JP3380335B2 - 電線支持碍子 - Google Patents

電線支持碍子

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JP3380335B2
JP3380335B2 JP19331294A JP19331294A JP3380335B2 JP 3380335 B2 JP3380335 B2 JP 3380335B2 JP 19331294 A JP19331294 A JP 19331294A JP 19331294 A JP19331294 A JP 19331294A JP 3380335 B2 JP3380335 B2 JP 3380335B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、送電鉄塔等におい
て電線を支持するのに使用される電線支持碍子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】 従来、送電鉄塔において電線を支持す
る場合には、懸垂碍子を使用する懸垂吊り装置や、中実
支持碍子を使用する垂直支持装置が採用されている。懸
垂吊り装置においては、鉄塔の支持アームに懸垂碍子が
吊下状態で取り付けられ、その懸垂碍子の下端にクラン
プを介して電線が支持される。また、垂直支持装置にお
いては、鉄塔の支持アームに中実支持碍子が垂立状態で
取り付けられ、その支持碍子の上端に電線が支持され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 ところが、この従来
の懸垂吊り装置では、風や振動等の影響により、電線が
懸垂碍子の支持部分において同碍子とともに線路方向と
直交する方向に振れる。電線は鉄塔の支柱に対して所要
の絶縁間隔をおいて支持する必要があるが、電線が懸垂
碍子の支持部分において振れるような場合には、その振
れ幅を考慮して支持アームを長く設計する必要がある。
このため、鉄塔全体が幅方向において大型化し、鉄塔を
設置するための用地として広い用地が必要になり、不合
理であった。
【0004】さらに、電線は大地との間に所要の絶縁距
離をおいた高さに支持する必要があるが、この懸垂吊り
装置では、鉄塔上における支持アームの配置高さとし
て、その所要絶縁距離に懸垂碍子の吊下長を加えた分だ
け確保する必要がある。このため、その分支持アームの
配置高さが大きくなり、鉄塔全体が幅方向だけでなく高
さ方向においても大型化する。しかも、この懸垂吊り装
置では、懸垂碍子に電線を支持するためにクランプを必
要とするため、部品点数が多くなるとともに、電線の支
持作業が面倒であった。
【0005】一方、従来の垂直支持装置では、電線が中
実支持碍子の支持部分において振れることはないが、支
持碍子が支持アーム上に立設された棒状のものであるた
め、電線の振れ等に起因する荷重がその支持碍子に大き
な曲げモーメントとして作用し易い。従って、その曲げ
モーメントにより支持碍子には大きな曲げ応力が発生す
るというおそれがあった。
【0006】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その主たる
目的は、鉄塔上の支持アームの長さを短くすることがで
きるとともに、支持アームの配置高さを低くすることが
でき、延いては鉄塔全体を小型化することができる電線
支持碍子を提供することにある。
【0007】この発明のその他の目的は、自体の構造が
簡単で小型にすることができるとともに、クランプ等の
別の取付部材を必要とすることなく、電線を容易に支持
することができる電線支持碍子を提供することにある。
【0008】この発明のその上の目的は、電線の振れ等
により支持碍子に大きな曲げモーメントが作用すること
はなく、支持碍子に発生する曲げ応力を極力低減するこ
とができる電線支持碍子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ために、請求項1に記載の電線支持碍子では、鉄塔の支
持アームに取り付けられる取付部と、その取付部に一体
に形成された一対のフランジ部と、両フランジ部間に形
成された電線を支持するための支持溝とを備えたもので
ある。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の電線支持碍子において、前記取付部は鉄塔の支持ア
ームに嵌合するように筒状に形成され、両フランジ部は
取付部の外周に所定間隔をおいて形成されているもので
ある。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の電線支持碍子において、前記各フランジ部はそれら
