JP3389628B2 - テレフタル酸含有排水の処理方法 - Google Patents
テレフタル酸含有排水の処理方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテレフタル酸を含有する
排水を嫌気性処理してテレフタル酸を分解するテレフタ
ル酸含有排水の処理方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリエステル繊維やポリエステルフィル
ムの加工、製造工程などから排出される排水にはテレフ
タル酸およびエチレングリコールが主として含まれてい
る。例えば、ポリエステル繊維の水酸化ナトリウムによ
る加水分解工程から排出される排水には、通常BODが
100,000mg/l以上の高濃度で含有されてお
り、処理に多大な費用を要している。 【0003】このうちエチレングリコールは活性汚泥処
理等の好気性処理により容易に分解される。一方、テレ
フタル酸は活性汚泥処理により分解されるが、嫌気性処
理ではほとんど分解されない。テレフタル酸の嫌気性処
理についてはGuyot(Guyot J.P.,Ap
pl.Biochem.Biotechnol.,Vo
l.24/25,1990)により報告されているもの
の、テレフタル酸の嫌気性分解性は明確ではない。 【0004】このためテレフタル酸を含有する排水は、
通常活性汚泥処理により好気的に処理されている。しか
し活性汚泥処理では、テレフタル酸が難分解性であるた
め、糸状性バルキングが生じやすい。このため、排水の
濃度をBODが1,000mg/l付近になるまで希釈
し、BOD負荷量として0.5kg/m3・day以下
の低負荷で処理する必要があり、制御が困難である。ま
たポリエステル繊維やポリエステルフィルムの加工、製
造工程などから排出される排水中には、通常微生物の栄
養源となる窒素源やリン源が含まれていないので、これ
らの栄養源の添加が必要になる。さらに曝気用の電力
や、発生する余剰汚泥の処理コストが多大である。 【0005】一方特開平3−270799号には、テレ
フタル酸とエチレングリコールからポリエステルを製造
する工程から排出される排液を、強酸性カチオン交換樹
脂と接触させた後、活性汚泥処理するテレフタル酸含有
排水の処理方法が記載されている。しかしこの方法は好
気的に分解されない2−メチル−1,3−ジオキソラン
をイオン交換により除去した後活性汚泥処理する方法で
あり、嫌気性処理については言及されていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
活性汚泥処理による問題点を解決するため、テレフタル
酸を含有する排水を高負荷で、しかも低コストで処理で
きるテレフタル酸含有排水の処理方法を提案することで
ある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、テレフタル酸
を含む排水をオゾン処理した後、嫌気性細菌による嫌気
性処理を行うことを特徴とするテレフタル酸含有排水の
処理方法である。 【0008】本発明で処理の対象となる排水はテレフタ
ル酸を含む排水であり、エチレングリコールや他の有機
物を含有していてもよい。このような排水としては、ポ
リエステル繊維やポリエステルフィルムの加工、製造工
程などから排出される排水、例えばポリエステル繊維の
水酸化ナトリウムによる加水分解工程から排出される排
水などがあげられる。 【0009】テレフタル酸の嫌気性分解性について検討
した結果、テレフタル酸は嫌気性処理における毒性物質
でもなく、阻害性物質でもないことが明らかとなった。
それにもかかわらず嫌気性処理により分解されない理由
は、テレフタル酸はpH約5の酸性条件で水不溶性とな
って析出するため、嫌気性処理の有機酸生成反応が進行
して排水のpHが低下すると、テレフタル酸が析出して
溶解している量が少なくなり、このためメタン反応に移
行しないと推測される。 【0010】このため本発明ではテレフタル酸含有排水
を予めオゾン処理することにより、テレフタル酸を変性
