊維が破断するため曲げ
靱性係数の値は、本発明品によるものより小さかった。
試験体を用いた曲げタフネス試験における曲げ荷重Pと
試験体中央点でのたわみδとの関係を、本発明品の配合
No.2の場合および比較の鋼繊維による配合No. 7の場
合について示したグラフある。本発明の鋼繊維によるS
FRCの場合は、ひび割れ発生時の大きな歪解放エネル
ギーをひび割れ面での鋼繊維の大きな伸びで吸収して弱
め、ひび割れ進展時は鋼繊維の伸びおよび鋼繊維の異形
部とコンクリートとの高い付着力の両方で外力に抵抗す
るため、図面に示すようにひび割れ発生後更に耐力が上
昇するいわゆる歪硬化現象を示し、鋼繊維が破断するこ
となく高い付着力を維持しながら徐々に引き抜け、結果
として高い靱性性能を得ることができる。一方、伸びの
小さい鋼繊維を用いたものは、曲げひび割れ発生時にひ
び割れ面での大半の鋼繊維が各個撃破的に次々と破断す
るため耐力が急激に低下し曲げ靱性係数も小さくなる。
質は、以上述べたように、鋼繊維の全長に渡り鋼繊維軸
線部に波形に加工した異形部を配し、鋼繊維の幅は、
0.6〜0.8mm、鋼繊維の引張強度は60〜100
kgf/mm2 、鋼繊維の伸びは10〜25%の範囲と
することが好ましい。鋼繊維の幅が0.6mm未満で
は、コンクリート中の鋼繊維の本数が増え曲げ強度の値
は大きくなるが、ひび割れ発生時にひび割れ面での鋼繊
維の何割かが破断して靱性が低下するため好ましくな
い。鋼繊維の幅が0.8mmを超えるとひび割れ発生時
に鋼繊維が破断することはないが、コンクリート中での
鋼繊維の本数が少なくなることによりコンクリート全面
を補強する効果が十分に発揮できず、曲げ強度および曲
げ靱性係数とも低下する。鋼繊維の伸びが10%未満で
は、ひび割れ発生時の大きな歪解放エネルギーを鋼繊維
の伸びだけでは吸収することが難しく、鋼繊維とコンク
リートとの付着力により解放エネルギーの大半を負担す
ることになり、鋼繊維が破断すれはSFRCとしての靱
性も低下する。鋼繊維が破断しないように異形部の個数
を減じたり、鋼繊維の幅を増すことはコンクリートとの
付着強度が低下し、耐力、靱性の向上には効果が小さ
い。また、鋼繊維の伸びが25%を超えると、薄鋼板の
引張強度が60kgf/mm2 より低くなり、鋼繊維と
したときはコンクリート混練中に鋼繊維が折れ曲がりや
すくなり、SFRCとしての補強効果が低下することに
なり好ましくない。
ば、下記に示す有用な効果がもたらされる。 実施の形態で示したように、本発明は、薄板剪断法
による従来の吹付用鋼繊維に比べて10〜25%と伸び
の良い薄鋼板を用いて、コンクリート圧縮強度が500
kgf/cm2 以上の高強度コンクリートにおいて、強
度および靱性ともに従来より大幅に優れたSFRCとな
る鋼繊維を提供することができる。 更に、本発明による鋼繊維は、設計基準強度が21
0〜240kgf/cm 2 と通常のコンクリート強度に
対しても、ひび割れ発生時の歪エネルギーを吸収するメ
カニズムが従来によるものより優れているため、曲げ靱
性係数が3〜5割の従来のものより高い粘り強いSFR
Cとすることができる。 本発明による鋼繊維をコンクリートに混入すること
により、コンクリートに外力が作用した場合のSFRC
に要求される性能を最大に発揮することができ、また、
生産性が高く極めて実用性の高い鋼繊維を提供すること
ができる。
示す説明図である。
収エネルギーの概念を示すグラフである。
と鋼繊維が吸収するエネルギーを無次元化した吸収エネ
ルギー比との関係を示すグラフである。
域での鋼繊維の引き抜き荷重−滑り出し変位曲線の典型
的な例を示すグラフである。
横断面図である。
験体により曲げ荷重−はり中央点のたわみ関係を示すグ
ラフである。
たわみ曲線 4:比較のための鋼繊維を用いたSFRCの曲げ荷重−
たわみ曲線 5:小型はり曲げタフネス試験を示す概略図 8:鋼繊維 9:モルタル試験体 10:鋼繊維が付着引き抜けするときの曲線 11:鋼繊維が破断するときの曲線 12:伸びが10%未満の鋼繊維に対する曲線 13:伸びが10から25%の範囲内にある鋼繊維に対
する曲線 14:伸びが25%を超えて大きい鋼繊維に対する曲線 図1中のP:引き抜き荷重SF Pmax:鋼繊維の破断荷重 p:軸線部と異形部とが交互に現れるピッチ長さ 1:鋼繊維の全長 図6中のP:曲げ荷重 δ:はり試験体中央点でのたわみ
Claims (1)
- 【請求項1】高張力薄鋼板を細く剪断加工して製造され
るコンクリート補強用鋼繊維において、前記鋼繊維は、
20〜30mmの長さを有し、0.6〜0.8mmの幅
を有し、60〜100kgf/mm2の引張強度を有
し、10〜25%の伸びを有しており、前記鋼繊維に
は、その全長に渡って波形に加工した異形部が所定間隔
をあけて設けられており、鋼繊維を適用するコンクリー
トの圧縮強度が500kgf/cm 2 以上の高強度コン
クリートであることを特徴とするコンクリート補強用鋼
繊維。
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1997
- 1997-08-29 JP JP23480697A patent/JP3355112B2/ja not_active Expired - Fee Related
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