JP3376544B2 - 被加熱体における電極の接合構造と、この電極の接合構造を有する被加熱体 - Google Patents

被加熱体における電極の接合構造と、この電極の接合構造を有する被加熱体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、例えば、住宅や
オフィスの窓の他、業務用冷蔵庫前面に配置されたガラ
ス扉のガラス面において、室(庫)内環境を良好に維持
するために、温度差によって発生することとなる結露や
窓面に発生する冷たい下降気流(コールドドラフト)の
他、窓を通しての熱貫流による室内温度の低下や不均一
(ミキシングロス現象)を抑制するための窓際空調機の
設置を不要とするために、上記ガラス窓等のガラス面上
に金属薄膜のコーティング層よりなるヒーターを一体に
付設する際に、このガラス窓等のガラス面に一体に付設
されるヒーターに対して電気を供給するために必要とさ
れる電極における、ヒーターとなる金属薄膜のコーティ
ング層との接合構造と、このような接合構造を有してな
る被加熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、住宅やオフィスの窓の
他、スーパーやコンビニエンスストアー等において設置
されている業務用冷蔵庫の前面に配置されることとなる
ガラス扉等においては、特に冬季における室内外の温度
差、又は冷蔵庫内外との大きな温度差によって窓やガラ
ス扉のガラス面の表面においては結露が発生し易いもの
であると共に、窓際においては冷たい下降気流(コール
ドドラフト)の他、ミキシングロス現象が起こり易いも
のであって、特に、ガラス面表面に発生した結露は、室
内や冷蔵庫内の外部からの視界を著しく妨げてしまうも
のであると共に黴等の発生原因となって室(庫)内環境
の悪化を招くものとなる。そのため、このような窓や業
務用冷蔵庫の前面に配置されるガラス窓や扉のガラス面
においては、その表面に発生する結露の他、コールドド
ラフトやミキシングロス現象を防止するために、発熱し
てこのガラス扉のガラス面表面に発生する結露を除去す
ると共にコールドドラフトの他、ミキシングロス現象を
抑制することができるように、ガラス窓や扉のガラス面
において通電により発熱可能となる金属薄膜のコーティ
ング層よりなるヒーターを一体に付設してなるものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記発
熱して、ガラス窓や扉のガラス面表面に発生する結露の
除去の他、コールドドラフトやミキシングロス現象を抑
制することができるように、ガラス窓や扉のガラス面に
おいて通電により発熱可能となる金属薄膜のコーティン
グ層よりなるヒーターを一体に付設してなるガラス窓や
扉の場合では、このガラス窓や扉のガラス面に一体に付
設されることとなる金属薄膜のコーティング層よりなる
ヒーターに対して通電を行うためには、電源に導通する
こととなる電極を接合することが必要となり、そのた
め、これらガラス窓や扉のガラス面に一体に付設される
金属薄膜よりなるコーティング層に対して電極を接合す
るにあたって、ガラスの表面に一体に付設され、通電、
発熱自在となる金属薄膜のコーティング層よりなるヒー
ターの両端部において、平面状の金属製の電極を、銀ペ
ーストの導電性固定材によって一体に固持すると共に、
焼成することによって接合しているものであるが、この
電極の焼成による接合にあたっては、一体に接合すべき
平面上の電極と、ガラスの表面に一体に配設され、通電
によって発熱自在となるヒーターである金属薄膜のコー
ティング層との線膨張率が著しく異なることから、焼成
中において両者間に熱膨張差が生じて、平面状の電極が
大きく変形してこの平面状の電極あるいはそれを固持す
る銀ペーストの導電性固定材とコーティング層との接合
部において著しい応力が加わることとなって、それらの
間に亀裂や空隙が発生してしまい、電極における両者の
接合が均一ではなくなり、ガラス窓や扉のガラス面表面
に一体に付設される金属薄膜のコーティング層への通電
を確実に行うことができなくなって、場合によっては電
極の断線やヒーターの局部的異常発熱等の不具合が発生
する恐れがある。
【0004】更に、平面状の電極がコーティング層と確
実に接合されているものであっても、結露の除去やコー
ルドドラフト又はミキシングロス現象の抑制のために、
長期間にわたってヒーターに対して通電を行っているう
ちに、上述したように、平面状の電極と金属薄膜のコー
ティング層の有する線膨張率が相違することから、平面
状の電極が大きく変形して、電極あるいはそれを固持す