させ、嫌気性分解性を改善する。まず、テレフタル酸水
溶液をオゾン処理した試験結果ついて説明する。 オゾン処理条件 処理サンプル;特級試薬のテレフタル酸を1,000m
g/lの濃度で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを10
に調整した溶液500ml オゾン発生機;日本オゾン(株)製 吹き込みオゾン量;2mg−O3/l、160ml/分 オゾン処理時間;8時間 【0011】上記条件でテレフタル酸水溶液をオゾン処
理した後、オゾン処理液の蒸発残分のIR分析、および
蒸発残分のエーテル、クロロホルム抽出物のGC/MS
分析を行った。これらのデータとテレフタル酸のデータ
とを比較した結果、IR分析ではオゾン処理液の蒸発残
分とテレフタル酸とでは異なったスペクトが得られ、オ
ゾン処理によりテレフタル酸が他の物質に転換したこと
が明らかとなった。またGC/MS分析の結果から、テ
レフタル酸は次の2種類の化合物と類似していることが
わかった。 ビス−(2−エチルヘキシル)フタレート ビ−n−オクチル−フタレ−ト 【0012】また上記オゾン処理したテレフタル酸溶液
をpH5以下に調整しても析出現象は認められなかっ
た。そしてオゾン処理したテレフタル酸水溶液を嫌気性
細菌により嫌気性処理したところ、メタンガスの発生が
認められた。なおIR分析の結果から、オゾン処理の代
りに空気を曝気しただけではテレフタル酸は他の物質に
転換しなかった。これらの結果から、テレフタル酸はオ
ゾン処理した後嫌気性処理することにより、分解、除去
できることが明らかとなった。 【0013】オゾン処理は排水をオゾンと接触させるこ
とにより行うことができる。接触方法としては、オゾン
処理槽にオゾンを吹き込むなどの方法が採用できる。オ
ゾン処理は排水中にテレフタル酸が析出しないpH5以
上で行うのが好ましい。オゾンとしては、オゾンの他、
オゾン含有空気、オゾン化空気などが使用できる。 【0014】オゾン処理は処理液のpHを5未満にして
もテレフタル酸が析出しなくなるまで行うのが好まし
く、テレフタル酸の含有量に応じて、オゾン吹き込み量
や処理時間を適宜選択して行う。一応の目安として、オ
ゾン濃度1wt%のオゾン含有ガスを、オゾン処理槽に
容量当り5m3−O3ガス/m3−処理槽/時間で吹き込
み、接触時間8時間以内で、オゾン処理水のpHを5未
満にしてもテレフタル酸が析出しない範囲内に、接触時
間や吹き込みガス量を調整する。オゾン処理により排水
中のテレフタル酸は分解し、嫌気嫌気性処理により分解
されやすい物質に転換する。 【0015】本発明の方法では、上記オゾン処理液を嫌
気性細菌により嫌気性処理する。オゾン処理を高pHで
行った場合は、嫌気性処理に適したpH4〜9程度にな
るように調整する。嫌気性処理により、排水中のテレフ
タル酸やエチレングリコール、その他の有機物は大部分
が分解、除去される。 【0016】嫌気性処理は嫌気性細菌の作用により嫌気
性下に有機物を分解する処理方法であり、酸生成菌によ
る酸発酵工程とメタン生成菌によるメタン発酵工程を同
時にまたは別々に行い、有機物をメタンおよび二酸化炭
素に分解する方法である。このような嫌気性処理方法と
しては、固形物と溶解性有機物を同時に処理する嫌気性
消化法でもよいが、固形物を分離し、溶解性有機物のみ
を高負荷で処理する固定床法、流動床法、UASB(上
向流スラッジブランケット)法等の高負荷嫌気性処理法
が好ましい。また処理方式としては酸発酵とメタン発酵
とを一つの発酵槽で行う一相方式、または酸発酵とメタ
ン発酵とを別々の発酵槽で行う二相方式のいずれを採用
してもよい。 【0017】嫌気性処理の条件は採用する方法により異
なるが、通常pH6〜8、温度25〜39℃、滞留時間
4時間〜3日間、嫌気性汚泥濃度10,000〜40,
000mg−VSS/l、負荷量1〜15kg−BOD
/m3・day、CODcr負荷2〜30kg−COD
cr/m3・dayとするのが好ましい。 【0018】嫌気性処理液は、残留した有機物を分解す
るため、さらに活性汚泥処理などの好気性処理その他の