の間隔が外周側に向かうに従って広くなるように形成さ
れているものである。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の電線支持碍子において、前記各フランジ部の表面に
環状の絶縁ひだ部を形成したものである。
【0013】
【作 用】 請求項1〜3に記載の発明においては、鉄
塔の支持アームに取付部を嵌合した状態で、その取付部
を止め具等の固定部材により支持アームに固定すれば、
支持碍子を支持アーム上に装着することができる。その
後、両フランジ部間の支持溝内に電線を挿入するだけ
で、クランプ等の取付部材を使用することなく、電線を
支持碍子に支持することができる。
【0014】この電線の支持状態においては、フランジ
部の両面に沿って支持碍子の絶縁距離が確保されるた
め、構造が簡単で小型な支持碍子であっても、電線を支
持アームに対して十分な絶縁状態に支持することができ
る。
【0015】また、この電線の支持状態においては、電
線が支持碍子の支持部分において線路方向と直交する方
向へ振れることはないので、電線を支持する支持アーム
の長さを設定するのに際して、電線の振れ幅を考慮する
必要がない。さらに、支持碍子は支持アームに吊下状態
で取り付けられるものではなく、しかも電線はその支持
碍子の両フランジ部間の支持溝内に支持されることによ
り、支持アームと比較的近接した位置に配置される。こ
のため、支持アームの配置高さを設定するのに際して、
支持碍子の吊下長を考慮するという必要もない。加え
て、電線の振れ等により支持碍子に大きな曲げモーメン
トが作用することもない。
【0016】請求項4に記載の発明においては、フラン
ジ部の表面積が大きくなるので、支持碍子の絶縁距離を
より稼ぐことができる。
【0017】
【実施例】 以下、この発明を具体化した電線支持碍子
の第1実施例を、図1〜図4に基づいて詳細に説明す
る。図4に実線で示すように、鉄塔1は一対の支柱1a
をもって大地2上に設置され、その所定高さ位置には四
角筒状の支持アーム3が水平に配設されている。複数の
支持碍子4は支持アーム3に所定間隔おきで取り付けら
れ、これらの支持碍子4上には電線5がそれぞれ支持さ
れる。
【0018】図1〜図3に示すように、前記支持碍子4
は磁器材料により一体に形成されている。この支持碍子
3の取付部6は筒状に形成され、その中心には支持アー
ム3に嵌合するための断面四角形状の嵌合孔7が形成さ
れている。一対のフランジ部8は取付部6の外周に所定
間隔をおいて対向形成され、各フランジ部8はそれらの
間隔が外周側に向かうに従って広くなるように漏斗状に
形成されている。支持溝9は両フランジ部8間において
取付部6の外周に形成され、フランジ部8の外周側に向
かって拡大開口されている。
【0019】第1パッキン10はゴム等の絶縁弾性材に
より四角筒状に形成され、前記嵌合孔7を支持アーム3
に嵌合して支持碍子4を支持アーム3に取り付ける際
に、嵌合孔7と支持アーム3との間に介装される。一対
の第2パッキン11はゴム等の絶縁弾性材により円板状
に形成され、支持碍子4を支持アーム3に取り付ける際
に、支持アーム3に嵌合して取付部6の両側面に接合さ
れる。
【0020】一対の止め具12は四角筒状の嵌合部12
aと円板状の接合部12bとを一体に形成してなり、前
記支持碍子4を支持アーム3に取り付ける際に、支持ア
ーム3に嵌合して取付部6の両側方に配置される。そし
て、この配置状態において、各止め具12の接合部12
bが、第2パッキン11を介して取付部6の両側面に接
合される。
【0021】一対のボルト13は前記各止め具12の嵌
合部12a及び支持アーム3の挿通孔14に挿通され、
それらの先端ネジ部にはナット15が螺合される。そし
て、これらのボルト13及びナット15の締め付けによ
り、両止め具12が支持アーム3に固定されて、支持碍
子4が支持アーム3上の所定位置に位置決め配置され
る。
【0022】一対の落下防止溝16は前記支持碍子4を
支持アーム3上に取り付けた状態で、両フランジ部8と
対応するように、支持アーム3の上面に所定間隔をおい
て形成されている。そして、支持碍子4の支持溝9に電
線5を支持した状態で、フランジ部8が万一破損した場
合、これらの落下防止溝16内に電線5を保持して、電
線5が支持アーム3上から落下するのを防止する。
【0023】さて、前記のように構成された電線支持碍
子を使用して、鉄塔1の支持アーム3に電線5を支持す
る場合には、まず支持碍子4の取付部6を支持アーム1
に嵌合する。そして、この取付部6を一対の止め具1
2、ボルト13及びナット15により、パッキン10,