る銀ペースト等の導電性固定材とコーティング層との接
合部に大きな応力が加わることで、平面状の電極あるい
はそれを固持する銀ペースト等の導電性固定材とコーテ
ィング層との接合部での亀裂や空隙、又、場合によって
は平面状の電極がコーティング層から剥離する等により
接合が損なわれることで、ガラス窓や扉のガラス面表面
に付設されるコーティング層への通電を確実に行うこと
ができなくなるおそれがある。
【0005】そこで、この発明は上記従来のものの有す
る問題点を解決するものであり、ガラス等の被加熱体上
に一体に形成されてヒーターとなる金属薄膜のコーティ
ング層に対して通電を行う電極において、製造工程での
焼成或いは加熱時、又は長期間の通電による発熱等によ
り発生する線膨張率の相違に起因する接合部の亀裂、空
隙又は電極自体の剥離等の発生を防止して、確実な接合
ひいてはヒーターとなる金属薄膜のコーティング層への
安定かつ確実な通電を確保しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために、被加熱体で
あるガラスのみならず、セラミック、プラスチック、金
属の基板の表面に一体に形成されることとなる、通電に
より発熱自在となる、金属酸化物である金属薄膜のコー
ティング層の両端部において、例えば銅や、耐食性に優
れた貴金属からなるものであって、電源に導通すること
となる金属製の電極を波状とした上で、その波状となる
電極の波状の上端側を上方に突出させつつ、例えば銀ペ
ーストのような導電性固定材によって一体に固持すると
共に、焼成又は加熱することによって、上記波状とした
電極を導電性固定材を介してコーティング層に対して断
続的に接合することとなるので、製造工程での焼成或い
は加熱時、又は長期間の通電による発熱等により、波状
の電極と金属薄膜のコーティング層の有する線膨張率の
相違に起因して、波状の電極において熱膨張による大き
な変形が起こっても、波状の電極における導電性固定材
よりも上方に突出した部分が伸縮して、その波状の電極
の変形による電極あるいはそれを固持する導電性固定材
とコーティング層との接合部に負荷されるべき応力を吸
収することとなるので、波状の電極あるいはそれを固持
する導電性固定材と金属薄膜のコーティング層との接合
部における亀裂、空隙又は電極の剥離などを防止するこ
とができる。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の実施においては、電極
を、例えば銅や、耐食性に優れた貴金属からなるもので
あって、波状の伸縮自在となるように、例えば、パルス
状、正弦波状、又は鋸切り歯状とし、更にこのような波
状の電極を銀ペーストや半田等の導電性固定材によっ
て、その波状の上端側を導電性固定材より上方に突出さ
せつつヒーターとなるコーティング層に断続的に接合す
ることで、焼成時等に起こる電極及びコーティング層の
有する線膨張率の差に起因する電極の熱膨張による大き
な変形に基づく応力は、波状の電極の導電性固定材より
上方に突出した部分が伸縮することによって吸収される
ので、電極あるいはそれを固持する導電性固定材と金属
薄膜のコーティング層との接合部における亀裂、空隙又
は電極の剥離等を防止することができる。
【0008】また、この波状の電極を接合する被加熱体
においては、その温度や使用用途に応じて、ガラスのみ
ならず、セラミック、プラスチック或いは金属の基板を
使用しても良いものである。
【0009】
【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明す
る。(1)はこの発明の実施例である、例えば、住宅や
オフィスの窓の他、業務用冷蔵庫の前面に配置されるガ
ラス扉をなすヒーター内蔵ガラス基板であり、このヒー
ター内蔵ガラス基板(1)は、例えば、熱線反射ガラ
ス、低放射ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、合わせ
ガラス、熱戦吸収ガラス等のガラスよりなるガラス基板
(2)と、このガラス基板(2)の表面において、ヒー
ターとして通電により発熱自在となる、例えば錫、金、
銀、インジウム、亜鉛、チタン等の金属酸化物である金
属薄膜のコーティング層(3)が一体に形成されている
ものであって、更にヒーターとして通電により発熱自在
となるコーティング層(3)に対して、例えば銀ペース
トや半田等の導電性固定部材(5)を介して電気を供給
するために接合される電極(4)から構成されるもので
ある。
【0010】そして、この発明の実施例であるヒーター
内蔵ガラス基板(1)において、通電により発熱自在と