後処理を行うことができる。この場合、後処理はより残
留有機物の少ない処理水を得るために行うものなので、
標準活性汚泥法の他、接触酸化や生物濾過等の生物膜方
式などが採用できる。 【0019】本発明の方法は嫌気性処理によりテレフタ
ル酸を分解、除去するので、従来の活性汚泥により処理
する方法に比べて次の点で優れている。 1)高負荷で処理できるので、処理装置が小型化でき、
設置面積が減少する。 2)余剰汚泥の発生量を大幅に低減できる。 3)栄養源として添加する窒素およびリンの量を大幅に
低減できる。 4)嫌気性処理により有機物の大部分が除去できるの
で、後処理として活性汚泥処理しても、バルキングが生
じない。 【0020】 【実施例】次に本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明のテレフタル酸含有排水の処理方法を
示す流れ図であり、嫌気性処理に引き続いて活性汚泥処
理する場合を示している。図において1はオゾン処理
槽、2は嫌気性処理装置、3は活性汚泥処理装置、4は
オゾン発生機である。 【0021】図1の装置により原水を処理するには、原
水をオゾン処理槽1に導入し、オゾン発生機4で発生さ
せたオゾン含有空気と接触させてオゾン処理し、テレフ
タル酸を他の物質に転換する。オゾン処理液は嫌気性処
理装置2に導入し、嫌気性細菌により嫌気性処理してテ
レフタル酸の転換物質やその他の有機物を分解除去す
る。嫌気性処理液は活性汚泥処理装置3に導入し、好気
性処理して残存する有機物を分解する。好気性処理した
処理液は処理水として排出する。このような処理におい
てはオゾン処理槽1から排出される排オゾンは活性汚泥
処理装置3に導入して排オゾン処理を行ってもよい。 【0022】このように嫌気性処理の前処理として原水
をオゾン処理することにより、テレフタル酸は嫌気性処
理可能な物質に転換し、これを嫌気性処理することによ
りテレフタル酸を簡単に効率よく分解、除去できる。ま
た直接活性汚泥処理する場合に比べて有機物含量の高い
原水を処理できるので、高負荷での運転が可能である。
なお図1では嫌気性処理に引き続き活性汚泥処理する例
を示したが、この活性汚泥処理は省略することができ
る。 【0023】試験例1 図1の装置によりテレフタル酸含有排水を次のようにし
て処理した。原水としては、ポリエステルの加工工程か
ら排出されるpH13、BOD 104,000mg/
l、TOC 48,100mg/lのエチレングリコー
ルとテレフタル酸がTOC濃度として約1/1の比で含
有されている高濃度排水を、水道水で10倍に希釈した
液を用いた。 【0024】オゾン処理は、オゾン注入量が20mg/
l−原水となるように、1wt%オゾン含有空気を原水
5 literに160ml/分の速度で吹き込み、8時間処
理した。オゾン処理後、pHを5以下にしても析出しな
いことを確認した後、塩酸でpHを7付近に調整した。
次に窒素源として尿素を100mg/l、リン源として
リン酸を20mg/lの濃度で添加し、嫌気性処理、活
性汚泥処理と一連の処理フローで処理した。 【0025】嫌気性処理は、反応槽容量5 literの嫌気
性処理装置を用い、UASB方式で行った。UASB反
応槽内液のpHは7付近、水温は35℃付近に調整し
た。処理条件は、UASB反応槽内の嫌気性汚泥濃度4
0,000mg−VSS/l、滞留時間24時間、負荷
量10.4kg−BOD/m3・dayとした。活性汚
泥処理は、嫌気性処理液を曝気槽容量2 liter、活性汚
泥濃度4,300−VSS/lの活性汚泥処理装置で、
滞留時間4時間の条件で行った。嫌気性処理および活性
汚泥処理は連続運転で、嫌気性処理は25日間、活性汚
泥処理は10日間の運転期間とした。オゾン処理は毎日
同条件で行った。運転結果を表1に示す。 【0026】 【表1】【0027】表1から、オゾン処理により原水のTOC
およびBODの濃度はほとんど変化しないが、TOCの
85%、BODの97%が嫌気性処理で分解処理された
ことがわかる。従って、活性汚泥処理への流入水のBO
Dは、原水のわずか3%程度の341mg/lとなっ