11を介して支持アーム3に固定すれば、支持碍子4を
支持アーム3上に装着することができる。その後、両フ
ランジ部8間の支持溝9内に電線5を挿入すれば、支持
碍子4を介して支持アーム3上に電線5を支持すること
ができる。
【0024】この電線5の支持状態においては、電線5
から支持アーム3に至る支持碍子4の絶縁距離が、漏斗
形状のフランジ部8の両面に沿って十分に確保される。
そのため、この絶縁距離を有効に利用して、支持碍子4
の構造を簡略化することができるとともに、全体形状を
小型にすることができる。また、構造が簡単で小型の支
持碍子4にした場合でも、電線5を支持アーム3に対し
て十分な絶縁状態で支持することができる。
【0025】さらに、前記のように支持碍子4を支持ア
ーム3上に取り付けた状態においては、止め具12やボ
ルト13等の固定部材が、漏斗形状のフランジ部8内に
配置される。このため、取付構成を含めて支持碍子4の
軸線方向の長さを短くすることができる。しかも、支持
碍子4上に電線5を取り付ける際に、クランプ等の別の
取付部材を必要としないため、取付構成の部品点数を少
なくすることができるとともに、電線5を容易に支持す
ることができる。
【0026】また、この電線5の支持状態においては、
電線5が支持碍子4の支持部分において線路方向と直交
する方向へ振れることはない。従って、電線5を支持す
る支持アーム3の長さを設定するのに際して、電線5の
振れ幅を考慮する必要がなくて、支持アーム3の長さを
短くすることができる。
【0027】ちなみに、図4に鎖線で示すように、支持
アーム3に懸垂碍子20を介して電線5を支持した従来
の懸垂吊り装置では、支持アーム3上における懸垂碍子
20の取付間隔L1を、鉄塔1の支柱1aに対する電線
5の所要絶縁間隔S1と、電線5の振れ幅W1との合計
値の2倍に設定する必要があった。それに対して、図4
に実線で示すように、この実施例の支持碍子4を使用し
た場合には、支持アーム3上における支持碍子4の取付
間隔L2を、鉄塔1の支柱1aに対する電線5の所要絶
縁間隔S1の2倍に設定すればよい。
【0028】従って、この実施例によれば、支持碍子4
の取付間隔L2を従来の懸垂碍子20の取付間隔L1に
比較して、電線5の振れ幅W1の2倍の長さだけ短縮す
ることができる。このため、一対の支柱1aに支持され
た支持アーム3上に3個の支持碍子4を取り付けて、3
相の電線5を支持した場合には、支持アーム3の長さを
振れ幅W1の4倍分だけ短くすることができる。よっ
て、この実施例によれば、従来の懸垂吊り装置に比較し
て、鉄塔1全体を幅方向において小型化することがで
き、鉄塔1を設置するための用地の所要面積を小さくす
ることができる。
【0029】さらに、支持碍子4は支持アーム3に吊下
状態で取り付けられるものではなく、しかも電線5はそ
の支持碍子4の両フランジ部8間の支持溝9内に支持さ
れることにより、支持アーム3の上面と比較的近接して
配置される。このため、支持アーム3の配置高さを設定
するのに際して、支持碍子4の吊下長を考慮するという
必要もない。このため、この実施例の支持碍子4を使用
した場合には、支持アーム3の配置高さを小さくするこ
ともできる。
【0030】すなわち、図4に鎖線で示すように、従来
の懸垂吊り装置では、支持アーム3の配置高さH1を、
大地2に対する電線5の所要絶縁距離と懸垂碍子20の
吊下長h1との合計値に設定する必要があった。それに
対して、図4に実線で示すように、この実施例では支持
アーム3の配置高さH2を、大地2に対する電線5の所
要絶縁距離と同一に設定すればよく、従来の配置高さH
1に比較して、吊下長h1分だけ短縮することができ
る。従って、この実施例によれば、従来の懸垂吊り装置
に比較して、鉄塔1全体を幅方向だけでなく高さ方向に
おいても小型化することができる。
【0031】しかも、前述のように、電線5が支持アー
ム3の上面と比較的近接して配置されるので、電線5の
振れ等により支持碍子4に大きな曲げモーメントが作用
することはない。従って、支持碍子4に発生する曲げ応
力を極力低減することができる。
【0032】さらに、この実施例においては、支持碍子
4が支持アーム3に嵌合状態で取り付けられ、その支持
碍子4の支持溝9によって、電線5が支持アーム3上に
支持されている。このため、万一支持碍子4のフランジ
部8が破損した場合でも、電線5は直ちに落下すること
なく、支持アーム3上に一旦支持される。そして、この
支持アーム3上において、電線5は落下防止溝16に係
合して保持される。従って、簡単な落下防止構成であっ
ても、電線5の落下を確実に防止することができる。
【0033】
【別の実施例】 次に、この発明の別の実施例を図5及