なるコーティング層(3)に対して電気を供給する電極
(4)は、電源よりコード(6)で接続された銅あるい
は耐食性のある貴金属よりなり、例えばパルス状、正弦
波状、又は鋸切り歯状等のように伸縮自在となるように
波状電極(4)とした上で、その波状電極(4)の上端
側を、銀ペーストや半田等の導電性固定部材(5)より
も上方に突出させた突出部(4’)として一体に固持す
ると共に、焼成又は加熱することによって、上記波状電
極(4)と、ガラス基板(2)表面に一体に形成された
コーティング層(3)とを断続的に接合してなるもので
ある。
【0011】なお、上記ヒーターである、金属薄膜のコ
ーティング層(3)をその表面に一体に形成するガラス
基板(2)においては、上述したように、ガラスのみな
らず、使用用途や使用場所などに応じてセラミック、プ
ラスチック、金属を使用することができるものである。
【0012】この発明の実施例である、例えば、住宅や
オフィスの窓の他、業務用冷蔵庫の前面に配置されるヒ
ーター内蔵ガラス扉をなすヒーター内蔵ガラス基板
(1)において、このヒーター内蔵ガラス基板(1)を
構成するガラス基板(2)の表面に一体に形成される、
ヒーターである金属薄膜のコーティング層(3)に対し
て通電を行う波状電極(4)の接合構造は以上の構成を
具えることから、まずこのヒーター内蔵ガラス基板
(1)の製造工程において、ガラス基板(2)の表面に
一体に形成される、ヒーターである金属薄膜のコーティ
ング層(3)に対して銅あるいは耐食性のある貴金属よ
りなる波状電極(4)を、例えば銀ペーストや半田等の
導電性固定部材(5)により固定すると共に焼成するこ
とによって接合するべく加熱したときに、ガラス基板
(2)の表面に一体に形成されるヒーターとしての金属
薄膜のコーティング層(3)と、このヒーターとしての
金属薄膜のコーティング層(3)に対して電気を供給す
ることとなる波状電極(4)が有する線膨張率が相違す
ることに起因して、この波状電極(4)が膨張するよう
に大きく変形するものとなっても、波状電極(4)にお
いては、先ず波状電極(4)自体が、例えばパルス状、
正弦波状、又は鋸切り歯状等のように波状となっていて
伸縮性を有するものである上、例えば銀ペーストや半田
等の導電性固定部材(5)により固定すると共に焼成す
ることによってコーティング層(3)に接合するにあた
って、波状電極(4)の突出部(4’)を、導電性固定
部材(5)よりも上方に突出させつつ断続的に接合して
いることによって、その波状電極(4)自体の伸縮性が
確実に確保されるものとなるので、上記波状電極(4)
の金属薄膜のコーティング層(3)に対する焼成、接合
の際に起こる熱膨張による変形に基づく応力が、波状電
極(4)自体の有する伸縮性によって十分に吸収される
こととなり、波状電極(4)あるいはそれを固持する導
電性固定部材(5)と金属薄膜のコーティング層(3)
との接合部における亀裂、空隙の発生を防止することが
できるものである。
【0013】更に、製造工程時においては、ガラス基板
(2)の表面に一体に形成された金属薄膜のコーティン
グ層(3)に対する波状電極(4)の接合が正常に行わ
れたものであっても、室(庫)内環境を良好に維持すべ
く結露の除去の他、コールドドラフトやミキシングロス
現象を抑制するために、長期間の通電による発熱等を行
うことにより、ガラス基板(2)の表面に一体に形成さ
れた金属薄膜のコーティング層(3)と、この金属薄膜
のコーティング層(3)に導電性固定部材(5)によっ
て、その波状電極(4)の突出部(4’)を上方に突出
させつつ断続的に接合された波状電極(4)との間にお
いて、互いに接合されることとなる金属薄膜のコーティ
ング層(3)と波状電極(4)の有する線膨張率の相違
に起因して、波状電極(4)において膨張するように大
きな変形が起こりうる。しかしこの場合にも、導電性固
定部材(5)よりも上方に突出することで伸縮性を確保
した波状電極(4)の突出部(4’)が、上記波状電極
(4)の熱膨張に応じて適度に伸縮して、その波状電極
(4)に起こった熱膨張による変形に起因する応力の負
荷を吸収することとなるので、金属薄膜のコーティング
層(3)と波状電極(4)あるいはそれを固持する導電
性固定部材(5)との接合部における亀裂、空隙又は、
波状電極(4)の剥離等を防止することができるもので
もある。
【0014】尚、本実施例においては、住宅やオフィス
の窓の他、業務用冷蔵庫のガラス扉を前提としたため、
ヒーターとして通電により発熱自在となる金属薄膜のコ
ーティング層(3)によって加熱自在となる被加熱体を