た。活性汚泥処理の曝気槽の滞留時間は4時間であり、
平均のBOD負荷量は2kg/m3・dayと一般的な
従来法の活性汚泥の負荷量の2倍以上であったが、処理
は良好であった。また活性汚泥の沈降性は良好であり、
汚泥濃度平均4,300mg/lでSVは平均46%
(SVI=106)と、糸状の細菌が増殖する傾向は認
められなかった。 【0028】 【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、テレフタ
ル酸含有排水をオゾン処理した後、嫌気性処理するよう
にしたので、嫌気性分解性の小さいテレフタル酸を嫌気
性処理により高負荷で、かつ低コストで分解、除去する
ことができる。
排水を嫌気性処理してテレフタル酸を分解するテレフタ
ル酸含有排水の処理方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリエステル繊維やポリエステルフィル
ムの加工、製造工程などから排出される排水にはテレフ
タル酸およびエチレングリコールが主として含まれてい
る。例えば、ポリエステル繊維の水酸化ナトリウムによ
る加水分解工程から排出される排水には、通常BODが
100,000mg/l以上の高濃度で含有されてお
り、処理に多大な費用を要している。 【0003】このうちエチレングリコールは活性汚泥処
理等の好気性処理により容易に分解される。一方、テレ
フタル酸は活性汚泥処理により分解されるが、嫌気性処
理ではほとんど分解されない。テレフタル酸の嫌気性処
理についてはGuyot(Guyot J.P.,Ap
pl.Biochem.Biotechnol.,Vo
l.24/25,1990)により報告されているもの
の、テレフタル酸の嫌気性分解性は明確ではない。 【0004】このためテレフタル酸を含有する排水は、
通常活性汚泥処理により好気的に処理されている。しか
し活性汚泥処理では、テレフタル酸が難分解性であるた
め、糸状性バルキングが生じやすい。このため、排水の
濃度をBODが1,000mg/l付近になるまで希釈
し、BOD負荷量として0.5kg/m3・day以下
の低負荷で処理する必要があり、制御が困難である。ま
たポリエステル繊維やポリエステルフィルムの加工、製
造工程などから排出される排水中には、通常微生物の栄
養源となる窒素源やリン源が含まれていないので、これ
らの栄養源の添加が必要になる。さらに曝気用の電力
や、発生する余剰汚泥の処理コストが多大である。 【0005】一方特開平3−270799号には、テレ
フタル酸とエチレングリコールからポリエステルを製造
する工程から排出される排液を、強酸性カチオン交換樹
脂と接触させた後、活性汚泥処理するテレフタル酸含有
排水の処理方法が記載されている。しかしこの方法は好
気的に分解されない2−メチル−1,3−ジオキソラン
をイオン交換により除去した後活性汚泥処理する方法で
あり、嫌気性処理については言及されていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
活性汚泥処理による問題点を解決するため、テレフタル
酸を含有する排水を高負荷で、しかも低コストで処理で
きるテレフタル酸含有排水の処理方法を提案することで
ある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、テレフタル酸
を含む排水をオゾン処理した後、嫌気性細菌による嫌気
性処理を行うことを特徴とするテレフタル酸含有排水の
処理方法である。 【0008】本発明で処理の対象となる排水はテレフタ
ル酸を含む排水であり、エチレングリコールや他の有機
物を含有していてもよい。このような排水としては、ポ
リエステル繊維やポリエステルフィルムの加工、製造工
程などから排出される排水、例えばポリエステル繊維の
水酸化ナトリウムによる加水分解工程から排出される排
水などがあげられる。 【0009】テレフタル酸の嫌気性分解性について検討
した結果、テレフタル酸は嫌気性処理における毒性物質
でもなく、阻害性物質でもないことが明らかとなった。