び図6に基づいて説明する。まず、図5に示す第2実施
例においては、各フランジ部8の内面及び外面に、複数
の円環状の絶縁ひだ部21が所定間隔おきで同心状に形
成されている。このように絶縁ひだ部21を形成した場
合には、フランジ部8の表面積が大きくなるので、支持
碍子4の絶縁距離をより稼ぐことができて、碍子全体の
形状を一層小型にすることができる。また、絶縁ひだ部
21がリブの役目をなして、フランジ部8の強度が向上
する。
【0034】さらに、図6に示す第3実施例において
は、各フランジ部8の下部外周に、支持溝9内への電線
5の支持や絶縁距離に支障を来さない程度に、切欠凹所
22が形成されている。このように切欠凹所22を形成
した場合には、支持碍子4の重量を軽くして、支持アー
ム3に対する支持荷重を軽減することができる。
【0035】なお、この発明は前記実施例の構成に限定
されるものではなく、例えば、取付部6の形状や支持ア
ーム3に対する取付構成を適宜に変更したり、落下防止
溝16に代えて支持アーム3上に落下防止突起を形成す
る等、この発明の趣旨から逸脱しない範囲で、各部の構
成を任意に変更して具体化することも可能である。
【0036】
【発明の効果】 この発明は、以上説明したように構成
されているため、次のような効果を奏する。請求項1及
び請求項2に記載の発明によれば、電線の振れ及び碍子
の吊下長を考慮する必要がなくなり、鉄塔上の支持アー
ムの長さを短くすることができるとともに、支持アーム
の配置高さを低くすることができる。よって、鉄塔全体
を小型化して、鉄塔を設置するための用地の所要面積を
小さくすることができる。
【0037】また、碍子の絶縁距離を十分に確保するこ
とができて、自体の構造の簡素化及び形状の小型化を図
ることができる。加えて、電線を支持するためにクラン
プ等の別の取付部材を必要とせず、部品点数を少なくす
ることができるとともに、電線を容易に支持することが
できる。
【0038】しかも、電線の振れ等により支持碍子に大
きな曲げモーメントが作用することはなく、支持碍子に
発生する曲げ応力を極力低減することができる。請求項
2に記載の発明によれば、支持碍子が万一破損した場合
における電線の落下防止対策を、例えば支持アームに落
下防止溝を形成する等によって、容易に行うことができ
る。
【0039】請求項3に記載の発明によれば、碍子の絶
縁距離を長くすることができるとともに、取付部を支持
アームに固定するための止め具等の固定部材を、フラン
ジ部内に配置することができ、取付構成を含めて支持碍
子の軸線方向の長さを短くすることができる。
【0040】請求項4に記載の発明によれば、碍子の絶
縁距離をより稼ぐことができて、全体の形状を一層小型
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を具体化した電線支持碍子の第1実
施例を示す縦断面図である。
【図2】 図1のII−II線における断面図である。
【図3】 同じく電線支持碍子の斜視図である。
【図4】 この第1実施例の電線支持碍子を使用して電
線を支持した場合と、従来の懸垂碍子を使用して電線を
支持した場合とを比較して示す概略正面図である。
【図5】 この発明を具体化した電線支持碍子の第2実
施例を示す縦断面図である。
【図6】 同じくこの発明を具体化した電線支持碍子の
第3実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
1…鉄塔、3…支持アーム、4…支持碍子、5…電線、
6…取付部、8…フランジ部、9…支持溝、12…止め
具、13…ボルト、15…ナット、16…落下防止溝、
21…絶縁ひだ部。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄塔の支持アームに取り付けられる取付
    部と、その取付部に一体に形成された一対のフランジ部
    と、両フランジ部間に形成された電線を支持するための
    支持溝とを備えた電線支持碍子。
  2. 【請求項2】 前記取付部は鉄塔の支持アームに嵌合す
    るように筒状に形成され、両フランジ部は取付部の外周
    に所定間隔をおいて形成されている請求項1に記載の電
    線支持碍子。
  3. 【請求項3】 前記各フランジ部はそれらの間隔が外周
    側に向かうに従って広くなるように形成されている請求
    項2に記載の電線支持碍子。
  4. 【請求項4】 前記各フランジ部の表面に環状の絶縁ひ
    だ部を形成した請求項1に記載の電線支持碍子。
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