ガラス基板(2)としたが、被加熱体はガラス素材に限
定されるものではなく、セラミックやプラスチック或い
は金属でもよく、又、その形状も基板というような板体
に限定されるものではなく、塊状のものであってもよ
い。
【0015】なお、上述したヒーター内蔵ガラス基板
(1)をからなる窓を、住宅やオフィスに使用した場合
には、長期間の使用によっても、ガラス基板(2)の表
面に一体に形成される、ヒーターである金属薄膜のコー
ティング層(3)に対して波状電極(4)を介しての通
電が、波状電極(4)の伸縮によって熱膨張率の差異に
よって発生する応力を吸収して波状電極(4)の剥離等
を防止して確実に確保されることとなるので、長期間に
わたっての耐久性を得ることができると共に、この安定
した耐久性によって、高湿度になりやすい住宅やオフィ
スでの結露を防止すると共に、ガラス窓際に発生しやす
いコールドドラフトの他、窓ガラスを通してくる熱貫流
によりミキシングロスをも抑制するために必要となる空
調機によるミキシングロスをも阻止して良好な室内環境
の実現と維持を可能とすることができるものである。
【0016】
【発明の効果】以上のとおり、線膨張率の異なる材質
間、例えばガラス基板の表面に一体に形成されたヒータ
ーであって、通電により発熱可能となる金属薄膜のコー
ティング層と、この金属薄膜のコーティング層に対して
電気を供給することとなる電極との接合において、電極
を、例えば、パルス状、正弦波状、又は鋸切り歯状等の
ように波状となっていて伸縮性を有するものとした上
で、導電性固定部材によってその波状電極の上端側を導
電性固定部材よりも上方に突出させつつ断続的に接合す
ることにより、製造工程時の焼成や加熱、又は長期間の
使用による発熱により、互いに接合される基板上に形成
されたコーティング層と波状電極の線膨張係数の相違に
起因して発生する、波状電極の膨張というような大きな
変形が起きても、上記波状電極において導電性固定部材
よりも上方に突出させている波状電極の突出部が伸縮す
ることによって、この波状電極に発生する熱膨張による
大きな変形によって生ずる応力を吸収することとなるの
で、金属薄膜のコーティング層と波状電極あるいはそれ
を固持する導電性固定部材との接合部における亀裂、空
隙又は、波状電極の剥離等を防止することができる優れ
た効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例であるヒーター内蔵ガラス基
板の全体斜視図である。
【図2】この発明の実施例であるヒーター内蔵ガラス基
板の波状電極の接合部における要部拡大断面図である。
【図3】この発明の実施例であるヒーター内蔵ガラス基
板の波状電極の接合部における変形例を示した図であ
る。
【符号の説明】
1 ヒーター内蔵ガラス基板 2 ガラス基板 3 (金属薄膜の)コーティング層 4 波状電極 4’ (波状電極の)突出部 5 導電性固定部材 6 コード
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/03 H05B 3/84 H05B 3/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱体の表面に一体に形成されること
    となる、通電により発熱自在となる金属薄膜のコーティ
    ング層の両端部において、電源に導通することとなる金
    属製の電極を波状とした上で、その波状となる電極の波
    状の上端側を上方に突出させつつ導電性固定材によって
    一体に固持すると共に、焼成又は加熱することによっ
    て、上記波状とした電極を導電性固定材を介してコーテ
    ィング層に対して断続的に接合してなる被加熱体におけ
    る電極の接合構造。
  2. 【請求項2】 被加熱体の表面に一体に形成されること
    となる、通電により発熱自在となる金属薄膜のコーティ
    ング層の両端部において、電源に導通することとなる金
    属製の電極を波状とした上で、その波状となる電極の波
    状の上端側を上方に突出させつつ導電性固定材によって
    一体に固持すると共に、焼成又は加熱することによっ
    て、上記波状とした電極を導電性固定材を介してコーテ
    ィング層に対して断続的に接合してなる被加熱体におけ
    る電極の接合構造を有する被加熱体。
  3. 【請求項3】 上記被加熱体を、ガラスのみならず、セ
    ラミック、プラスチック、金属の基板としてなる請求項
    2記載の被加熱体。
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