それにもかかわらず嫌気性処理により分解されない理由
は、テレフタル酸はpH約5の酸性条件で水不溶性とな
って析出するため、嫌気性処理の有機酸生成反応が進行
して排水のpHが低下すると、テレフタル酸が析出して
溶解している量が少なくなり、このためメタン反応に移
行しないと推測される。 【0010】このため本発明ではテレフタル酸含有排水
を予めオゾン処理することにより、テレフタル酸を変性
させ、嫌気性分解性を改善する。まず、テレフタル酸水
溶液をオゾン処理した試験結果ついて説明する。 オゾン処理条件 処理サンプル;特級試薬のテレフタル酸を1,000m
g/lの濃度で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを10
に調整した溶液500ml オゾン発生機;日本オゾン(株)製 吹き込みオゾン量;2mg−O3/l、160ml/分 オゾン処理時間;8時間 【0011】上記条件でテレフタル酸水溶液をオゾン処
理した後、オゾン処理液の蒸発残分のIR分析、および
蒸発残分のエーテル、クロロホルム抽出物のGC/MS
分析を行った。これらのデータとテレフタル酸のデータ
とを比較した結果、IR分析ではオゾン処理液の蒸発残
分とテレフタル酸とでは異なったスペクトが得られ、オ
ゾン処理によりテレフタル酸が他の物質に転換したこと
が明らかとなった。またGC/MS分析の結果から、テ
レフタル酸は次の2種類の化合物と類似していることが
わかった。 ビス−(2−エチルヘキシル)フタレート ビ−n−オクチル−フタレ−ト 【0012】また上記オゾン処理したテレフタル酸溶液
をpH5以下に調整しても析出現象は認められなかっ
た。そしてオゾン処理したテレフタル酸水溶液を嫌気性
細菌により嫌気性処理したところ、メタンガスの発生が
認められた。なおIR分析の結果から、オゾン処理の代
りに空気を曝気しただけではテレフタル酸は他の物質に
転換しなかった。これらの結果から、テレフタル酸はオ
ゾン処理した後嫌気性処理することにより、分解、除去
できることが明らかとなった。 【0013】オゾン処理は排水をオゾンと接触させるこ
とにより行うことができる。接触方法としては、オゾン
処理槽にオゾンを吹き込むなどの方法が採用できる。オ
ゾン処理は排水中にテレフタル酸が析出しないpH5以
上で行うのが好ましい。オゾンとしては、オゾンの他、
オゾン含有空気、オゾン化空気などが使用できる。 【0014】オゾン処理は処理液のpHを5未満にして
もテレフタル酸が析出しなくなるまで行うのが好まし
く、テレフタル酸の含有量に応じて、オゾン吹き込み量
や処理時間を適宜選択して行う。一応の目安として、オ
ゾン濃度1wt%のオゾン含有ガスを、オゾン処理槽に
容量当り5m3−O3ガス/m3−処理槽/時間で吹き込
み、接触時間8時間以内で、オゾン処理水のpHを5未
満にしてもテレフタル酸が析出しない範囲内に、接触時
間や吹き込みガス量を調整する。オゾン処理により排水
中のテレフタル酸は分解し、嫌気嫌気性処理により分解
されやすい物質に転換する。 【0015】本発明の方法では、上記オゾン処理液を嫌
気性細菌により嫌気性処理する。オゾン処理を高pHで
行った場合は、嫌気性処理に適したpH4〜9程度にな
るように調整する。嫌気性処理により、排水中のテレフ
タル酸やエチレングリコール、その他の有機物は大部分
が分解、除去される。 【0016】嫌気性処理は嫌気性細菌の作用により嫌気
性下に有機物を分解する処理方法であり、酸生成菌によ
る酸発酵工程とメタン生成菌によるメタン発酵工程を同
時にまたは別々に行い、有機物をメタンおよび二酸化炭
素に分解する方法である。このような嫌気性処理方法と
しては、固形物と溶解性有機物を同時に処理する嫌気性
消化法でもよいが、固形物を分離し、溶解性有機物のみ
を高負荷で処理する固定床法、流動床法、UASB(上
向流スラッジブランケット)法等の高負荷嫌気性処理法
が好ましい。また処理方式としては酸発酵とメタン発酵
とを一つの発酵槽で行う一相方式、または酸発酵とメタ
ン発酵とを別々の発酵槽で行う二相方式のいずれを採用
してもよい。 【0017】嫌気性処理の条件は採用する方法により異
なるが、通常pH6〜8、温度25〜39℃、滞留時間
4時間〜3日間、嫌気性汚泥濃度10,000〜40,
000mg−VSS/l、負荷量1〜15kg−BOD
/m3・day、CODcr負荷2〜30kg−COD
cr/m3・dayとするのが好ましい。 【0018】嫌気性処理液は、残留した有機物を分解す
るため、さらに活性汚泥処理などの好気性処理その他の
後処理を行うことができる。この場合、後処理はより残
留有機物の少ない処理水を得るために行うものなので、
標準活性汚泥法の他、接触酸化や生物濾過等の生物膜方
式などが採用できる。 【0019】本発明の方法は嫌気性処理によりテレフタ
ル酸を分解、除去するので、従来の活性汚泥により処理
する方法に比べて次の点で優れている。 1)高負荷で処理できるので、処理装置が小型化でき、
設置面積が減少する。 2)余剰汚泥の発生量を大幅に低減できる。 3)栄養源として添加する窒素およびリンの量を大幅に
低減できる。 4)嫌気性処理により有機物の大部分が除去できるの
で、後処理として活性汚泥処理しても、バルキングが生
じない。 【0020】 【実施例】次に本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明のテレフタル酸含有排水の処理方法を
示す流れ図であり、嫌気性処理に引き続いて活性汚泥処
理する場合を示している。図において1はオゾン処理
槽、2は嫌気性処理装置、3は活性汚泥処理装置、4は
オゾン発生機である。 【0021】図1の装置により原水を処理するには、原
水をオゾン処理槽1に導入し、オゾン発生機4で発生さ
せたオゾン含有空気と接触させてオゾン処理し、テレフ
タル酸を他の物質に転換する。オゾン処理液は嫌気性処
理装置2に導入し、嫌気性細菌により嫌気性処理してテ
レフタル酸の転換物質やその他の有機物を分解除去す
る。嫌気性処理液は活性汚泥処理装置3に導入し、好気
性処理して残存する有機物を分解する。好気性処理した
処理液は処理水として排出する。このような処理におい
てはオゾン処理槽1から排出される排オゾンは活性汚泥
処理装置3に導入して排オゾン処理を行ってもよい。 【0022】このように嫌気性処理の前処理として原水
をオゾン処理することにより、テレフタル酸は嫌気性処
理可能な物質に転換し、これを嫌気性処理することによ
りテレフタル酸を簡単に効率よく分解、除去できる。ま
た直接活性汚泥処理する場合に比べて有機物含量の高い
原水を処理できるので、高負荷での運転が可能である。
なお図1では嫌気性処理に引き続き活性汚泥処理する例
を示したが、この活性汚泥処理は省略することができ
る。 【0023】試験例1 図1の装置によりテレフタル酸含有排水を次のようにし
て処理した。原水としては、ポリエステルの加工工程か
ら排出されるpH13、BOD 104,000mg/
l、TOC 48,100mg/lのエチレングリコー
ルとテレフタル酸がTOC濃度として約1/1の比で含
有されている高濃度排水を、水道水で10倍に希釈した
液を用いた。 【0024】オゾン処理は、オゾン注入量が20mg/
l−原水となるように、1wt%オゾン含有空気を原水
5 literに160ml/分の速度で吹き込み、8時間処
理した。オゾン処理後、pHを5以下にしても析出しな
いことを確認した後、塩酸でpHを7付近に調整した。
次に窒素源として尿素を100mg/l、リン源として
リン酸を20mg/lの濃度で添加し、嫌気性処理、活
性汚泥処理と一連の処理フローで処理した。 【0025】嫌気性処理は、反応槽容量5 literの嫌気
性処理装置を用い、UASB方式で行った。UASB反
応槽内液のpHは7付近、水温は35℃付近に調整し
た。処理条件は、UASB反応槽内の嫌気性汚泥濃度4
0,000mg−VSS/l、滞留時間24時間、負荷
量10.4kg−BOD/m3・dayとした。活性汚
泥処理は、嫌気性処理液を曝気槽容量2 liter、活性汚
泥濃度4,300−VSS/lの活性汚泥処理装置で、
滞留時間4時間の条件で行った。嫌気性処理および活性
汚泥処理は連続運転で、嫌気性処理は25日間、活性汚
泥処理は10日間の運転期間とした。オゾン処理は毎日
同条件で行った。運転結果を表1に示す。 【0026】 【表1】【0027】表1から、オゾン処理により原水のTOC
およびBODの濃度はほとんど変化しないが、TOCの
85%、BODの97%が嫌気性処理で分解処理された
ことがわかる。従って、活性汚泥処理への流入水のBO
Dは、原水のわずか3%程度の341mg/lとなっ
た。活性汚泥処理の曝気槽の滞留時間は4時間であり、
平均のBOD負荷量は2kg/m3・dayと一般的な
従来法の活性汚泥の負荷量の2倍以上であったが、処理
は良好であった。また活性汚泥の沈降性は良好であり、
汚泥濃度平均4,300mg/lでSVは平均46%
(SVI=106)と、糸状の細菌が増殖する傾向は認
められなかった。 【0028】 【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、テレフタ
ル酸含有排水をオゾン処理した後、嫌気性処理するよう
にしたので、嫌気性分解性の小さいテレフタル酸を嫌気
性処理により高負荷で、かつ低コストで分解、除去する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテレフタル酸含有排水の処理方法を示
す流れ図である。 【符号の説明】 1 オゾン処理槽 2 嫌気性処理装置 3 活性汚泥処理装置 4 オゾン発生機
す流れ図である。 【符号の説明】 1 オゾン処理槽 2 嫌気性処理装置 3 活性汚泥処理装置 4 オゾン発生機
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−254575(JP,A)
特開 昭60−31895(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C02F 3/28
C02F 1/78
WPI(DIALOG)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 テレフタル酸を含む排水をオゾン処理し
た後、嫌気性細菌による嫌気性処理を行うことを特徴と
するテレフタル酸含有排水の処理方法。
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| JP6407993A JP3389628B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | テレフタル酸含有排水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP6407993A JP3389628B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | テレフタル酸含有排水の処理方法 |
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ID=13247728
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP6407993A Expired - Fee Related JP3389628B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | テレフタル酸含有排水の処理方法 |
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-
1993
- 1993-03-23 JP JP6407993A patent/JP3389628B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
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| JPH06269797A (ja) | 1994-09-27 |
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